宇宙兄弟 14

 またしても、発売日からかなり経ってしまいましたが、「宇宙兄弟」14巻です。週刊誌は単行本が出るペースが速いです…。(前にも言ったような)


宇宙兄弟 14
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2011

 宇宙飛行士室長のバトラーに呼び出された六太。1年半後のミッションの、バックアップクルー候補に挙がったのだ。しかし、そのミッションは月ではなく、ISS.月とISSでは訓練内容は全く異なり、ISSクルーとして宇宙飛行をしても、それから月ミッションの訓練をするのは”遠回り”になってしまう。シャロンとの約束…月面望遠鏡の建設ミッションに関わることを願い、月を目標にしている六太は悩むが、バックアップクルーを辞退し、ISSでの新薬開発を目標にしているせりかを推薦する。その後、せりかがISSミッションのバックアップクルーに決定する。その一方で、六太はビンスに呼び出され、ある場所に連れてこられる。そこは、月面バギーの開発・改良をしている部署だった。六太はそこで、研修することを命じられる…。


 T-38での訓練で、宇宙飛行士として一気に成長したムッタ。そのムッタに宇宙飛行のチャンス到来!と思いきや、月ミッションではなく、ISSミッション。この作品では、ISSも運用続行中、月有人ミッションも進めているという設定。ただ宇宙に行く・宇宙飛行をするのが”宇宙飛行士”ではない。ISSや月で仕事・ミッションを遂行するのが”宇宙飛行士”。そして、この作品の設定では、ISSと月の2つの舞台がある。地球軌道上の実験室か、38万km離れた、重力が地球の6分の1の天体か。環境が違えば、訓練内容も全く異なってくる。これまで、現実の宇宙開発の舞台は大体1つだった。米ソ有人宇宙飛行レースの頃は地球軌道上、アポロ計画なら月。スペースシャトルも地球軌道上だが、ミッション内容がシャトル内での科学実験か、ISS建設かで異なってくる。ISS長期滞在だとまた異なる。
 ムッタが目指すは月。シャロンとの約束、日々人が行った月に、自分も行きたい。ここでISSを選んだら遠回りになってしまう。そこで辞退を選んだが…待っていたのは、左遷とも思える部署での研修。案内をするビンスさんの言葉が、とても重かった。優秀な教官であるビンスさんでさえ、月には行けていない…。

 ムッタの新たな仕事は、月面バギーの改良をすること。事故を起こした日々人とダミアンが乗っていたバギーを、月面のクレーターに落ちないようなものにすること。予算や、重量の制約があり、そう簡単にはいかない。でも、そこを何とかしてしまうのが、南波兄弟。ムッタが今回もやってくれました。自動車会社に勤務し、元自動車エンジニアだった経験と、その時に開発案を出したあるアイディアをフル活用。さらに、格段に進歩した月面科学探査の力も借りる。ここで、嬉しくなりました。ムッタ、本当に凄いよ。

 宇宙飛行士は、軌道上では何でもしなくてはならない。現在、ISS長期滞在中の古川聡宇宙飛行士も、元々は医師であるけれども、技術・エンジニア的なこともしなくてはならず、訓練で苦労したと仰っていました。自分のバックグラウンド、これまで専門としてきたことと、分野外のこと。これまでの専門分野はフル活用して、専門外のことも一通り習得し、活用できるようにする。宇宙飛行士の”器用さ”、”臨機応変さ”には驚くばかりです。

 一方、月から帰還し、しばらく経った日々人。月面での事故の影響が…。楽天家でいつも飄々としている日々人が、まさかこんなことを抱えてしまうなんて…。日々人自身が、それをよくわかっているのかなと感じました。だからこそ、抱え込んでしまうのか、と。そんな日々人の抱えていることを聞き、優しく認めるシャロンさん。本当にこの作品で、特に南波兄弟にとって、シャロンさんの存在は心強く、優しく包み込んでくれる存在。そのシャロンさんも、進行し続ける病気と闘っている。139話は本当に切なくなりました。今まで当たり前にあったもの、出来たことが、遠ざかってゆく。自分のものではなくなってしまう。このかなしさ。それでも、皆、何かと闘い、向き合い、前に進もうとしている。望んだ未来を見るために。

 更に、バトラー室長に月ミッションに加わりたいことを熱くアピールするために、ムッタが取ったある作戦。ムッタ、またも決めてくれました、が…。変なオチになってしまうのが、ムッタの平常運用wバトラー室長だけでなく、せりかさんへのメッセージも残念な結果に…。あーあ…w

 さて、最後のページ。再びビンスさんに呼び出されたムッタ。ムッタの今後はどうなる。そして、日々人は…。

・13巻宇宙兄弟 13


*****

 出版社も掲載雑誌も全く異なり、一緒の記事にしていいか悩んだのですが、宇宙もの漫画としてのくくりで。ご存知少年誌「ジャンプ」にて、新しい宇宙もの漫画がスタートしました。

集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com:連載作品情報|『ST&RS-スターズ-』
 原作:竹内良輔、漫画:ミヨカワ将。
 現在、3話目かな?2話まで読みました。「ジャンプ」、いや、少年漫画誌自体を読むのが久々です。2035年、火星で会いましょう…という異星人からのメッセージを受け取った人類は、火星を目指して宇宙開発を続ける。時は2033年。宇宙オタクの男子中学生・真帆は、火星を目指し、宇宙学校を受験する…というあらすじです。
 結構面白いです。宇宙学校というと「ふたつのスピカ」を連想しますが、「スピカ」のものとは少し違う感じです。時代背景、目指すものも異なります。主人公・真帆は、宇宙飛行士よりも軌道工学方面に進んだ方がいいんじゃないのかとw、1話を読んで感じました。今後が楽しみです。でも、「ジャンプ」で連載は大変そうだなぁ…。月刊誌向きな内容とも感じます。
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by halca-kaukana057 | 2011-07-18 22:31 | 本・読書


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