2012年 10月 29日
[コミック版]天地明察 3
発売されたのいつだったっけ…発売後すぐ買って読んだのに、色々あって感想が今頃に(2巻でもそうだったよな…)。映画も公開された小説「天地明察」のコミカライズ3巻です。映画は観に行ってません。DVD待ち…(でもまだ公開しているんだよね、観に行こうかな、どうしようかな)。
天地明察 3
原作:冲方 丁/漫画:槇 えびし/講談社・アフタヌーンKC/2012
渋川春海(安井算哲)が、関孝和に算術の設問をしたが、それが解けない問題=誤問だと判明。酷く落ち込む春海。しかし、春海はすぐに老中・酒井忠清から命じられた北極星観測の旅に出なければならなかった。旅の間もその間違いを引きずるが、観測隊を率いる建部昌明と伊藤重孝との算術・天文・天測、そして会話で、春海の心は晴れてゆく…。
原作の北極出地の旅の前半を描いています。
関の算術に衝撃を受け、算術で近づきたい、挑んでみたいと思い自作の問題を出したのが2巻。しかし、その問題を関は解かず、春海は誤問であること気づいてしまう。なんと愚かなことをしたものか…。そんな気持ちのまま、天測の旅へ。その旅を共にする、建部と伊藤の2人の存在で、春海は救われてゆく。
原作でも、この部分は特に好きな部分です。大きな間違いを犯し、落ち込み、寝るのを忘れて読んだ関の稿本も読めなくなってしまう。算術に恐怖まで感じてしまっている。その一方で、各地での北極星の緯度を算術で予測し、対決している建部と伊藤。2人が外れても合っていても楽しんでいる様、そして「全霊を尽くして誤答を出すがよい」「精魂を打ち込んで誤謬を為した」「精進せよ」…謙虚に学び、間違っても何度でも挑戦すること、算術へのあくなき努力と情熱を感じる。
何かの道を歩み進む時、必ず何かの間違いはする。負けることもある。それでも、その道に進みたいと思ったからには、好きなら、またその道に戻ろうとするはず。何度でも間違えて、負けて、それが精進につながる。己を磨こうと努力する。努力とは、小さくても繰り返し繰り返し、一歩ずつ進んでゆくこと。建部・伊藤の2人に、関に出した問題を見せた後、更なる恥を覚えつつも、2人の算術への情熱と言葉に助けられ、清々しい顔になってゆく、134・135ページの春海の表情がいい。このあたりを読んでいると、私も建部・伊藤の言葉に救われているような気がするのです。間違って、負けて、悔しい思いをして、その分どんどん精進しよう、努力しよう、と。今年に入ってから、間違うこと、負けること、失敗すること、迷うことを恐れている自分がいるのですが、前に進もうという気持ちが出てきました。
建部・伊藤の2人は本当に素敵なおじいさま、おじさまです。齢をとっても、こんな気持ちでいたいなと思います。後半は、重い部分もありますが、晴海の今後に影響してゆく。春海がこの2人と出会えてよかったなと思う。
春海も落ち込んでいるとはいえ、天測・北極星観測の機材を見た時の表情がいい。ときめいている。天測の機材は私も観たらワクワクが止まらないと思うw機材だけでワクワクするのだから、それを使っての観測はもっとワクワクするだろうなぁ。暦に関しても、ワクワクしつつ、本題へ入ろうとしている。続きは4巻で。この漫画版は面白いな。
・2巻:[コミック版]天地明察 2
ちなみに、現在発売中の「ニュートン」に、江戸時代の天文学について書かれています。これまた面白い。iPS細胞でノーベル賞の山中先生の表紙が目印です。
天地明察 3
原作:冲方 丁/漫画:槇 えびし/講談社・アフタヌーンKC/2012
渋川春海(安井算哲)が、関孝和に算術の設問をしたが、それが解けない問題=誤問だと判明。酷く落ち込む春海。しかし、春海はすぐに老中・酒井忠清から命じられた北極星観測の旅に出なければならなかった。旅の間もその間違いを引きずるが、観測隊を率いる建部昌明と伊藤重孝との算術・天文・天測、そして会話で、春海の心は晴れてゆく…。
原作の北極出地の旅の前半を描いています。
関の算術に衝撃を受け、算術で近づきたい、挑んでみたいと思い自作の問題を出したのが2巻。しかし、その問題を関は解かず、春海は誤問であること気づいてしまう。なんと愚かなことをしたものか…。そんな気持ちのまま、天測の旅へ。その旅を共にする、建部と伊藤の2人の存在で、春海は救われてゆく。
原作でも、この部分は特に好きな部分です。大きな間違いを犯し、落ち込み、寝るのを忘れて読んだ関の稿本も読めなくなってしまう。算術に恐怖まで感じてしまっている。その一方で、各地での北極星の緯度を算術で予測し、対決している建部と伊藤。2人が外れても合っていても楽しんでいる様、そして「全霊を尽くして誤答を出すがよい」「精魂を打ち込んで誤謬を為した」「精進せよ」…謙虚に学び、間違っても何度でも挑戦すること、算術へのあくなき努力と情熱を感じる。
何かの道を歩み進む時、必ず何かの間違いはする。負けることもある。それでも、その道に進みたいと思ったからには、好きなら、またその道に戻ろうとするはず。何度でも間違えて、負けて、それが精進につながる。己を磨こうと努力する。努力とは、小さくても繰り返し繰り返し、一歩ずつ進んでゆくこと。建部・伊藤の2人に、関に出した問題を見せた後、更なる恥を覚えつつも、2人の算術への情熱と言葉に助けられ、清々しい顔になってゆく、134・135ページの春海の表情がいい。このあたりを読んでいると、私も建部・伊藤の言葉に救われているような気がするのです。間違って、負けて、悔しい思いをして、その分どんどん精進しよう、努力しよう、と。今年に入ってから、間違うこと、負けること、失敗すること、迷うことを恐れている自分がいるのですが、前に進もうという気持ちが出てきました。
建部・伊藤の2人は本当に素敵なおじいさま、おじさまです。齢をとっても、こんな気持ちでいたいなと思います。後半は、重い部分もありますが、晴海の今後に影響してゆく。春海がこの2人と出会えてよかったなと思う。
春海も落ち込んでいるとはいえ、天測・北極星観測の機材を見た時の表情がいい。ときめいている。天測の機材は私も観たらワクワクが止まらないと思うw機材だけでワクワクするのだから、それを使っての観測はもっとワクワクするだろうなぁ。暦に関しても、ワクワクしつつ、本題へ入ろうとしている。続きは4巻で。この漫画版は面白いな。
・2巻:[コミック版]天地明察 2
ちなみに、現在発売中の「ニュートン」に、江戸時代の天文学について書かれています。これまた面白い。iPS細胞でノーベル賞の山中先生の表紙が目印です。
by halca-kaukana057
| 2012-10-29 23:52
| 本・読書