「ブルームーン」とはそもそも何ぞや

 今日は満月。7月2日も満月で、1ヶ月に満月が2回。この2回目の満月のことを、通称「ブルームーン」と呼ぶのが広まっているようです。私も過去に記事を書いていた。
今夜は"ブルームーン"(2010.1.30)

 今朝のNHKラジオ第一「夏休み子ども科学電話相談」にも、小学2年生の子から「ブルームーンは月が青く見えるの?」という質問がありました。私も聴いていたのですが、来たな、と。この子はお母さんから聞いたそう。先生は、「青く見えると思う?」と逆質問しつつ、「多分青くは見えないんじゃないかな~」と、丁寧に説明されていました。小学2年生に、音声だけで太陰暦を含む月の満ち欠けや皆既月食について説明するのはとても難しいと聞いていて感じました。皆既月食は図を使っても難しい。皆既月食の際に、太陽からの光の中の青い光が地球の大気の中を通過して、多少青く見える可能性はある、とのこと。4月の皆既月食を見ていたらなぁ…とも思いました。この子、よく電話してくれたな。誤解が解けてよかった。

 天文を身近にしたい気持ちはわかるけど、紛らわしい命名、誤解を生じやすい表現を安易に広めるのは逆効果だと思う…と、「ブルームーン」という言葉を目にする度にもやもやしていました。一体いつからこんな言葉が広まったんだ。勿論、天文用語ではありません。

 そしたら、解説しているサイトがありました!
All About:宇宙・天体:ブルームーンにまつわる誤解と真相
プラス、
ウィキペディア:ブルームーン
 これによると、
 ネイティヴ・アメリカンが各月の満月に、季節に応じてそれぞれの満月に名称をつけた。暦のようなものだったらしい。
 それが、アメリカに移住してきたヨーロッパ人に広まり、英語の名称に変わった。
         ↓
 太陰暦ではないので、月の満ち欠けとカレンダーが一致しない。1年に13回満月がある年がある。名称が足りない!
        ↓
 19世紀、メイン州の農民年間に、「3ヵ月(1つの季節)に4回ある満月のうちの3度目の満月」を「Blue Moon」と呼んでいた。3ヶ月に通常は3回満月になる。が、3ヶ月に4回満月がある時、3回目の満月が「ブルームーン」だった。満月の名称を時節(暦)どおりにするために挿入されたものだった。
        ↓
 1946年、アメリカの天文誌「SKY & TELESCOPE」がこれを誤解してしまい、「1ヵ月中の2度目の満月のことをブルームーンと呼ぶ」と掲載。その後訂正したが、広まってしまった。
        ↓
 1980年、更にラジオ番組がこの「1ヵ月中の2度目の満月のことをブルームーンと呼ぶ」のを紹介してしまい、更に広まった

 という歴史のようです。以前書いた記事と随分違うじゃないか…。

 また、「1ヵ月中の2度目の満月」の「ブルームーン」は、世界共通ではありません。時差、タイムゾーンがあるからです。満月になる瞬間は世界共通。しかし、タイムゾーンが異なるので、例えば日本標準時で1ヶ月に2度目の満月でも、他の国・地域では翌月になってしまい、満月が1ヶ月に2回ないこともあります。「1ヵ月中の2度目の満月」は世界共通とは限らない。アメリカのようにタイムゾーンがいくつもある国だと、ある地域とない地域に分かれることもあるそうです。

 ようやく「ブルームーン」について、何が発端なのか、そもそも「ブルームーン」とは何なのか、ということがわかりました。旧暦と現在のカレンダーの関係のようでもあります。7月7日は七夕、も、現行のカレンダーと、旧暦の「伝統的七夕」では異なる(「伝統的七夕」なら、梅雨の時期にぶつからないし、七夕に満月が当たることはありません)。一方、十五夜、十三夜は旧暦のものを現行のカレンダーではいつ…となっている。天文と暦、慣習・民俗と人々の暮らし…密接に繋がっているのだなと感じます。それは日本だけでなく、海外でも同じであることも。

 「ブルームーン」について、結構最近出てきた言葉なのかなと思っていましたが、思った以上に昔からある言葉だと知って驚きました。ただ、それがインターネットやSNSで広まりやすくなったことが、現在更に広まっている原因になっているようです。また、「極めて稀なこと」「決してあり得ないこと」を意味する"once in a blue moon"から来ているという説もあります。よって、特別なものとみなしている。

 暦は人間がつくり、決めたもの。月は変わらず地球の周りを回り、満ち欠けを繰り返しています。そんな中にいつもと違う何かを見つけ、「特別なもの」と意味づける…。それはそれで面白いかな、と思います。紛らわしい言葉だけど、由来が広まれば、目くじらを立てるものでもないかな、と…。
 そういえば、七夕の時にも似たようなことを思いました。国立天文台は「伝統的七夕」を推奨している。一部には、現行のカレンダー(新暦)の7月7日の七夕は七夕じゃない、という人も。月遅れで8月7日に行う地域も少なくない。細かいことはいいんだよ!全部やればいいんだよ!という人も。そんなそれぞれの主張にうんざりしていました。私は、別に全部やってもいいじゃないか、と。今回の「ブルームーン」は、私が細かいことを気にしていました。我ながら、滑稽だなぁ…。

 以上、「ブルームーン」についてあれこれでした。
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by halca-kaukana057 | 2015-07-31 23:45 | 宇宙・天文


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