”人間”を投影する、機械以上の存在 「ロボットと美術」展

 少し前の話で、賞味期限切れな気もするのですが、色々と強く感じたことがあるので、やっぱり書いておきます。青森県立美術館で開催されていた「ロボットと美術」展に行ってきました。ロボットというと、人それぞれ色々なイメージを持ちますが、美術館でロボットの展示?ロボットと美術の関係?面白そうなので、行ってきました。

青森県立美術館:ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ

ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ 公式サイト


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いつもの真っ白な建物が見えてきました。青空に映えます。
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青森県立美術館のこの建築が好き過ぎる!!もう外から観ているだけでたまらない!
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エントランスのあたりの曲線も魅力です。

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入り口→
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入ると、こんなロボットくんが。可愛い。(ここまでは撮影可でした)


 「ロボット」は、ご存知の通りカレル・チャペックの戯曲「R.U.R」でその言葉と概念が生まれました。しかし、それ以前からも動く”ひとがた”、ロボットのようなモチーフはギリシアやローマなどの神話や伝承などに数多く登場していました。展示にはなかったのですが、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」にもそんな部分があります。鍛治屋のイルマリネンのがポホヨラの娘と結婚したが、妻はその後事故で死んでしまう。(実際、この事故は、奴隷としてイルマリネンの家に送り込まれたクッレルヴォに意地悪をしたため、クッレルヴォが怒って狼とクマを牛に変え、その世話をしようとした妻が襲われて死んだ…という込み入ったお話です)。その妻が死んで嘆き悲しむイルマリネンは金と銀でで妻を作るが、勿論動かず。抱いて寝ても冷たい…というかなしいお話があります。というのを、展示を見ながら思い出しました。日本でも、かなり古くからロボットのようなモチーフがあったことに驚きました。江戸時代のからくり人形はその代表例ですね。

 ロボットの概念が日本にやってきたのは、1920~30年代。科学だけでなく、文学、美術、演劇にも影響を及ぼしました。簡略化された人を描いた絵も、ロボットの影響を受けているというのに驚き。機械の一部をテキスタイルとした「ロシア・アヴァンギャルド期のデザイン画」にも興味を持ちました。ロボット=モダンで先進的なイメージがあった。それを文化の面でも受け入れていたことが、日本人がロボットに親しみを持つようになったひとつの理由なのかもしれないと感じました。

 そして、戦後、日本ではロボットは独自の文化の中で大きく発展します。「鉄腕アトム」「鉄人28号」に始まるロボットアニメ。…私、ロボットアニメにはあまり詳しくありません。「ガンダム」も「マクロス」も「エヴァンゲリオン」もほとんど観ていません。でも、ロボットが日本のサブカルチャーにとって欠かせないものであることは強く伝わってきました。ボーカロイド「初音ミク」も。ミクの歌は、ニコニコ動画などで親しんでいるので、こちらは親しみを持って観ることができました。また、会場では3分程度のオリジナルアニメも上映されていました。近未来、少女とバイク型ロボットの物語。台詞はほとんどなく、アニメと音楽のみ。なのに、各シーンでの想いや言葉が伝わってくる、いいアニメでした。

 最近の例で言うと、小惑星探査機「はやぶさ」も人型ではありませんが自律航行ができるのでロボットと言えます(実際そのように説明されています)。会場で観たロボットたちも、「はやぶさ」もただの機械でしかないのに、それ以上のもの…言葉や感情を込めてしまう。私たちにとって、ロボットは「機械」以上の存在であることには間違いない。まだ「アトム」や「ドラえもん」のようなロボットが開発されるのは先の話ではありますが、確実にその日は近づいてきている。実際開発され、上映されていたアニメのようにロボットと人間が心を交わすようになったら、私たちの生活や機械に対する意識は一変するだろう。技術そのものも。

 ロボットという存在が、「人間」がどんな存在であるか、「人間」・「感情」そのものを投影し、何なのかを教えてくれているように感じた展覧会でした。でも、そのロボットを作り出したのは人間。不思議なものだなぁ。



 展示を観た後、アレコホールでシャガールの舞台背景画「アレコ」を観る…落ち着きます。ホールの中央にはソファが置いてあるのですが、そのソファに座ってボーっと「アレコ」を眺めるのが好きです。また、ミュージアムショップでは物欲をそそられる素敵なものがいっぱい。さらに、学芸員さんのユニフォームが、皆川明さんデザインのブランド「ミナ・ペルホネン」だったことに今回気が付きました(2009年1月から。気づくの遅い!w)。もうこの美術館、好き過ぎる…!

 「ロボットと美術」展は、今日から静岡県立美術館、11月20日からは島根県立石見美術館でも開催。お近くの方は是非どうぞ!
 twitterもあります。最新情報などをツイートしているので、こちらもどうぞ:twitter:ロボットと美術展
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by halca-kaukana057 | 2010-09-18 22:07 | 興味を持ったものいろいろ


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