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フィンランド人指揮者でシベリウス

 フィンランドのクラシック音楽を詳しく調べていくと、フィンランド出身の指揮者が物凄く頑張っていることに気付く。よくもまぁこう何人も。人口の多い国ならまだしも、500万人の小さな国からこれだけ出てくるのだから、恐ろしく思えるほど。それで、聴くならやっぱりシベリウスでしょと色々借りたり買ったりしたものを紹介してみます。フィンランドにはシベリウス以外にも色々な作曲家がいるらしいのですが、初心者ゆえにまだよく分からないので後々。



 今回取り上げるのはエサ=ペッカ・サロネンとジョシュア・ベルが共演したヴァイオリン協奏曲(ロスアンジェルス・フィルハーモニック)(Sony classical)。何ですか、このイケメンコンビは。そういう類のディスクなのかなぁ…と思ったらそんな事無かった。良いじゃん。ヴァイオリンも指揮も活き活きしていて、聴いていてワクワクする。特に第3楽章。♪ドンドコドンドコ…というこのリズム、病み付きになりそう…いえ、既に病み付きです。か細い部分と力強い部分のメリハリも効いているし、オケも好きだ。


 このヴァイオリン協奏曲の話が出ると、シベリウスのこんなエピソードが語られることが多い。シベリウスが14歳ぐらいの時ヴァイオリンを手にしてから演奏に夢中になり、ヴァイオリニストになることを目指して懸命に練習した。「森と湖の国」フィンランドらしく、舟をこいで誰もいない湖の中にある島で練習していたそうだ。姉がピアノ、弟はチェロを弾いて兄弟で室内楽も楽しんでいた。その後、音楽大学(今のシベリウスアカデミー)ではトップの腕前を持つ程にもなったのに、極度のあがり症で人前で演奏できなかった。ある時はメンデルスゾーンの協奏曲を演奏しようとステージに立っても、何も演奏できずそのままステージから降りてきたほどだとか。さらに、ウィーンフィルのオーディションを受けたが勿論惨敗。それで作曲家に転向したという話。実は私はこのエピソードがとても好きだ。写真ではいかにも堅物そうなシベリウスにもこんな愛らしい(?) エピソードがあったと思うと微笑ましく、どこか嬉しくなる。とはいえ、この曲自体は微笑ましくない。身を裂くような第1楽章が特に。夢を諦めざるを得なかったシベリウスの想いを象徴するかのように。でも、シベリウスが作曲家にならなかったらこの曲も、そして他の曲も無かった…と思うとちょっと複雑。

 駄文ですが、以前、この曲を聴きながら雪の中を散歩していたことがあったのだが、あの冒頭部分のヴァイオリンソロで凍りつくかと思った(笑) いや、笑い事じゃなくて正直な話。是非冬になったらやってみて。
by halca-kaukana057 | 2006-05-13 22:04 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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