宇宙教育とはやぶさ JAXAタウンミーティングに行ってきた

 私の行ける範囲で、JAXAタウンミーティングが開催されたので行ってきました。しかも、今回JAXAから登壇されたのは、的川泰宣先生(「JAXA技術参与」という立場なんですね)と、「はやぶさ」プロマネ・川口淳一郎先生(青森県弘前市のご出身である縁かな)。これはなんと豪華な。両先生方のお話を目の前で聞けるなんて。

青森発宇宙行き~プロフェッショナルと語る宇宙の最前線~「第24回JAXAタウンミーティング」in青森の開催について

 会場には100人ぐらいの参加者。制服姿の高校生が多かったのが印象的。高校の先生が引率して来たらしい。若いうちからこういうイベントに参加できるなんて、いいなぁ。

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 県教育長挨拶のあと、JAXA・舘和夫広報部長からタウンミーティングの主旨とJAXAの概要の説明。船内実験室が取り付けられたばかりの「きぼう」、地震災害の観測もしている「だいち」、「かぐや」による観測結果などを簡単に。

 その後第1部。的川先生による「宇宙が子どもの心に火をつける」。以前感想を書いた的川先生の著書「轟きは夢をのせて―喜・怒・哀・楽の宇宙日記」でも触れている「宇宙教育」について。本来タウンミーティングでは登壇者と参加者の質疑応答がメインになるのですが、今回は高校生が多いのでイントロダクションを多めに。この50年で人間は宇宙からの視点を手入れた。今の高校生と、的川先生が高校生だった時の大きな違いである、と。その宇宙を通して、子どもと教育、そして「いのち」を考える。そういう活動をするために、JAXAの中にJAXA宇宙教育センターが出来た。さらに、その活動を支えるNPOKU-MA 子ども・宇宙・未来の会を設立。それら宇宙教育活動を支える一般市民の重要性についても語っておりました。著書やメルマガを読んでも、宇宙開発のためにいつもエネルギッシュに活躍されている印象を持っていたのですが、実際にお話を聞いて、ますますそれを強く感じました。

 第2部は川口先生による「他の惑星に行けるなんてウソ,本当なのか」。小惑星探査機「はやぶさ」の話を中心に、月惑星探査の今とこれからについて。「はやぶさ」に関しては、「はやぶさ」物語・「祈り」を用いて解説も。イトカワに到着した部分、1回目のタッチダウンの部分、そして燃料漏れを起こした後復活する部分~帰還の部分。「祈り」はどこで観ても、部分だけ観てもグッと来るものがある。またうるっと来てしまった。ちなみに、この「祈り」。プラネタリウムで上映した際、音楽のタイトルに「Lullaby」とあるため、寝てしまうお客さんも。しかし「目覚めなさい」の台詞で起きるのだそう…。「かぐや」の話にも触れ、打ち上げ当初はミッション帰還は1年間の予定だったのですが、1年を過ぎる今年12月以降もミッションを継続することが決定しているそうです。NASAがこれから打ち上げる月探査機LROと協力もするのだそう。そして、ソーラーセイル、深宇宙港を拠点とした太陽系大航海時代へ。そんな宇宙科学・宇宙探査が社会や産業を活気付ける。月惑星探査機に使われている技術は、日本の最先端科学技術の結晶。そして月惑星探査によってさらにそれが高められる。若年層への教育にも触れていました。最後にプロジェクターで画面に映された言葉に、「はやぶさ」プロマネとしての、宇宙科学・工学の研究者としての強い信念と情熱を感じました。それがこの2つ。
・JAXAは、「はやぶさ」の前途は、まだまだ厳しいですが、なんとか地球帰還にむけて努力して参ります。
・若人には、わきたつような意欲をもって、挑戦を求めてほしいと思います。それが未来を拓くはずです。

さすが川口先生…としか言いようがない熱のこもった言葉です。


 このタウンミーティングの最後に、的川先生が宇宙開発や宇宙科学の仕事に就いていなくても、その現場に関わることが出来る、と仰っていました。例えば「のぞみ」「はやぶさ」「かぐや」に載せた署名のように、自分の名前が宇宙にあると意識し与えるものがある。教育や、芸術、スポーツの分野などからも宇宙に関わることができる。そういった活動を共有し、それが日本を良くしていくことに繋がっている、と。また、宇宙に興味・関心を持つことが知的活動のきっかけとなれば、とも仰ってました。子どもの頃に宇宙に興味を持っていても、大人になったら別の分野に進んでいる人もいる。別の分野に進んでしまっても、宇宙は自然や科学に興味を持つきっかけとなった。これからも宇宙に関心を持って、どんどんJAXAに要望や意見を送ってほしいとのことでした。

 今回登壇された的川先生と、土井隆雄宇宙飛行士の発案で始まったJAXAタウンミーティング。宇宙開発・宇宙科学・宇宙利用について、最前線にいる方々の生の声を聞くことが出来る絶好の場です。今年も全国各地で開催予定です。お近くで開催された際は、是非足を運んでみてくださいね。開催予定、これまでの内容などは以下で。
JAXAタウンミーティング



 ここからは質疑応答内容のメモと、会場の画像など。非公式のメモです。

*質疑応答内容メモ
 しっかりと聞き取れなかった部分があるので、この通りではないかもしれません。ご了承ください。詳しくは、後日JAXAから公式の記録が出るので、そちらをご覧ください。

【☆追記080704】
 JAXA公式の開催報告が出ました。いかに端折ったメモであるかがわかります…。アンケート結果もあります。高校生が7割だったとは。
JAXAタウンミーティング 第24回開催報告
<追記ここまで>





以下敬称略。

<第1部>
Q:土井さんのブーメランの動画を観れずにいるので観たい。
A(舘):HPにあります。

(この間に質問がいくつかあったが聞き取れず。)

Q:ロケットは、まさかの時に緊急脱出できるの?
A(的川):脱出はできます。でも、これまで使ったことはない。対策を取っていても、しばらく事故が無いとより重いペイロードを積むために外してしまうことがある。飛行機並みに安全になれば。

Q:海王星から撮った地球の画像があったが、ボイジャー1号は海王星に着くまで何年かかったの?
A(的川):11年かかった。こういう探査機には、交信のために大きなアンテナが必要。日本も、ハレー彗星が来た時、臼田というところに大きなアンテナを作った。

Q:宇宙関係の仕事に就くには?
A(舘):多方面のバランスを取り、これがやりたい!というものをひとつ。

Q:宇宙飛行士になるには?
A(舘):今回の募集では3名ぐらい採る予定。これをやればいいというものはない。
(的川):宇宙飛行士に関しては、いろいろ誤解がある。近視の人はダメというのは嘘。向井さんはコンタクトを使用している。虫歯も治せばOK。ただ、治し方が雑で穴が開いているとダメ。いい歯医者さんで治してもらって。給料はあまりよくない。

Q:ISS計画がおしているが、あと何年ぐらいで引退の予定?
A(的川):計画は1980年代に始まり、建設が始まったのは1998年。2010年完成予定。シャトルも引退する。現在、最初に打ち上げたモジュール「ズヴェズダ」はもう10年経っている。ロシアの「ミール」は15年もった。2010年から何年持つか。

Q:宇宙に行くロケットは環境にどんな影響を及ぼしてるの?
A(的川):地球への影響よりも、スペースデブリの問題が心配。小さなものを含めると360万個以上。10cmよりも小さなものはレーダーでは捉えられない。船外活動中は、デブリが怖い。ロケット打ち上げごとにデブリが出るが、なるべく出さないように努力するのが国際的なルール。デブリの9割は米ロのもの。日本はなるべく出さないように頑張ってる。将来はデブリ回収も考えられている。


<第2部>
Q:燃料漏れを起こした「はやぶさ」の通信が途絶え、その後復活したけど、その仕組みを教えて
A(川口):探査機は電源を入れても、すぐに電波は出ない。指令を出して、電波を出すようにする。「はやぶさ」のアンテナも、絞ったアンテナと大きなアンテナがある。そのアンテナを切り替えて受信する。受信する時も周波数が沢山あって大変。

Q:宇宙のはじまりはどうなっていたの?
A(舘):聞いちゃダメですw(第1部の的川先生の講演で、宇宙の始まりについて聞いちゃダメという話をしていた)

Q:「はやぶさ」が星空のどの位置にいるのか情報が知りたい。それから、「かぐや」もだけど、HPの作りは丁寧だけどなかなか更新されない。どんどん更新してほしい。
A(舘):検討します。

Q:(マイクを使わずに質問したので聞こえず)
A(川口):「はやぶさ」はS型の小惑星「イトカワ」を目指した。太陽系の天体も、位置によって構成される物質が違う。イトカワは地球と同じぐらいの位置。また、小惑星にはC型というのもある。小惑星帯にある。もっと外側に行くと、色々な物質が見つかる。それを探査するのが「マルコ・ポーロ」。

Q:「はやぶさ」が燃料漏れした際、スピンしていたがその動きを想定して設計を考えた?また、「はやぶさ」のカプセルにイトカワのサンプルは入っている確率は何%?
A(川口):燃料漏れの動きは想定してなかった。サンプルは、一回目のタッチダウンでバウンドした時に入っているかも。

Q:宇宙のあちこちまで、シャトルを飛ばすのは通信的に無理?
A(川口):軌道上に天文台を作れば。人間が行く場合、人工冬眠するのが効率がいい。

Q:長期間のプロジェクトを成功させるためのコツは?
A(川口):いろんな要素がある。宇宙開発は、試行錯誤がなかなかできない。だからシュミレーションや計算を何回もやって、判断する。お金の問題もある。

Q:「はやぶさ」はイトカワの上で横倒しになったけど、太陽電池パネルがひび割れたりしないの?
A(川口):大丈夫。太陽電池パネルは直接はイトカワの表面にはついていない。

Q:地球以外の惑星に、生命はいるの?
A(川口):いると思う。(ここでパワーポイントで土星の惑星・エンケラドスの画像を表示する)
形が丸いということは、中が熱いということ。液体の水が存在するかも。火星よりも、木星や土星の衛星に生命の可能性があるかも。光の届かない深海でも、熱源があれば生命が存在するかも。そういう研究をするのは君たち(質問したのが高校生だった)

 高校生の質問にも丁寧に言葉を選んで答える、川口先生の表情がとても印象的でした。

 質疑応答内容ここまで。もう一度書きますが、内容は正確であるとは限りません…。本当にあってる自信ありません。



*会場外のロビーには色々置いてありました。
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「だいち」の撮った青森市。土足であがっても大丈夫。皆じっくりと観ていました。

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「かぐや」に載せた44万人の名前とメッセージが刻まれたプレート。私と家族の名前もこの中に。
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「かぐや」のミッションを解説したコーナー。

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宇宙日本食コーナー。手に取って見ることも出来ます。
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ヤマザキから一般発売されている羊羹も。
(過去記事:宇宙日本食羊羹を食べてみた)


*資料・貰ったパンフレット一覧。「JAXA's」最新号、スピンオフ解説パンフなどなど。
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アンケートに答えたら、JAXAロゴ入りキーホルダーをいただきました。
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横に写ってるのは、アンケート記入用についてきたJAXAロゴ入り鉛筆。資料は封筒に。以前JAXAiで貰った封筒とバージョンが違います。(前に貰ったのは「JAXAi」のだった)

*今回も画像多め、いつもより大きめでお送りしました。本当はもっと画像があるのですが、載せてもいいのかな…?(公演中のパワーポイント画像など)

*今後、思い出したことなどがあれば、随時追記していこうと思っています。

*地元紙の記事
東奥日報:川口さん、宇宙開発への思い語る
デーリー東北:知りたい宇宙の神秘 高校生ら次々質問(2008/06/22)
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by halca-kaukana057 | 2008-06-21 22:46 | 宇宙・天文


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