著作権保護期間延長に反対します



 少し前からこのバナーをサイドバーに貼り付けていたのだが、今日はこの説明をしようと思います。

 現在、著作権保護期間は日本では著作権者の死後50年間と決まっているが、これを70年に延長しようという動きがある。この著作権保護期間延長に対して、反対する署名をしようというのがこのバナーの意図です。このサイトで署名を集め、5月に国会へ提出する予定です。もし、この記事を見ている方で保護期間延長反対に同意される方は、是非署名に参加してください。リンク先で署名用の用紙と送付用の封筒をダウンロードすることが出来ます。それに署名をして、封筒のあて先へ郵送してください。詳しくはバナーリンク先で。


 まず、著作権保護期間について少し説明をします。文学や漫画、音楽、映画やドラマ・アニメなどの映像作品、絵画などの創作物には著作者が著作権を持つ権利があり、たとえお金儲けが目的でなくともその著作権者に無断で第三者に向けてその作品を鑑賞できるようにすることは禁止されています。非営利目的であれ著作権で守られた作品を鑑賞できるようにするためには、その著作権者の許可を得ないとなりません。簡単に言うと、著作者に対して使用料を払うことになります。

 しかし、著作者が死んで50年が経つ(※注1)と、その作品の著作権は消滅し、許可を得なくても自由に利用、鑑賞、第三者に向けて発表することが出来ます。例えば、著作権が切れた文学作品をネット上で自由に読めるようにする「青空文庫」や、個人によるクラシック音楽の演奏をHPで発表できるのは、この著作権保護期間が切れたために出来ること。ここで著作権保護期間が大きな問題となります。現在は50年である保護期間が70年になるとどうなるのか。自由に利用できるようになるための開始年月が、今よりも20年も長くなってしまいます。作品が著作権に守られていることによって、著作権者ならびにその家族にとっては収入を保証することが出来るが、反対に文化の発展や表現の自由を奪うものでもあるのです。

 著作権保護期間が終了すると、例えば海外文学作品の日本語訳が何種類も出版されたり、楽譜の出版が増えたりなどその作品をより気軽に、身近に利用することが出来ます。また、著名な作家でもあまり知られていなかった作品が出回るようになるメリットもあります。


 私自身この著作権保護期間延長に対してどう考えているか。私はピアノを独学で今練習しているのですが、著作権を「壁」と感じたことがあります。師もおらず師でなくとも聞いてくれる第三者もいない私にとって、ネット上で演奏を発表することは、度胸試しでもあり客観的に指摘していただける場でもあります。ところが、著作権がまだ切れていない作品だとそれが出来ない。著作権なんて無視、クソ食らえ!と発表してしまうほどの度胸も無く、とりあえず切れた作品をちまちまと発表し続けています。

 著作権を無視することはあくまで違法行為なので良くは思いませんが、「著作権の壁」をぶち壊してでも利用することにメリットもあるのではないかと思うこともあります。例えばYouTubeやGoogle Videoのような動画投稿サイト。アニメなどのテレビ番組が連日のように投稿され、テレビ局はそれを取り締まるのにかなり苦労している。その一方で、YouTubeで日本の番組を観た海外の人が、日本に面白い番組があるとその動画をブログなどで紹介する。そこからさらに多くの人がその番組を知り、文化としてどんどん世界に広まってゆく。そこで得られた反響が日本に戻ってきて製作者に伝われば、その番組はもっと面白くなるんじゃないかと。

 だからこそ、私は著作権保護期間延長が文化の発展の障壁になると考え、反対するのです。50年でも壁なのに、さらに延ばしたらその作品が文化・社会に与えるメリットはどんどんしぼんでいってしまう。ネット上で氾濫しているから厳しくするのも一つの考えかと思いますが、厳しくしたってこの流れは止まらないと思う。それよりも新しい時代の著作権のあり方を探った方が、著作者とっても利用する側にとってもいい方向に進むのではないかと思うのです。


 著作権に関して参考になるリンクは、私のはてなブックマーク「Mielenkiintoinen!」copyrightタグで随時情報収集中です。また、動画投稿サイトが文化の発展に寄与した例は子供だけじゃない!海外でも注目された「ピタゴラスイッチ」 / デジタルARENAを読んで考えました。すいません、例によって教育テレビネタで…。


(※注1)
 この50年の計算が実はちょっとややこしい。今年没後50年を迎えるシベリウスを例に挙げると、シベリウスが死去したのは1957年9月20日。それから50年後は2007年9月20日だが、著作権法により著作権保護期間が終了するのは2008年1月1日0:00.つまり、没後50年でもまだ保護期間は続いており、完全に自由に使えるようになるは来年1月1日から。
 さらに、「戦時加算」と言う例外もあって、日本が第二次世界大戦中に連合国側(戦勝国)の著作権を乱用したペナルティとして、連合国側の作品は10年程度保護期間を延長しなければならない場合もあります。ああややこしい。
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by halca-kaukana057 | 2007-01-29 21:13 | 興味を持ったものいろいろ


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