[NHKスペシャルコミック版]まんが 生命40億年はるかな旅 +21年後に思うこと

 先週第1集が放送されたNスペ「生命大躍進」。この大元となったであろう番組が、21年前のNスペ大型シリーズ「生命 40億年はるかな旅」。この番組を観てアノマロカリスやオパビニア他カンブリア紀・バージェス動物群を知りましたし、番組で作ってしまったアノマロカリスロボットが衝撃的だった。他の回も夢中で観て、当時中学生だった私はすっかり古生物好きになってしまったのです…。(しかし、番組の録画を持っていないという…)
 このシリーズは一般向けの書籍もありましたが、学習漫画もありました。その存在は知っていて、図書館で読んでいたのですが、久しぶりに読んでみようと借りてきました。

・という話をこの記事の最後に書いてました:「コダモン」続報:古生代クリア! だが…?

まんが 生命 40億年はるかな旅
本庄敬/小学館/1994・1995(全5巻)

 内容は本編と同じですが、舞台はNHKの番組制作舞台裏。プロデューサーやディレクターたちが番組を制作する過程で、地球環境の変化と生命進化、そして生命とは何か、人類はこの未来どう進んでゆくべきか…と考える。収録するスタジオNは、360度フルスクリーンでCGや映像をバーチャルリアリティのように投影できる。第2集・バージェス動物群回「進化の不思議な大爆発」で、キャスターの毛利衛さんが(この頃既に宇宙には興味がありましたが、毛利さんがキャスターを務めていたこの番組のおかげで加速したw)オパビニア(のCG)を手に乗せて「手乗りオパビニア」をしていたのを「いいな…手乗りオパビニア…私もやってみたい…」なんて思っていたのですが(中学生でこの有様でしたw)、漫画ではプロデューサーの日向さんがやっている。スタジオNを自由に泳ぐ(飛ぶ?)バージェス動物群たちのシーンは、今読んでも「いいな…スタジオN行きたい…」と思いますwでも、恐竜回は私も逃げ出すと思いますwスタジオNの実質的権力者はCG制作の坂井さんだと思うw

 登場人物は実際に番組を制作したプロデューサー、ディレクターらスタッフ達が実名で登場しています。毛利さんも勿論。基本皆真面目なのですが、漫画なのでコミカルなシーンも。特にチーフ・プロデューサーの須磨さん。人当たりのよい親分肌で、なかなか哲学的なことも考えるのですが、基本ギャグ担当。ここぞというところでボケてくる。スタジオNに現れたバージェス動物群たちを追い払うところでは、こんな可愛いのに追い払わなくても…と。3巻・鳥回「大空への挑戦者」では、海外ロケに同行して大暴走wスタジオNに戻ってくると、CGの始祖鳥に最初は追いかけられていた(「かわいくない」と言ったため)が、最終的には懐かれているあたりが可愛い。後輩のプロデューサー・日向さんに怒られたり、海外ロケ先の専門家に対して失言したり…須磨さんがんばれと何度思ったことかw最後は真面目に締めてくれるんですが…。

 日向さんはサイエンス担当なので、基本真面目。でも、2巻魚類・両生類回の冒頭、意外やヘビースモーカーだったり、せっかくの休みに釣りをしようと思ったのに台風で、嵐の中釣りをしようとするところはいいなぁ、と。そして、ロケを待ちきれず知りたいと駄々をこねる(?)須磨さんに生命進化や化石に関する本をどっさり持ってきて怒鳴ったり…なかなか気が強いところもありますwお寿司の差し入れまでして、谷田部さんの残業に付き合うと言ってくれたのに、その後が残念なシーンも。

 巻を追うごとに、ディレクター・スタッフたちの個性も出てきてスタジオNはますます賑やかに。お気に入りは2巻恐竜回のディレクター田中さん。趣味がピアノで、落ち込むと小さなおもちゃのピアノをトイレに持ち込んで演奏する癖がある。しかも演奏曲はショパン「別れの曲」(エチュードop.10-3)この曲をおもちゃのピアノで…無理じゃないか?(多分簡単アレンジなんだよ!と納得させる)ちゃんとピアノで演奏するシーンも一応あるが、呆れるスタッフたち…ひどいw魚類・両生類回の谷田部さんも。色々とスタジオの面々にひどい扱いをされてしまう…かわいそうな面が多いです。本当、良い人なのに…。

 こんなコミカルなシーンが多いですが、テレビ局員の憂鬱にも触れられる。CGの坂井さんと特撮の岡田さん。2人がそれぞれの仕事に誇りを持ち、持てる技術を全力投球するも、対立してしまう。番組制作に行き詰まると悩み、頭を抱える。5巻「ヒトは何処へいくのか」では理想の映像を求めて海外へも飛び、じっと耐える…。テレビ局員は体力勝負であり、頭脳勝負でもある…本当に大変なんだなと。

 そんなテレビ局員たちとはちょっと違う立ち位置にいる毛利さん。本編と同じように語るシーンが多いですが、まさかのギャグ?キャラ崩壊?シーンも。毛利さんの苦手な昆虫と言えばピンと来る方もいると思いますが…CG坂井さん…。坂井さんはやはりスタジオNの実質的権力者だと思うw

 ちなみに、ウィキペディアには何故かこの漫画のことも詳しく書かれており、現在の主要登場人物についても書かれています。日向さん、N響の理事長さんなんだ…何だか嬉しい。
ウィキペディア:生命40億年はるかな旅

 漫画の合間にはコラムも。2巻にはあのアノマロカリスロボットの製作に関する話もあります。ちなみに、漫画でもアノマロカリスロボットが登場するのですが…またしても須磨さんが…。

 21年前の作品で、やはり古いなとは感じます。21年で世界は大きく変わった。生命の進化の歴史に比べると、人類の社会の変化の速度は速いなと実感します。特に5巻人類の未来をも考える「ヒトは何処へいくのか」は今では頓挫してしまった計画も多い。火星テラフォーミングなんてまだまだ夢物語。火星有人探査ですら具体的な見通しは立っていない。21年も経てば宇宙開発はもっと進んでいる…と21年前は思っていたのだな…。大きく進んだものもあれば、停滞しているもの、見通しが立たないものも多い。この番組のテーマ「ヒトが過去に学ぶことはもっとある」…生命が辿って来た過去に学んでいるのだろうか?生命進化の歴史はここで止まってしまうのだろうか。全5巻を読み終わったところで考え込んでしまった。いや、まだ短過ぎる。もっと長い時間がかかるのだろう。でも、それまで、人類は、地球はどうなっているのだろうか…。

 ちなみに、この「生命」のサントラCDは3枚出ているのですが、3枚全部持ってます。大島ミチルさんの音楽もこの番組は好きで…もしかしたら、私のクラシック好きはこのあたりから始まったのかも。それまでも、ピアノを習っていたことや、音楽の時間に聴くクラシック音楽やテレビ番組のサントラのオーケストラや器楽曲が好きだったのですが…色々なものの源流になってるなこの番組。


*****

 と、語ってみたのですが、こんなまとめが。
Togetter:【NHKスペシャル】ここがヘンだよ生命大躍進 第1集「そして"目"が生まれた」
 先日の「生命大躍進」で、問題点をツイートしたのをまとめたもの。確かに、イクチオステガが海のような波のるところから上陸していたことや、節足動物の複眼が見え辛いというのには「あれ?」とは思いましたが…イクチオステガのCGが21年前よりも大進化していたところにばかり目が行ってしまってあまり気にしていませんでした。イクチオステガに関しては、6月放送の第2集で詳しく出てくるのでそれを待ちます。
 このまとめの冒頭、こんなことが。
Nスペ「生命大躍進」は、生命の進化にターゲットを絞った内容で、その内容は21年前に放送されたNスペ「生命」に類似するのですが、実はこの「生命」も、当時の知識人に叩かれまくった問題作だったりします。
まさか、今回も? ‥と思ったら、やっぱりやらかしました。

 「生命」の第4集「花に追われた恐竜」は、植物と恐竜の繁栄と衰退の時期が合ってないなどと指摘・批判されたのはわかっています。この漫画は番組制作の過程を再現しているわけではないので、当時、どういういきさつでこの説を取り上げたのかな…と漫画を読んだ後で思いました。
 しかし、他の回も叩かれまくってたとは…。
 ショックです。複雑です。私にとっては、これが古生物だけじゃない、他の面においても興味や好きの源流となり、加速もした番組だったから。

 「生命大躍進」に関しては、自分で調べ直す必要があるのかな。葉緑素の光を感じる遺伝子が、光を感じる網膜・目に繋がる遺伝子になったというのに、頭の中がこんがらがりつつも観て、そうだったのか~と思っていたのですが…。それ以上にアノマロカリスもCG大進化していて、感激だったのに…。いや、第2集も楽しみにして観ますよ。
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by halca-kaukana057 | 2015-05-18 23:49 | 本・読書


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