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ヴァイオリンはどんな音色?

 久々にコンサートに行ってきました。今年は、オーケストラよりもピアノソロや室内楽の、小規模のコンサートに行くことが多いです。今回行ったのはヴァイオリンとピアノのデュオコンサート。

 ヴァイオリンという楽器に対して私は、親近感を持てずにいる。好きなヴァイオリンメインの曲は色々あるが、楽器そのものに対して、遠い、高いところにある近寄りがたい楽器と感じている。同じ弦楽器なら、ヴィオラやチェロの方が馴染みやすい。これは"演奏する"という視点ではなく、音色や楽器の個性などの視点から感じたもの。ヴァイオリニストについても、完璧で毅然としているイメージがあった。勝手な憶測です。


 目の前でヴァイオリンの音色を聴いてみて、以前よりも柔らかく温かい印象を受けた。演奏者に寄るのかもしれない。あんな小さな楽器から、ホールいっぱいに繊細な音が広がる。全く不思議だ。

 演奏された、ベートーヴェン「ヴァイオリンソナタ第6番 イ長調」op.30-1。初めて聴いたのですが、明るく穏やかな曲想が、ゆったりとさせてくれました。まずここで、ヴァイオリンのとがったイメージが薄れた。その暖かな音楽が過ぎ去ってしまうのが惜しいほど。もっとじっくり聴いてみたい。

 ブラームス「ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調」op.108。この曲は少し予習してから行きました。家でCDを聴いた時、第2楽章の美しさに聞き惚れてしまったのですが、この曲を生で聴けて本当に良かったと感じた。第3楽章も華やかでワクワクする。ヴァイオリンへの近寄りがたさが一気に薄れたのがこの曲。ヴァイオリンにも、こんな穏やかで落ち着いた音色があったんだ。まだ私は、ヴァイオリンだけでなくそれぞれの楽器のことをよく知らない。自分で弾いているピアノでさえも。それぞれの楽器がどんな音色で、どんな表情をしているか。様々な楽曲を通して、それぞれの楽器の様々な表情に触れてみたい。そう感じた。

 でも、ブラームス以上に印象に残ったのがヤナーチェク「ヴァイオリンソナタ」。ヤナーチェクは東欧モラヴィア、現在のチェコ東部の作曲家。同じく近代東欧の作曲家・バルトークも好きなので、この作曲家の個性的な音にハマりました。次はどんな音が来るのかとワクワクする。ヴァイオリンもピッチカートや、弦を激しく鳴らすなど、奏法を見ているのも楽しい。東洋風?とも思える音色もする(これが東欧の民族音楽の音なのかな?)。メロディー重視の古典~ロマン派の音楽も好きですが、現代寄りのおおらかな音楽も好きです。実はこの曲、CDを持っていて、以前記事にしたブラームスとシューマンのヴィオラ曲のCDの一枚目に入っていました。ヴァイオリンはテツラフ、ピアノはアンスネス。聴きなおしているのですが、ハマりました。しばらく東欧ものはご無沙汰になっていたので、また聴いてみようかな。



 音楽の知識・理解不足で、十分に楽しめなかった部分もあったのが残念(以下のプログラムにあるシューベルトがそれ)。それはこれからの課題。ひとつひとつのコンサートを、100%楽しみきるのは難しいことだと思う。生の音楽、楽器に少しずつ触れることが当面の目標であり課題。そしてわからない部分があっても、一瞬でも"楽しい"と感じたならそれでいいのかなと思う。そんなことも感じました。



【プログラム】
・ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第6番 イ長調 op.30-1
・シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのロンド ロ短調 D.895
・ヤナーチェク:ヴァイオリンソナタ
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ 第3番 ニ短調 op.108
 ウルリーケ・ダンホーファー(Vn)/相馬泉美(p)
by halca-kaukana057 | 2008-11-24 22:01 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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