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ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「金星の軌道」…何故「金星」の「軌道」?

 毎年恒例、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを今年も楽しみました。指揮は2年前に初登場したフランツ・ウェルザー=メスト。凛々しい正統派の指揮者で、前回初めて演奏を聴いて、いい指揮者だなと少しずつ聴いてみています。スッペ「軽騎兵」に、アニバーサリーイヤーのワーグナー、そしてシュトラウス一族のワルツやポルカ、舞曲。バレエも美しかった。「エルンストの思い出」では、ウェルザー=メストが各パートの奏者にプレゼントをwぬいぐるみが次々と飛び出して、なんじゃこりゃwとニヤニヤしつつ観てましたwそして最後、ウェルザー=メストにはシェフのコック帽w楽しい演出で笑いました。ウェルザー=メストが舞台袖内で、ひとやすみ。汗を拭いて水を飲んで、また舞台へ向かうところも写していたのもよかった。とてもよかった。そして「美しき青きドナウ」に「ラデツキー行進曲」。「ラデツキー」は軽快で、とても楽しかった。勿論、テレビの前で一緒に手拍子(ただしひとりで)。でも、あの時間、ウィーン楽友協会のホールだけでなく、世界中のどこかで放送を観て聴いて一緒に手拍子をしているはず。いい時間だなぁと感じました。ありがとう、ウェルザー=メストとウィーンフィルの皆さん!

 さて、今年の曲目の中で気になったのが、ヨーゼフ・シュトラウス作曲・ワルツ「金星の軌道」op.279(Hesperus-Bahnen. Walzer).「金星」の「軌道」?なんだそれ。金星にどう関係があるの?番組の解説では出てこなかった。気になる。「金星」の「軌道」だよ?宇宙・天文に関係があるとなると、気になる。宇宙好きの血が騒ぐ!ということで、調べてみました。

 まずは、こんな曲です。
Josef Strauss - Hesperus-Bahnen, Walzer op.279

 ゆったりとした、優雅なワルツです。いいなぁ。こんなワルツも合ったんだ。

 さて、では調べてみよう。まず、日本ヨハン・シュトラウス協会さんなら、何かもっと情報があるはず…
日本ヨハン・シュトラウス協会
◇今年の曲目解説付き(PDF):ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2013 曲目解説
 
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ〈宵の明星の軌道〉op.279
Josef Strauss: Hesperus-Bahnen. Walzer, op.279
 ヨーゼフ最後の傑作。1870年4月にウィーン芸術家協会「ヘスペルス」の舞踏会で初演。ヘスペルスは「宵の明星」の意。同舞踏会は、1月に開場したばかりのウィーン楽友協会黄金ホールで開かれる予定でしたが、火事で数ヶ月延期されました。4月に優雅で遠大なワルツは大喝采を得ました。それから3ヶ月後、ヨーゼフは事故が原因で世を去ります。

 晩年の作品なんだ。そしてタイトルも「宵の明星」と訳されている。別のサイトでは、「明けの明星」とも。どちらも「金星」ですね。

 何故「金星」の「軌道」かは書いていない。では、当時の天文学・金星観測と関係があるかもしれない。

 作曲されたのが1870年。19世紀後半。日食観測も盛んな時期でした。作曲年より後になりますが、1874年には金星の太陽面通過がありました。昨年6月にも観測でき、話題になりましたね。日本が観測に適した地域ということで、フランス、アメリカ、メキシコから観測隊がやってきて、日本でも科学的観測をしようとした。

 直接の資料は見つからないなぁ…。
 ヨーゼフ・シュトラウスの代表作のひとつに、「天体の音楽」という曲があります。「天体」の音楽…!
Spharenklange Walzer Op.235

 クライバーの指揮のニューイヤーです。
 
 ゆったりとしたワルツ。ヨーゼフ・シュトラウスは宇宙の天体の運行を、ひとつの偉大なハーモニーと考え、それをイメージして作曲したのがこのワルツ。作品番号235.1868年の作曲。「金星の軌道」と近い。
 私の推測ですが、金星の天球上の動き・見え方・軌道にも宇宙のハーモニーを感じて、作曲したのかなぁ、と。推測で終わってしまいました…。

 ドイツ語の資料に当たれば、もっと手がかりが見つけられるかもしれない。でも、ドイツ語読めない、わからない…。挨拶しか出来ない…。

 残念な結果に終わりましたが、素敵な宇宙な音楽と出会えて、嬉しいです。クラシックでも宇宙な音楽は探せば色々出て来るんだなぁ。
by halca-kaukana057 | 2013-01-02 00:04 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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