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きらめくピアノの響き ヤナーチェク・ピアノ作品集

 「シンフォニエッタ」に続くヤナーチェクシリーズ第2弾。今回はピアノ曲です。私が持っているピアノ楽譜「ピアノ名曲120選 中級編」(音楽の友社)にヤナーチェクの「おやすみ(Dobrou noc!)」という作品が収められている。ちょうどシベリウス「樅の木」の前のページにあったので、気になっていた。その「おやすみ」が入っている「組曲 草陰の小径にて」第1集をようやく聴くことができた。

 まず「おやすみ」。タタタタ、タタタタという余韻のある音が、夜空のきらめく星みたい。こんな曲です。


 私が聴いたのはヤナーチェクの作品を頻繁に演奏しているピアニスト・沢由紀子さんの演奏。この動画よりももっと音がキラキラして、余韻のある響きにうっとりしてしまった。夜寝る前にはぴったりだ。この曲、もともとはハルモニウムのために作曲されたらしい。ハルモニウムで演奏したら、どんな響きになるんだろう。聴いてみたい。それと…せっかく楽譜を持っているのだから、いつか演奏できたらいいな。弾きたい曲リストに追加か?

 この「草陰の小径にて」、それから同じアルバムに収められていた「ピアノソナタ 1905年10月1日 路上で」。どちらも響きに引き込まれた。メロディーよりも、響きに。バルトークなどの近代東欧作品はそれまでの様式とは異なる響きが魅力だと思っているのだが、このヤナーチェクのピアノ作品もそうだと思う。ただ、このピアノ作品は、例えば「シンフォニエッタ」のような次にどんな音がするのかワクワクする感じよりも、落ち着いている。優しくて、きらめいている。ほの暗いところもあるけれども、絶望的な音というわけではない。

 「ピアノソナタ 1905年10月1日 路上で」、この作品を聴いている頃はちょうど昨年の体調が悪かった頃だった。この作品、何故タイトルに「1905年10月1日」と年月日が付いているのだろう?と思って調べてみたら、
「ブルノのチェコ語大学への支持を訴えるデモが行なわれる中で、10月5日に武力に斃された労働者フランティシェーク・パヴリーク(František Pavlík)への追悼作品として構想された。」
Wikipedia:ピアノソナタ(ヤナーチェク)
という理由なのだそうだ。そのため、寂しく暗い曲なのだが、その時の体調と晩秋~初冬の季節感に合って、聴いていてとても気に入った。この作品も響きに注目してしまう。時に荒々しく、時に穏やかに。ますますヤナーチェク作品に夢中になった。好きな作曲家・作品が増えると、とても嬉しくなる

 残念ながらこの沢由紀子さんのCDは廃盤との事。とても素敵な演奏なのに…。
HMV:ヤナーチェク Piano Works:沢 由紀子

【追記】
 コメント欄のRoseさんからの情報です。「日本ヤナーチェク友の会」HPでこのCDの一部が試聴できます。また、このHPで販売もしているそうです。情報ありがとうございます。
日本ヤナーチェク友の会:沢由紀子 ヤナーチェク/ピアノ曲集
by halca-kaukana057 | 2009-02-02 22:14 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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