ひとつの道を究める人たち 読んだ本3冊

 読んだ本に関して、一気に3冊いきます。テーマは、「ひとつの道を究める人たち」

ニュースの読み方使い方
池上 彰/新潮社・新潮文庫/2007


 NHK「週刊こどもニュース」の初代"お父さん"で、元NHK記者の池上彰さんが教える情報収集・整理・読解・解釈術。こどもニュースは好きな番組で、放送開始当時から観てました。毎週毎週複雑な社会情勢や分かったつもりでいたニュースについて、分かりやすく、丁寧に解説してくれた番組の裏ではこんなことをしていたのか、と目からうろこ。池上さんの新人記者時代の話も面白い。こうやってニュースに立ち向かい、深く読み解く力を付けていったのか。

 この本を読んでいると、池上さんはアナログの情報を大切にされているなと思う。本や新聞など、紙に書かれた情報。今ネットで莫大な情報を手に入れることは出来るけど、量は多すぎるし情報が入れ替わる速さも速いし、私もアナログの方がとっつきやすいと感じる。しかし新聞を読む量と言い、読書量と言い…尋常じゃない。しかも守備範囲も広い広い。さすが。

 池上さんの頃の「こどもニュース」にはなかったと思うが、番組の最後に出演者とスタッフが皆でカメラに向かって手を振るシーンがある。あのシーンの和やかさ・和気藹々な雰囲気がどうやって出来たか「あとがきにかえて」を読んで納得した。それと、この本を読んで、かつてやっていた新聞スクラップを再開してみたんです。新聞を切り抜く作業って楽しい。ニュース・情報をじっくり読めるし、紙で実際に手に取ることが出来るのも重要かな、と。



*****

ドリトル先生アフリカゆき
ヒュー・ロフティング/井伏 鱒二・訳/岩波書店・岩波少年文庫


 「本屋の森のあかり」2巻で登場する「ドリトル先生」シリーズのはじまりの物語。実は読んだことがなかったのです。「本屋の森のあかり」を読んで、読んでみたくなった。

 動物の言葉を理解できるドリトル先生が、伝染病で苦しむサルたちを助けるためアフリカへ向かう。飼っている沢山の動物たちを連れての大冒険。こういう冒険ものは久しぶりに読んだ。オモシロイ。子どもの時に読んでおけばよかったと激しく後悔。ドリトル先生の自由奔放さ・お気楽さが、読む人の心を軽くしてくれる。でも、バンポ王子の姿を薬で一時的に変えた部分で切なくなった。自由になりたいけれどもどうやってもその願いを叶えることが出来ないバンポ王子。ドリトル先生も、自由なようでお金や借りたものなどの面では自由になりきれていない。薬を使った後で「気の毒なことをした」と言うドリトル先生。深い言葉に思える。

 ドリトル先生シリーズはこれからも読んでいきたい。全13作。どうなるのか楽しみです。



*****


雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集
中谷 宇吉郎/池内 了・編/岩波書店・岩波少年文庫


 "雪の科学者"中谷宇吉郎のエッセイ集。雪の研究のこと、湯川秀樹や師である寺田寅彦、永岡半太郎など交友のあった科学者たちとの話、身の回りの科学のことなど、話題は多岐にわたっている。雪はいつも見ているけど、そう言えば雪がどんなつくりをしているか、どうやって出来るのか、どうやったら作れるのかについてはそんなに考えたことがなかった。「千里眼」や「立春に立つ卵」など、今で言う「ニセ科学」に関する話もあって面白い。もし、宇吉郎が「水からの伝言」の話を聞いたらどう答えるんだろうか。天国でヤキモキしているかもしれない。

 読んでいて、宇吉郎の視点や考え方の鋭さに敬服するばかり。自然に対する視線。雪という自然の一部を相手にしていた科学者の言葉の重さ、面白さ。何かをじっくりと見つめ、試行錯誤して、考える。科学の基本とはこういうことなのかなと思う。

 雪の研究を始める前は、寺田寅彦のもとで学んでいた。駆け出し研究者で、色々なことを研究していた。その科学(実験物理)の道に進むまでも、試験に落ちたり方向転換したりしていた宇吉郎。「私の履歴書」の最後の部分が印象的だ。
将来の希望を早く決めて、その方向に進むなどということは、ふつうの人間には出来ないことである。だからその時々に若気の至りでもよいから、ちゃんとした希望をもって進めば、それで十分である。それが何度変転してもかまわない。その時々に大まじめでさえあれば、きっと何かが残るものである。注意すべきことは打算的な考え方をしないという点だけである。と、この頃考えるようになった。
(256ページ)

 「比較科学論」「地球の円い話」にもなるほど~と感心。「イグアノドンの唄」は寝る前に読みたい。ワクワクする、楽しい夢が見られそうだ。


******

 以上3冊でした。

 ここでちょっと連絡。のんびり更新にしていたこのブログですが、徐々にペースを戻していこうかと思っています。積読本はまだまだ増える予定ですが、読みたいんだからしょうがない(開き直ったw)。アナログの世界とデジタルの世界、まだまだ試行錯誤ですが自分なりにバランスをとりながら付き合っていけたらなと思います。時々、予告無しに本や他のものに没頭するかも知れませんけどw
[PR]
by halca-kaukana057 | 2008-02-19 22:22 | 本・読書


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

お知らせ・別サイト

管理人HN:(はるか)
 熱しやすく冷めにくい、何が好きになるかわからない好奇心のかたまり。このブログでは好きなものを、好き放題に語ってます。

プロフィール
*2014.9.5:更新
はてなプロフィール:遼(halca-kaukana)



web拍手を送る






日々のログ:今、ここ、想うこと
または:Twilog

はてなブックマーク
Mielenkiintoinen!

気になること、関心のある記事や参考にしたサイトなどのブックマーク集。コメント多め。

◆ピアノ録音置きブログ:Satellite HALCA

☆「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ目指して順調に飛行中!☆
管理人・遼も小惑星探査機「はやぶさ2」を応援しています。



あかつき特設サイト
JAXA:金星探査機「あかつき」特設サイト

☆祝!「あかつき」は金星の衛星になりました☆
金星軌道上で観測準備中!

最新の記事

理化学研究所創立100年記念..
at 2017-04-26 22:11
「星の物語」切手 第5集 押..
at 2017-03-11 21:47
星の案内人 4 [完結]
at 2017-03-07 22:30
最後は南天 「星の物語」切手..
at 2017-03-04 22:44
2017:あけましておめでと..
at 2017-01-05 21:45
クリスマスの再会 クインテッ..
at 2016-12-24 21:50
【予告】「クインテット」のク..
at 2016-12-17 22:09
一緒に音楽を楽しもう Pro..
at 2016-12-17 16:43
指揮者特印! 冬のグリーティ..
at 2016-12-08 20:58
師走の一息のISS&月&金星観望
at 2016-12-03 21:53

カテゴリ

はじめにお読みください
プロフィール
本・読書
宇宙・天文
音楽
奏でること・うたうこと
Eテレ・NHK教育テレビ
フィンランド・Suomi/北欧
イラスト・落描き
日常/考えたこと
興味を持ったものいろいろ
旅・お出かけ
information

タグ

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
more...

検索