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宇宙兄弟 5

 現実の宇宙飛行士候補者選抜試験は終了しましたが、こちらはまだ続いています。

宇宙兄弟 5
小山 宙哉/講談社・モーニングKC/2009

 14日間の閉鎖環境試験最終日、いよいよ最後の課題である「宇宙飛行士にふさわしいと思える者を2人選ぶこと」に取り組むムッタたち。誰が選ばれてもおかしくない。選び方に悩むA班のメンバーたち。悩みぬいたムッタは、ある方法を提案する。その方法に驚きつつも納得し、最後の2人を決める。選ばれたのは…。そして、ムッタは…。


 最後にして最大の課題「自分たちで2人を選べ」。それに対してムッタの出した答えに私も納得した。"劣っている"者を切り落としても、それは"ある基準"でのもの。ムッタの「誰が一番強いか答えを知ってる奴いるか?」(20ページ)この一言の重さ。グッと来ました。イザというところで、ムッタは本当にカッコいい、人を納得させることを言う。それにしてもA班は和気藹々とした、いいチームでした。2人が決まっても、このチームの仲はずっと続いていくんだろうな。

 先に進む者と去る者に別れても、宇宙を想う気持ちは変わらない。そんなエピソードが続く41話、43話、44話はとても感慨深く、読後爽やかでした。たとえ落ちても、今は宇宙飛行士になれなくても、宇宙への夢は終わらない。また新しい道が開けた3人の、前途に幸いがあるように…。今後、また何らかの形で登場するといいなぁ。ここで終わってしまうには、残念すぎる3人だもの。

 一方ムッタ。最後のチャンスをつかみました。日々人の打ち上げも迫っている。日々人にも、色々抱えているものがあることも判明。まず、宇宙飛行士になっても、それがゴールではないこと。寧ろ宇宙飛行士になってからがスタートで、新たな目標が次々と生まれる。「ムッちゃんが思ってるほど 俺もムッちゃんも大差ねえぞ。俺らは2人ともまだ―宇宙へ向かっている途中だ」(99~100ページ)この日々人の言葉にも納得。そしてもう一つ、同じ日本人宇宙飛行士の吾妻の存在。先輩でありながら先を越してしまった吾妻に対して、複雑な想いを抱えている日々人。この吾妻が鍵を握るかも知れないムッタの今後。どうなるか…。南波兄弟ならきっと仲良くやれる方法を編み出すとは思うが、心配なところです。

 ムッタの最終面接と、日々人の月への打ち上げの行方は6巻で。今回もネット限定オマケ「ラクガキマンガ」も公開中。世のサンタさんは本当に大変ですよね…。
モーニング:宇宙兄弟
 このページの「ラクガキマンガ」をクリック。筑波宇宙センターで体験できる宇宙飛行士訓練体験レポもあるよ。
by halca-kaukana057 | 2009-03-29 21:47 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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