[NHK人形劇小説版]少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!! +NHK人形劇版

 NHKで3月と今月に3話ずつ先行放送していた、三谷幸喜さん脚本の人形劇「シャーロックホームズ」。3月に何気なく観てみたら面白かった。先日放送された4~6話も面白かった!調べてみたらノベライズが出ているので、読んでみることにしました。
NHK:シャーロックホームズ
シャーロック学園
 ↑もうひとつの公式サイト。ツイッター・FBでは各回の元ネタ豆知識などもあって勉強になります。…はい、私、今までホームズシリーズは何ひとつ読んだことも観たこともありませんでしたすみません!!大人になって、この人形劇版が初めてのホームズシリーズ(入れてもいいのか?)とは…。
 

少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!!
アーサー・コナン・ドイル:原作/三谷幸喜:番組脚本/時海結以:著/千葉:絵/集英社・集英社みらい文庫/2014

 ロンドン郊外の全寮制名門校・ビートン校。医師である父がロンドンで開業したため、オーストラリアから転校してきたジョン・ヘイミッシュ・ワトソン、15歳。学校には4つの寮があり、ワトソンはB・ベイカー寮の221B室に入ることになった。この部屋には、「問題児」「変わり者」と思われている同じ15歳の少年が暮らしていた。彼の名はシャーロック・ホームズ。ワトソンが部屋に入るなり、自己紹介もしていないのにワトソンのこれまでのことを言い当ててしまう。ホームズは友達もおらず部屋で実験をしたり、一人で生徒達を観察したり、考え事をしていることが多かった。しかし、休日になるとたくさんの生徒達が相談にやってくる。ホームズの鋭い観察力・推理力は校内でも有名で、ホームズは興味を持った奇妙な事件を解決してやっていた。そしてワトソンもある”事件”に巻き込まれたことで、ホームズの推理力を目の当たりにし、いつしか共に校内の奇妙な事件に関わることになる…

 あらすじ、物語の内容は人形劇と同じです。この巻では、3月に先行放送された1~3話「最初の冒険」(前・後編)、「困った校長先生の冒険」が収録されています。ただ、人形劇では語られなかった学校の細かい設定や背景、追加シーンもあります。例えば、「最初の冒険」で、卵が一体どこから出てきたのか。ホームズシリーズはワトソンが物語の語り手となりますが、この人形劇版でも同じ。この小説版では、放送された人形劇よりも更にワトソン視点になっています。「困った校長先生の冒険」で、クライマックスとなるシーンを、ワトソンはどう見ていたのか。あのシーンに人形劇ではワトソンはいませんが、小説版ではワトソンもちゃんと見ていたように描かれています。放送された人形劇を観て、「面白い」と思ったら、是非この小説版も読むことをおすすめします。この「シャーロックホームズ」の世界をもっと堪能できます。

 読んで、登場人物の描写が凄く細かく、想像力を刺激するなと感じました。人形劇でもホームズの鋭い眼の動きが印象的ですが、この小説版でも瞳の動き、視線、手の動き、表情、話し口調の描写が本当に細かい。細かいけどくどくなく、ピンと張り詰めた糸のような緊張感がある。文章を、物語を追えば追うほどワクワクドキドキして次のページをめくる。ああ、これがホームズシリーズの面白さなのか。番組で、三谷さんがホームズの物語は「ミステリー」ではなく「冒険・アドベンチャー」と仰っていたのですが、なるほどわかる気がしました。15歳、学園もの、殺人・死人はない設定・でも人の心の暗闇の部分をしっかりと出していることで、「アドベンチャー」である部分が引き立っているように感じる。

 あと、ホームズもだが、ワトソンの描写・設定がとても好みです。オーストラリアの前の学校ではラクビー部に所属し、ラクビーに熱中していた。しかし、足を怪我して引退。目標を見失い、失望し、自暴自棄になっていた。自分はどうあれ、とにかく平穏に過ごせればいい…。そんなワトソンがホームズに出会い、ホームズが興味をもつ「奇妙なこと」に関わるうちに、止まっていた心が動き出す。「最初の冒険」のクライマックスシーンで、ワトソンがホープに話す言葉がとても好きだ。そして、後でその言葉について、ホームズと話すシーンも。「奇妙なこと」が面白くてたまらないホームズ。何気なく見過ごしていることも、よく見たらとても「奇妙」で「面白い」のかもしれない。それと関わることは「冒険」とも言えるような。

 ホームズもクールであまり感情を表に出さない(でもワトソンに表情で読み取られてしまう)、落ち着いていて大人びた少年ではあるのですが、失望しているワトソンやホープに対して語りかける言葉は穏やか。人の話は聞かない、興味がないことは全く興味を持たないけれども、決して「冷徹」なわけではない。そんなところがいい。「困った校長先生の冒険」では、まだ15歳・思春期の少年の一面が伺える。完璧な人間ではない(美術で作った石膏も含めて。あれは笑えるwそして15歳なのでパイプではなく「吹き戻し(ピロピロ笛)」の設定も。時代は原作と同じく19世紀の設定ですが、当時イギリスにピロピロ笛なんてあったのか?w)。
 今後、この2人が協力し合い、成長してゆく過程が観られるのがとても楽しみです。

 人形劇では毎回のゲスト出演者も楽しみのひとつ。原作では警部、この人形劇では上級生で生活委員のレストレード君はもっと出番があるといいなぁ。あの終わり方が切なかったので、ホープ君はまた出てきて欲しいなぁ…。アドラー先生は勿論。ホームズを更に惑わして欲しいwそして、モリアーティ教頭…今後どう絡んでくるんだろう。

 人形劇では音楽も大きなポイント。OPが歌も映像もとにかくカッコイイ。プロジェクション・マッピングの演出は人形劇だからこそ出来る演出。そして、劇判演奏がダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラって何ですか!?(誉め言葉)サントラが待ち遠しい。ハドソン夫人の歌、覚えちゃいましたよ…

 ちなみに原作では、ホームズはヴァイオリン演奏が得意。人形劇でもやるかなぁ。人形劇でヴァイオリン演奏…大丈夫、NHKには「クインテット」の実績があります!!(人形操演をしている団体は別だけど。技術は確立している!)こんなところで「クインテット」の技術が受け継がれれば嬉しいなぁ。あって欲しいなぁ、ヴァイオリン演奏シーン…。パペットの構造を見るに、「クインテット」のアリアさん並みの動きは難しそうですが…。

少年シャーロックホームズ赤毛クラブの謎 (集英社みらい文庫)

コナン・ドイル / 集英社


 小説版2巻は9月に発売予定。4~6話が収録される模様。これも読む。
 先日放送されたその4~6話も面白かった。「赤毛クラブの冒険」特にお気に入りの回です。ホームズがワトソンのことを「親友」と呼び、ロイロット先生に対して「ぼくたちを見くびらないでもらいたい」と言っていたのがとてもよかった。ホームズもワトソンのことを認めている。

 というわけで、こうなったら原作を読もう!読み始めています。原作が人形劇版だとこんな風に変えられていたのかと見つけるのも面白い。
 そして、ホームズシリーズと言えばこちらも。

SHERLOCK / シャーロック [DVD]

ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン:出演/角川書店


 BBC制作の現代版。存在は知ってはいたが、ドラマそのものを観たことは無かった。…こっちも面白い!!シャーロックがより「変わり者」で、推理力も鋭い。ジョンも戦場で負った心の傷を抱え、失意の中にいるが、シャーロックと出会い、止まっていた心が動き出す。殺人の描写が苦手でミステリーものは苦手意識を持っていたのだが、こちらは大丈夫だった。第1シーズンを観ているところですが、続きが気になります!

 NHK人形劇版は、10月から本放送開始。先行放送した1~6話も最初から放送されます。10月まで、原作読んで、BBC「SHERLOCK」を観て待ちます。


【追記:関連記事】
 レギュラー本放送がスタートしたので、人形劇本編の感想はこちら。
「最初の冒険」(前・後編)
・1話:視野が増え広がれば、この世の中はつまらないものじゃない 人形劇「シャーロックホームズ」第1話
・2話:終わりと始まり、失意と希望 人形劇「シャーロックホームズ」第2話
・3話「困った校長先生の冒険」:自分の眼で確かめ、観察しなさい 人形劇「シャーロックホームズ」第3話
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by halca-kaukana057 | 2014-08-29 23:05 | 本・読書


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