星をさがす

 このブログには、これまで記事を書いたことのないタイプの本です。でも、どこかで繋がっているんです。


星をさがす
石井ゆかり/WAVE出版/2012

 まず、タイトルから天文関係の本かな?と思いますが、星占い・占星術の本です。書店でも、占い本のコーナーにありました(他の書店でも)。でも、「星をさがす」というタイトル。どういうこと…?この本、星占いと天文・星空観望を融合させている本なんです。

 天文学と星占い・占星術。星を扱うことに変わりはないけれども、科学か占いか。全く違うもののように感じます。でも、やはり、星を扱うのに変わりはない、とこの本を読む前からも、今も感じています。

 私が宇宙天文に興味を持ったきっかけ…と聞かれたら、思い出せない。気がついたら、興味を持っていた。小学生の頃は星座の本を愛読していた。と同時に、星占いの本も読んでいた。もしかすると、自分の生まれ星座(山羊座)の星占いから、じゃぁ「やぎ座」ってどんな星座なんだ?と疑問を持ち、天文学としての星座に興味を持って星座の本を読むようになった…のかもしれない(何故記憶が無いんだ)

【*注意】
 ちなみに、この本でもそうなのですが、天文学上での星座の名前はひらがな、もしくはカタカナで表記されるルールです。星占いで用いられる星座と、天文学上での星座は、「歳差運動」のため現在ではズレが生じています。この区別をつけるためにも、天文学上での星座はひらがな・カタカナ表記で、占いでの星座は漢字表記で書きます。


 天文学に親しむようになった今でも、新聞やテレビ、雑誌などにある星占いは読んでしまいます。特に、新しい年の初めや、重要なイベントがある時、苦しい状況に陥っている時など。ただ、あくまで占いであり、いくつかの星占いを見ると内容が全然違うことばかりなので、参考にする程度です。「~に気をつけて」とあれば、ちょっと注意しよう、とか。そんな星占いの中で、この本の著者・石井ゆかりさんの”星読み”は、よく読みます。石井さんの”星読み”内容は、詩的で様々に解釈できてしまうので、わかる時とよくわからない時があったり。でも、それでいいのかなと思っています。

 そんな石井さんによる、この本。「星に願いをかけるとしたら、どの星に願えばいいのか」という疑問から、それぞれの生まれ星座の「自分の星」を紹介し、その星のキーワードを解説、更に実際に夜空で観てみよう、探してみよう、という本です。星空観望、星・星座の探し方、特徴など天文に関しては、天文雑誌「星ナビ」(アストロアーツ)編集部が監修。それぞれの星・星座が、いつ、どの方角に、どうやったら見つけられるのかの探し方ガイドもわかり易く書かれています。見事な天文と、星占いの融合です。

 考えてみれば、今ある88星座の原形が生まれたのは、古代バビロニア。星座の数は少なく(南半球でしか観られない星座は大航海時代に生まれた)、現在の星座とは姿や形が全く異なるものもあります。星の並びから星座を作り、遊牧や農耕の目印に…いわばカレンダーにしていた(有名なのが古代エジプトでのシリウス)。また、その星の並びに、神々や動物を投影し、それが古代ギリシアに伝わって、今の星座物語となった。天文学としての星・星座と、星占いの星座の源流は同じ。ただ、それを科学で捉えるか、何か違う解釈をするか、何か思いを投影するか。それによって、星空は違った姿に見えるのだから不思議だ。

 この本で紹介される「自分の星」。恒星と惑星に分けて紹介されています。月は満ち欠けも。更に、月食・日食も。勿論、ここでも天文学としての解説もやさしく、しっかりとあります。

 ただ、惑星を望遠鏡で観ることに関して、望遠鏡のスペックについても少しは書いて欲しかったなと思います。望遠鏡にもピンからキリまである。口径の大きさによって、見え方が違う。水星・金星・火星・木星・土星はまだ肉眼でも観やすく、小口径(5cm程度)の望遠鏡でも楽しめますが、天王星・海王星ともなると肉眼では見えない、口径大きめ(20cm以上)の望遠鏡が必要。冥王星となると、公開天文台にある口径30cm以上の望遠鏡でもぼんやりと見える、ぐらい…。
 双眼鏡に関しては、天体観測に適しているのは「7×50」双眼鏡。口径が50mmで倍率7倍の双眼鏡という意味です。持ち運びも楽、サッと出してすぐに観測出来る。月のクレーターも、木星のガリレオ衛星も見えます。
 あくまで、星占いに星空観望も加わった本なので、仕方ないといえば仕方ないのですが…。

 でも、もし、これまで星占いに興味はあったけど、実際に星空を観た、「自分の星」を星空で観たことが無い、この機会に観てみたい、と思う方がいれば、嬉しいなぁと思います。探してみたけどよくわからない…場合も、各地の科学館・プラネタリウム・公開天文台で専門家による解説のついた観望会が行われているので、参加してみるのがおすすめです。場合によっては大口径の望遠鏡で惑星なども観られます。

 また、「おわりに」を読んで、星占いの本当に意味にも気づかされました。いい未来に期待するためのものではない、今を生きるためのものではないかと。

 こういう本が、あって欲しかったなぁと思っていました。

 星空観望、天文学について、もっと詳しく知るためのガイドが巻末にありますが、最後に私のおすすめを。
天文・星座関連オススメ書まとめ
 以前に書いた記事。特に、「星座の神話―星座史と星名の意味」(原 恵)と、野尻抱影の本は全力でおすすめします。どちらも、天文学と神話、文学や民俗学などが融合している本です。


 ちなみに、私は山羊座だと上で書きましたが、その山羊座の星のひとつが…こと座の一等星・ベガ(織姫星)だった(「自分の星」は黄道上にある星だけじゃないんです)。こと座は、オルフェウスの竪琴の星座物語が大好きですし、このブログの読者であれば、ベガが何を意味しているのか、お分かりですよね。凄く嬉しかったですw
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by halca-kaukana057 | 2012-03-07 23:49 | 本・読書


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