帰ってきたブーメラン

 3月、国際宇宙ステーションへ「きぼう」日本実験棟・船内保管室を取り付けに宇宙へ行った土井隆雄飛行士。その土井さんが宇宙でブーメランを飛ばすという実験を行っていたのはかなりの話題になっていたのですが、その結果の動画がようやく公開されました。そのブーメランを私物として持っていってしまったために、ブーメラン実験もプライベートの扱いに。プライベートの動画等は軌道上から送信できないというNASAの規定に引っかかってしまい、現在の公開になりました。まずは動画をご覧ください!

JAXA:土井宇宙飛行士が軌道上で撮影したブーメランの映像 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター

 ブーメランはくるりと弧を描いて、土井さんの手元に。これはすごい!感動した。投げたブーメランが戻ってきたという話は、軌道上で福田総理と会見した時にされていましたが、実際に動画を観るまではどんな軌道で戻ってきたのかがわからなかった。動画を観ると、地上での飛び方とほとんど変わらない。重力がほとんど無くても、ブーメランは戻ってくる。これを物理公式にあてはめたら、どういう説明になるんだろう?もし本当の0Gだったら、ISS内ではなく船外だったら、ブーメランの大きさや形を変えてみたら…と考えると楽しくなってくる。船外で実験できたら面白そうだけど、戻ってこなくなってスペースデブリになるのは困るが…。

 地上でのブーメランの飛び方は、このブーメラン実験を依頼した栂井靖弘さんが管理する「関西ブーメランネットワーク」のHPに動画があります。
関西ブーメランネットワーク:ムービーで見よう
 その栂井さんが、土井さんにブーメラン実験を依頼したいきさつは、栂井さんが連載している「ほぼ日刊イトイ新聞・ブーメランのあるくらし。」で詳しいことが読めます。
ほぼ日刊イトイ新聞・ブーメランのあるくらし。:第88回 200X年ブーメラン宇宙の旅!?
ほぼ日刊イトイ新聞・ブーメランのあるくらし。:第92回 本当に実現!ブーメラン宇宙の旅<前編>

 栂井さんは「らせん状に上昇する」と予想されていたそう。ブーメランも奥が深そうです。ちなみにこの土井さんが宇宙に持っていったものと同じブーメランが、現在発売中の「子供の科学」2008年5月号に付録としてついてきます。私たちは宇宙では飛ばせませんが、動画で観るだけじゃなく地上で実際に飛ばしてみるのも面白いかも。来月初めには、星出彰彦飛行士とともに「きぼう」の本体となる船内実験室が打ち上げられ、取り付けられます。12月には若田光一飛行士の長期滞在がスタート。「きぼう」とともに、日本人飛行士が3ヶ月~半年にわたって宇宙に滞在する機会が増えてきます。最先端の科学実験とともに、今回のブーメランのような身近な疑問や好奇心に答える実験もどんどん行われたら、宇宙への関心も増すだろうし楽しいんじゃないかと思います。

 あと、5月に土井さんが帰国予定。東京・筑波・鹿児島で帰国報告会も開催されます。宇宙からの土産話が楽しみです。


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宇宙関連の話題が他にもあるので、まとめて書いておきます。


 その土井さんが帰還した後、ISSではロシアのソユーズ宇宙船で長期滞在クルーの交代が行われました。韓国人初の宇宙飛行士・イ・ソヨンさんが搭乗したことでも話題になりましたが、そのイさんと、ISS長期滞在を終え帰還するペギー・ウィットソン司令官、ソユーズを操縦するユーリ・マレンチェンコ飛行士が乗ったソユーズが大気圏突入時に非常に危険な状態に。

CNN:地球に帰還のロシア宇宙船ソユーズ、危険な状態だったと
technobahn:ソユーズ宇宙船、帰還モジュールの再突入は危機的状況だった
AFP BB News インタファクス通信国際ニュース:「ソユーズ乗組員が生き延びたのは幸運」
読売新聞:露ソユーズ、危機一髪だったことが判明…帰還時に船体損傷

 大気圏突入の時、ソユーズ宇宙船ははこんな風に3つの部分に分かれます。NASAの画像に日本語解説を付けてみた。
f0079085_2143232.jpg

 ISSとドッキングする部分である軌道モジュール、打ち上げ・帰還時にクルーが乗り込むカプセル状の帰還モジュール、電源装置や推進剤などがある推進モジュールの3つの部分。大気圏突入の時、クルーは帰還モジュールにいて、帰還モジュールは耐熱財が貼ってある底・お尻の部分から突入します。しかし、今回は帰還モジュールと推進モジュールを分離させることが出来なくなってしまうトラブルが発生。別の方法を使って分離は出来たものの、その時には既に大気圏内へ。ハッチがある帰還モジュールの上の部分から大気圏内へ突っ込んでしまったために、ハッチとアンテナが損傷。さらに通常の突入時よりも急降下で大気圏へ突入してしまったため、帰還時の加重力はなんと8G。普通の人間は気絶します。恐ろしい…。

 クルー3人が無事で本当によかった。現在募集中の日本人宇宙飛行士候補は、2010年のシャトル退役後に宇宙へ行くことになるため、このソユーズに乗る予定。シャトル退役後は、ISSと往復できる有人宇宙船がソユーズしかないのです。ソユーズの安全性は高いものだと評価されていますが、少し不安も感じます。


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 先週土曜日に放送されたNHK教育「サイエンスZERO」。特集は太陽観測衛星「ひので」の最新報告。「ひので」が明らかにする太陽の素顔にドキドキしっぱなしでした。黒点や太陽表面よりも熱いコロナの謎、太陽風の仕組みと影響。動画を観ていると、太陽の活動の激しさに驚くばかり。「ひので」の観測が、太陽の謎を解く鍵につながっている。「ひので」、すごい!!
 この「サイエンスZERO」は明日金曜、夜7時から教育テレビで再放送。気になったらチェック。「ひので」の最新情報は、国立天文台ひのでHPでどうぞ。
国立天文台:ひのでホームページ(ひので科学プロジェクト)


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 ニュースではないのですが、こんなものを買いました。
大人の科学 vol.19 ガリレオの望遠鏡
 プラネタリウムやテルミンなど、本格的な科学付録で人気の「大人の科学」。ついに買ってしまいました。近日中に作る予定。楽しみだ。
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by halca-kaukana057 | 2008-05-01 22:10 | 宇宙・天文


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