人気ブログランキング | 話題のタグを見る

月の地形ウォッチングガイド

 以前、この記事で少し紹介した本を。
月に惹かれる

月の地形ウオッチングガイド

白尾 元理 / 誠文堂新光社 / 2009



 私たちにとって一番身近な天体、月。月がどのくらい、どのように好きなのかは以前の記事を読んでもらうとして(笑)、月は観れば観るほど面白い、興味深い、もっともっと見たいと思う、見たい天体だと思う。

 肉眼でも、日本ではウサギの形に見えるクレーター・海の部分の陰影を観察できるし、双眼鏡、更に天体望遠鏡があれば更にじっくりと月のでこぼこした様子を観察できる。天体望遠鏡も、口径5cm程度の小口径でも十分。真っ赤な火星や、縞模様と4つのガリレオ衛星の位置変化が面白い木星や、輪がポイントの土星もいいけど、小口径だとやはり小さい。倍率を上げても、その口径に合った倍率というものがあって、しかも倍率を上げると暗くなるし像が荒くなるし…。じっくり見るにはそれなりの規模の口径の望遠鏡が必要。でも、そこまでの望遠鏡にはまだ手が出ないし…と悩む天体観測入門者もいると思う。
(私もでした。こんな時は大きな口径の望遠鏡のある天文台や科学館などの観望会に行く、大きな口径の望遠鏡を使っている有志の観望会に参加する、天文部や天文仲間さんがそんな望遠鏡を持っていたら見せてもらう、など方法はありますよ。)

 口径や、種類(屈折望遠鏡か反射望遠鏡かその他か)など、それぞれの望遠鏡にはそれぞれ得意な(見やすい)天体、不得意(見づらい)天体がありますが、月は大体どの望遠鏡、双眼鏡でも楽しめる。見方に慣れてきたら、ただ見るのではなく、クレーターや海などの部分に注目して観察してみる。スケッチしてみる、カメラを取り付けて撮影してみる。こうなったら月齢1から満月を経て月齢26ぐらいまで毎日観測してみる…などなど、色々な楽しみ方が出来ます。そんな楽しみ方を広げてくれるのが、この本です。

 月齢ごと、有名なクレーターや海、高地などの部分ごとにオールカラーの月面写真を載せ、見どころを詳しく解説しています。月食についても写真と解説があります。本当に詳しい。クレーターなどの大きさや、どのようにして形成されたか、望遠鏡で観測する時のポイント。更には望遠鏡の選び方、月・アポロ計画に関する本など、月に関する話題も色々。写真そのものもきれいなので、見ているだけでも楽しい本です。月の天文学研究に関する内容も多く、読み物としても楽しめます。天体観測・月観測入門者から上級者・星猛者(by「宙のまにまに」この場合は「月猛者」か)まで使えて、楽しめる本です。地味なようで、凄い本です。

 私はまだ月を見て、この辺に○○クレーターがあって、こっちは□□クレーター…というところまでは行っていません。コペルニクスクレーターとティコクレーターぐらい…(これ初級です…)。アポロ11号が着陸した「静かの海」、「晴れの海」や「雨の海」は大きくてわかりやすい。この程度。まだまだです。

 この本が出たのは2009年8月。日本の月周回衛星「かぐや(SELENE)」の運用が終了した(2009年6月11日)直後。今も「かぐや」による観測データの解析、研究は進行中ですし、世界各国の探査機が月を探査しました。そのデータも含めた新版が出たらいいなぁ…。

 ちなみに、この本は天文雑誌「天文ガイド」に連載されたものの書籍化なのだそうです。さすがは「天文ガイド」です。ディープです。

 と、この本を、雪が降ってばかりで月すらなかなか観られない時に読んでいるのでした。月が見たい、星を見たい、星空を拝みたい…(完全なる星分欠乏 ISSも見たい…。
 雪雲の晴れ間から月や星が少しでも見えると、嬉しいです。
by halca-kaukana057 | 2013-01-18 23:10 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31