吹奏楽の強み 続々・大阪市音楽団存続問題に思うこと

 最初の記事を書いてから約1ヶ月経ちました。その間、市音の現在に関しての様々な情報や、これからの課題が明らかになってきました。また、私も考えました。

 まず、前回までの、私の考えたことの要約をしますね。

・市音がなくなることは、音楽・芸術文化の「空白地帯」をつくってしまうこと。
・楽団はそれぞれ個性や得意とするジャンルが異なる。なくなればひとつの個性がなくなる。
・「空白地帯」ができれば、その地域の音楽・芸術文化の根が絶え枯渇する。ひとつ「空白地帯」ができれば、連鎖的に「空白地帯」は広がってゆくだろう。
・意識してなくても、どこかで聴いた経験、存在感があったと思う。どこかで大阪市の文化を支えていたと思う。
・市音の活動は大阪市だけにとどまっていなかった。もしなくなったら、全国の吹奏楽の文化にも「空白地帯」は広がってしまうだろう。
・今後、大阪市から独立するとなれば、全国のより多くの人に市音の日本トップレベルの演奏を聴いて欲しい、聴いて好きになって欲しい。
・現在、市音のアーティスティックディレクターを務める宮川彬良さんとのコンサート「宮川彬良&大阪市音楽Dahhhhhn!」の形態での演奏会を開催して、より多くの人に市音の演奏に触れてもらいたい、聴く機会を作ろうという活動がある。
・でも、市音の演奏形態は「音楽Dahhhhhn!」だけじゃない。純粋な吹奏楽曲、クラシック音楽作品の編曲版、大阪市のイベントや市民向けの演奏会…などなど。
・「音楽Dahhhhn!」とは違う一面も、市音にはあるんだよ、ということも伝える機会があって欲しいと私は考えている。
・市音を応援している人は、全国にいる。大阪市から独立する時に、これは重要。


以上
大阪市音楽団存続問題と「文化の空白」+存続支援運動に対して思うこと
大阪市音楽団存続問題に思うこと 続編
の要約でした。2つの記事を合わせた要約です。

 そして、現在決まっていること・明らかになっていることは、再来年度(平成26年度)に大阪市から分離すること。現在、財団を作るための準備をしていること。市音は大阪市のものなので、予算も大阪市からだったのが、民間へ、つまりゼロからのスタートへ。その資金をどうするかが一番の大きな問題であること。

 厳しいです。厳しいけれども、乗り越えないと存続できない。「存続」=「ありつづける」。残っても、その後続かなければならない。残ったけどその後続ける力がなくて…では足りない。非常にシビアな状況に立たされています。

 寄附などが考えられているようですが、まず一番大事にしたいのは、演奏会。プロの楽団だから、演奏して、聴く人々がいて、支え合う。以前の記事でも、要約でも書いたように、「全国のより多くの人に市音の日本トップレベルの演奏を聴いて欲しい、聴いて好きになって欲しい。」市音の名前を知って、演奏を聴いて楽しんで、また聴きたいな、他の人とも聴きたいなと思うきっかけとなるコンサート。寄附したい、と思い行動するきっかけにもなるかもしれない。重要です。存続がかかってはいるけれども、あまりにも必死な感じが出ているコンサートは、逆に引いてしまう。メッセージ性が強すぎると、あまり好きじゃない…という人もいると思う。私もどちらかと言えばそうです。あからさまなメッセージよりも、じっくりと音楽・演奏を聴きたいと思う。音楽に浸りたい。コンサートなのだから。

 では、どんなコンサートをやればいいのか…。これを考えていました。

※今回、この記事で書くことは、以前の記事ではちょっと出してしまった「何のどこが悪い、問題だ」という内容ではありません。批判する気持ちは一切ありません。あくまで、こうしたらもっと聴きたい、聴きに来たいと思う、リピーターとなる人が増えるかもしれない、という私の考え、一案です。


 以前の記事で、私も地元のアマチュア吹奏楽団の演奏会にいくつか足を運んだのですが、私がこれまで普段行くクラシック音楽のコンサートとは違うな、と感じたと書きました。クラシック音楽のコンサートは、オーケストラ(と言っても数・機会はかなり限られてます…地方…)、室内楽、器楽ソロ(ピアノとかヴァイオリンとか)、声楽と聴いてきました。そのクラシック音楽のコンサートと、吹奏楽のコンサートを比較してみて、あれ?と思うことがありました。以前書いた記事にもヒントがあったのに、何故気がつかなかったんだろう?

 クラシック音楽のコンサートは、基本的にクラシック音楽作品しか演奏しない。常識といえば常識です。オーケストラなら、交響曲、協奏曲、バレエや劇音楽の組曲、オペラ・歌劇の序曲、管弦楽の小品など。室内楽・器楽ソロも、クラシック音楽作品のソナタや、三重奏曲、四重奏曲、五重奏曲…。声楽なら、歌曲やオペラの歌をピアノ伴奏で。やっぱりクラシック音楽作品。
 クラシック音楽以外の音楽、例えばジャズやポップス、テレビのテーマ曲や映画音楽は、そういう類のコンサート以外ではまず演奏しない。オーケストラのポップスコンサートや、子ども・家族向けのコンサートなどがそれ。室内楽、器楽ソロ、声楽、更に合唱では、日本や世界の童謡・唱歌・民謡、懐かしの歌謡曲はプログラムに入っていることもある。アンコールで演奏することはよくある。でも、例えばオーケストラの定期演奏会で、ジャズやポップスと、交響曲(クラシックに親しみがない人でも知っているようなベートーヴェン「運命」や7番、ドヴォルザーク「新世界」などや、マーラー5番4楽章「アダージェット」やショスタコーヴィチ5番4楽章などのある楽章だけは有名なものは除く)はまず一緒に演奏することはない。大河ドラマのテーマ曲や映画音楽などならまだあるかもしれない。

 しかし、吹奏楽のコンサートは、純粋な吹奏楽曲も、クラシック音楽作品の編曲版も、映画音楽もジャズもポップスも懐かしの歌謡曲もアニメソングも流行の歌も、一緒にプログラムに入れて演奏している。第1部はテレビのテーマ曲や映画音楽、第2部は純粋な吹奏楽曲、第3部はジャズ、ポップスなどのように。第一線で活躍しているプロの演奏者をゲストプレイヤーとして呼んで、協奏曲のようにソロパートで演奏したり、楽団と一緒に演奏することもある。

 そう、クラシック音楽ではできないことを、当たり前のようにやっていたのです。勿論、純粋な吹奏楽曲だけのコンサートもあります。

 クラシック音楽のコンサートよりも、柔軟にプログラムを組むことができる。
 これは、吹奏楽の「強み」ではないかと私は思います。

 この強みを活用して、市音の魅力を引き出す多種多様なプログラムを組んで、演奏を披露する。市音そのもののレベルの高い演奏を、もっと楽しく聴けるように。そのうち、「吹奏楽って面白いな」「もっと聴きたいな」「市音いいなぁ」と思う人が増えてきたら嬉しい。


 その一方で、昨年の市音東京公演でもですが、こんなことも思いました。

 オーケストラなら、コンサートマスターは第1ヴァイオリンの、一番前、指揮者に一番近いところにいる。吹奏楽のコンサートマスターって、どのパートのどの位置にいる人がやっているんだろう?
 楽器の配置もよくわからない。オーケストラのように大体決まってない?(オケも今は色々ありますが…)
 後ろの席だと、よく見えなくて余計わからない。前過ぎても舞台の後ろの方が見えにくい。
 さらに、管楽器って演奏している間の動きが少ないね。どの楽器がどう演奏しているのだろう?
 そういえば、オーケストラは「楽しみ方ガイド」といった本などが増えてきたけど、吹奏楽はあまり見ない。
 テレビでも、オーケストラメインの番組はあるけど、吹奏楽メインの番組はないね…。「題名のない音楽会」が時々、NHK教育「らららクラシック」がたまに。ラジオはNHKFM「吹奏楽のひびき」があるけど…。
 吹奏楽の楽器って、オーケストラと同じ楽器でも位置づけが違うよね。どう違うの?オーケストラじゃあまり見ない楽器もあるけど…サックスはわかるけど、ユーフォニアムってどんな楽器?スーザフォン?打楽器はオケでは見ない楽器が結構あるある…。あの楽器は何だろう?

 吹奏楽にこれまで親しんできていない人は、色々疑問をもつと思います。上記の疑問は私の疑問です。

 このような疑問に答え、さらに、楽器や演奏者に親しめる楽曲や機会があればいいなと考えています。
 よくあるのが楽器体験。子どもだけでなく、大人も気軽に恥ずかしがらずに楽器に触れて、音を出すコツや演奏している時に心がけていること、などを話す機会があれば、楽器にも演奏者にも親しみも沸くと思います。吹奏楽の楽器は、憧れの楽器が多いと思う。サックスはジャズでも大活躍、なんといってもカッコイイ。フルートやクラリネットも人気があるし、トランペットはどこでも花形。ホルンの形に興味を持つひともいるだろうし、大きなチューバに挑戦したい人もいると思う。プロが使っている楽器をそのまま…というわけにはいかないので、工夫は必要ですね。
 それと、楽曲でソロパートを担当して魅せる、という方法も。どんな楽曲があるか、ここは詳しくないのでわからないのですが…。
 楽器・演奏者に親しみが沸けば、聴いたことがない曲、吹奏楽経験者以外にはあまり馴染みのない純粋な吹奏楽曲でも、「ここでトランペットが活躍している」「クラリネットのソロが来た」「ホルンがんばれ」「伴奏もいいね」などなど、聴きどころをつかんで楽しめると思います。私が初めて聴く曲に触れる時は、こんな感じで聴いています。

 これらのことは、これまで吹奏楽でやってきた当たり前のことかもしれない。市音でもやっていることかもしれない。
 でも、こんな地道な活動も、聴く人・ファンを増やすきっかけになると思います。音楽をより楽しく聴くことにも繋がる。工夫して、いろいろなアイディアを取り入れて、裾野が広がっていって欲しいなと思います。

 演奏会以外のこと、例えば寄附のことやマネジメントのことも考えられたらいいのですが、その方面は詳しくないので私が考えたのはここまでです。

 今後、市音への支援が様々な形で必要になってくると思います。状況も刻々と変化する。それに合わせて、団体で、個人で考えるもよし、仲間内で軽く議論するもよし。新たな団体を立ち上げるもよし。
 市音への支援の輪が広がればいい。支援の形は様々出てくると思いますが、どこかで気持ちをひとつにできればいいなと思います。

 あと、今後、メディアに取り上げられることも更に増えると思います。その時も、市音の様々な面が取り上げられて欲しいと思っています。

 以上、私の考えはここまでです。

※おことわり
・私には140字で語るのは無理です…そんなきれいにまとめられない。文章がぶつぶつ分割するのも好きじゃない。なのでツイッターではなく、またブログで書きました。

・市音存続支援に対する私の考えを表明するのは、これで一旦終わりにしようと思います。
 市音を取り巻く環境、動きはこれからどんどん変化してゆくと思うので、私の考えもそのうち古くなると思います。これは1月末での考え。今日考えたことが、明日にはひっくり返されるようなことになるかもしれない。
 一旦自分の中で考えをまとめたいと思っています。そして、変化に合わせて様子をみようと思います。
 勿論いち市音ファンとして、寄附などが始まれば個人で力になりたいと思っています。

・この記事の続編は書きません。
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by halca-kaukana057 | 2013-01-30 23:32 | 音楽


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