2012年 08月 02日
すてきなあなたに よりぬき集
雑誌「暮しの手帖」が愛読書になって約2年。誌面のどの部分も気に入っているのですが、気になっていたコラムがある。それが「すてきなあなたに」。雑誌の真ん中あたり、紙が黄色い、他のページと色が違う。書いてある文章が、どれも興味深い。これは誰が書いているのだろう?読者の投稿?いや、違う。そんな「謎めいた」でも魅力的なコラムのよりぬき集が出ました。
すてきなあなたに よりぬき集
暮しの手帖社/2012
この「すてきなあなたに」は、大橋鎭子さんが1969年に始めた連載エッセイ。「はじめに」でこう書かれています。
そうだったのか。毎号読むたびに、みずみずしい文章で、内容も日々のささやかな、ちょっとしたことなのに、それをじっくり観察して、素敵だと思ったことを爽やかに表現している。美味しい料理や、身の回りの自然、おしゃれのこと、旅先でのこと、海外での暮らしのこと、身近な家族や友人とのこと、自分自身のこと…。当たり前のことが、美しく、いとおしく思える。そんな視点を持てることは、幸せだなぁと読んでいて思います。
12の月の各章に分かれ、季節を感じさせる内容になっています。料理のレシピも多いのが特徴のひとつ。一般的な料理本のように、作り方の画像や絵がない、文章のみのレシピなので、ちょっとわかりにくいと思うところはあるのですが(お料理のうまい方なら、すぐにわかるのだろうなぁ…)、読んでいると美味しそうだなと感じます。北欧・スウェーデンの家庭料理「ヤンソンさんの誘惑」のレシピも書かれていて、これを読んで実際に作りたくなりました(この「ヤンソンさんの誘惑」はお隣のフィンランドでもよく食べられるらしい)。
ポジティヴなことばかり書かれているわけでもなく、例えば5月の章の「落ち着かない日」。気持ちが落ち着かず、何をしても集中できない。そんな時、どうしよう…という内容で、私もそんなことがよくあるので「わかるなぁ」と思いつつ読んでいました。私も落ち着かない日はどうするか、メモしておこう。
何気ない日々の、ささやかだけれども、自分にとっては特別と思えること。読むだけでなく、自分もそんな「すてきな」ことを探してみよう、日常をよく観てみよう。そう思えるエッセイです。
欲を言うと、このエッセイは何年のものかわかるように書いておいて欲しかったなぁと。あと、「よりぬき集」なので、あくまでほんの一部。もっと読みたい方は、単行本が5巻出ているので、そちらをどうぞ。私も単行本も読んでいます(5巻は2006年刊行。6巻はいつ出るのだろう?)。勿論、本誌もどうぞ。
ちなみに、単行本のイラストは「暮しの手帖」初代編集長・花森安治さんのもの。この「よりぬき集」は、「minä perhonen(ミナ・ペルホネン)」の皆川明さんが装丁・イラストを担当。その違いも楽しめます。
すてきなあなたに よりぬき集
暮しの手帖社/2012
この「すてきなあなたに」は、大橋鎭子さんが1969年に始めた連載エッセイ。「はじめに」でこう書かれています。
「なにもない普通の暮らしのなかで出合った、いろいろなことや、仕事でお目にかかった何人もの方々のお話しのなかから、私が大切に思い、すてきだなあと思い、生きていてよかったと思ったこと、私一人が知っていてはもったいない、ぜひ読者の皆様にもお知らせしたい、メモとして遺しておきたいことなどの、折にふれての記録から生まれたものです。」
そうだったのか。毎号読むたびに、みずみずしい文章で、内容も日々のささやかな、ちょっとしたことなのに、それをじっくり観察して、素敵だと思ったことを爽やかに表現している。美味しい料理や、身の回りの自然、おしゃれのこと、旅先でのこと、海外での暮らしのこと、身近な家族や友人とのこと、自分自身のこと…。当たり前のことが、美しく、いとおしく思える。そんな視点を持てることは、幸せだなぁと読んでいて思います。
12の月の各章に分かれ、季節を感じさせる内容になっています。料理のレシピも多いのが特徴のひとつ。一般的な料理本のように、作り方の画像や絵がない、文章のみのレシピなので、ちょっとわかりにくいと思うところはあるのですが(お料理のうまい方なら、すぐにわかるのだろうなぁ…)、読んでいると美味しそうだなと感じます。北欧・スウェーデンの家庭料理「ヤンソンさんの誘惑」のレシピも書かれていて、これを読んで実際に作りたくなりました(この「ヤンソンさんの誘惑」はお隣のフィンランドでもよく食べられるらしい)。
ポジティヴなことばかり書かれているわけでもなく、例えば5月の章の「落ち着かない日」。気持ちが落ち着かず、何をしても集中できない。そんな時、どうしよう…という内容で、私もそんなことがよくあるので「わかるなぁ」と思いつつ読んでいました。私も落ち着かない日はどうするか、メモしておこう。
何気ない日々の、ささやかだけれども、自分にとっては特別と思えること。読むだけでなく、自分もそんな「すてきな」ことを探してみよう、日常をよく観てみよう。そう思えるエッセイです。
欲を言うと、このエッセイは何年のものかわかるように書いておいて欲しかったなぁと。あと、「よりぬき集」なので、あくまでほんの一部。もっと読みたい方は、単行本が5巻出ているので、そちらをどうぞ。私も単行本も読んでいます(5巻は2006年刊行。6巻はいつ出るのだろう?)。勿論、本誌もどうぞ。
ちなみに、単行本のイラストは「暮しの手帖」初代編集長・花森安治さんのもの。この「よりぬき集」は、「minä perhonen(ミナ・ペルホネン)」の皆川明さんが装丁・イラストを担当。その違いも楽しめます。
by halca-kaukana057
| 2012-08-02 23:22
| 本・読書