ReLIFE 3

 ちょっとしたきっかけで読み始めた漫画「ReLIFE」。無料漫画アプリ「COMICO」で絶賛連載中。アプリでも読めますが、単行本から入った私は単行本でも読んでいます。
・1・2巻感想:ReLIFE 1・2

ReLIFE 3
夜宵草(やらいそう)/泰文堂・アーススターコミックス/2015

 学業・成績も敵わず、学級委員になれず、話してみても侮辱されているとしか思えず、とうとう我慢が出来なくなってしまった…玲奈は千鶴が廊下に置いていた千鶴の鞄を奪ってしまう。階段でその玲奈と出くわした新太。新太は玲奈が持っている鞄が千鶴のものだと気付く。「日代さんのものじゃ…」と新太が言いかけると、玲奈は階段を大急ぎで下りて逃げようとする。止めようとする新太。新太の手を振り払おうとする玲奈は、バランスを失って階段から落ちそうになり、新太も一緒に階段から落ちてしまう。落ちて倒れている2人を発見した千鶴。2人は気を失い、保健室に運ばれる。目が覚めた新太は、玲奈の行動から、辞めた会社で働いていた時のことを思い返す。そして玲奈も目を覚まし、新太は再び玲奈に千鶴の鞄のことについて尋ねると…。

 2巻の最後の部分もあらすじに書いておかないと話が繋がらないので、書いておきました…。あと、「ReLIFE」を読んだことが無く、この感想で初めて知る方もいらっしゃると思うので書いておくと、主人公の海崎新太は、実際は27歳。会社をとある理由で3ヶ月で辞め、それ以来無職→コンビニでアルバイトの生活をしていたところへ、「リライフ研究所」の夜明了(よあけ・りょう)と名乗る男から薬を手渡される。夜明は新太の過去を全て知っている。「リライフ研究所」ではニートを社会復帰させる実験を行っており、その研究所で開発した薬を飲むと見た目10歳程若返る。そして高校生として、1年間高校生活を送る実験の被験者になってほしいと頼まれる。新太は実験に協力することを決意。高校生として1年間を送ることになった…といういきさつ。詳しくは1・2巻感想、漫画本編をどうぞ。

 1・2巻では、成績優秀だが人と関わるのが大の苦手で友達もいないクラスメイトの日代千鶴、同じくクラスメイトで学業もバレー部の部活も一生懸命だけれども報われずネガティヴな感情を心の中に押し込めてしまっている狩生玲奈と新太がメインで描かれています。2巻で玲奈の精神面がとても心配だったのですが、ついに限界に来てしまった…。2巻で千鶴と玲奈のすれ違いを察していた新太ですが、千鶴の鞄を持っていたことで、玲奈が何をしようとしているのか、何を考えているのかをすぐに察知…やっぱり新太は周りのことをよく見ていて、人の心の動きに敏感で、優しくて、困っていたら何とかしたいとすぐ行動する、コミュニケーション能力高い。元の27歳の頃も、辞めた会社で働いていた頃も。辞めた会社では様々な人間に出会ったからこそ、更に人の心の動きにも敏感で、玲奈の行動もすぐに見抜けたのかな。大人、27歳の視点。

 その玲奈が、保健室で新太に鞄のことと心の奥底にあることを打ち明ける。逃げるな、と自分の行動と心と向き合わせようとする新太は、17歳の姿ではあるけれども27歳だ。
人を貶そうとする行為は結局は自分を貶す
(20ページ)

 この言葉、そしてここからの新太の言葉がグッと来ました。私も「自分なんて…」と自分自身を卑下して、他者と比べてしまい、僻み妬んで、ネガティヴモードに陥るとその人を貶したくなる。そんなことしても、自分の評価が上がるわけでもないのに。逆に自分を更に下げてしまう。
 一方、この新太の言葉(説教?)を聞いて、「何がわかるのよ!!」「なんであたしだけがうまくいかないの!?」と感情を爆発させてしまう玲奈の気持ちもよくわかる。頑張っても、頑張ってもうまくいかない。報われない。皆うまくやっているのに、自分だけ置いてけぼりで…結局また他者と比べてしまうわけですが…。この玲奈の心からの悲痛な叫びを受け止め、なだめる新太が優しい。結果が出ないからといって意味がないわけじゃない。「人と比べた順位だけが結果じゃない」(27ページ)そう信じたい。

 帰ろうとする新太を待っていた千鶴。2巻で千鶴と玲奈の心がすれ違っていたことを気にかけ、何とかしたいと夜明に相談するも、「石をどけたキレイな道を歩かせてあげることが 果たして本当に本人のためになるのか」と言われてしまった新太。その言葉を思い出し、千鶴と玲奈を対峙させることに。そして、新太の後に学校から出てきた玲奈を待っていた千鶴。一対一で本音を言い合う2人。そして、解けたある誤解。お互いの心がすれ違っていたことも、ようやくお互いに理解。千鶴も、他者と関わるのが苦手で、人の気持ちに鈍感であることを自覚している。そんな自分を変えたい。千鶴が玲奈に差し出した手…本音で、心の奥底からぶつかり合わないと手に入れられないものがある。本音で心の奥底から他者とぶつかり合うことを、大人になってからすることが少なくなったなと読んでいて感じました。私も千鶴ほどではありませんが、人と関わること、友達をつくることが苦手で、まさに高校生の頃、人間関係で悩んでいました。千鶴や玲奈のように本音を言うこともありましたが、相手は受け取らず…。大学になってからは部活で、いい意味で本音でぶつかり合うことが多く、最初は慣れず自分の殻に篭ろうとしていましたが、特に同期とは何度も何度も本音でぶつかり合い、手を差し出し取り合えた。この漫画を読んでいると、新太のように高校生にはなれなくても、その頃のことを思い返して、今大事にするものは何か、と考えます。

 玲奈に説教(?)した新太。しかし、新太も実際は他者と比べて結果にこだわり、頑張ることを諦めてフリーター(夜明からはニート呼ばわり)になった新太…自分自身への言葉でもあります。千鶴と玲奈の件がひと段落した後、現実は甘くないのにキレイ事を言ってしまっただろうか、と自分の発言を振り返る新太に夜明が言った言葉がこれまた印象的です。
確かにキレイ事だったかもしれません
でも嘘じゃない
思ってもいない言葉を上辺で並べるのがキレイ事かなと思います
そうじゃなく本心の願いから出た言葉なんだからいいじゃないですか?
汚い社会を見てきた海崎さんだからこその言葉だなぁと僕は感心しましたけど
確かに社会は甘くないのが現実だと思います
でも人を貶した奴らが上に上がれるようなそんな現実
正しくは無いですよね
(83~84ページ)

 本当にそうであってほしいと思う。

 後半はゴールデンウィーク。学校が休みで、ぐうたら生活をしている新太の部屋に、大神と杏が。追試続きの新太と杏のために、大神が勉強を見てあげるという約束が…。前回の感想で書き忘れたのですが、及第点をとるまで追試…つまり何度でもやり直すことができる。追試にうんざりしていた新太に夜明がそう言うのですが、新太本人が気付くべきだ、言い過ぎた…と後悔してしまう。夜明にとって新太は2人目の担当する被験者。1人目の回想が時々出てくるのですが、夜明も色々と抱えています。

 一方で、楽観的、カラッとした性格で、何を考えているのかよくわからないと思われている杏。新太と同じ編入生。その杏が、意外な行動に…そこに何故かあの人も…。やっぱり、という展開ではありましたが、ますます謎は深まるばかりです。オマケの番外編もうまく繋げています。シリアス展開の部分の感想を中心に書きましたが、コミカルな部分も多いので、楽しく読んでいます。

 COMICOではかなり先に進んでいて、4巻はいつ出るんだろう?本当に玲奈はあらゆる意味で報われてほしい…。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-02 23:17 | 本・読書


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