2017年 08月 18日
BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその3 [8月 後半]
8月も毎日絶賛開催中のBBC Proms(プロムス)。8月前半の演奏会(プロム)の私選リストです。
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]
・8月 前半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]
今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
◇BBC Radio3 : BBC Proms : Available now
今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
◇BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。
では、8月後半の公演を見ていきましょう。
◇8/16 Prom 42: Les Siècles and François-Xavier Roth
・サン=サーンス:黄色い王女(La princesse jaune)序曲
・レオ・ドリーブ(Léo Delibes):ラクメ(Lakmé)のバレエ音楽
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 op.103「エジプト風」
・フランク:ジン(鬼神)(Les Djinns)
・ラロ:ナムーナ(Namouna) 第1組曲、第2組曲
・サン=サーンス:サムソンとデリラ より バッカナール
/セドリック・ティベルギアン(P)、フランソワ=グザヴィエ・ロト:指揮、レ・シエクル(Les Siecles)
フランストリオによる、フランスプログラムです。サン=サーンスが多めです。ピアノ協奏曲以外はバレエ音楽です。聴いたことがあるのは、サン=サーンスのピアノ協奏曲のみ…。他はどんな音楽なんだろう。
ピアノのティベルギアンさんは秋に来日予定のだそうですね。
【追記】1曲目の「黄色い王女」とは、日本人のことらしいです。
◇8/17 Prom 43: Saint-Saëns – ‘Organ’ Symphony
・ファリャ:恋は魔術師
・ラロ:スペイン交響曲(ヴァイオリン協奏曲 第2番) op.21
・サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」
/ステファニー・ドゥストラック(Stephanie d' Oustrac)(メゾソプラノ)、ジョシュア・ベル(Vn)、キャメロン・カーペンター(オルガン)、シャルル・デュトワ:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
今度は前半がスペインもの、後半はまたサン=サーンス。ラロのスペイン交響曲、名前に惑わされて、そう言えばヴァイオリン協奏曲だった…といつも思い出します(紛らわしい)。指揮はデュトワさん。サン=サーンスのオルガン交響曲は、いつか生で聴いてみたい曲です。オルガンを聴きたい。
◇8/18 Prom 45: Mahler – ‘Resurrection’ Symphony
・マーラー:交響曲第2番 ハ短調 「復活」
/エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、エリザベート・クールマン(メゾソプラノ)、The Bach Choir、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
今年はファーストナイトを振らなかったBBC響首席指揮者のオラモさんが今年のプロムス初登場です。マーラー2番、印象的な歌詞の独唱と合唱が楽しみです。頻繁には聴かない(長くて敬遠する(汗)徐々にマーラーにお近づきになってきているので、さらに親しみたいです。
オラモさんとBBC響、来年3月の来日が決定しました。
【追記】この演奏を、5月に亡くなられたBBC響前首席指揮者、イルジー・ビエロフラーヴェクさんに捧げるとのこと。演奏前に、オラモさんの追悼スピーチがあります。Prom54のフルシャさんのチェコプログラムとともに、ビエロフラーヴェクさんの思い出があちこちで…(涙
◇8/20 Prom 49: Bach’s St John Passion
・J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
/ニコラス・マルロイ(エヴァンゲリスト)、マシュー・ブルック(イエス)、ソフィー・ベヴァン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、アンドリュー・トーティス(テノール)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス)、ジョン・バット(ハープシコード、指揮)、ダンディン・コンソート(Dunedin Consort)
「Proms Reformation Day」の3つ目の公演です。今年は、ルターにはじまる宗教改革から500年。ルターは信仰を身近にしようと、ドイツ語の賛美歌をつくります。バッハのカンタータや受難曲、ミサ曲もその流れにあるもの…西欧音楽とキリスト教の歴史、カトリックかプロテスタントかは切っても切れない話。ちゃんと理解できていないこともありますが、少しでも理解して、聴く…ただ癒される、敬虔な気持ちになる、だけでは足りないのかな…とルターとバッハについて調べながら考えました。普段声楽曲、宗教曲を聴く時は、歌詞を見ない、見てもどこを歌っているのかわからないので見ても仕方ないと思っているのですが、聴く前に大体どんな歌詞なのかは頭に入れておこうと思います。
◇8/21 Prom 50: Beethoven, Stravinsky and Gerald Barry
・ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 op.72b
・ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調(ニ長調)
・ジェラルド・バリー:Canada (世界初演)
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67
/ リーラ・ジョゼフォヴィッツ(Vn)、アラン・クレイトン(テノール)、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
昨年新首席指揮者にグラジニーテ=ティーラさんを迎えたバーミンガム市響の登場です。ストラヴィンスキーと世界初演作品をベートーヴェンで挟んでいます。
昨年のミルガさんとバーミンガム市響のプロムが、BSプレミアムで放送されていて観たのですが、小柄な身体いっぱい使って表情豊かに指揮するミルガさんがかっこいい、可愛い。バーミンガム市響の楽団員さんともいい感じでした。アンコールの後、ミルガさんが「バーミンガムで会いましょう!」と挨拶するのも粋でした。すっかりファンになりました。今年の公演も楽しみです。
◇8/22 Prom 51: Sibelius, Saint-Saens and Elgar–Payne
・シベリウス:組曲「歴史的情景」 第1番 op.25
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.22
・エルガー(ペイン:補筆):交響曲第3番 ハ短調 op.88
/ ハヴィエル・ペリアネス(P)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
1曲目のシベリウスは、元は「『報道の日』祝典のための音楽」。この中から3曲が「歴史的情景」第1番、終曲「フィンランドは目覚める」が「フィンランディア」になりました。何度も書いていますが、今年はフィンランド独立100年。フィンランドのはじまりを知り、聴く作品です。サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、先日N響の演奏会で演奏され、「クラシック音楽館」で放送されたのを観ました。なかなか難しい曲です。ピアノのペリアネスさんは、グリーグの協奏曲で、オラモ&BBC響と共演したCDが出ていますね。メインはエルガーの3番。1,2番はバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが演奏しましたが、3番もあります。未完のままでしたが、BBCがペインに補筆を以来。1997年に完成し、演奏されるようになりました。3番はなかなか聴かないので、楽しみです。
◇8/23 Prom 52: Beyond the Score®: Dvořák’s New World Symphony
・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」
/ サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
ドヴォルザークの9番1曲のみですが、面白い演奏会です。 コンサート前半は、プロジェクションや俳優のダンス、曲の歴史などのプレゼンテーションがあり、後半は全曲演奏します。こういう演奏会はラジオで聴くだけだと楽しみが半減するなぁ。ダンスを観たい。
◇8/25 Prom 54: La Scala Philharmonic and Riccardo Chailly
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
・レスピーギ:ローマの噴水 , ローマの松
/ レオニダス・カヴァコス(Vn)、リッカルド・シャイー:指揮、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
シャイー&スカラ座フィルの登場です!カヴァコスさんのヴァイオリンのブラームス。カヴァコスさんというと、ヴァンスカ&ラハティ響とのシベリウスを真っ先に思い浮かべるのですが、もうかなり前ですね。後半はレスピーギでイタリアプログラム。「噴水」も「松」も好きです。
◇8/26 Prom 56: The Bohemian Reformation
・フス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」
・スメタナ:連作交響詩「我が祖国」より 第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク
・マルティヌー:野外のミサ H.279
・ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」 B.132 op.67
・ヤナーチェク:ブロウチェク氏の旅 より フスの歌
・スーク:交響詩「プラハ」 op.26
/ スヴァトプラク・セム(バリトン)、BBCシンガーズ(男声合唱)、ヤクブ・フルシャ:指揮、BBC交響楽団
プロテスタントの先駆けとなった、チェコのフス教徒。そのフス教徒と彼らの闘い、改革に関する作品が並びます。最初にチェコの作曲家たちが影響を受けたフス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」が歌われます。この「汝ら、神の戦士よ」は、「我が祖国」の「ターボル」「ブラニーク」、ドヴォルザーク「フス教徒」にも出てきます。このプロムに出てくる音楽が、チェコの歴史であり、チェコの人々の中に流れているのだなと感じます。指揮はチェコ出身のフルシャ。先日、来日してましたね。BBC響が演奏しますが、今年春に亡くなられた、前代首席指揮者のビエロフラーヴェクさんと、様々なチェコプログラムを取り上げてきました。フルシャさんはビエロフラーヴェクさんのお弟子さんでもあり…ビエロフラーヴェクさんのことを考えてしまいます。
このプロムで、もう一度、チェコのフス教徒たちの歴史を学びなおそうと思います。
◇8/29 Prom 60: Stravinsky, Rachmaninov and Shostakovich
・ストラヴィンスキー:火の鳥 組曲(1911年版)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
・ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番 ニ短調 「1917年」 op.112
/ レイフ・オヴェ・アンスネス(P)、ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
この回と次の回、2日連続で、北欧のオーケストラの登場です。まずは、オスロ・フィル。再び、ロシアもの、ロシア革命に関するプログラムのプロムです。ラフマニノフの番号つきのピアノ協奏曲は全曲演奏することにようやく気がつきました。4番は、同じくノルウェーのアンスネスさん。4番が合うと感じます。メインはショスタコーヴィチ12番。10月革命を扱った作品です。
◇8/30 Prom 61: Renée Fleming sings Strauss
・アンドレア・タッローディ:Liguria (イギリス初演)
・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏 op.24
・R.シュトラウス:「ダフネ」 より 「ch komme – ich komme」
・ニールセン:交響曲第2番 ロ短調 「四つの気質」 op.16 FS.29
/ ルネ・フレミング(ソプラノ)、サカリ・オラモ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
北欧のオーケストラ2日目は、スウェーデン。オラモさんはこの日はBBC響ではなくロイヤル・ストックホルム・フィル。かつて、ラストナイトにも登場したソプラノ、フレミングさんと登場です。このトリオでCD出してましたね。タッローディはスウェーデンの作曲家。バーバーとR.シュトラウスはフレミングさんの十八番です。メインはニールセン(ニルセン)の2番。第1楽章の溌剌としたメロディーを聴くとワクワクしてきます。表情に富んでいて、好きな作品です。
◇8/31 Prom 63: Taneyev, Rachmaninov and Tchaikovsky
・タネーエフ:歌劇「オレステイア」 op.6 序曲
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 op.1
・チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 (バイロンの劇詩による4つの音画の交響曲「マンフレッド」ロ短調) op.58
/ キリル・ゲルシュタイン(P)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
ラフマニノフのピアノ協奏曲がこれで4番まで揃いました。それまでにも作品は書いていましたが、ピアノ協奏曲第1番は作品番号1なんですね。タネーエフは聴いたことがない。ビシュコフさんのチャイコフスキー、今回はマンフレッド交響曲…あまり聴きなれてないので聴きます。
以上、8月後半でした。そろそろ最初の公演のオンデマンド期限が切れ始めています。聞き逃しがないかチェックと、演奏されたばかりの回を聴くのと、両方は大変です。9月は大曲も控えているのに…。
NHKFMで、ラストナイトが終わった後、9月11日から5日間、プロムスの公演をセレクションで放送予定です。
9月に続きます。
・7月:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその1 [7月]
・8月 前半:BBC Proms(プロムス)2017 私選リストその2 [8月 前半]
今回も、各プロムのリンクはプロムス公式サイトを貼りますが、実際聴く時はBBC radio3のサイトの方が便利だと感じます。前回も書きましたが、昨年まであったプロムス公式と、radio3の放送回のリンクが今年はなくなってしまいました…。radio3の放送一覧のページを以下に貼っておきます。
◇BBC Radio3 : BBC Proms : Available now
今年は高音質録音が昨年よりも増えています。radio3の各放送回にリンクがありますが、一覧もありますのでこちらもどうぞ。イヤホン、ヘッドホン(普通のヘッドホンで構いません)で、臨場感のある演奏をお楽しみください。
◇BBC : BBC Proms in Binaural Sound
◇詳しいことはこちら:BBC Taster : BBC Proms in Binaural Sound
このページの「Inside Story」に高音質で配信予定のプロムの記述があります。
では、8月後半の公演を見ていきましょう。
◇8/16 Prom 42: Les Siècles and François-Xavier Roth
・サン=サーンス:黄色い王女(La princesse jaune)序曲
・レオ・ドリーブ(Léo Delibes):ラクメ(Lakmé)のバレエ音楽
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 op.103「エジプト風」
・フランク:ジン(鬼神)(Les Djinns)
・ラロ:ナムーナ(Namouna) 第1組曲、第2組曲
・サン=サーンス:サムソンとデリラ より バッカナール
/セドリック・ティベルギアン(P)、フランソワ=グザヴィエ・ロト:指揮、レ・シエクル(Les Siecles)
フランストリオによる、フランスプログラムです。サン=サーンスが多めです。ピアノ協奏曲以外はバレエ音楽です。聴いたことがあるのは、サン=サーンスのピアノ協奏曲のみ…。他はどんな音楽なんだろう。
ピアノのティベルギアンさんは秋に来日予定のだそうですね。
【追記】1曲目の「黄色い王女」とは、日本人のことらしいです。
◇8/17 Prom 43: Saint-Saëns – ‘Organ’ Symphony
・ファリャ:恋は魔術師
・ラロ:スペイン交響曲(ヴァイオリン協奏曲 第2番) op.21
・サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」
/ステファニー・ドゥストラック(Stephanie d' Oustrac)(メゾソプラノ)、ジョシュア・ベル(Vn)、キャメロン・カーペンター(オルガン)、シャルル・デュトワ:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
今度は前半がスペインもの、後半はまたサン=サーンス。ラロのスペイン交響曲、名前に惑わされて、そう言えばヴァイオリン協奏曲だった…といつも思い出します(紛らわしい)。指揮はデュトワさん。サン=サーンスのオルガン交響曲は、いつか生で聴いてみたい曲です。オルガンを聴きたい。
◇8/18 Prom 45: Mahler – ‘Resurrection’ Symphony
・マーラー:交響曲第2番 ハ短調 「復活」
/エリザベス・ワッツ(ソプラノ)、エリザベート・クールマン(メゾソプラノ)、The Bach Choir、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
今年はファーストナイトを振らなかったBBC響首席指揮者のオラモさんが今年のプロムス初登場です。マーラー2番、印象的な歌詞の独唱と合唱が楽しみです。頻繁には聴かない(長くて敬遠する(汗)徐々にマーラーにお近づきになってきているので、さらに親しみたいです。
オラモさんとBBC響、来年3月の来日が決定しました。
【追記】この演奏を、5月に亡くなられたBBC響前首席指揮者、イルジー・ビエロフラーヴェクさんに捧げるとのこと。演奏前に、オラモさんの追悼スピーチがあります。Prom54のフルシャさんのチェコプログラムとともに、ビエロフラーヴェクさんの思い出があちこちで…(涙
◇8/20 Prom 49: Bach’s St John Passion
・J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
/ニコラス・マルロイ(エヴァンゲリスト)、マシュー・ブルック(イエス)、ソフィー・ベヴァン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、アンドリュー・トーティス(テノール)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス)、ジョン・バット(ハープシコード、指揮)、ダンディン・コンソート(Dunedin Consort)
「Proms Reformation Day」の3つ目の公演です。今年は、ルターにはじまる宗教改革から500年。ルターは信仰を身近にしようと、ドイツ語の賛美歌をつくります。バッハのカンタータや受難曲、ミサ曲もその流れにあるもの…西欧音楽とキリスト教の歴史、カトリックかプロテスタントかは切っても切れない話。ちゃんと理解できていないこともありますが、少しでも理解して、聴く…ただ癒される、敬虔な気持ちになる、だけでは足りないのかな…とルターとバッハについて調べながら考えました。普段声楽曲、宗教曲を聴く時は、歌詞を見ない、見てもどこを歌っているのかわからないので見ても仕方ないと思っているのですが、聴く前に大体どんな歌詞なのかは頭に入れておこうと思います。
◇8/21 Prom 50: Beethoven, Stravinsky and Gerald Barry
・ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 op.72b
・ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調(ニ長調)
・ジェラルド・バリー:Canada (世界初演)
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67
/ リーラ・ジョゼフォヴィッツ(Vn)、アラン・クレイトン(テノール)、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
昨年新首席指揮者にグラジニーテ=ティーラさんを迎えたバーミンガム市響の登場です。ストラヴィンスキーと世界初演作品をベートーヴェンで挟んでいます。
昨年のミルガさんとバーミンガム市響のプロムが、BSプレミアムで放送されていて観たのですが、小柄な身体いっぱい使って表情豊かに指揮するミルガさんがかっこいい、可愛い。バーミンガム市響の楽団員さんともいい感じでした。アンコールの後、ミルガさんが「バーミンガムで会いましょう!」と挨拶するのも粋でした。すっかりファンになりました。今年の公演も楽しみです。
◇8/22 Prom 51: Sibelius, Saint-Saens and Elgar–Payne
・シベリウス:組曲「歴史的情景」 第1番 op.25
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 op.22
・エルガー(ペイン:補筆):交響曲第3番 ハ短調 op.88
/ ハヴィエル・ペリアネス(P)、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
1曲目のシベリウスは、元は「『報道の日』祝典のための音楽」。この中から3曲が「歴史的情景」第1番、終曲「フィンランドは目覚める」が「フィンランディア」になりました。何度も書いていますが、今年はフィンランド独立100年。フィンランドのはじまりを知り、聴く作品です。サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、先日N響の演奏会で演奏され、「クラシック音楽館」で放送されたのを観ました。なかなか難しい曲です。ピアノのペリアネスさんは、グリーグの協奏曲で、オラモ&BBC響と共演したCDが出ていますね。メインはエルガーの3番。1,2番はバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンが演奏しましたが、3番もあります。未完のままでしたが、BBCがペインに補筆を以来。1997年に完成し、演奏されるようになりました。3番はなかなか聴かないので、楽しみです。
◇8/23 Prom 52: Beyond the Score®: Dvořák’s New World Symphony
・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95 「新世界より」
/ サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
ドヴォルザークの9番1曲のみですが、面白い演奏会です。 コンサート前半は、プロジェクションや俳優のダンス、曲の歴史などのプレゼンテーションがあり、後半は全曲演奏します。こういう演奏会はラジオで聴くだけだと楽しみが半減するなぁ。ダンスを観たい。
◇8/25 Prom 54: La Scala Philharmonic and Riccardo Chailly
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
・レスピーギ:ローマの噴水 , ローマの松
/ レオニダス・カヴァコス(Vn)、リッカルド・シャイー:指揮、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
シャイー&スカラ座フィルの登場です!カヴァコスさんのヴァイオリンのブラームス。カヴァコスさんというと、ヴァンスカ&ラハティ響とのシベリウスを真っ先に思い浮かべるのですが、もうかなり前ですね。後半はレスピーギでイタリアプログラム。「噴水」も「松」も好きです。
◇8/26 Prom 56: The Bohemian Reformation
・フス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」
・スメタナ:連作交響詩「我が祖国」より 第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク
・マルティヌー:野外のミサ H.279
・ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」 B.132 op.67
・ヤナーチェク:ブロウチェク氏の旅 より フスの歌
・スーク:交響詩「プラハ」 op.26
/ スヴァトプラク・セム(バリトン)、BBCシンガーズ(男声合唱)、ヤクブ・フルシャ:指揮、BBC交響楽団
プロテスタントの先駆けとなった、チェコのフス教徒。そのフス教徒と彼らの闘い、改革に関する作品が並びます。最初にチェコの作曲家たちが影響を受けたフス派の賛美歌「汝ら、神の戦士よ」が歌われます。この「汝ら、神の戦士よ」は、「我が祖国」の「ターボル」「ブラニーク」、ドヴォルザーク「フス教徒」にも出てきます。このプロムに出てくる音楽が、チェコの歴史であり、チェコの人々の中に流れているのだなと感じます。指揮はチェコ出身のフルシャ。先日、来日してましたね。BBC響が演奏しますが、今年春に亡くなられた、前代首席指揮者のビエロフラーヴェクさんと、様々なチェコプログラムを取り上げてきました。フルシャさんはビエロフラーヴェクさんのお弟子さんでもあり…ビエロフラーヴェクさんのことを考えてしまいます。
このプロムで、もう一度、チェコのフス教徒たちの歴史を学びなおそうと思います。
◇8/29 Prom 60: Stravinsky, Rachmaninov and Shostakovich
・ストラヴィンスキー:火の鳥 組曲(1911年版)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
・ショスタコーヴィチ:交響曲 第12番 ニ短調 「1917年」 op.112
/ レイフ・オヴェ・アンスネス(P)、ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
この回と次の回、2日連続で、北欧のオーケストラの登場です。まずは、オスロ・フィル。再び、ロシアもの、ロシア革命に関するプログラムのプロムです。ラフマニノフの番号つきのピアノ協奏曲は全曲演奏することにようやく気がつきました。4番は、同じくノルウェーのアンスネスさん。4番が合うと感じます。メインはショスタコーヴィチ12番。10月革命を扱った作品です。
◇8/30 Prom 61: Renée Fleming sings Strauss
・アンドレア・タッローディ:Liguria (イギリス初演)
・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏 op.24
・R.シュトラウス:「ダフネ」 より 「ch komme – ich komme」
・ニールセン:交響曲第2番 ロ短調 「四つの気質」 op.16 FS.29
/ ルネ・フレミング(ソプラノ)、サカリ・オラモ:指揮、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
北欧のオーケストラ2日目は、スウェーデン。オラモさんはこの日はBBC響ではなくロイヤル・ストックホルム・フィル。かつて、ラストナイトにも登場したソプラノ、フレミングさんと登場です。このトリオでCD出してましたね。タッローディはスウェーデンの作曲家。バーバーとR.シュトラウスはフレミングさんの十八番です。メインはニールセン(ニルセン)の2番。第1楽章の溌剌としたメロディーを聴くとワクワクしてきます。表情に富んでいて、好きな作品です。
◇8/31 Prom 63: Taneyev, Rachmaninov and Tchaikovsky
・タネーエフ:歌劇「オレステイア」 op.6 序曲
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 op.1
・チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 (バイロンの劇詩による4つの音画の交響曲「マンフレッド」ロ短調) op.58
/ キリル・ゲルシュタイン(P)、セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
ラフマニノフのピアノ協奏曲がこれで4番まで揃いました。それまでにも作品は書いていましたが、ピアノ協奏曲第1番は作品番号1なんですね。タネーエフは聴いたことがない。ビシュコフさんのチャイコフスキー、今回はマンフレッド交響曲…あまり聴きなれてないので聴きます。
以上、8月後半でした。そろそろ最初の公演のオンデマンド期限が切れ始めています。聞き逃しがないかチェックと、演奏されたばかりの回を聴くのと、両方は大変です。9月は大曲も控えているのに…。
NHKFMで、ラストナイトが終わった後、9月11日から5日間、プロムスの公演をセレクションで放送予定です。
9月に続きます。
by halca-kaukana057
| 2017-08-18 23:48
| 音楽