恋するワトソンは前途多難? 人形劇「シャーロックホームズ」第8話

 今週は日曜、放送日に書けます。NHK人形劇「シャーロックホームズ」第8話「愉快な四人組の冒険」(前編)。前後編です。原作は勿論「四つの署名」。

 今回は、最初に一言言わせてください。原作(正典)読みましょう!是非!!次から次へと原作のネタが出てきて、しかも「そう来るか!」というアレンジに唸ってばかりでした。原作を読んでいなくても勿論楽しめますが、読んで元ネタ知ってたほうがもっと楽しめる!
 原作まだ読んだことない…難しそう…と思っている方へはまた後ほど書きます。

 冒頭、ビーカーの液体をじっと見つめるホームズ。注射器で吸い上げ…ま、まさか!!15歳ホームズまで…まさか!!とハラハラしたのは私だけではない、絶対に。その注射器をパイプのようなものに刺し、膨らます…?ここでロフトから降りてきたワトソン。寝巻でナイトキャップもしている、寝起き。夜通しその実験してたの?身体壊すよ?と心配する。その実験していたものとは…大きなシャボン玉。ここで笑うと共に、胸をなでおろしました。よかった…。
 原作のホームズはパイプでタバコもよく吸う…現代で言えばヘビースモーカー並みですが、モルヒネやコカインにも手を出していました。19世紀末のイギリスでは法には触れません。が、勿論身体にはよくない。一時的には活動的になれるけど、切れた後は廃人。原作ワトスンは医師の立場からも、ホームズに忠告します。が、受け入れず…。
 人形劇ではホームズはパイプの代わりにピロピロ笛を吹く。「四つの署名」ではコカインの話が出てくるので、どうするのかなぁ…と思ったらこう改変してきましたか。ホームズの奇妙な実験のひとつに。うまい。人形劇15歳ワトソンも、徹夜の面でホームズの身体を心配しています。

 そんな221Bに、いきなりやってきたハドソン夫人。朗らかに歌っている。何事!?しかももうひとり誰かいる!郵便配達のジョナサンさん。221Bで突撃リサイタルですかw出て行った2人、顔を見合わせ呆然とするホームズとワトソン…。何ですか今回は。冒頭から飛ばし過ぎです!w

 さて、今回の依頼人はアーチャー寮の女子生徒、メアリー・モースタン(学年不明、だが2年以下)。兄のアーサー(アーチャー寮3年)が夜中、突然部屋で殴られ負傷、今は病院にいる。そんなメアリーを見つめるワトソンは…一目惚れしてしまいましたwメアリーのことを語るナレーションワトソンが、原作のワトスンそのままだったw

 このメアリー、前回の感想と予告イラストのとおり、大きな青い目が印象的な可愛らしい女の子。でも、ホームズを最初警戒したり、ホームズが現場検証出来るように兄・アーサーの部屋を事件後のままにしておいたり、手がかりを探そうと屋根に登るホームズを追って屋根に登ったり。221Bから帰る時も、ワトソンの「送りましょうか?」の言葉にも「結構です」とピシャリ。気の強いところもある、しっかりとした、賢く勇気のある子です。再登場のラングデール・パイクの依頼料の代わりの商談にも、思い切りよく「買います」と。
 
 一方のワトソンが…メアリーにベタ惚れで、いいところを見せようとがんばるけれども、メアリーの方がホームズの相棒になれそうなぐらいだ…。屋根に登るシーンでも、ただ「メアリーさん、危ないよ!」と言うばかり。屋根に登ろうとしない。どうしたスポーツマン。鍛えてるんだから屋根に登るぐらい平気でしょう!!と思ったら、公式さんによると高所恐怖症らしい…(公式FBより)。そしてその結果が予告でも出てきたあのシーン。無事でよかった。

 221Bに戻って、メアリーに手当てをしてもらうワトソン。あと、パイクから買った塗り薬。このあたりで、人形劇15歳ワトソンは医師の息子で、医学に少しは詳しいだろうところを見せて欲しかった。ノベライズではそんな表現が少々あるのですが、人形劇本編では、ワトソンが医師の息子と出てきたのは1話冒頭、スタンフォードに医師の父がロンドンで開業して、オーストラリアから戻ってきた、というシーンだけ。何だか寂しいなぁ。
 …いや、ワトソンが医者(医学の知識のある・なし)じゃなくても、ホームズの親友であり相棒である。職業(学生なので関係ありませんが)、過去の経歴、学歴、社会的立場、専門分野…そんなものは関係無く、ホームズとワトソンは親友で、ホームズは事件を推理し、ワトソンは被害者・加害者の心理を察してサポートする。人形劇での2人の関係はそんな関係にしたいのかな?
 でも、この8話のワトソンでは、メアリーの心をつかむのは難しそう…。ワトソンの恋、どうなる。心配になってきました。

 アーサーの部屋に残された、破かれた厚紙。アーサーを含む、4人の名前がサインしてあった。ホームズの推理とパイクの調査でわかったあとの3人のうちの2人…双子のバーソロミュー(サインではBart:バート)・ショルトーとサディアス(サインではThady:サディ)・ショルトー(ディーラー寮3年。原作どおりなら確かにディーラー寮)。弟のサディアスが語る、その4人で結成していたコーラスグループ「トレジャーズ」の話。アーサーは作曲の才能もあり、4人で歌った歌「アグラの宝物」は校内でも大評判。校外でも知られていた。が、そのコーラスグループで困ったことが。全国学生合唱コンクールに出るこになったのだが、ひとりビートン校の学生じゃないメンバーがいる。話し合い、そのメンバーは脱退。歌はうまいのに残念だった…。アーサーの事件はそいつが犯人だ、と。次に狙われるのは、僕らショルトー兄弟。兄のバーソロミューはホームズたちを威嚇し、部屋から追い出してしまう。脱退したメンバーについて聞こうとしても、怒るばかり。そのメンバーがいたら「コンクールには出られない!」この台詞に、これは何かあるなと思いました。

 ショルトー兄弟は6話、ホームズとベインズとの推理対決で出てきた子です(双子…どっちだ?)。ショルトー兄弟の部屋にはグランドピアノがある。さすがディーラー寮。そして2人のBGMが、J.S.バッハの「トッカータとフーガニ短調」。冒頭の有名な部分ですね。何か不吉な雰囲気です…。
 「アグラの宝物」も、こう改変して来たか!また唸りました。4人のコーラスもとてもきれい。歌詞が謎、不思議な内容です。
 あと、ワトソンが渋々パイクから買った塗り薬を、かゆみにも効くからと貰い、塗った弟サディアス。匂いがきつく、行く先々で臭い、匂うと言われてしまうワトソン…不憫。このきつい匂いの塗り薬を塗ったサディアス、後半で何かありそうです。

 その4人目の、脱退したメンバー…ジョニー。冒頭のドタバタ劇が伏線だったとは!!夜、ディーラー寮を渡り廊下からうかがうその男、ジョニー…ジョナサン・スモール。このシーンのBGMにとても惹きつけられました。後編に続きます!
 観る前までは、ワトソン大活躍回か?と思っていたのに、残念な役回りばかり…。後編ではがんばれワトソン。ただ、ショルトー兄弟の部屋から帰って来たシーンでは、ワトソンとメアリーは少し打ち解けた雰囲気。ワトソンの恋の行方はいかに。いつまでもベタ惚れしてないで、4話のサザーランド嬢とウィンディバンクをうまくフォローしたみたいに、ビシッと、ワトソンらしく優しく、決めてくださいよ!

 次回予告では、アドラー先生も再登場!トビィも出番です。「グリーンスリーヴス」を見事なハーモニーで歌う「トレジャーズ」の4人。4人はどうなる?「愉快な四人組」とタイトルにありますが、今の状況では愉快とは言えない。何が起こるのだろう?
 そして…ワトソン、活躍するチャンスはあるのだろうか…次回予告を観る限り、あまりなさそうな…本当に心配です。 

 個人的に、バーソロミューの言動、「アグラの宝物」が歌という点で、ちょっと結末がわかった気がします。原作の筋に沿って行くならば。

 今回は前後編なのであるかな?と思った「シャーロッQ!」。ありました。メアリーに惚れたワトスン、一方何とも思わないホームズ。そのホームズに対してワトスンが言った言葉からクイズ。ワトスンの台詞から出題されたのは初めて。答えのワトスンの台詞の朗読は、勿論15歳ワトソン役の高木渉さんですよね?15歳ワトソンとは全く雰囲気が違う声、話し方。これまではホームズの台詞だけが取り上げられ、朗読はホームズ役山寺宏一さん。声の若さは違うけど、15歳でも原作でも話し方の雰囲気は似ているので、それほど驚かなかったのですが、今回のワトスンは驚いた。カウントダウンアニメも、ホームズとワトソンの一騒動バージョン。カウントダウンアニメは3種類?まだ別バージョンが出てくるかな?
 この「シャーロッQ!」、原作の解説だけで無く、19世紀後半のヨーロッパ、イギリスの社会や文化、科学などの歴史についての解説がとても興味深いです。アーサー・コナン・ドイルがどんな社会・時代背景の中、「ホームズ」シリーズを書いていたのか。それが物語の中でどう反映されているのか。面白い。このコーナー凄い。これまでのクイズも、訳によっては書かれていない、言及されていない内容もあり、物語から一歩踏み込んだ読解が出来るような出題。視聴者をシャーロキアンにする気満々ですね。



 最初でも書きましたが、今回は原作ネタがたっぷり出てきました。立場や職業は改変されていますが、登場人物の性格や言動もほぼ原作通り。まだ読んでいないという方は、「四つの署名」(訳によっては「四つのサイン」「四人の署名」)を読むことをオススメします。
 原作は難しそう…しかも訳が沢山あってどれがいいのかわからない…。わかります。私もそうでした。でも、人形劇である程度予習しているので、きっとついて行けます。勿論学園ものに改変しているので、違うところは沢山あります。そんな違いも、元ネタも探しながら読んでみてください。
 訳ですが、私もまだ正典入門中のため、細かくどれがどうと詳しく解説できません。これ!と断言出来ません。ただ、大まかに分類すると
・新潮文庫:格調ある訳。19世紀英国紳士の雰囲気を堪能できます。挿絵はなし。脚注少なめ。
・河出文庫:訳はやわらかめ。初版での挿絵を全て掲載。解説もとても詳しい。私が今通して読んでいるのがこれ
・光文社文庫、創元推理文庫:訳はこちらもやわらかめ。挿絵あり、脚注もある。
・角川文庫:訳はよりやわらかめ。挿絵なし。脚注は確認してませんすみません…。
・講談社青い鳥文庫:児童文庫なので読みやすい。イラストはアニメ調で親しみやすい。最初と最後に解説あり。
 本当に大まかです…。書店で手にとって読んでみて、読みやすいなと思ったものを読んでみてください。検索すると、もっと詳しいシャーロキアンさんの比較が出てくると思うので、それも参考にしてみてください。

 この人形劇から入った入門者の私が言うのもなんですが…人形劇で面白いと思ったら、是非原作も読んで見て欲しいです。全部は無理でも人形劇で取り上げられたエピソードだけでも。
 映像化作品も沢山あるので、他の「ホームズ」も見て欲しいなぁ。どれも面白い。あと、音楽もいい。
 古典だから、こんなに色々な形で楽しめるのだろうな。訳も同じく。本国ではなく、日本だから、こんなに多様な訳で楽しめる。ホームズ沼は広くて底なしです…。



 今週は先週予告イラスト描いたので、本編とは全く関係の無いイラストを。
 前回、マイクロフトに制服が違うから明らかに転校生…と言われていたワトソン。もうビートン校に大分馴染んでいるし、いつまでも転校生扱いなのがかわいそうに思えたので描いた。ベイカー寮制服ワトソン。
f0079085_23554450.jpg

 スケッチ画。結構似合うかも?タイは前の学校のものを使うことにした。前の学校の茶色の制服もちょっと分析しています。
f0079085_23565954.jpg

 ペン入れして色鉛筆でカラー版。なかなか似合うじゃないか!本編ではずっとあの茶色の制服だろうけど、最終回の最後あたりで着ていたら嬉しい。
 あと、何故茶色の制服のままなのか。ホームズも紺色の制服で、2人同じ色だと映えないから?あの茶色の制服はあれで似合っていて好きです。

 最後に、いよいよ始まりました、渋谷のNHKスタジオパークで人形劇ホームズ展。ビートン校の廊下や221Bなどの舞台の再現、小道具の実物展示が観たい!人形劇実演ワークショップも毎週日曜に開催。いいなぁ、10月だったらNHKスタジオパーク、行ったのに!!
 詳しくは以下公式サイトで確認してくださいね。12月28日まで。
NHKスタジオパーク:イベント情報:NHKパペットエンターテインメントシャーロックホームズ展
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by halca-kaukana057 | 2014-12-01 00:15 | Eテレ・NHK教育テレビ


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