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本屋の森のあかり 2

 以前紹介した書店員漫画「本屋の森のあかり」の2巻が出ていました。1巻の感想おさらい↓
「本屋の森のあかり 1」

本屋の森のあかり 2
磯谷 友紀/談社・講談社コミックスキス/2008

 田舎から上京し、東京の巨大書店で奮闘する書店員・あかり。超読書家の副店長・寺山に憧れつつ、日々の仕事をこなしている。
 あかりたち書店員たちは、万引き犯たちに頭を悩ませていた。そんなある日、店内で挙動不審な女性を見かける。その女性・弓は寺山と大量の本を持って店の外へ。気になったあかりは、後をついて行くのだが、2人が向かった先は小さな本屋だった…。


 1巻に比べると、絵が巧くなってます!あかりや寺山たちの表情も豊かになってる。新人漫画家の成長が感じられていい。何だか嬉しくなってしまった。

 そして、あかりも成長しています。書店員としても、人間としても。9話、10話では特に書店員としての仕事への哲学を強く感じる。本と人を結ぶ仕事。…と言っても、私には書店員の経験が無いので想像だけの話になってしまうのだが。本と人を結ぶといっても、直接的なかかわり(探している本を店員さんに尋ねる、とか)だけじゃない。POPを書いて間接的にPRする、POPが無くても棚の魅せ方・並べ方を工夫してお客に訴えかける、総合書店ではなく特徴的な書店を目指す…などなど。そういうハードの面と、書店員自身の書店・本、さらには接客に対する考え方のソフトの面。この2つが書店を支えているのだと思う(ネット上の書店はまた別として)。

 その9話ですが、実は9話が私が一番最初にこの作品を読んで、そして「面白い」と思った回なんです(Kissを立ち読みした)。単行本でゆっくり読むと、すごくじんわりと来た。これは反則ですよ…。1話でひとつの文学作品を取り上げて、1話で完結する。文学作品とともに話が進んでゆく。この設定、いいなやっぱり。あらためて感じました。

 2巻では、本・書店に別の視点から関わる人も登場。6話の弓と祖父の星野、8話の作家である未高。弓も未高もかなり好きなキャラです。2人ともアネゴキャラで(爆。書き続ける人がいて、売る人がいて、その本を手に取る人がいる。人の想いを託してゆく本。本のそんなところが好きだと感じます。

 1巻で"本の世界"で完結してしまっていることを指摘された寺山。7話でその実態が更に明らかに。ただ、そんな寺山もあかりがいることで変わりつつある模様…。相変わらずの超読書家で、寝ても覚めても本、本、本…であることには変わりは無いのですが。一方、2巻では影薄いですよ、緑くん。

 3巻は5月発売予定。楽しみに待ってます。そう言えば、1巻で「読んでも読んでも読みたい本は増え続けるばかり」なんてセリフがあったのですが、今まさに私がそんな状況に置かれています。今日もこの漫画のほかに読みたい本が何冊もあったのだが、これ以上積読本を増やすのは危険だと判断して買わないことに(今回は。給料日過ぎたら買うかも…)。本って素晴らしいですね、ホント。

 それと、磯谷先生のインタビューを見つけたので貼っておきます。
Kiss on Line:磯谷友紀インタビュー
by halca-kaukana057 | 2008-01-21 21:50 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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