【2014.10.8 皆既月食】準備編 皆既月食をもっと楽しく観るために

 今日、10月4日は人類初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられた日。1957年、57年前のことです。この日になると、そのスプートニクを見てロケットを、宇宙に人工衛星を打ち上げるロケットを作りたい、とアメリカの片田舎の高校生たちがゼロからモデルロケットを作る、というノンフィクション小説「ロケットボーイズ」(ホーマー・ヒッカム・Jr:著)、それを原作にした映画「October Sky(邦題:遠い空の向こうに)」を思い浮かべます。そして、映画のサントラを聴いている。音楽もいいんです、この映画。

 前置きは宇宙開発史ですが、本題は天文。いよいよ、10月8日、皆既月食が迫ってまいりました。今回の皆既月食は、とても条件がよいです。とても観察しやすい皆既月食です。皆既月食は、日食と違って日食メガネなどの特別な道具は特に必要ない、月さえ見えれば肉眼で観察できます。8日の夜、帰り道、月を見上げたらいつもと違う、赤黒い満月…と驚く人も少なくないと思う。気軽に観られるのですが、せっかくの好条件の皆既月食。基礎知識と少し準備をして、もっと楽しもうじゃありませんか!
 ということで、私自身、皆既月食に関して復習と今回の予習を兼ねて、この記事を書きます。

【皆既月食に関するサイト】
★皆既月食の基礎知識と皆既の時間などの情報
国立天文台:皆既月食 2014年10月8日
アストロアーツ:【特集】2014年10月8日 皆既月食
三菱電機 from ME:DSPACE:皆既月食を観察しよう

★皆既月食を観察しようキャンペーンサイト
国立天文台:皆既月食を観察しよう 2014
 ↑観察したら報告しよう
JAXA 宇宙教育センター:みんなで皆既月食を観察しよう キャンペーン 2014


【皆既月食の仕組み】
 月食は、太陽-地球-月が一直線に並び(満月のタイミング)、太陽の光が地球に遮られ、その地球の影が月に映り、月が暗く見えることで起きます。地球の影にすっぽりと隠れてしまうと、皆既月食になります。満月ごとに皆既月食にならないのは、月の公転軌道(月が地球の周りをまわる)と、地球の公転軌道の角度が傾きずれているから。
 皆既中の月は、赤黒い「赤銅(しゃくどう)色」をしています。太陽の光は地球で全部遮られてしまうわけではなく、地球の大気がレンズのような役割をして、太陽光は屈折して進み、月に届きます。光の成分のうち、青い光は波長が短いため、大気に散乱されてほとんど月まで届きません。波長の長い赤い光は大気で散乱されにくく月まで届き、月をほんのりと照らします。
 この「赤銅色」は、その時の大気の中のチリの多さによって変化します。さて、今回の皆既月食では、どんな「赤銅色」をしているのか。この眼で観て、確認しましょう。

 三日月など細い月の時、欠けている部分がよく見ると淡く照らされている「地球照」では、38万kmも離れた月まで、地球が太陽光を反射した光が届いています。皆既月食でも、38万kmも離れた月まで、地球の影が届いている。38万kmなんて、太陽系や宇宙全体から見ればほんの少しの距離ですが、それでもそんな遠いところまで届いていることが、とても面白く、不思議で、凄いなと思うのです。

【皆既月食の時間】
 まず、月が地球の影に入り始める部分食が18時15分。東の空、月は昇っています。皆既月食の始まりは19時25分、食の最大が19時55分、皆既の終わりが20時25分、そして部分食の終わりが21時35分。

 長丁場ですが、日食は数分で終わってしまうのに対して、月食はゆっくりじっくり観察できる。ここも、皆既月食が観察しやすい点。
 そして今回は、日本全国各地から、食の最初から最後までを観察できる。ここが最大の好条件。しかも、部分食が終わっても22時前。お子さんも観察しやすい時間帯(観察する時は、必ず大人の方と一緒に!!)


【観察のポイント】
 上記国立天文台とJAXA宇宙教育センターのサイトで、皆既月食観察シートをダウンロードできます。時間ごとに、食の様子、月の色を塗り絵感覚で記入、記録できます。
 コンパクトデジカメでも撮影しやすいので、撮影して記録する方法もあります。

 観察方法は肉眼でOK.双眼鏡、天体望遠鏡が合っても便利です。今回は、皆既中の月のそばに天王星もあり、観測しやすい機会です。天王星は6等級と暗いので、普段は見つけにくい惑星。しかし、皆既中の月は暗く、周囲の星も観やすい。肉眼ではさすがに難しいので、双眼鏡、望遠鏡を使います。月の右側、月の直径の1~2倍ほど離れた位置にある暗い星が天王星、だそうです。
 私も挑戦してみようかな。

 天王星の他にも、皆既中、周囲の星の見え方にも注目してみましょう。普段の満月なら、明るい月明かりで、明るい星しか見えないはず。皆既になると、どうなるかな?


【観察の注意】
 日食よりは観察しやすい月食ですが、注意点はあります。
 まず、夜なので、安全に十分注意してください。皆既月食は、庭先やベランダからでも十分観測できます。流星群のように、家の明かりや街灯が少ない暗いところまで行かなくても観られます。外で見る時は、周囲の安全に十分注意してください。道路での観察はダメ。車や自転車などの事故のおそれがあります。公園などで観察する際も、行き帰りでは気をつけてくださいね。かばんや上着に反射板を付けるなどするといいですよ。

 もうひとつ。防寒対策も大事です。10月なので地域差はありますが、夜になると意外と寒くなります。晴れていれば、その分気温も下がりやすくなります。長袖長ズボンはもちろんのこと、上着も用意しておきましょう。虫刺され予防対策にもなります。3時間もの長丁場なので、身体も冷えやすい。あたたかい飲み物を用意しておくのもいいかも(外での観望の場合、トイレの場所は確認しておきましょう)。

 あとはお天気が良くなることを祈るばかり。台風は8日には行ってしまった後かな(その前の日の「ひまわり8号」打ち上げも、種子島は大丈夫そう)。台風一過の晴天に、全国から赤銅色の月が観られますように!!

 以上、準備記事でした。


【おまけ:前回2011年の皆既月食はこうだった】
2011.12.10皆既月食・準備編 今度こそ赤銅色の月を観たい!
2011.12.10皆既月食・報告編 見えて、雲に隠れて、そして…
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by halca-kaukana057 | 2014-10-04 22:35 | 宇宙・天文


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