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秋の星空的ラフマニノフ

 現在来日中の、私のお気に入りのピアニスト・レイフ・オヴェ・アンスネス。今回も来日公演に行けず…。でも、今日はNHK交響楽団との共演ということで、NHK-FMで生中継されてました。プログラムはラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18」。以前聴いた「時々無性にラフマニノフ」(2007.2.4)でパッパーノ指揮ベルリン・フィルとの共演のCDに、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番が入っていた。このCDでの演奏も好きなのだが、今回のN響との演奏も聴き入ってしまう演奏でした。

 実は、ラジオでの今日の生中継を19:30からだと勘違いしていた。本当は19:00からで、19:15ぐらいにラジオをつけたらもう既に始まっていた悲劇…。1・2楽章は携帯に付いているラジオで、外を歩きながら聴いていた。今日は山で雪が降るほど寒く、その冷たい空気の中で雨上がりの澄んだ星空を眺めながら聴いていた。空には秋の星座…アンドロメダやペガスス、カシオペア、みずがめ座ややぎ座も見えていた。聴きながら、秋の星空に似ているなと感じた。

 秋の星空は、とても地味だ。一等星が多い夏や冬のきらびやかな星空とは違って、目立つ星が少ない。一等星はみなみのうお座のフォーマルハウトのみ。しかも南の空低く輝いているので、あまり明るく見えない。みずがめ座やくじら座など、大きな星座は多いのに、明るくない星が多いので探すのに苦労する。でも、秋の星座は物語が面白い。エチオピアの王女・アンドロメダがお化け鯨の生贄にされる話を中心に、壮大な物語が展開する。星の輝きは淡くとも、昔の人々が紡いだ物語が見えてくる。雨の後の澄んだ空と、冷たく引き締まった空気がその星空をさらに美しくする。アンドロメダ銀河(M31)他、銀河も多いので望遠鏡を向ければもっと楽しめる。

 アンスネスの演奏も、派手さよりも曲そのものの美しさ、壮大さを感じられる演奏でした。パッパーノ&ベルリン・フィルとのCDでもいいなと思った第2楽章は特に。星空の下で聴くにはぴったりの演奏でした。ピアノのキラキラとした音が、星の瞬きに合う。3楽章もこんな聴き所があったんだと発見もあったり。そのうち「N響アワー」などで放送されると思うので(お願いしますNHKさん)、その時にまたじっくり聴き直したい。


 アンコールがドビュッシーの「前奏曲集」第1巻より「西風の見たもの」。これまで聴いたことがなかったので、何の曲かと終わるまで疑問だった。現代的な和音と激しい音の波。ドビュッシーの作品だと知った時には驚いた。ドビュッシーには苦手意識を持っているのだが、すんなりと聴けてしまったから。これをきっかけに、ドビュッシーも聴いていけるかもしれない。「前奏曲集」から聴いてみよう。

 妄想妄言過多な記事になってしまったのでこの辺で。
by halca-kaukana057 | 2008-10-29 22:57 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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