続・生のオペラを観に行こう ヴェルディ:椿姫

 オペラに関する記事は久しぶりです。声楽なら、オペラよりも歌曲(伴奏はピアノでもオーケストラでも)やオペラアリア抜粋を中心に聴いていました。オペラ全曲となるとなかなか時間が…。なので、やはり生で観るのが一番集中できます。
 昨年初めて生のオペラを観に行ったのですが、今年も観に行く機会がありました。2年連続でオペラ公演があるなんて当地では考えられない…と思いながらw演目は、ヴェルディの「椿姫」。「乾杯の歌」が有名ですね…ってそれしか知らなかった…予習もロクにせずに観に行くことに…大丈夫か?

・ヴェルディ:作曲:歌劇「椿姫」(全3幕)
 プラハ国立歌劇場
 マルティン・レギヌス指揮、プラハ国立歌劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団
 演出:アルノー・ベルナール

 開演前、購入したパンフレットのあらすじを読んで簡単に予習。舞台はパリ。ヒロインは売れっ子娼婦のヴィオレッタ。華やかな毎日を送るが、そのせいか彼女は結核に侵されていた。そのヴィオレッタのパーティに、アルフレードというひとりの男性がやってくる。アルフレードはヴィオレッタに一目惚れし、会いたい思いでパーティに参加した。パーティの途中、誰もいなくなり、ヴィオレッタは具合が悪そうにしている。そのヴィオレッタを心配し、愛を告白するアルフレード。その一途な思いに、ヴィオレッタは心動かされる。ヴィオレッタもアルフレードのことを愛するようになる。が…

 舞台は白の壁の建物、白のソファ。ヴィオレッタも白のドレス。一方、アルフレードや合唱の取り巻きの人々は黒の衣装。白と黒だけのシンプルでモダンな舞台。でも、第2幕では床に黄色のカーペット代わりのようなものがあり、日の差し方も変えている。場面が変わると白の建物の位置を動かして、黒い面を出している。シンプルだけど、シンプルだからこそ多様な見せ方が出来る舞台にしてあるんだな、と感じました。

 第1幕の最初に、「乾杯の歌」が。字幕を見て、ああ、こういう歌詞だったんだとようやく知りました。今まで、例えばNHKニューイヤーオペラでも歌詞字幕を見ていたはずなのですが、物語のあらすじ、これからどうなるのかがわかって、「乾杯の歌」の歌詞もわかった。ただ楽しく盃を交わし、宴を楽しもうという意味だけでなく、今が楽しければそれでいいというヴィオレッタの信条に基づいていたのだな、と。

 ヴィオレッタは多くの男性と過ごすけれども、心から誰かに愛され、愛すということを知らない。そんなヴィオレッタに一途に愛を告白するアルフレード。こんな気持ち初めて…と人を愛する感情に目覚めるヴィオレッタが印象的でした。でも、「花から花へ」で、自分はその時その時の快楽に生きる、と…。このあたりから、ヴィオレッタに幸せになってほしいと思いながら見ていました。この「花から花へ」の自問するヴィオレッタの歌がとてもきれいでした。

 第2幕では娼婦を辞め、ヴィオレッタはアルフレードと暮らしている。アルフレードの一途な思いが届いた…よかった…と思ったのもつかの間。2人の生活は楽ではない、お金の問題。そして、アルフレードの父・ジェルモンがやってきて…。2人がだんだんとすれ違っていってしまうのが悲しい。2人とも一途にお互いを思っているからこそのすれ違いなのかもしれない…。
 2人が再会するフローラのパーティでバレエも登場。でもあまり存在感がなかったような。多分、パーティの客がごちゃごちゃと回りにいるせいかもしれない。

 すれ違ったまま、最後の第3幕。この第3幕への前奏曲がまた重く悲痛。結核が悪化し、ヴィオレッタの命は残り少ない。ヴィオレッタの世話をするアンニーナもけなげ。残り少ない命、アルフレードと愛し合った日々を回想するヴィオレッタ…このまま終わってしまうのか…?あらすじを読んで終わりがわかっていてもそう思ってしまう。そして、戻ってきたアルフレード。ジェルモンも謝り、誤解が解け、再会を喜ぶ2人。でも…。最後はつらかった。でも、ヴィオレッタは報われた、救いのある最期だったのだと感じました。昨年観た「カルメン」よりは救いのある最後だと思う。

 心から愛し、愛し合うこと。愛のすれ違い。その時その時だけの快楽に身を任せて生きること。現代でも色褪せないテーマで、考えながらも観ていました。「椿姫」ってこういうオペラだったんだ。やはりオペラは生で観るほうが集中して、物語も楽しめます。やっぱり今回も字幕を見て、歌手を見て、演出を見て…目が忙しくて大変でした。
 前回はオケピットがあまり見えない位置に座っていたのですが、今回はオケピットが見える位置に座ったので、オケピットを見るのも面白かった。暗い中演奏するのは大変そうだなぁ…。

 昨年の「カルメン」はフランス語、今回の「椿姫」はイタリア語。声楽でイタリア歌曲集をやっているので、イタリア語の単語にも反応しました。特に、愛を意味する「amore」。何度も出てきます。イタリア歌曲集でも「amore」と歌われる歌はたくさんあり、今私も取り組んでいます。その表現や歌唱についても勉強になりました。イタリアオペラもいいなぁ。

 ヴィオレッタのソプラノの美しい声、アルフレードのテノールの甘く強い声にも惹かれました。ジェルモンのバリトンも渋い。メゾソプラノがあまり出てこないのが残念…。

 また他の作品も生で観たいです。オペラはやっぱり面白い。
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・昨年の「カルメン」:オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
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by halca-kaukana057 | 2015-10-27 23:13 | 音楽


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