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宙のまにまに 6

 祝☆アニメ化!
7月からアニメも放送される「宙のまにまに」。6巻は夏の合宿です。


宙のまにまに 6
柏原 麻実/講談社・アフタヌーンKC/2009

 美星・朔たち天文部に2度目の夏がやってきた。姫は七夕まつりで朔と一緒にいられるように奮闘する。そして夏合宿。高天ネット合同合宿で、反射望遠鏡の主鏡を磨いて手作りする望遠鏡研磨会に参加することに。うまくいけば、2台目の望遠鏡を確保できると張り切る美星。一方、朔はひとりある悩みを抱えていた…。


 メインは夏合宿、望遠鏡研磨会。反射望遠鏡って手作りできるんだ…と興味深く読みました。しかも反射望遠鏡の主鏡を手作りする。板ガラスをひたすら磨いて、凹面にするのだ。作業内容を読むと、とても大変そう。でも、自分で一から作った望遠鏡って、いいなぁ。自分の手で一歩一歩宇宙へ近づいていける。いいなぁ。

 そんな合宿中に悩む朔。3年になり、進路のことを考えなくてはならなくなった美星や、3年でなくても既に(漠然とではあるが)考え始めている天文部員たちを見て、自分はどうするべきか迷う。好きなものはあるが、決めなければいけないことが押し寄せてくる。「好き」の気持ちだけで進んでいいのか。周囲はどんどん進んでいて、自分だけ取り残されているようで不安になる…。そんな朔の気持ちがよくわかる。自分の場合は、決めていてもそれを貫き通せなかったという後悔の気持ちなのだが。以前、4巻の感想で、美星はもっと自分の内面にある辛さや哀しみを表現してもいいんじゃないかと思ったのだが、朔にも似ているところがある。自己の内面(とりわけ辛さや哀しみ、悩みや迷い)をあまり外に出さない。美星は明るく楽天的、朔は物静かという違いはあるが、2人は実は似ているのかもしれないと感じた。だから、幼い頃の朔は美星にあまりいいイメージを抱いておらず、さらに途中離れ離れになったが、現在は一緒にいられるのではないか。

 合宿の途中、息抜きに出かけた野辺山宇宙電波観測所。私の憧れの場所であります。電波望遠鏡のパラボラアンテナがいっぱい!一度は行ってみたい、パラボラアンテナ群をこの目で見たい!!と思っている場所です。くあー、いいなぁ。しかも野辺山は空気が澄んでいて、星もきれいに見られるんだろうな。昼は観測所の見学、夜は星空観望なんて出来たら最高だ。いつかやってみたい。

 この6巻を読んでいると、私も何度か天文方面に進みたいと思ったことがあったなぁと10代を懐かしく思い出しました。数学がダメなので理系は諦めたのです…。でも今、趣味で天文やってますが、今は今で楽しいよ。以前、「天文はアマチュアでもプロと肩を並べることが出来る学問」と聞いたことがある。アマチュアでも彗星や超新星を次々と発見したり、とてつもなく美しい天体写真を撮影したり。プロでもアマでも「宇宙に近づきたい」「宇宙の謎を解き明かしたい」という想いは一緒。天文のそんなところが大好きです。

 ひと夏で一気に成長した朔。今後も楽しみです。

*****

 アニメは7月から放送です。公式サイトによると、「チバテレビほかU局」で放送だそうです。…民放深夜アニメはほぼ全滅の地方に住む私は、観られないことがほぼ確定しましたorz DVDを待つか、あまりいい方法ではないけれど動画サイトで観るしかないな…。
「宙のまにまに」公式サイト
by halca-kaukana057 | 2009-04-28 22:03 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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