2017年 09月 03日
西洋文化に触れた驚き 「遥かなるルネサンス」展
あちこち出かけているのですが、その記事を書かず…。印象に残ったことを記録しようと思います。
先日、行ってきたのは、青森県立美術館。このブログでも時々登場する、お気に入りの美術館です。現在開催中の特別展「遥かなるルネサンス展」に行ってきました。
◇青森県立美術館:遥かなるルネサンス展
時は信長や秀吉の時代。各地のキリシタン大名のもとで暮らしていた4人のキリシタンの少年たち。1582年、宣教師ヴァリニャーノは、日本人自身の中から、ヨーロッパ文明の語り部となる人物を育成する必要があると考え、その4人の少年たちをイタリアに送り出しました。「天正遣欧少年使節」です。ようやく着いたイタリアで、少年たちが出会った人々、見たであろう風景を、絵画や様々な美術品で辿ります。
ああこの建築たまりませんねぇ。
目玉の「ビア・デ・メディチの肖像」と「伊東マンショの肖像」がでかでかと。「ビア~」は日本初公開、「伊東マンショ~」は長らく行方不明でしたが、2014年に発見された作品。今回もすごいのが来ましたね。
今、現代、旅行に行って、旅の記録はデジカメや携帯のカメラで簡単に撮影できます。しかし、この時代は絵を描くしかない。日本の芸術とは全く異なる西洋の芸術。南蛮文化は少しは入ってきただろうけど、実際に西洋に行って、その風景や文化、現地の人々に会い話をするのは想像以上のものだったろう。本場の西洋文化、キリスト教のことを学んで、日本に帰ったらそれを伝えるという使命を持ちつつも、初めて触れる西洋文化に、4人の少年たちは何を思っただろう。現代でも、テレビや本、ネットなどで、簡単に海外情報を手に入れることはできるけど、実際に行って観るのとでは違う(海外に行ったことないですが(涙)。それが、この時代だったらどうだろうか…。そんなことを思いながら展覧会を観ました。
美術品の他に、手紙も展示されています。少年たちが書き残した日本語と、外国語(ラテン語かな?)の手紙も。外国語だって、今でも学ぶのは大変なのに、辞書も少なかっただろうし、勉強は大変だったろう。それでも、手紙はとても達筆で…そんなところからも、この旅路の厳しさを思い知ります。
当時、イタリアでは、メディチ家が勢力を振るっていました。「ビア~」に描かれている少女・ビアもメディチ家の人。小さいうちに亡くなってしまったそう…。このあたりは、世界史を思い出しながら、でも思い出せずに何だったっけ…と思いながら観ていました。勉強になります。キリスト教に関係するものだけではなく、ギリシア・ローマ神話に関係するものも。このあたりは、星座の神話でもお馴染みなので、興味深く観ました。
異文化に触れ、異文化を理解するということ。その意味の深さを考えました。
8年もの長旅の後、少年たちは旅で見たものを、日本の人々に伝えます。そして、キリスト教をさらに学ぶのですが…キリシタン弾圧が強まり、殉教した者、教会から離れその後の足取りがわからなくなった者も。この最後に、旅の厳しさと、この時代の厳しさを感じました。
久々の大型の展覧会でしたが、いい展覧会でした。
お土産で、これが気に入りました。
少年たちが訪れたフィレンツェの、トスカーナ大公の工房で作られた、テーブルの天板。とても豪華なモザイクです。それをマスキングテープにしました。ノートに貼ってみましたが、雰囲気が変わります。
◇青森県立美術館:シャガール「アレコ」全4作品完全展示
青森県立美術館と言えば、シャガール「アレコ」背景画。4幕のうち、1,2,4幕は青森にあります。3幕を保管しているアメリカのフィラデルフィア美術館が長期の改修工事に入ったため、残りの3幕も借用中。2021年までと、まだまだ観られます。「アレコ」背景画は、青森県立美術館が開館した際、全4幕を揃えて展示していました。その迫力に圧倒されたのですが、再び、全4幕を観られて、やっぱり圧倒されました。「アレコ」のドラマティックで悲劇のラストの物語を思いながら、全4幕をひとつずつ追って観られるのは素晴らしいです。まだ観たことのない方は是非とも。
青森県立美術館は、少し前に「ぼのぼの」展をやっていて、それも観に行きました。普通の特別展とは違う形です。「ぼのぼの」の漫画やアニメは大好きなので、観ていてとても楽しかったです。いがらしみきお先生の「ぼのぼの」を描くメイキング動画もよかった。
先日、行ってきたのは、青森県立美術館。このブログでも時々登場する、お気に入りの美術館です。現在開催中の特別展「遥かなるルネサンス展」に行ってきました。
◇青森県立美術館:遥かなるルネサンス展
時は信長や秀吉の時代。各地のキリシタン大名のもとで暮らしていた4人のキリシタンの少年たち。1582年、宣教師ヴァリニャーノは、日本人自身の中から、ヨーロッパ文明の語り部となる人物を育成する必要があると考え、その4人の少年たちをイタリアに送り出しました。「天正遣欧少年使節」です。ようやく着いたイタリアで、少年たちが出会った人々、見たであろう風景を、絵画や様々な美術品で辿ります。
ああこの建築たまりませんねぇ。
目玉の「ビア・デ・メディチの肖像」と「伊東マンショの肖像」がでかでかと。「ビア~」は日本初公開、「伊東マンショ~」は長らく行方不明でしたが、2014年に発見された作品。今回もすごいのが来ましたね。
今、現代、旅行に行って、旅の記録はデジカメや携帯のカメラで簡単に撮影できます。しかし、この時代は絵を描くしかない。日本の芸術とは全く異なる西洋の芸術。南蛮文化は少しは入ってきただろうけど、実際に西洋に行って、その風景や文化、現地の人々に会い話をするのは想像以上のものだったろう。本場の西洋文化、キリスト教のことを学んで、日本に帰ったらそれを伝えるという使命を持ちつつも、初めて触れる西洋文化に、4人の少年たちは何を思っただろう。現代でも、テレビや本、ネットなどで、簡単に海外情報を手に入れることはできるけど、実際に行って観るのとでは違う(海外に行ったことないですが(涙)。それが、この時代だったらどうだろうか…。そんなことを思いながら展覧会を観ました。
美術品の他に、手紙も展示されています。少年たちが書き残した日本語と、外国語(ラテン語かな?)の手紙も。外国語だって、今でも学ぶのは大変なのに、辞書も少なかっただろうし、勉強は大変だったろう。それでも、手紙はとても達筆で…そんなところからも、この旅路の厳しさを思い知ります。
当時、イタリアでは、メディチ家が勢力を振るっていました。「ビア~」に描かれている少女・ビアもメディチ家の人。小さいうちに亡くなってしまったそう…。このあたりは、世界史を思い出しながら、でも思い出せずに何だったっけ…と思いながら観ていました。勉強になります。キリスト教に関係するものだけではなく、ギリシア・ローマ神話に関係するものも。このあたりは、星座の神話でもお馴染みなので、興味深く観ました。
異文化に触れ、異文化を理解するということ。その意味の深さを考えました。
8年もの長旅の後、少年たちは旅で見たものを、日本の人々に伝えます。そして、キリスト教をさらに学ぶのですが…キリシタン弾圧が強まり、殉教した者、教会から離れその後の足取りがわからなくなった者も。この最後に、旅の厳しさと、この時代の厳しさを感じました。
久々の大型の展覧会でしたが、いい展覧会でした。
お土産で、これが気に入りました。
少年たちが訪れたフィレンツェの、トスカーナ大公の工房で作られた、テーブルの天板。とても豪華なモザイクです。それをマスキングテープにしました。ノートに貼ってみましたが、雰囲気が変わります。
◇青森県立美術館:シャガール「アレコ」全4作品完全展示
青森県立美術館と言えば、シャガール「アレコ」背景画。4幕のうち、1,2,4幕は青森にあります。3幕を保管しているアメリカのフィラデルフィア美術館が長期の改修工事に入ったため、残りの3幕も借用中。2021年までと、まだまだ観られます。「アレコ」背景画は、青森県立美術館が開館した際、全4幕を揃えて展示していました。その迫力に圧倒されたのですが、再び、全4幕を観られて、やっぱり圧倒されました。「アレコ」のドラマティックで悲劇のラストの物語を思いながら、全4幕をひとつずつ追って観られるのは素晴らしいです。まだ観たことのない方は是非とも。
青森県立美術館は、少し前に「ぼのぼの」展をやっていて、それも観に行きました。普通の特別展とは違う形です。「ぼのぼの」の漫画やアニメは大好きなので、観ていてとても楽しかったです。いがらしみきお先生の「ぼのぼの」を描くメイキング動画もよかった。
by halca-kaukana057
| 2017-09-03 23:01
| 旅・お出かけ