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マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議

 夏至は21日でしたが、この週末は北欧では夏至祭。フィンランドもユハンヌス(Juhannus)です。いつもは夏至、夏至祭、白夜の季節に聴きたいフィンランド、北欧の音楽について書いてきましたが、今年は本を。


マッティは今日も憂鬱 フィンランド人の不思議
カロリーナ・コルホネン:著、柳澤はるか:訳 / 方丈社 / 2017

 フィンランドで大人気、ベストセラーのコミック「FINNISH NIGHTMARES」の日本語版です。これまで、何度も海外向けのフィンランドの情報ツイッターアカウントで紹介されていて、気になっていました。日本語訳出版が決まった時はとても嬉しかったです。これ絶対買う、と。

 この本の主人公、マッティは典型的なフィンランド人男性。そんなマッティが日々遭遇する「苦手なこと」「避けたいこと」「憂鬱なこと」「フィンランド人あるある」をコミカルに、時に自虐的ジョークを交えて書かれています。マッティが可愛いです。シンプルな、愛らしいキャラクターです。フィンランドのキャラクターはムーミンだけじゃない!?これからはマッティもよろしく!

 帯に、「なぜか日本人にそっくり!?」とあるのですが、読んでいると、「わかる」「あるある」「マッティ、君は私か」と思うところばかり。これまで、他の本やメディアでも、フィンランド人の性格・国民性と日本人のそれは似ていると言われてきました。この本は日本向けに書かれたものではありません。フィンランド人のコルホネンさんが、フィンランド人を紹介するために書きました。それが、日本でも、日本人に似ているんじゃないかと受け入れられている。それが不思議ですし、嬉しくもあります。

 平穏と静けさと個人的領域(パーソナルスペース、他者と自分との距離。フィンランド人は広め)を大事にしているマッティ。シャイで、照れ屋で、目立つのが苦手。自己主張するのも苦手。多くは書きません。是非ともこの本を手にとって、読んでください。「あるある」「わかる」の意味がわかると思います(多分)

 フィンランド本国で出版されている本も、本文は英語です。でも、サウナやクリスマスのミルク粥など、フィンランドの文化も出てきます。あと、フィンランドのバスの乗り方や、フィンランド人と信号、ハロウィンなど、フィンランドに旅行する際、住む際に注意したほうがいいことも書かれているので、フィンランドに行く予定がある方には是非オススメします。

 森と湖の民と呼ばれるスオミ(Suomi)の民。湖のほとりの森の中で暮らしている(都市で生活している人も休みになれば質素なサマーハウスで暮らす)人々の由縁がわかる気がします。ユハンヌスは、湖のほとりでかがり火を燃やし、なかなか暗くならない、すぐに明ける夜を謳歌します。短い夏を存分に楽しもうと。ユハンヌスのフィンランドの人たちには、この本にある「憂鬱なこと」が起きないで楽しく過ごせるよう、願うばかりです。

 フィンランド本国では第2弾も出版されたそうです。第2弾も日本語訳の出版、よろしくお願いします!
by halca-kaukana057 | 2017-06-23 22:49 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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