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続 お医者さん宇宙飛行士・古川さん、宇宙から帰る ~無重量から帰還して、どうなった

 先日、無事に国際宇宙ステーション(ISS)から帰還した古川聡宇宙飛行士。古川さんの地上でのツイートが始まりました!以下、引用します。

おかげさまで無事帰還しました。応援ありがとうございました。
 posted at 2011.11.26 09:35:08

昨日11月24日はアメリカでは感謝祭でした。私にとっては、応援してくれた全ての皆さんに感謝する日でもありました。では、帰還後の身体の変化について簡単にご報告します。
 posted at 2011.11.26 09:37:12

地球帰還当日、気分は最高だが身体はまるで軟体動物のよう。身体の重心がどこだか全く分からず、立っていられない、歩けない。平衡感覚がわからず、下を見ると頭がくらくらして気分が悪くなる。歩くつもりで足を出すが、太腿が思っているほど上がっておらずつまずく。
 posted at 2011.11.26 09:40:29

ドクターの観点から。重力は、耳の奥にある前庭という部分で感知される。前庭がすっかり無重量環境に慣れてしまったため、再び重力に適応するための過程だったのであろう。
 posted at 2011.11.27 08:04:47

無重量環境では、自分の脚の重さを考えないでよいので、わずかな力で脚を上げることができた。地上でも脳は、わずかに脚の筋肉を動かすことで歩けると判断して指令を出した。しかし、地上では太腿はほとんど上がっておらずつまずきやすかったものと推測。
 posted at 2011.11.27 08:07:10

着陸当日の続き。とにかく身体、特に頭が重い。頭の存在を強く意識し、首の筋肉を使って頭を支えているという感覚が強くある。
 posted at 2011.11.28 10:07:40

寝ていても座っていても、おしりなど身体の重みが一番かかる下になっている部分がとても痛い。なんとかしてって感じ。
 posted at 2011.11.28 10:10:11

物の重さが、宇宙へ行く前の感覚の2倍くらいに感じる(紙、鉛筆、手帳、携帯電話など)。
 posted at 2011.11.28 10:26:49

ベッドに寝て天井を見ていると、天井の物を取りに行くには、ベッドのここをこのくらい押せばうまく飛んでいける、などと考えている自分がいる。
 posted at 2011.11.28 10:27:42

帰還日+1日目。朝から下を向いても気持ち悪くなくなった。身体はまだ重く、やわらかい椅子に5分間座っていただけでおしりが痛くなる。だいぶ普通に歩けるようになった。無重量でなくなったしわがしっかり戻っているのを鏡で確認。
 posted at 2011.11.29 12:02:39

帰還日+2日目。おしりの痛みはまだ続いているが、座っていられる時間がだいぶ延びた。地上での生活に戻りつつある自分を感じる。
 posted at 2011.11.29 12:04:45

やっと、お湯のたまった風呂に入った。最高!連日にわたるリハビリの疲れが和らぐ。それは大変有効だが体育会系で、毎日部活をやっているみたいだから。
 posted at 2011.11.29 12:09:18

twitter:古川聡(@Astro_Satoshi)より


 立って歩けない、くらくらして気分が悪くなる、座っていてもお尻が痛い…とても辛いのだなぁと思いつつも、とても興味深く読んでいます。座るのも痛い・辛いなんて。お医者さんとして、辛い・痛いけれども身体の変化を客観的にみて言葉にしている。無重量から1Gの世界に戻ってきて、身体がどう動くか、どんなことをするのが辛いか、動かしにくいところはどこか。さらに、帰還して日にちが経つにつれ、慣れてゆく過程も書かれていて、本当に興味深いです。ISSでも、骨粗鬆症などの医学実験に、古川さんご自身の身体を実験台にして取り組んでいましたが、帰還してからも古川さんがご自身の身体で感じたことを、辛くても私たちに伝えてくれている。ありがたいなぁと思います。念願のお風呂に入ったツイートは、私も嬉しくなりました。日本人はやっぱりお風呂ですね。あと、無重量ではしわは無くなるのか…。そうか、しわは重力のせいなんだ…(何か違う?w

 頭などの身体の部分そのものの重さを感じ、動きにくいと感じる。これは、私も昨年腕の手術を受け、術後にリハビリを開始した時に感じました。2週間ほど三角巾で吊っていた腕を、三角巾を外して動かそうとしても、重く感じて動かせない。手を上に上げようとしても、重くて上げられない。腕がこんなに重いものだったなんて!!そして、少しの間動かさなかっただけで、こんなに筋力が落ちてしまうなんて!!そう感じました。私のリハビリはその後、順調に進み今は問題なく動きますが、手術した部位や年齢によって、さらに辛いリハビリを受けなくてはならない人もいる。そのような人々が、もっと楽に、出来るだけ早く治って社会復帰できるためにも、古川さんの経験とその分析は役に立つと思っています。

 そういえば、”お医者さん宇宙飛行士”の先輩である向井千秋さんも、旦那様の向井万起男さんの著書「続・君について行こう 女房が宇宙を飛んだ」で、宇宙から帰還後、紙一枚にも重さを感じたり、車に乗る時頭から突っ込んでいってしまったりした経験が書かれていました。そして、徐々に身体が1Gに慣れていくのが残念だ、と。こちらも興味深い内容でした。

 古川さんの帰還後ツイートはまだまだ続く模様です。人間の身体が無重量でどう変化し、1Gに戻ったらどうなるか。今後も楽しみに読みたいです。
by halca-kaukana057 | 2011-11-29 21:12 | 宇宙・天文

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