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宙のまにまに 5

 高校天文部が舞台のドタバタ青春コメディ漫画5巻でました。

宙のまにまに 5
柏原 麻実/ 講談社・アフタヌーンKC

 他校天文部との冬合宿で、星への思いを新たにする美星たち。一方、3年の路万部長と野木城高校のあゆみは大学受験へ向けてラストスパート。病弱な部長は、受験に失敗しないか心配でますます体調不良に。そんな部長を励まそうと、美星たちは部長にりゅうこつ座のカノープスを見せようと思いつくのだが…。



 4巻で姫ちゃんが遭難してしまった冬合宿の続きと、部長&あゆみさんの受験エピソード。そして新年度、新入生登場、彗星と物語が大きく変化します。これまでの単行本の中で一番物語に力がある巻だと感じました。

 5巻のテーマは「リレー」。1年間で星空はめぐる。冬から春にかけて、天文部も引継ぎ・卒業・入学でメンバーが入れ替わる。だが、メンバーが変わっても星への思いは消えない。新しいメンバーとともに、星への思い、星を見た時の感動をつないでゆく。卒業したメンバーも、新しい場所で星を見つめる。めぐる星空と、思いをつなぐ人々。この描写がとても清々しく、力強い。大昔から人間は星を見続け、星座を作ったり宇宙の謎にひとつひとつ挑んだりしてきた。それが現在に繋がっているし、後世にも繋がってゆく。普段星を見ていても、そんなことは思ったことが無かった。美星たちと一緒に、私もそのリレーに参加できたら。強く思う。

 入部から1年を経た朔と姫ちゃんも、星への情熱を強めていく。美星に嫌々星を見せられているという描写が全く無くなった。むしろ、望遠鏡に関する知識もつけて、積極的に星を見ようとしている。天文部の団結も高まる。どんどん濃い天文部漫画になってきて、読んでいて楽しいし勉強になります。新入生が入って、朔と姫ちゃんは先輩としてもしっかりしている。変わらないのは江戸川だけです。江戸川のそんなバカなところも好きですがw

 一方、卒業の路万部長とあゆみさん。この2人がメインの第30話、とても面白かった。あゆみさん…想いが叶ってよかったよかった。私もカノープスが見たいです。今住んでいる所からは、まず不可能。関東以南に住んでいる方は、カノープスの探し方も載っているので是非チャレンジを。ところで、巻末のおまけまんがで路万部長のフルネーム発覚。…そういうことだったんですか!!

 そして新年度。天文部存続をかけた新入生勧誘。"石猛者"で、天文部ではなく「地学部」に入部希望の笑(えみ)ちゃんと、星は見たいけど天文初心者のはるき君。石猛者vs新部長・美星の第32話も、美星の無謀だけどいいところが出ていていい。
高校でも地学とか天文部って少ないけど…中学はもっと少ないもんね
仲間…ほしいよね!!!ごめんね!!!
でも私は…天文部の…みんなのおかげですごく楽しいの……!!!
大好きなものを一緒に共有できる仲間がいる…それってすごいことなんだよね………!!!
私は…笑ちゃんともそうなりたい…!
だから笑ちゃん…石のこと教えて………!!
私は星のこと好きになってもらえるようにがんばるから………っ
(101~102ページ)

 この台詞があまりにも美星らしくて、全力で、気に入っている。クールで滅多に表情を変えない笑ちゃんと、可愛い少年のようなはるき君。2人の今後の活躍にも期待です。

 これまでは望遠鏡も無い弱小部だった天文部だが、その天文部についに望遠鏡が…!プラネタリアン晴子さんも大活躍。5巻は読みどころ満載。非常に面白かった。この漫画を読んでいると、とにかく星が見たくなる。今日も曇りなのが残念だ。思えば、この漫画を読んで自分も人と星への想いを共有できたらいいなと思うようになったんだっけ。そして、星空案内人講座にも参加。「準・星空案内人」資格も取れました。長い長い道のりだとは思うが、私も星猛者目指してこの漫画と共に星見を積んでいきたい。次巻も楽しみです。

 カバーを外すのもお忘れなく。草間先生も暴走してます…。
by halca-kaukana057 | 2008-09-23 22:52 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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