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木造の路地を通って 「世界ふれあい街歩き」ノルウェー・ベルゲン編

 先日再放送されていたNHK「世界ふれあい街歩き」ノルウェー・ベルゲン編の録画をようやく観ました(遅い)。ベルゲンといえば、作曲家グリーグが住んだ町。グリーグの家”トロルドハウゲン”にいつか行ってみたい…と思ってはいるのですが、グリーグ以外にベルゲンには何があるのだろう。どんな街なのだろう。そんな思いで観ました。

NHK:世界ふれあい街歩き:ベルゲン~ノルウェー~

 ベルゲンはヴァイキングの時代からの港町。その後も、13世紀末、ハンザ同盟の四大重要都市として発展し、港には世界遺産でもある「ブリッゲン」と呼ばれる事務所・倉庫群が建設されました。カラフルな三角屋根の建物…観たことある。これはベルゲンにあったのか。「ブリッゲン」は木造建築。ヴァイキングたちは木を加工して船を造り、世界各地の海へ乗り込んでゆきましたが、その後もノルウェーの人々にとって木は大事で身近な資源だったのか。同じヨーロッパでも南の方では石やレンガを使いますが、北欧では木を使った建築などのものが多い。フィンランドでも同じく。ヨーロッパも広いなと感じました。

 今でも、ベルゲンに住む人々は木の家に住んでいる。そのメンテナンスも欠かさない。家にペンキを塗っている人が出てきましたが、ベルゲンではペンキ塗り屋さんに任せず、自分の家のペンキは自分で塗るのだそう。自分のことは自分でする。木の家に住むところは日本と似ていますが、こんな違いを見つけると楽しいものです。ベルゲンの人々は、ペンキ塗りが巧いのだろうなぁ。

 また、「ブリッゲン」の建物と建物の隙間の路地が気になりました。何度も火災を経験しているので、スプリンクラー設備があったり、奥のほうにはアパートがあったり。番組でも言っていましたが、平面に見えるけど実は奥が深く複雑なブリッゲン。その路地の佇まいに見入ってしまいました。船の甲板のような木の板が奥まで張られていて、階段があちらこちらにある。のぼってみると、誰かが住んでいたり、別の建物へと繋がっていたり迷路みたい。表向きはカラフルで、歴史を伝える世界遺産。でも、その奥には誰かが住んでいて、人の暮らしがある。以前、奈良の法隆寺に行った時、法隆寺のすぐそばにも住宅地があり、「世界遺産のすぐそばにも人が住んでいて、暮らしているんだ…」と感じました。それと同じことを、ブリッゲンにも感じました。ブリッゲンの歴史は約700年前で止まったわけではない。今も続いている。ハンザ同盟はなくなり、ノルウェーの国もベルゲンの街も変わってしまったけれども、人々は今もベルゲンで海とともに暮らしている。世界遺産として保存するのも大事だけど、博物館の展示物のようにガラスケースの中に入れておくのではなく、人々の暮らしの中で守りながらその歴史を残し、伝えてゆく。そんな姿勢を感じました。

 どこの国の街でも、勿論私が住んでいる土地でも、路地には惹かれます。建物と建物の隙間にある暗く細い道。何があるかわからないからこそ惹かれる。路地はロマンです。

 ベルゲンにはフロイエン山があり、そこも人の住む場所となっている。山へ向かうケーブルカーで毎日幼稚園に通うこどもたちを観て、私もいいなーと思ってしまいました。そのフロイエン山の展望台には、ケーブルカーでなくても、歩いても行ける。番組ではぶらぶらと歩きながら登っていっていました。坂道ばかりで、本当に大変そう。

 また、ベルゲンはフィヨルド観光の拠点。フィヨルドの迫力は凄いのだろうな。そして、グリーグの家・トロルドハウゲンも出てきました!しかも、グリーグ愛用のピアノで「トロルドハウゲンの婚礼の日」(「叙情小曲集」第8巻第6曲 op.65-6)を演奏したのだからたまったものじゃない。最高です!やっぱりいいなぁ、トロルドハウゲン…。

 取材した時期は白夜の季節だったので、夜遅くになってもなかなか日が暮れない。白夜…本当に不思議です。夜になっても闇が訪れない。一度体験してみたいものです。ちなみに、白夜は星も見えない。…高緯度地方に住む天文ファンは白夜の季節はどうするのだろうと疑問に思います。反対に、冬は昼間でも暗いので星が観られるのか。ただ、寒いので、防寒対策と観測機材の管理が大変そうだ…。

 歴史と、その中で続いてゆく人々の暮らし。そんなことを感じたベルゲン編でした。再放送ありがとう…(初回放送は2005年。勿論見逃したというより、番組の存在を知りませんでした。本当にありがたい。)
by halca-kaukana057 | 2010-10-11 22:41 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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