2008年読んで印象に残った本まとめ

 N響の「第九」も観終わり、2008年ももうすぐ終わりです。今年も沢山の本を読んできました。今年読んで強く印象に残った本をまとめリストアップしつつ、読んだ感想やその本にまつわるエピソードなど、今年を振り返りたいと思います。ランキングではないので、印象に残った本の冊数も設定していません。



天文学者はロマンティストか? -知られざるその仕事と素顔
 今年は、私にとって天文・宇宙関係で大きく発展した年でした。天文学に関する講座や星空観望会に参加したり、そこから新しい仲間が出来たり。天文・宇宙の楽しみ方が一気に広がりました。自分が楽しくだけじゃなく、興味を持ったことについてこのブログで記事にしたり、体験したことを友人に話して紹介したり。この本で「天文学はみんなの科学」という言葉が出てきたが、まさにそれを実感した一年でした。天文・宇宙・科学への興味が、私たちの心、文化を豊かにしてくれる。来年は「世界天文年」に、夏には話題の皆既日食も。宇宙と人々、私たちの文化がもっと近くなればいいなと思っています。
 関連して、「すばる」望遠鏡建設ノンフィクション「宇宙の果てまで」と、天文部青春漫画「宙のまにまに」5巻も挙げておきます。


科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集
 先述の本に関連して、寺田寅彦のエッセイも印象に残りました。身近なものや、日常のちょっとした出来事から、科学を考える。科学だけじゃなくて、芸術や、夏目漱石を師に文学にも興味を持つ。自分の専門分野は勿論のこと、それに囚われず、広い心で世界を見つめ、興味を持って"面白がる"。寅彦の考え方・生き方は、私にとって理想です。来年はもっと寅彦のエッセイを読みたい。


はじめての<超ひも>理論 宇宙・時間・力の謎を解く
 今年、印象に残った科学関連のニュースと言えば、日本人のノーベル賞受賞。研究が発表されてから受賞までの時間や、日本でのノーベル賞の取り上げ方、受賞者へのマスコミの対応など問題視されていることもあるようですが、私はノーベル賞がきっかけでこれまで科学に興味を持ったことが無かった人も興味を持つきっかけになる点はいいなと思っています。私自身、素粒子論もたんぱく質についてもよく知らなかった。
 物理学賞の素粒子論を学ぶのにちょうど良かったのがこの本。「超ひも理論」の本ですが、これまでの素粒子物理学の研究がどう進んできたのか、その歴史も書かれています。難しそう…と一度は読むのを挫折しましたが、南部陽一郎博士やリチャード・ファインマンの名前が出てくるのに気づいて再読。ゆっくりと素粒子物理学をかじることが出来ました。難しいことも、まずは読んでみる、やってみる。それが大事なんだなとも感じた本でした。


風が強く吹いている
 次は小説。今年読んだ小説の中で一番印象に残っているのがこれ。何かを追求することとは、その過程で「強く」なるとはどういうことか。とても考えさせられた。登場人物…アオタケメンバーや藤岡さんの言葉の一つひとつが胸に響いてくる。真面目な話だけじゃなく、大学生のドタバタ劇も。笑って、泣いて、とにかく楽しめた本でした。
 原作と一緒にコミック版もよろしく。こっちも読むのが楽しいです。


ドリトル先生航海記
 今年一気読みしたドリトル先生シリーズ。子どもの頃に読んだことが無く、大人になって初めて読んだのですがとても面白かった。「航海記」のワクワクの大冒険。月3部作のSFの世界。紳士で何事にも真摯なドリトル先生と、個性豊かな動物たち。シリーズの中から1作を選べと言われても、どれも面白くて選べません。強いて選ぶなら、「航海記」かな。波乱万丈の人(鳥)生を送るカナリア女優・ピピネラの半生を描く「緑のカナリア」も面白いし、「楽しい家」の短編集も捨てがたい。ちなみに、好きなキャラはスズメのチープサイドと、探偵犬クリング。本当に、片言でもいいから動物の言葉が理解出来たらなぁ。


音楽のたのしみ1 音楽とはなんだろう
 フランスのラジオ番組から生まれたクラシック音楽本。「ドリトル先生」は井伏鱒二の訳が欠かせないが、このシリーズは吉田秀和の訳が不可欠だと思う。作曲家のロラン氏と、ピアニストのナディア嬢の会話のテンポが読みやすい。ユーモアに溢れ、まさにラジオを聞いているかのよう。わからないことや、難しいことに対して恥じることなく質問を投げかけるナディア嬢が私の立場に立ってくれる。こんな楽しい音楽専門書を読んだのは初めてだ。
 この本も、読む前は難しそう…と思っていた。読んでみないとわからない。最終巻・4巻のオペラ編をまだ読んでいなかった。また、ロラン氏とナディア嬢の容赦ない会話が読みたい。楽しみだ。


白夜の旅
 探し回って、ようやく手に入れた東山魁夷の北欧旅行記。魁夷の紡ぐ言葉が好きだ。そう再確認した本です。
 そして、魁夷の旅行に対する言葉にも学ぶものがあった。真実を見つめることは難しい。出来る限り真実を見つめたいとは思うけど、なかなか出来ない時もある。そんな時は割り切って、その時点での正直に感じたこと…ポジティブなこともネガティブなことも表現すればいい。もう二度とその土地に行くことができなかったとしても、旅はそこで終わりではないのだから。そう感じた。


月をめざした二人の科学者 アポロとスプートニクの軌跡
 アメリカのフォン・ブラウン、ソ連のコロリョフの2人のロケット科学者の生涯と、両国の宇宙開発競争の歴史について描いた本。2人について知らないこともあって読むのも楽しかったのですが、様々なネタを織り交ぜて記事を書くのも楽しかったですw
 今年、日本にとって宇宙開発は大きな転換期を迎えた年になりました。ISS「きぼう」建設スタート。当時の米ソのようなエネルギー(予算であれ、国力であれ、宇宙開発にかける国の熱意であれ)は無いけれど、フォン・ブラウンやコロリョフの熱意を継ぐ科学者・エンジニアたちがこれからの宇宙開発を引っ張っていくんだろうな。来年も全力で応援します。

 ところで話はずれるのですが、今日の「ドラえもん」SPの無重力のお話がやけにリアルで爆笑しっぱなしでした。重力って無いと大変なものなんだよね…。2月からいよいよ長期滞在が始まる若田飛行士も登場。楽しみです。


沼地のある森を抜けて
 つい最近読んだ本ですが、圧倒された本でした。読めば読むほど、物語の世界に引き込まれる。徐々にスケールを増すストーリーに、様々な可能性を感じました。ぬか床が題材というのもユニーク。まさに「その発想は無かった」。




 以上です。2009年はどんな本に出会えるかな。ジャンルにとらわれず、どんどん読みたい。読みたいと思っている本や、積読本は山のようにある。ああ、楽しみでならない。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください。当ブログを読んでくださった皆様、ありがとうございました。
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by halca-kaukana057 | 2008-12-31 22:53 | 本・読書


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