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BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]

夏です。暑いですね。7月も中旬…いよいよ毎年恒例のあれが始まります。BBC Proms(プロムス)。世界最大級の音楽祭。今年はグリニッジ標準時 7月14日~9月9日まで。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールを中心に、2ヶ月間毎日コンサート。いいなぁロンドン…。

 今年は早めに入手できました。プロムス公式ガイドブック。今年もボリュームあります。
BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]_f0079085_229182.jpg


 ということで、今年も私が選んだ注目公演、気になる公演、聴きたい公演をまとめます。長いお祭りの始まりです!
 公演は、全てBBC radio3で放送。放送後30日間はオンデマンド配信されるので、夜中に起きてリアルタイムで聴けなくても大丈夫。スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリがとても便利です。各アプリストアで検索、ダウンロードしてみてね。

 あと、今年はプロムスの公式サイトもリニューアル。私としては、見難いと感じています。以前は1週間の公演をざっと見渡して、個々のページに進めたのに、今年はひとつひとつ飛ばなきゃいけない。面倒…。

 さらに、Proms公式の個々の公演のページには、BBC Radio3の放送回のページへのリンクがあったのですが、今年からなくなりました。不便。以下に、Radio3の一覧ページをリンクしておきます。
BBC Radio3 : BBC Proms : Available now
 Radio3の個々のページで、「in binaural sound」での配信がある公演(プロム)があります。昨年は試験的に導入した高音質での配信が、今年は本格的に導入になりました。是非、お手持ちのイヤホン、ヘッドホンで聴いてみてください。普通のヘッドホンでも音の違いを感じられますよ。
◇高音質版をまとめているページがありました:BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
 このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。ラストナイトもあります!

 では、各公演(プロム)を見ていきましょう。

◇7/14 Prom 1: First Night of the Proms
 ・Tom Coult:St John’s Dance(世界初演)
 ・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
 ・ジョン・アダムズ:Harmonium
 /イゴール・レヴィット(ピアノ)、BBC Proms ユース合唱団、BBCシンフォニーコーラス、エドワード・ガードナー:指揮、BBC交響楽団
 まずはファーストナイト。今年の指揮はガードナーさんです。曲目は、いつもと様子が違う気がする…。1曲目は世界初演。今年のPromsも世界初演が多数あります。メインは今年生誕70年のジョン・アダムズの作品。今年のPromsでは、ジョン・アダムズ作品を多数取り上げます。イギリスでは人気があるというのですが、私は一度も聴いたことがない…。この際だから聴いてみるか。でも、いつもよりもインパクトがないファーストナイトだなぁと…。
 イゴール・レヴィットさんのピアノは、以前BBCのオンデマンドで聴いたことがあります。ベートーヴェン3番は大好きな作品なので楽しみです。
*追記:レヴィットさんのアンコールはリスト編曲のベートーヴェン「第九」の「歓喜の歌」。「歓喜の歌」はヨーロッパではEUの歌です。

◇7/15 Prom 2: Daniel Barenboim conducts Sibelius and Elgar
 ・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
 ・エルガー:交響曲第1番 変イ長調 op.55
 /リサ・バティアシュヴィリ(Vn)、ダニエル・バレンボイム:指揮、シュターツカペレ・ベルリン
 2日目からバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが登場。CDも出したコンビ、バティアシュヴィリさんとシベコン。今年はフィンランド独立100年もあってか、シベリウス多めです。メインはエルガーの1番。あとで書きますが、Prom4では2番もやります。エルガーの交響曲も好きなので楽しみな公演です。
*追記:バティアシュヴィリさんのアンコールはなし。オーケストラのアンコールは、シベリウス:悲しきワルツ…このコンビで「悲しきワルツ」は珍しい。そして、エルガー:威風堂々第1番…あの…それ、ラストナイトで演奏する曲じゃ…勿論合唱はありませんが、まだプロムスは始まったばかり。ラストナイトはいくら何でも気が早いぞ!w

◇7/16 Prom 3: Bernard Haitink conducts Mozart and Schumann
 ・モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調 K504 「プラハ」
          ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K216
 ・シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61
 /イザベル・ファウスト(Vn)、ベルナルト・ハイティンク:指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団
 最初から随分飛ばしてませんか今年は…。3日目でハイティンクさんが登場。プロムスには半世紀以上も出演しています。ヨーロッパ室内管(COE)とモーツァルトとシューマン。これまた好きな曲ばかり、好きなプログラム。

◇7/16 Prom 4: Daniel Barenboim and Staatskapelle Berlin
 ・ハリソン・バートウィッスル:Deep Time(イギリス初演)
 ・エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 op.63
 /ダニエル・バレンボイム:指揮、シュターツカペレ・ベルリン
 再びバレンボイムとシュターツカペレ・ベルリン。先述したエルガー2番です。8月になりますが、エルガーは3番もあります!(8月の公演は別記事で書きます)
*追記:アンコールは、エルガー:エニグマ変奏曲 より「ニムロッド」 その後、バレンボイムさんが長々とスピーチを。スピーチ後に演奏したのは、再び威風堂々第1番。だからラストナイトはまだですって!!w

◇7/17 Proms at … Cadogan Hall,
PCM 1: I Fagiolini and Robert Hollingworth

 ・モンテヴェルディ:
 つれないアマリッリ(Cruda Amarilli)
 星に対して彼は打ち明けた(Sfogava con le stelle)
 遠く離れて(Longe da te, cor mio)
 歌劇「オルフェオ」より Possente spirto
 黄金の髪(Chiome d'oro)
 ああフィリ、お前に口づけしたいけど(Vorrei baciarti, o Filli)
 ・ロデリック・ウィリアムズ:La ci darem la mano(世界初演)
 ・モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り より
  第4曲:主を讃えよ,しもべたちよ(Laudate pueri Dominum)
  「天は永遠の道を通って…私の美しい調べに合わせて」(Volgendo il ciel per l'immortal sentiero… Movete al mio bel suon)
 /ロバート・ホリングワース:指揮、イ・ファジョリーニ
 プロムスの室内楽公演・Proms Chamber Music(PCM)の1回目は、今年生誕450年のモンテヴェルディ特集です。その間に、ロデリック・ウィリアムズ…バリトン歌手で、2014年のプロムス ラストナイトでは「ルール・ブリタニア!」のソロを歌ったあのウィリアムズさんは作曲もしています。その作品を世界初演です。
 イ・ファジョリーニは声楽アンサンブル。合唱も楽しみです。

◇7/17 Prom 5: Sibelius, Rachmaninov and Shostakovich
 ・シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105
 ・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 op.93
 /ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 今年はフィンランド独立100年ですが、イコール、ロシア革命100年でもあります。ロシア革命でゴタゴタしている間に、フィンランドは独立しちゃったんです。ということで、今年のプロムスはフィンランドのシベリウスも多めですが、ロシアもの、ショスタコーヴィチも多めです。1曲目にシベリウス7番、それは楽しみだ。ショスタコ10番も。
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のソロは、ベフゾド・アブドゥライモフさん。ウズベキスタン出身の若手ピアニストです。初めて聞きます。プロムスの醍醐味は、今まで聴いたことのない音楽家にも出会えるところ。この回は楽しみだなぁ。


◇7/18 Prom 6: Nicola Benedetti plays Shostakovich’s Violin Concerto No. 1
 ・ショスタコーヴィチ:十月革命 op.131
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
 ・シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 op.47
 /ニコラ・ベネデッティ(Vn)、トーマス・セナゴー:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 セナゴーさんとBBCウェールズの2日目。引き続きショスタコーヴィチとシベリウスです。「十月革命」はまさに1917年のロシア革命(2回目)のこと。ヴァイオリンソロのベネデッティさんはスコットランドのご出身。初めて聴きます。

◇7/22 Proms at ... Stage@TheDock, Hull
 ・テレマン:組曲「ハンブルクの潮の満ち干」 ハ長調 TWV55:C3 (水上の音楽) より、序曲
 ・ディーリアス:川面の夏の夜
 ・ヘンデル:水上の音楽 第3組曲 ト長調 HWV 50
 ・メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 op.27
 ・ラモー:歌劇「ナイス」序曲
 ・グレース・ウィリアムズ:海のスケッチ より
                 第1曲:High Wind
                 第5曲:Calm Sea in Summer
 ・ヘンデル:水上の音楽 第2組曲 ニ長調 HWV 349
 /ニコラス・マクギーガン:指揮、ロイヤル・ノーザン・シンフォニア
 ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏会でもない、PCMでもないプロムです。水や海に関係する作品を集めて演奏します。バロックから近現代まで、海に関係する曲はたくさんあります。今回、知らない曲もあります。興味を持ったのでリストに入れておきます。

◇7/24 Prom 13: Malcolm Sargent's 500th Prom
 ・ヘンリー・ウッド:編:イギリス国歌
 ・ベルリオーズ:ローマの謝肉祭 序曲
 ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
 ・エルガー:コケイン序曲 op.40
 ・ウォルトン:ファサード 第1組曲
         ファサード 第2組曲 より 第5曲 Popular Song
 ・ホルスト:どこまでも馬鹿な男
 ・ディーリアス:春初めてのカッコウの声を聴いて
 ・ブリテン:青少年のための管弦楽入門
 /ベアトリーチェ・ラナ(ピアノ)、サー・アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC交響楽団
 プロムスを長年指揮し続けたサー・マルコム・サージェントは今年で没後50年。それを記念して、サージェント卿がプロムスの500回目の指揮のプロム、1966年のファーストナイトを再現します。とても興味深いプログラム。現在は、ラストナイトでブリテン編曲のイギリス国歌を演奏していますが、以前はファーストナイトでも演奏していたんですね。イギリスもの中心の楽しみなプロムです。
 ピアノソロは、先日N響にも登場したベアトリーチェ・ラナさん。とても素敵なベートーヴェンでした。シューマンも楽しみです。
 ◇1966年のファーストナイト:Prom 01 - First Night of the Proms 1966 - Malcolm Sargent's 500th Promenade Concert

◇7/25 Prom 14: Holst – The Planets
 ・ヴォーン=ウィリアムズ:交響曲田9番 ホ短調
 ・ホルスト:惑星
 /バーミンガム市交響楽団ユース合唱団(女声合唱)、ジョン・ウィルソン:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 毎年演奏されるホルストの「惑星」。今年はBBCスコティッシュ交響楽団が演奏します。ヴォーン=ウィリアムズの最後の交響曲9番も。聴いたことがないのでこれは楽しみ。

◇7/29 Prom 19: Relaxed Prom
 /グラント・ルウェリン:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 このプロムは、小さな子どもも大人も、自閉症や発達障害を抱える人たち、視覚や聴覚に問題を持つ人たちも楽しめるプロム。歌っても踊ってもOK。いいなこういうの。
 曲目は、リムスキー・コルサコフやロッシーニ、ヨハン・シュトラウス二世、イギリスの人気テレビ番組「ドクター・フー」のテーマなど。
 こういうコンサートは、音だけで聴くよりも映像を観たり、実際にコンサートに行ってみるともっと楽しめるんだろうなぁ。

◇7/29 Prom 20: Stephen Hough plays Brahms
 ・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
 ・デイビット・ソウワー:グレイテスト・ハピネス・プリンシパル(The Greatest Happiness Principle)
 ・ハイドン:交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99
 /スティーヴン・ハフ(ピアノ)、マーク・ウィッグルスワース:指揮、BBCフィルハーモニック
 お気に入りのピアニスト、スティーヴン・ハフさんの登場です。今年はブラームスの1番協奏曲。

◇7/31 Proms at ... Cadogan Hall,
PCM 3: From the Kalevala to Kaustinen: Finnish Folk and Baroque Music

 /アヌ・コムシ(ソプラノ)、クレータ=マリア・ケンタラ(ヴァイオリン)、アンドリュー・ローレンス・キング(ハープ、カンテレ、プサルタリー)、エーロ・パルヴィアイネン(テオルボ、ギター)、ミッラ・ヴィルヤマー(ハルモニウム)
 プロムスの室内楽公演・Proms Chamber Music(PCM)の3回目は、フィンランド。フィンランドの民謡と、バロック音楽をお届けします。フィンランド民謡は合唱曲でいくつか知っていますが、フィンランドのバロック音楽…あまり聴いたことがない。楽器も、フィンランドの民族楽器・カンテレの他に、木箱に24本のピアノ線を張ったプサルタリー、リュートの仲間のテオルボと知らない楽器も。どんな音がするんだろう?
 ソプラノのアヌ・コムシさんは、2015年のラハティ・シベリウス音楽祭で、セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルの「ルオンノタール」でソプラノソロを歌っていたのを覚えています。きれいな声でした。ハルモニウムのヴィルヤマーさんは、調べたところ、アニメ映画「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」のサントラ演奏にも参加されていました。興味深いプログラムです。

 以上、7月分でした。ここに書かなかった公演でも、きっと聴きます。書ききれない!プロムスは日本時間15日未明、開幕です!

こちらの記事も参考にどうぞ。
英国ニュースダイジェスト:プロムス2017 - ロンドンの音楽祭 - BBC Proms 2017
by halca-kaukana057 | 2017-07-14 23:08 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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