2012年 05月 21日
【5.21 日食】まさかの曇り…?日食観望顛末記
さぁ、5月21日がやってきました。金環日食・部分日食の朝です。私の部分日食観望の模様を記録します。
目が覚めたのは5時半過ぎ。この時間、既に太陽は昇っていて、日の光が部屋に差し込んでいるはず…なのに暗いなぁ…。そんな寝ぼけ眼で窓を開けてみた。
あれ、曇ってる…しかも空一面真っ白に!!
えええええ!天気予報ではばっちり晴れ、日食も楽しめるでしょうと言っていたのに!まさかの事態にオロオロ。テレビで天気予報をチェックしても、晴れの予報。当たって無いじゃん!雲の動きがわかるサイトを見ると、雲の動きが怪しい…。あれれれれええええ…?
とりあえずネットでの生中継を観ることに。私が観ていたのは、関西の生中継、TBSによる東京の生中継、それとJAXA相模原チャンネル。JAXA相模原チャンネルは、日食だけの生中継だけではなく、リポートや観望会を開催している筑波宇宙センター、内之浦の観測所との中継も。その雰囲気がちょっとのんびりしていて和みました。関西、東京は晴れている模様。相模原は曇っている。(東京と相模原はそんなに離れていないように思えるけど、結構違うのですね…。)
さて、私の地域はどうなった…相変わらず雲、雲、雲。欠け始める時間になり、7時を過ぎ…。曇ったまま。準備は万端なのに…。
そんなことを思いつつ、7時10分過ぎ、窓の外を観ると、薄雲越しに欠けた太陽が見えている!ようやくきたー!
減光フィルター越しだと暗すぎて写らないので、フィルター無しで撮影。あまりやっちゃいけない。太陽を直視しないように目をそらして、コンデジの画面を見て撮影。
それから更に雲は薄くなる。日食メガネで観て、撮影をして…忙しい。
コンデジに、減光フィルターをつけて撮影。欠けてきました。
数分後。どんどん欠けます。
更に欠ける。細い。こんな細い太陽を観るのは初めてだ。
東京では7:35頃、金環食を迎えました。TBSの生中継より。
金環食になる直前に、月のクレーターの凸凹によって太陽の光が途切れ途切れに見える「ベイリービーズ」もちょっとだけ見えました。キャプチャ遅かった…。(ベイリービーズの動画はYouTubeなどにあるので探して見てね)
金環食!凄い、輪っかだ!これを生で観たら大変だろうなぁ…。
さて、私の地域は東京が金環食を迎えた後、最大食を迎えました。最大食は撮影は忘れて生で観ようと、日食メガネを持って庭へ。家族も連れて一緒に観測。外に出た瞬間、空気が冷たく感じました。曇っていて気温がそんなに上がっていないのもあるが、それでもこの時間にしては冷たい。そして、空や外全体の明るさも、若干薄暗い。夕暮れのような雰囲気(夕暮れとはまた異なるのだが、似ている)。太陽が8~9割欠けても明るさはそんなに変わらない、というのをネットで読んだのですが、実際自分の五感で確かめてみないとわからない。「やってみなくちゃわからない!」(byNHK教育/Eテレ「大科学実験」)
そして、日食メガネで最大食を観る。細い、細い太陽でした。母も感激して観ていました。
最大食を過ぎ、撮影に戻ります。
先程とは欠けている方向が異なっています。月は西へ動いてゆきます。
日食の空の風景。
太陽が元に戻ってゆく過程も観たいと思っていたら、また雲が。太陽は見えなくなってしまいました。
では、その間にピンホール観察がどうなったかを。
用意したのは、2009年に作ったピンホール観察箱、穴あきおたま、ザル、五円玉、穴のあいているお菓子色々。
お菓子はこの3種。クラッカー、サッポロポテト(バーベキュー味)、あみじゃが。
クラッカーのこの穴が、ピンホールになるんです。(twitterを見ていたら「リッツ」を使った方も沢山いらっしゃいました)
まず、ピンホール観察箱。
雲越しなので、像もうっすら。前回2009年もあまり出番がなかったけど、今回もあまり出番がなかった…残念なピンホール観察箱…。
次、穴あきおたま。
これが面白かった。あの穴が全部欠けてる!自分でも「おおお!」と叫んでしまったwちなみに、影が写る紙からかなり離しています。紙に近い位置だと、いつもどおりの丸い影。焦点距離があるんです。
次、ざる。
紙からめいっぱい離しても、変わらず。穴の小さいところが若干欠けている?もっと晴れていれば、はっきりとした影が写るのに…。
次、クラッカー。
紙から15~20cm程度離していたと思う。なかなかおもしろい。このあと、このクラッカーは美味しくいただきました。
次、あみじゃが。こんな形のお菓子です。
これがこうなった。
向きを斜めにすると、こんな感じで欠けた太陽の形に。紙に平行だと、穴が大きくてめいっぱい離しても変わらなかった。
サッポロポテトと五円玉は、雲行きと影の出来具合がうまくいかず失敗。うーん、もっと晴れてほしかったのが結論。ピンホール観察には、この天気は条件が悪い。晴れている地域では、見事な木漏れ日も観察できたそう。ネットでもテレビでも、木漏れ日やものの影の形を楽しんでいる方が結構いて、嬉しくなりました。日食観察の楽しみは、木漏れ日・ピンホール観察もあることを広く知ってもらったことが嬉しかった。
・木漏れ日を撮影した方はこちらへ投稿を:JAXA宇宙教育センター:「みんなで木もれ日を撮ろう」キャンペーン
さて、そろそろ日食も終盤。再び外を見ると、また雲が薄くなって欠けた太陽が見えていました。
8時45分ごろ。この時も減光フィルターを使うと写らないので、太陽を見ないように目をそらして撮影。撮影ではない時はちゃんと日食メガネを使いました。
そして9時過ぎ、日食終了。
日食を観察した方は、是非こちらの報告サイトで報告を。金環、部分食、どちらでもOKです。
◇みんなで日食マップをつくろう!
日食中は、観察だ撮影だと大忙しだったので、ゆっくり考えている暇も無かった。でも、今思い返してみると、あれは太陽と月が地球から見ると偶然重なって見えることで起こったこと。楕円軌道であること、軌道にずれがあることが、この重なりをしばしば起こしている(もし完全な円軌道で、軌道にずれもなければ新月の度に皆既日食が起こることになる…!)。それを観ている私たち。宇宙の中で、月と言う衛星がある地球と言う惑星に生き、暮らしているからこそ観られる。宇宙と私たちは切り離せないし、宇宙で生きているからにはそこで起こっている現象を観たい、謎を解く(のを知る)などの手段で近づきたいと思うのです。宇宙は、この自然は面白いことで溢れている。まだまだ観たいものがいっぱいある。
昨日は天気予報に安心して日食を満喫する気満々でいたのに、まさかの予報外れで雲に一喜一憂する日食でした。これも自然であるのだなぁ…。次回日本で見られる金環日食は2030年6月1日、北海道。それまでにも、部分日食もあるし、また何度でも観たい。2035年には、日本(北陸・北関東)で皆既日食もあるよ。
その前に、来月6月4日には部分月食。
◇アストロアーツ:【特集】2012年6月4日 部分月食
そして、6月6日は、金星が太陽の前を通過する「金星太陽面通過」があります。次回は105年後。こっちの方がレアですよ。
◇国立天文台:6月6日 21世紀最後の「金星の太陽面通過」
今日使った日食メガネは、この金星太陽面通過の観察で使います。日食と同じように太陽を観ると、太陽に黒い小さなほくろのような点が、移動していきます(視力などにより、観づらいかもしれない)。科学館や天文台などの機材の揃っている観望会で観るのもおすすめです。
私も観察する予定です(でも仕事なので、少しだけ観て終わりそう…。)
twitterで沢山の方々の金環食・部分食画像やレポが流れてきたのも楽しかった。今度の日食は、もっと余裕を持って臨みたいなぁ。
目が覚めたのは5時半過ぎ。この時間、既に太陽は昇っていて、日の光が部屋に差し込んでいるはず…なのに暗いなぁ…。そんな寝ぼけ眼で窓を開けてみた。
あれ、曇ってる…しかも空一面真っ白に!!
えええええ!天気予報ではばっちり晴れ、日食も楽しめるでしょうと言っていたのに!まさかの事態にオロオロ。テレビで天気予報をチェックしても、晴れの予報。当たって無いじゃん!雲の動きがわかるサイトを見ると、雲の動きが怪しい…。あれれれれええええ…?
とりあえずネットでの生中継を観ることに。私が観ていたのは、関西の生中継、TBSによる東京の生中継、それとJAXA相模原チャンネル。JAXA相模原チャンネルは、日食だけの生中継だけではなく、リポートや観望会を開催している筑波宇宙センター、内之浦の観測所との中継も。その雰囲気がちょっとのんびりしていて和みました。関西、東京は晴れている模様。相模原は曇っている。(東京と相模原はそんなに離れていないように思えるけど、結構違うのですね…。)
さて、私の地域はどうなった…相変わらず雲、雲、雲。欠け始める時間になり、7時を過ぎ…。曇ったまま。準備は万端なのに…。
そんなことを思いつつ、7時10分過ぎ、窓の外を観ると、薄雲越しに欠けた太陽が見えている!ようやくきたー!
減光フィルター越しだと暗すぎて写らないので、フィルター無しで撮影。あまりやっちゃいけない。太陽を直視しないように目をそらして、コンデジの画面を見て撮影。
それから更に雲は薄くなる。日食メガネで観て、撮影をして…忙しい。
コンデジに、減光フィルターをつけて撮影。欠けてきました。
数分後。どんどん欠けます。
更に欠ける。細い。こんな細い太陽を観るのは初めてだ。
東京では7:35頃、金環食を迎えました。TBSの生中継より。
金環食になる直前に、月のクレーターの凸凹によって太陽の光が途切れ途切れに見える「ベイリービーズ」もちょっとだけ見えました。キャプチャ遅かった…。(ベイリービーズの動画はYouTubeなどにあるので探して見てね)
金環食!凄い、輪っかだ!これを生で観たら大変だろうなぁ…。
さて、私の地域は東京が金環食を迎えた後、最大食を迎えました。最大食は撮影は忘れて生で観ようと、日食メガネを持って庭へ。家族も連れて一緒に観測。外に出た瞬間、空気が冷たく感じました。曇っていて気温がそんなに上がっていないのもあるが、それでもこの時間にしては冷たい。そして、空や外全体の明るさも、若干薄暗い。夕暮れのような雰囲気(夕暮れとはまた異なるのだが、似ている)。太陽が8~9割欠けても明るさはそんなに変わらない、というのをネットで読んだのですが、実際自分の五感で確かめてみないとわからない。「やってみなくちゃわからない!」(byNHK教育/Eテレ「大科学実験」)
そして、日食メガネで最大食を観る。細い、細い太陽でした。母も感激して観ていました。
最大食を過ぎ、撮影に戻ります。
先程とは欠けている方向が異なっています。月は西へ動いてゆきます。
日食の空の風景。
太陽が元に戻ってゆく過程も観たいと思っていたら、また雲が。太陽は見えなくなってしまいました。
では、その間にピンホール観察がどうなったかを。
用意したのは、2009年に作ったピンホール観察箱、穴あきおたま、ザル、五円玉、穴のあいているお菓子色々。
お菓子はこの3種。クラッカー、サッポロポテト(バーベキュー味)、あみじゃが。
クラッカーのこの穴が、ピンホールになるんです。(twitterを見ていたら「リッツ」を使った方も沢山いらっしゃいました)
まず、ピンホール観察箱。
雲越しなので、像もうっすら。前回2009年もあまり出番がなかったけど、今回もあまり出番がなかった…残念なピンホール観察箱…。
次、穴あきおたま。
これが面白かった。あの穴が全部欠けてる!自分でも「おおお!」と叫んでしまったwちなみに、影が写る紙からかなり離しています。紙に近い位置だと、いつもどおりの丸い影。焦点距離があるんです。
次、ざる。
紙からめいっぱい離しても、変わらず。穴の小さいところが若干欠けている?もっと晴れていれば、はっきりとした影が写るのに…。
次、クラッカー。
紙から15~20cm程度離していたと思う。なかなかおもしろい。このあと、このクラッカーは美味しくいただきました。
次、あみじゃが。こんな形のお菓子です。
これがこうなった。
向きを斜めにすると、こんな感じで欠けた太陽の形に。紙に平行だと、穴が大きくてめいっぱい離しても変わらなかった。
サッポロポテトと五円玉は、雲行きと影の出来具合がうまくいかず失敗。うーん、もっと晴れてほしかったのが結論。ピンホール観察には、この天気は条件が悪い。晴れている地域では、見事な木漏れ日も観察できたそう。ネットでもテレビでも、木漏れ日やものの影の形を楽しんでいる方が結構いて、嬉しくなりました。日食観察の楽しみは、木漏れ日・ピンホール観察もあることを広く知ってもらったことが嬉しかった。
・木漏れ日を撮影した方はこちらへ投稿を:JAXA宇宙教育センター:「みんなで木もれ日を撮ろう」キャンペーン
さて、そろそろ日食も終盤。再び外を見ると、また雲が薄くなって欠けた太陽が見えていました。
8時45分ごろ。この時も減光フィルターを使うと写らないので、太陽を見ないように目をそらして撮影。撮影ではない時はちゃんと日食メガネを使いました。
そして9時過ぎ、日食終了。
日食を観察した方は、是非こちらの報告サイトで報告を。金環、部分食、どちらでもOKです。
◇みんなで日食マップをつくろう!
日食中は、観察だ撮影だと大忙しだったので、ゆっくり考えている暇も無かった。でも、今思い返してみると、あれは太陽と月が地球から見ると偶然重なって見えることで起こったこと。楕円軌道であること、軌道にずれがあることが、この重なりをしばしば起こしている(もし完全な円軌道で、軌道にずれもなければ新月の度に皆既日食が起こることになる…!)。それを観ている私たち。宇宙の中で、月と言う衛星がある地球と言う惑星に生き、暮らしているからこそ観られる。宇宙と私たちは切り離せないし、宇宙で生きているからにはそこで起こっている現象を観たい、謎を解く(のを知る)などの手段で近づきたいと思うのです。宇宙は、この自然は面白いことで溢れている。まだまだ観たいものがいっぱいある。
昨日は天気予報に安心して日食を満喫する気満々でいたのに、まさかの予報外れで雲に一喜一憂する日食でした。これも自然であるのだなぁ…。次回日本で見られる金環日食は2030年6月1日、北海道。それまでにも、部分日食もあるし、また何度でも観たい。2035年には、日本(北陸・北関東)で皆既日食もあるよ。
その前に、来月6月4日には部分月食。
◇アストロアーツ:【特集】2012年6月4日 部分月食
そして、6月6日は、金星が太陽の前を通過する「金星太陽面通過」があります。次回は105年後。こっちの方がレアですよ。
◇国立天文台:6月6日 21世紀最後の「金星の太陽面通過」
今日使った日食メガネは、この金星太陽面通過の観察で使います。日食と同じように太陽を観ると、太陽に黒い小さなほくろのような点が、移動していきます(視力などにより、観づらいかもしれない)。科学館や天文台などの機材の揃っている観望会で観るのもおすすめです。
私も観察する予定です(でも仕事なので、少しだけ観て終わりそう…。)
twitterで沢山の方々の金環食・部分食画像やレポが流れてきたのも楽しかった。今度の日食は、もっと余裕を持って臨みたいなぁ。
by halca-kaukana057
| 2012-05-21 16:15
| 宇宙・天文