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シベリウスの初期作品の暗さ 歌曲集op.38より 没後58年に寄せて

 今日、9月20日はシベリウスの御命日。ちょうどお彼岸なので、毎年、アイノラにあるシベリウスのお墓にお墓参りに行きたい…と思ってしまいます。
 9月、フィンランドは秋も深まってきていると思います。そんなフィンランドの秋と、シベリウス没後58年に寄せて何を聴こう…今回も声楽・歌曲から。「5つの歌」op.38の第1曲「秋の夕べ(Höstkväll)」と第2曲「海辺のバルコニーで(På verandan vid hafvet)」。どちらもスウェーデン語の歌詞です。

 歌曲ですが、私が聴いたのは伴奏はオーケストラによるもの。なので、歌曲よりもスケールが大きく感じます。「秋の夕べ」…北欧の短い夏が終わり、陽はどんどん短くなる。暗く、雨も降り、寒く、寂しい北欧の秋。その風景の中、孤独を歌う。歌う、というよりは、語るように。作曲されたのは1905年。初期の作品ですが、後期交響曲、特に4番の頃のような暗さを感じます。「クレルヴォ交響曲」op.9の第3楽章、クレルヴォとその妹の歌の雰囲気にも似ているかもしれない。「クレルヴォ交響曲」の第3楽章は、オペラのような雰囲気もあるし、声楽つきの管弦楽作品の雰囲気もある。初期と後期で、シベリウスの作風は大きく変わりますが、この「秋の夕べ」を聴いていると、シベリウスの音楽に変わりはない、とも思います。
 
 「海辺のバルコニーで」も、内面に問いかけるような孤独を感じる歌。やはり歌うというより、語る雰囲気。海も、北欧の夏の青く爽やかな海ではない、夏が過ぎた寒々とした海を思わせます。そして孤独だけでなく、儚さも感じさせる歌詞。結局は消えてしまう。そんな暗さに病みつきになります。

 このop.38の次、op.39は交響曲第1番。そう思うと、交響曲第1番のイメージも変わってくるかも。やはり、初期と後期で作風は大きく変わるけれども、シベリウスはシベリウスなんだなと感じます。そう思わせてくれる歌曲です。
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by halca-kaukana057 | 2015-09-20 23:47 | 音楽

Proms2015 シベリウスプログラム&シベリウス音楽祭 まとめ

 何度も書きますが、今年はシベリウス生誕150年の記念年。世界各国でシベリウス作品が演奏会でいつも以上に取り上げられています。いいことだ…。その中でも、イギリスで現在開催中の音楽祭「BBC Proms2015」、そして現地時間8月31日から9月6日まで開催されたフィンランド・ラハティ・シベリウス音楽祭での交響曲チクルスは気合が入っています。どちらも、オンデマンドでまだ演奏が聴けるものがあります。ということで、自分用メモも兼ねてまとめておきます。

【BBC Proms2015】
Prom 1: First Night of the Proms
・組曲「ベルシャザールの饗宴」op.51
 /サカリ・オラモ指揮BBC響 (こちらでどうぞ)
 プロムスの初日、幕開けの「ファーストナイトコンサート」。今年メモリアルイヤーのシベリウスと、同じく生誕150年(同い年)のデンマークの作曲家・カール・ニールセンの「仮面舞踏会」序曲も取り上げられています。北欧コンビを指揮するのが、BBC響の首席指揮者のフィンランド出身、サカリ・オラモ。昨年のラストナイトコンサートはめちゃくちゃ楽しかったw
 「ベルシャザールの饗宴」、初めて聴きました。組曲版は4曲から構成されていて、第1曲はこれもシベリウスの作品?と思うようなエキゾチックなメロディー。2曲目以降はシベリウスだなぁ、と感じます。第3曲のフルートがしんみりといい。
 このファーストナイトは先日NHKFMでも放送されました。ばっちり録音しました。

Prom 40: Sibelius – Symphonies Nos. 1 & 2
・交響詩「フィンランディア」op.26
・交響曲第1番 ホ短調 op.39
・交響曲第2番 ニ長調 op.43
/トーマス・ダウスゴー指揮BBCスコティッシュ交響楽団
 プロムスでのシベリウス交響曲チクルスその1.デンマーク出身のダウスゴーの指揮。「フィンランディア」に始まり、1番、2番。
 オンデマンドは9月15日まで公開中。

Prom 42: Sibelius – Symphonies Nos. 3 & 4
・交響曲第3番 ト長調 op.52
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
・交響曲第4番 イ短調 op.63
/イラン・ヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ交響楽団
 ヴァイオリン・ソロ:ジュリアン・ラクリン
 シベリウス交響曲チクルスその2.指揮のヴォルコフも、ヴァイオリンのラクリンも存じ上げませんでした。プロムスはこんな今まで聴いたことのない演奏家にも出会えるのがいいところ。
 オンデマンドは9月16日まで。

Prom 43: Sibelius – Symphonies Nos. 5, 6 & 7
・交響曲第5番 変ホ長調 op.82
・交響曲第6番 (ニ短調) op.104
・交響曲第7番 ハ長調 op.105
/オスモ・ヴァンスカ指揮BBC響
 シベリウス交響曲チクルスその3.待ってましたヴァンスカ!!しかも5,6,7番とはわかっていらっしゃる!!これはもう聴いたのですが、1曲目の5番から凄かった。これ1曲目だよね、この後6番7番と続いたらどうなるの?と思ってしまう演奏でした。6,7番もよかった!

Prom 47: Sibelius, Jón Leifs, Anders Hillborg & Beethoven
・交響詩「タピオラ」op.112
/サカリ・オラモ指揮BBC響
 再びオラモ&BBC響。1曲目に「タピオラ」。「タピオラ」の荘厳な雰囲気がたまりません。
 オンデマンドは9月21日まで。

Prom 58: Sibelius – Kullervo
・交響詩「エン・サガ」op.9
・「クレルヴォ」交響曲op.7
/ヨハンナ・ルサネン=カルタノ(ソプラノ)、ワルテッリ・トリッカ(バリトン)、ポリテク合唱団、BBCシンフォニー合唱団(男声合唱)、サカリ・オラモ指揮BBC響
 交響曲チクルスにはこれも入れていいと思う、「クレルヴォ」交響曲。と、「エン・サガ」。初期の作品を再びオラモ&BBC響で。声楽ソロの2人とポリテク合唱団もフィンランド出身。「エン・サガ」を聴いたのですが(「クレルヴォ」に関しては後で書きます)、躍動感あふれる演奏。あの大太鼓のリズムには心躍ります。
 オンデマンドは9月29日まで。
 プロムスは以上。交響詩・管弦楽曲をもっと演奏してもいいのにな。
 スマートフォンから聴く際は、BBCの再生アプリを入れると聴けます。iOSは「BBC iPlayer」、androidは「BBC Media Player」を入れてください。

【ラハティ・シベリウス音楽祭】
 交響曲チクルス・管弦楽作品はオンデマンドで配信されています。しかも動画で。演奏会後すぐに公開。フィンランド国営放送YLEさん、素晴らしい…!!でも、休憩時間の指揮者インタビューなどは全てフィンランド語。全くわかりませんw
 ちなみに、こちらもYLEのアプリを入れるとスマートフォンからも観られます。「YLE Areena」というアプリを入れてください。ブラウザで観たい動画を選択するとアプリが起動します。ただし、アプリもフィンランド語です…。

◇1日目:レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィル
交響詩「タピオラ」op.112(動画:こちらでもどうぞ)
コンサート全編(音声のみ)
ルオンノタール op.70(動画)
(ソプラノ:アヌ・コムシ)
レンミンカイネン組曲(4つの伝説)op.22(動画)
・アンコール:「カレリア組曲」より第3曲「Alla marcia(行進曲風に)」
 幕開けはセーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルによる管弦楽曲集。「タピオラ」で始まるとはいいですね。そういえば、どれもフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」にちなんだ作品。

◇2日目:オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ響
森の精op.15 / 動画その2
交響曲第3番 / 動画その2
交響曲第4番 / 動画その2
・アンコール:伯爵夫人の肖像
コンサート全編
 ラハティ響にヴァンスカが帰ってきました!1曲目の「森の精」は演奏されるのはなかなか珍しい作品。4番はラハティ響の緻密な音に聞き入ります。時に熱いヴァンスカ。アンコールの「伯爵夫人の肖像」、初耳の作品です。さすがヴァンスカ&ラハティ響。マニアックです!

◇3日目:サカリ・オラモ指揮BBC響
エン・サガ / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月26日まで)
クレルヴォ交響曲 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月29日まで)
コンサート全編
 (ソプラノ:ヨハンナ・ルサネン、バリトン:ワルテッリ・トリッカ、男声合唱:ポリテク合唱団)
 BBC Promsと同じく、オラモ&BBC響で「エン・サガ」と「クレルヴォ」。ソプラノさんと、合唱の規模(BBCシンフォニー合唱団はいない)が違いますね。Promsと違うのは、やはり動画で観られるところ。「エン・サガ」は初めて演奏風景を観たのですが、思った以上に難しい曲なんだなと感じました。ヴィオラソロが何度もあったのが嬉しかった。この演奏はかなり好き。
 「クレルヴォ」はこれまであまり聴いてこなかった。この際だからお近づきになりたいと聴いてみた。「カレワラ」のクレルヴォの章を読んで頭に入れてから。救いようがない物語ですが、聴いていて、過酷な運命にも立ち向かう毅然としたたくましいクレルヴォの姿をイメージしていました。ドラマティック。3楽章は「カレワラ」の5拍子で、合唱と独唱(ソプラノ:クレルヴォの妹、バリトン:クレルヴォ)の歌に引き込まれる。「クレルヴォ」面白い!好きになった、少し距離を縮められたかも。今度は持っているCDを聴きます。

◇4日目:オッコ・カム指揮BBC響
ヴァイオリン協奏曲 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月25日まで)
 (ヴァイオリンソロ:セルゲイ・マーロフ)
交響曲第2番 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月27日まで)
・アンコール:悲しきワルツ
コンサート全編
 BBC響を、今度はオッコ・カムが指揮します。ヴァイオリン協奏曲のソロ、マーロフさんの服装がかなりラフで、カッコイイ兄ちゃんという雰囲気。演奏もスリリングです。一方の2番はしみじみしてしまう。第4楽章がじんわり味わい深い。
 BBC響はPromsで忙しいところを駆けつけてくださってありがたいですね(オラモが連れてきた?)

◇5日目:ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ラハティ響
交響曲第1番 / 動画その2
吟遊詩人 / 動画その2
交響曲第5番 / 動画その2
・アンコール:鶴のいる情景
コンサート全編
 再びラハティ響に戻って、今度はヴァンスカの後にラハティ響を率いたサラステで。1番はシベリウスの交響曲の中でも私はあまり聴かない曲です。でも、この演奏で1番もいいなと思いました。メリハリがあって、第4楽章はじわじわときました。やっぱり1番もいい。ハープがどこか物寂しい「吟遊詩人」。5番は今年は何度も聴いています。聴く度に好きになってます。

◇6日目:オッコ・カム指揮ラハティ響
大洋の女神(波の娘) / 動画その2
ポホヨラ(ポヒョラ)の娘 / 動画その2
交響曲第6番 / 動画その2
交響曲第7番 / 動画その2(アンコールのフィンランディア付き)
・アンコール:フィンランディア
コンサート全編
 最後は、現在のラハティ響の首席指揮者のオッコ・カム。「ポホヨラの娘」の疾走感がたまらない。6,7番はもう言葉は要らない…。アンコール、交響曲チクルスの最後に「フィンランディア」。胸が熱くなります。

 以上、交響曲、管弦楽曲のまとめでした。いつまでオンデマンドで聴けるのかちょっとわからないのですが、お早めに。全員世界で活躍中のフィンランド人指揮者。それぞれ指揮や解釈、音遣いの個性が出ていて面白いなと観ていました。ラハティ響だけでなく、ヘルシンキフィル、BBC響とオーケストラの個性も違う。毎日動画がアップされると観て、聴いて、毎日楽しかった!ありがとうございました!
 ちなみに、交響曲・管弦楽曲の他にもピアノ曲や室内楽も公開されています。更に、同じ頃演奏会をしていたハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送響の演奏会も。大変ですw
【追記】
 個別の動画のなかった1日目・セーゲルスタム指揮ヘルシンキフィルの動画があったので追加しました。あと、昨年2014年のシベリウス音楽祭(オッコ・カム指揮ラハティ響)、12月6日のフィンランド独立記念日コンサートの「フィンランディア」(男声合唱付き)、「吟遊詩人」「クリスティアン王二世」の動画もあるサイトもありました。素晴らしいです。「エン・サガ」を聴いたら、あれ、音が違う…いや、これは初稿だ!!「エン・サガ」の初稿は初めて聴きました。ヴァイオリン協奏曲も初稿です。気になってたけど聴いたことない…という方は是非。
ClassicLive:Sibelius 150 years

【追記その2】
 フィンランド国営放送(YLE)のサイトで公開されていた動画は、1ヶ月間の公開だったようです。10月15日現在は残念ながら観られません。しかし、別に公開しているサイトがあったので、そちらでどうぞ。「動画その2」のリンク先で観られます(追記その1に書いてあるサイトと同じです)。ラハティ響を中心に演奏会の動画を載せているサイトのようです。

【追記その3】
 BBC radio3で、BBC響による演奏が放送され、オンデマンドで聴けるのでリンクを貼っておきます。期間限定なのでお早めに。

【追記その4】
 ラハティ響のコンサート映像を中心にアップしているサイト(「動画その2」のサイト)で、シベリウス音楽祭全ての演奏動画がアップされました。高画質で嬉しいです。あと、12月7日から9日まで、NHKFMでも放送しています。(サラステ&ラハティ、セーゲルスタム&ヘルシンキフィル、カム&ラハティ)

 この秋・冬にはオッコ・カム&ラハティ響や、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送響、ヴァンスカも読売響と、来日公演もあります。日本フィル次期首席指揮者となったピエタリ・インキネンも、交響曲チクルスはもう終わったので今年は交響詩・管弦楽曲を取り上げています。10~12月の間に、フィンランド指揮者が4人(既に上半期にはサロネン&フィルハーモニア管、サラステとストルゴーズがN響に客演。計7人!!相変わらずフィンランドの指揮者の勢いが凄い…)、フィンランドオケが2つ来日…なんてこった!!
 私は行けないので、テレビ放送、ラジオ放送があるといいなぁ…。(追記:リントゥ&フィンランド放送響は既に11月末のEテレ「クラシック音楽館」で放送が決まっています。やった!カム&ラハティ響もお願いします!!)
YLE:Areena radio:Radion sinfoniaorkesteri ja Hannu Lintu konsertoivat Japanissa
 一足お先に、音源だけならフィンランド国営放送YLEでも放送され、オンデマンドで聴けるようになっています。海外ツアーでの演奏を演奏会のすぐ後にラジオ放送し、ネットでオンデマンドで聴けるYLE…本当に凄い。公開期間はいつまでなのか不明ですが、多分1ヶ月あたり?お早めにどうぞ。

 まだまだシベリウスイヤーは続きます!
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by halca-kaukana057 | 2015-09-07 23:14 | 音楽

フィンランド人指揮者でベートーヴェン+α N響演奏会に行ってきた

 久々にオーケストラのコンサートが近場であったので行ってきました。オケはお馴染みN響。久々の国内プロオケ。N響は2008年に一度行った以来。
・その時の記事:悲愴交響曲の重さ
 ↑N響と一言も書きませんでしたが、N響だったんです。

【プログラム】
・ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
交響曲第5番 ハ短調 <運命> op.67
 ピアノ:アリス・紗良・オット
 ヨーン・ストルゴーズ指揮NHK交響楽団

 指揮のヨーン・ストルゴーズ(John Storgårds)さん。何も知らずにチケットを取り、北欧っぽいお名前だけどどこの方だろう?と後から調べたら、なんとフィンランドのご出身。シベリウス音楽院指揮科ヨルマ・パヌラ門下です。なんと…!スウェーデン語のお名前でしたか。ついにフィンランドの指揮者の演奏を聴く機会に恵まれた!プロフィールを読むと、エサ=ペッカ・サロネンの元でスウェーデン放送交響楽団のコンマスを務めていた。その後指揮に転向したとのこと。そういえば、サロネンの指揮でデビューした演奏家ってそれなりに多い気がする。パヌラ門下生が更に新しい指揮者や演奏家を発掘・育成している。フィンランドの指揮者・音楽家が引き継がれていっているのだなぁ。嬉しいことです。
音楽事務所 ジャパン・アーツ:アーティスト情報:ヨーン・ストルゴーズ(指揮)
 ↑ストルゴーズさんプロフィール。検索すると「ストゥールゴーズ」との表記も。スウェーデン語も難しい…。
BBC Proms 2015:Prom 5: Haydn, HK Gruber & Stravinsky
 今年のプロムスにも、BBCフィルハーモニックを指揮していました。動画はこちら(「ペトルーシュカ」)

 私の席は2階の後ろのほう。開演前から、楽団員さんの何人かは舞台で音出ししていたり、舞台裏からも金管楽器の練習している音が聴こえてきました。コンサート開演前のこの雰囲気が好きです。そして開演。N響の皆さんが登場。コンサートマスターは「まろさん」篠崎史紀さん。おお!いつもテレビで観ているまろさんがコンマスとは嬉しい!N響はFMでの定期演奏会生中継や、Eテレ「クラシック音楽館」の放送もよく観ているので、団員さんもそれなりにお名前は覚えている。しかし…私の席からはお顔が判別できない…。木管もどなたが乗っているのかわからないぞ…。いつもはオーケストラ全体を見渡せて、音の響きもいいなら後ろの席でも構わない、と思ってきたのですが…今回は団員さんたちのお顔、表情が確認できる席を取ればよかったとちょっと後悔。または双眼鏡持ってくればよかった。

 指揮のストルゴーズさんが登場して、1曲目、「エグモント」序曲。有名だけど、私はあまり聴いたことがありませんでした。配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ。この曲ではトロンボーンはなし。最初の音から、N響の音の厚みに驚きました。普段ラジオやテレビでよく接しているオーケストラのはずなのに、生の音は違う。これから壮大なドラマが始まると予感させるドラマティックな音楽。刻む弦が印象的。最後は長調で終わるのは5番交響曲に通じるところがある。好きな曲だなと思いました。
 そして、ストルゴーズさんの指揮が熱い。身体全体でダイナミックな指揮。フィンランドの指揮者はスマートでクール(でも熱い時は熱い)、キリッとした指揮をするイメージがありました。キリッとしているのだけれども、動きが大きくて、熱い。でも熱過ぎる、暑苦しい感じはしない。フィンランド人指揮者の個性の幅、そして層の厚さに感心しました。拍手拍手。

 ピアノをセッティングして、2曲目、ピアノ協奏曲第3番。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でも一番好きな作品です。アリス・紗良・オットさん、明るい緑のドレスが素敵です。アリスさんの演奏も初めて聴きます。後から知ったのですが、アリスさんはコンサートではいつも靴を履かず裸足なのだそう。このコンサートでもそうでした。ロングスカートで、私の席からは確認できなかった。確かに、靴によってペダリングも微妙に変わってしまうし、女性ならヒールの高い靴だと尚更。合理的だな、と感じました。
 いつもCDで聴いている曲ですが、生で聴かないとわからないことが沢山ありました。編成が小さい。ホルンは2管。やっぱりトロンボーンはいない。大きなホールで聴くとちょっと地味なようにも感じました。ピアノの音域が広い。オーケストラとの掛け合いが何度もあり、お互いを引き立てたり、競い合ったり、一緒に渾身の演奏をしたり…オケもピアノもとても楽しい。
 大きなホールで聴くとちょっと地味?と書きましたが…演奏はピアノもオーケストラもダイナミック、迫力があり、華麗でした。第1楽章のカデンツァの華麗さ、難しさも見て聴かないとわからない。アリスさん、難しい箇所も華麗に弾いてしまう。細いのに力強くて、凄いなと見ていました。第2楽章の弱音もきれい。ピアノもオケも魅力的な曲だと再確認。ますます好きになりました。
 演奏後、大きな拍手にこたえてアンコール。
・ショパン:ワルツ イ短調 遺作
 ベートーヴェンとは打って変わって、愛らしくやさしい演奏。本当に弱音がきれい。この曲は私もかつて弾いてみたいなと思っていた曲。ピアノを弾く人ならよく知っている曲ほど、プロが演奏するのは難しいと思うのですが、魅力的な演奏でした。アリスさん、ありがとうございました!

 休憩を挟んで、後半は交響曲第5番。トロンボーンも出てきて、ヴィオラとコントラバスも人数が増えていた。ホルンも4管に戻りました。第1楽章、速い!テンポはかなり速めです。でもN響の音色は相変わらず厚いし、乱れない。暗く悲劇的なイメージの強い第1楽章ですが、そんなに悲劇という感じがしない。疾風怒濤という感じ。繰り返しもきっちり演奏してます。ストルゴーズさんの指揮はやっぱり動きが大きく熱いのですが、「エグモント」序曲と同じく、熱過ぎず暑苦しくない。速いけど速過ぎない。重過ぎず、軽すぎず。第2楽章以降はそんなに速めには感じませんでした。2・3楽章はヴィオラとチェロのみせどころ。ここで、チェロの首席が藤森さんだったことに気がつきました。動きが大きく、活き活きと演奏されてました。ヴィオラもいい音が出ていて、ヴィオラ好きとして嬉しい。第4楽章は、ベートーヴェン5番ではここでしか出番のないトロンボーンを自然と応援してしまいます。全体を通して、明るく迫力があって、活き活きとして、希望を感じさせる5番でした。第4楽章を聴きながら、楽しいな、かっこいいな、でももうすぐ終わっちゃうのが寂しいな…と感じていました。フィナーレは圧巻でした。会場大拍手。私も手が痛くなるまで拍手していました。ストルゴーズさん、何度もお辞儀をして、コンマスのまろさんや首席の皆さんと握手したり、各パートを立たせて挨拶したり。演奏後のこのカーテンコール、挨拶も好きです。N響の皆さん、ありがとう!ストルゴーズさん、Kiitos!(せっかくなのでフィンランド語で)と心の中で叫んでいました。

 そして、アンコール。ストルゴーズさん、一言言って、指揮台に立ちます
・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
 最初の音を聴いた瞬間、何の曲かわかりました。シベリウス!!アンダンテ・フェスティーヴォ!!!この曲を生で聴けるとは…もう胸がいっぱいになりました。プロオケでシベリウスの作品を生で聴くのは初めてです。しかも、「アンダンテ・フェスティーヴォ」とは!!嬉しくて嬉しくて…!澄んだ美しい、やさしくあたたかいけれども威厳もある弦楽合奏。N響の弦はいいなぁ。コントラバスの低音がまたいい。ヴィオラも普段は陰に隠れがちだけど、いい音が聴こえる。いとおしむように、耳に焼き付けるように聴いていました。涙腺攻撃容赦ないです。
 ストルゴーズさんがフィンランドのご出身と知って、ならばシベリウスが聴きたいなと思っていました。ベートーヴェンはピアノ協奏曲第3番はいいけど、メインはシベリウスの交響曲2番とか…せっかくの来日なのに、そして今年はシベリウス生誕150年のメモリアル・イヤーなのに。そんなことを思っていましたが、このアンコールで吹き飛びました。
 最後、ティンパニも入って最後の音…ここでストルゴーズさんが右手を上にふわりとあげる指揮を。音もふわりと広がって、曲が終わっても余韻が。この音がとてもきれいでした。その余韻をたっぷりと味わってから大拍手。ストルゴーズさん、Kiitos paljon!!(やっぱりフィンランド語が出てしまうw)最高に嬉しいアンコールでした。

 思えば、N響でシベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」…思い出があります。昨年2月。東京へ旅行に行った時。ちょうどN響定期公演が、尾高忠明さん指揮のオール・シベリウス・プログラム。1曲目が「アンダンテ・フェスティーヴォ」で、これは行きたい!と同行の友人たちに説明して、でも私一人で行くことに。しかし、その日、東京は大雪。雪の中でシベリウス、いいじゃないか、雰囲気出るじゃないか、シベリウス日和じゃないか!と逆にテンションが上がるw雪国在住、雪なら任せろ!雪靴、コート、雪対策・防寒対策も完璧だ!…しかし、交通等の関係で、渋谷NHKホールまで行けませんでした…。その悔いを晴らしました。きっちりN響で。東京まで行かなくても晴らせたよ!しかもフィンランドの指揮者さんの演奏で!
・その時の記事:大雪の東京へ
・代わりにムーミンカフェでフィンランド成分補充?:雪降る街、ムーミンたちとお茶をしよう

 本当に楽しい演奏会でした。ホールから出ると、薄雲に半月が。やっぱりシベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」の余韻に浸りつつ帰途へ。
 N響の皆さん、またいらしてくださいね。ツアーも明日が最後。盛況になりますように。ストルゴーズさんも、また来日してくださいね。Hyvää matkaa!(よい旅を!)
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 この秋から、N響の首席指揮者にはパーヴォ・ヤルヴィさんが就任します。今年の就任前のコンサートもよかった。パーヴォさんと更にレベルを上げたN響を聴きたいです。今度はパーヴォさんとの演奏も是非生で聴きたい。パーヴォさんと全国行脚してくださらないかな…。
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by halca-kaukana057 | 2015-08-30 23:21 | 音楽

シャーロック・ホームズの音楽たち

 現在、ロンドンで開催中の音楽祭「BBC Proms 2015」.昨年のラスト・ナイト・コンサートの模様のテレビ放送を観て、今年はもっと聴こうと思い、コンサートやプログラム・演奏曲・出演者・オーケストラなどをチェックしています。

 その中で、ユニークなコンサートがありました。8月16日の公演。
BBC Proms 2015:Prom 41: Sherlock Holmes – A Musical Mind

 「シャーロック・ホームズ」シリーズには様々な音楽が登場します。ホームズはヴァイオリンを嗜み、しかもかなりの腕前。クラシック音楽にも造詣が深く、事件の合間にワトスンと一緒にコンサートを聴きに行っている(しかもそのコンサートホールが、このプロムスのメイン会場である、ロイヤル・アルバート・ホール。一緒なんです!)。作中には出てこなくても、アーサー・コナン・ドイルがホームズが興味を持っていただろうとしていた同時代の作曲家も挙げている。更に、映画やドラマなどの映像作品の劇判・サウンドトラックも、それぞれの「ホームズ」を彩っている。ということで、正典並びに映像作品の「ホームズ」の音楽を堪能できるコンサートがこれ。なんと素敵!

 進行役に、BBCの現代版ドラマ「SHERLOCK」脚本・マイクロフト役のマーク・ゲイティスさんが登場。しかし、英語で何を言っているのか全部わからないのが残念…。

 聴いていておっ、と思ったのが、ラッスス。バロック時代の作曲家です。「ブルース・パーティントン設計書」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがラッススのポリフォニック・モテットに関する小論文を書いている…というエピソードにちなんでいます。最初に正典を読んだ時も、「ホームズ」にはラッススも出てくるのか!ホームズはラッススにも興味を持っているのか!と驚いたのですが、実際にコンサートでそのラッススのモテット(多声宗教曲)を聴けるのは嬉しい。ラッススはCDは持っているのですが、今回演奏された曲は入っていないなかった。

 更に、「ボール箱」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがワトスン相手にパガニーニについて語るシーン。今回のコンサートでは、パガニーニといえばこの曲、ヴァイオリン協奏曲第2番から第3楽章、ピアノ曲「ラ・カンパネラ」のメロディーとしても有名な曲です。ホームズもこのヴァイオリン・ソロのメロディーを弾いていたのだろうなぁ。

 ワーグナー「ワルキューレの騎行」は、「赤い輪」(「最後の挨拶」収録)で、最後に「コヴェント・ガーデン劇場でワーグナーの夕べを見ようではないか」と言っているのが元ネタかな?音楽から正典の元ネタのを探すのも楽しいです。結構大変ですが…。「最後の挨拶」多いな。

 「ボヘミアの醜聞」(「冒険」収録)で、「あの女性」アイリーン・アドラーはコントラルト歌手と出てくるのですが、アイリーン・アドラーが歌っていたであろうオペラのアリアが演奏されたのも印象的。しかも、グラナダ版のアイリーン・アドラーのテーマから繋げてくる。ロッシーニ「セビリアの理髪師」にチャイコフスキー「エフネギー・オネーギン」のアリアを。アイリーン・アドラーはこんな歌を歌っていたのかなぁと思う、とても面白いプログラム。

 映像作品の音楽は、聴けば「ああ!これ!」という曲ばかり。ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jrがホームズを演じた映画。ハンス・ジマーの音楽がかっこいい。ビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険(The Private Life of Sherlock Holmes)」は、先日、BSプレミアムで放送していて、私の記憶には新しい作品でした。「シャーロック・ホームズと恐怖の声(Sherlock Holmes and the Voice of Terror)」これは観たことがないので音楽も初めて聴きます。
 ドラマでは勿論、ジェレミー・ブレットがホームズを演じたグラナダ版も。ミステリアスで哀愁漂うあのテーマ曲が流れるとワクワクします。最後はBBC「SHERLOCK」より。オープニングを聴けばもう映像をイメージできます。この曲はどのシーンだっけ?と思いながら聴いていました。なんと言っても、これらをフルオーケストラで聴けるのがたまりません。

 さすがは「ホームズ」のお国イギリス。「ホームズ」シリーズでこれだけのコンサートが出来るのは凄いなと感じました。「ホームズ」シリーズには沢山の音楽がちりばめられていたことも凄いな、と。音楽から楽しむ「ホームズ」もいいですね。

 この演奏会の模様は、公演から1ヶ月間は上記リンクから何度でも聴けます。スマートフォンからは、iOSは「BBC iPlayer」、Andoroidは「BBC Music Player」というアプリを使うと聴けます。でも、こんないいコンサートだし、映像でも観たいなぁ…日本語訳付きで。
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by halca-kaukana057 | 2015-08-22 22:52 | 音楽

矢車菊?ひな菊?

 先日の記事で、種から育てた矢車菊(ヤグルマギク、矢車草)が咲いたと書きました。
真夏のバラと花々

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こんな濃いピンクの花もありました。
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やっぱり青もきれいです。

 矢車菊といえば、シベリウスのピアノ曲にも「矢車菊」というタイトルのついた小曲があります。5つの小品op.85、「花の組曲」とも呼ばれる曲集の第1曲です。スタッカートが軽快な可愛らしい曲です。
'Bellis' (The Daisy) Op.85 No.1 Sibelius - P. Barton FEURICH 218 piano


 矢車菊の花にちなんで、この曲について書こう…と思ったら、上の動画に書いてある通り、英語でのタイトルは「Bellis」.「ひな菊」と訳されます。更に他のサイトでは「Daisy」デイジーはひな菊の別名。同じ種類の花だったんだ。矢車菊はヤグルマギク属。ちょっと違う。あれ?
 では、フィンランド語ではどうだ。調べてみると、「Kaunokki」.これを和訳すると「矢車菊」。あれ…?一体どっちなんだ…?
 曲から考えても、どちらでも合う気がする。参った。曲について書こうとしたら、タイトルの和訳で盲点が。矢車菊かひな菊かのどちらか、ということにしておきます…これ以上わからん!
 タイトルの和訳がどちらであれ、可愛らしい曲には変わりありません。爽やかなフィンランドの夏を思わせる曲でもあります。猛暑の日本から見れば、フィンランドの夏は爽やかで快適なんだろうなぁ。冬は寒い以上に暗い、日照時間が短いのが大変そう。

 このop.85、第2曲の「カーネーション」や第4曲の「金魚草」もきれいな曲です。ちなみに、今金魚草を種から育てています。遅く蒔いたので、花はもう少し先です。

 op.75の「樹の組曲」といい、シベリウスのピアノ作品には自然の樹、草花がタイトルの曲が多い。樹は沢山あっただろうけど、アイノラの周りには色々な花が咲いていたのかなぁ…?と思ってしまいます。
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by halca-kaukana057 | 2015-07-27 23:17 | 音楽

フォーレを聴こう その5 「夜想曲集」

 去年で止まっているガブリエル・フォーレシリーズ…。終わったわけではありません…。

 フランス近代ものと、夏は相性がいいと思う。ゆらゆらとうつろう曲想に涼しさを感じます。風に揺れている風鈴のような。
 今回取り上げるのは、ピアノ曲集・ノクターン。フランス語だとノクチュルヌ(Nocturne)。ソナチネでお馴染みのクレメンティの弟子のジョン・フィールドが創始したと、ベートーヴェンと弟子のフェルディナント・リースの漫画「運命と呼ばないで」にありました。ノクターンと表題のついたピアノ曲と言えばショパンが有名。でも、ほかの作曲家もノクターンを結構書いています。スクリャービンの「左手のための前奏曲と夜想曲」Op.9は左手で演奏される曲。舘野泉さんの演奏がとても美しいです。

 フォーレもノクターン、いや、ノクチュルヌ、いや…「夜想曲集」を13曲書いています。フランス近代ものですが、どれもメロディーも和音もきれいな、ゆったりとした曲。ここで「夜想曲」と書いたのは、そう呼ぶのにピッタリだと感じたから。急な転調や和音、強音も少なく、落ち着いて聴いていられる。暑い夏の宵、夕涼みに合いそうな曲ばかりです。きらきらした音が、夏の星空を眺める時にも合うかもしれない。甘美過ぎず、ロマンティック過ぎず。音楽そのものがゆったりと流れているあたりは、フランス近代ものなんだなと思います。

 特に好きなのが3番変イ長調op.33-3と、6番変ニ長調op.63、8番変ニ長調op.84-8。3番は始まり方のメロディー、音がのびのびとしていてとても好きだ。4番変ホ長調op.36も、始まり方が素朴でいい。中間部の長調と短調が入り混じっているまだそんなに数を聴いていないので、これから聴けばもっと好きな曲が出てくるかもしれない。

 フォーレは舟歌もいい曲ばかりで…でも持っているCDが少なくて、これからです。

【フォーレシリーズ:過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
・第3回:フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」
・第4回:フォーレを聴こう その4 フォーレの月の歌

・記事内で出てきた漫画「運命と呼ばないで」: 運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場
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by halca-kaukana057 | 2015-07-24 21:54 | 音楽

ドラマティックなシベリウスの歌曲op.37

 今年はシベリウス生誕150年。記念年です。先日のEテレ「らららクラシック」ではヴァイオリン協奏曲、テレ朝「題名のない音楽会」では藤岡幸夫さん指揮日本フィルで「フィンランディア」と交響曲第5番第3楽章を特集、演奏していました。Eテレ「クラシック音楽館」では、ユッカ・ペッカ・サラステ指揮N響の「クオレマ」と交響曲第2番。少し前には庄司紗矢香さんヴァイオリンソロ、パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響のヴァイオリン協奏曲。アンコールは「水滴」(シベリウス10歳の時の、人生最初の作曲作品!元はヴァイオリンとチェロの二重奏です)。テレビ放送で確認しただけでもこんなにある。もっと盛り上がってもいいですよ!嬉しい限りです。

 今日、こんなのを見つけました。
ゴールデンタイムズ:クラシック音楽でこれだけは聴いておけ!という曲を貼っていくよ
 クラシック初心者向けの有名曲、定番曲と思いきや、マニアックな選曲、作曲家ばっかりです…。有名な作曲家でもかなりひねってます。これは面白い。知ってる曲、好きな曲、名前も初めて聞く曲・作曲家。他者の聴いている曲、おすすめを教えてもらうのもいいですね。

 この中に、シベリウスもありました。民族叙事詩「カレワラ」のクレルヴォの物語を題材にした「クレルヴォ交響曲」。初期の作品で、私はまだ馴染めていないのですが、合唱の「Kullervo,Kalervon poika(クレルヴォ、カレルヴォの息子)」の部分は何故か口ずさんでしまいます。

 そしてもうひとつ。歌曲集「5つの歌」op.37より、第4曲「あれは夢だったのか?(Var det en dröm?)」。クレルヴォ交響曲も声楽つきの交響曲ですが、再び声楽・歌曲と来ましたか。これまた渋い選曲を。動画もあるのでどんな曲かすぐ聴けます。でも、歌詞はどんな歌詞だったっけ?私、CDとか持ってたっけ?探してみたらありました。よかった…(安堵

 タイトルの通り、歌詞はスウェーデン語です。作詞はヴェクセル。
梅丘歌曲会館 詩と音楽:ジャン・シベリウス:あれは夢だったのか?
 歌詞はこちらに対訳もあります。

 聴いたのは、ソプラノのバーバラ・ボニー盤、メゾソプラノのアンネ・ソフィー・フォン・オッター盤、テノールのハンヌ・ユルム盤。
 作曲されたのは1902年。交響曲第2番と同じ年です。歌曲でも、シベリウス作品は前期と後期では雰囲気が異なる。前期に当たるこの「あれは夢だったのか?」を聴いて、まず思ったのが伴奏も歌もドラマティックな曲だな、と。歌詞も過去の恋人との思い出を情熱的に語っている。歌詞を見ずに音楽・歌だけ聴いていると、夢見るような曲想に惹かれます。短い曲ではあるけれども、エネルギーをじわじわと爆発させている。

 他にも、op.37の曲があったので聴いてみた。第5曲「逢い引きから戻った娘(Flickan kom ifrån sin älskings möte)」はシベリウスの歌曲の中でも有名だと思う。これは聴いた記憶がちゃんとあった。詩はルーネベルイ。作曲は1901年。やはりスウェーデン語の歌詞です。
梅丘歌曲会館 詩と音楽:ジャン・シベリウス:デートから戻った娘
 これまた詩も曲もドラマティック。恋をした娘の恋の成就と別れ…シューマンやシューベルトの歌曲を思います。が、曲はシベリウスだなと思うところがある。細かく刻まれる音や、歌を追いかけるようなゆるやかな伴奏。交響曲第2番でもあるようなうねうねとした部分も。伴奏を聴くのも楽しい。ピアノでも、オーケストラ伴奏でも。オーケストラ伴奏だと、よりシベリウスらしさを感じます。

 第3曲「日の出(Soluppgång)」。詩が暁、日の出、夜明けの情景を美しく描いている。となると曲も雄大で美しい。素朴さもあるのがまたいい。

 ということで、「5つの歌」op.37、いい歌曲集です。せっかく声楽やってるんだし、歌えたらなぁと思うのですが、日本語版の楽譜がない…。シベリウスの歌曲の日本語版の楽譜は悲しいことに皆無。スウェーデン語の発音もわからない。日本語版の楽譜なら、スウェーデン語の発音解説も書かれるはずなので(イタリア歌曲集にはあります)。ピアノ曲でも日本語版の楽譜は少ない。ようやく少しずつ増えてきていますが、曲の数はまだ少ない。いい曲いっぱいあるのに…。シベリウス生誕150年記念年だし、日本では著作権保護期間も切れてアマチュアでも演奏しやすくなっているので、どんどん楽譜出しましょうよ!アマチュアが演奏しやすいピアノやヴァイオリンなどの器楽曲、室内楽、声楽・合唱曲は特に。声楽・歌曲集の日本語版楽譜は本当に出しましょうよ!!

 歌曲・声楽作品もどんどん聴くことにします。
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by halca-kaukana057 | 2015-07-21 23:16 | 音楽

シューマンのもうひとつの「ライン」

 今日はロベルト・シューマンの誕生日。1810年生まれ、生誕205年です。

 シューマンの生誕記念に色々と聴いています。シューマン作品の中で特に好きなのが、交響曲第3番変ホ長調op.97「ライン」。第1楽章の冒頭は「N響アワー」のオープニングにもなり、聴くとN響アワーを思い出します。
 デュッセルドルフにやって来たシューマン。ケルン大聖堂を訪れたことが、作曲のきっかけとなったと言われています。「ライン」の副題はシューマン自身によるものではありませんが、爽やかで、時に勢いよく時にゆったりとした曲調はライン川を思わせます。そして第4楽章の荘厳な雰囲気はケルン大聖堂。生き生きとして明るく、とても好きです。

 聴いていたら、もうひとつ、「ライン」とある曲を見つけました。歌曲集「詩人の恋」op.48の第6曲「ラインの聖なる流れに(Im Rhein, im heiligen Strome)」。詩はハイネのものより。ライン川を歌っていると思いきや、ケルン大聖堂を歌っています。「詩人の恋」の前半は、愛する人への想いをロマンティックに歌っていて、本当にシューマンらしい。甘い夢見るような曲が詩を盛り上げます。が、第6曲「ラインの聖なる流れに」はそれまでと雰囲気が変わります。重くどっしりと暗い。荘厳。ケルン大聖堂の中の光、そして聖母像が愛する人にそっくりだ、と。交響曲第3番「ライン」も、ケルン大聖堂と枢機卿就任式をイメージした第4楽章は荘厳な雰囲気。似ています。どちらかと言うと、「詩人の恋」の「ラインの聖なる流れに」の方が暗く重い気はします(声域にもよる?)。そして、第7曲「恨みはしない」からは、失恋が歌われます。第6曲が転換期となっているように思えます。
 シューマンにとって、ライン川は、ケルン大聖堂と結びついているのかも。
 ちなみに、聴いたのは、フィッシャー=ディースカウ(バリトン)と、ペーター・シュライアー(テノール)。ディースカウだとよりどっしりと感じられます。

 ちなみに、この詩にはリストも曲をつけています。ただ、「ラインの美しき流れに(Im Rhein,im schönen Strome)」とタイトルは異なり、曲も優しく華麗です。同じ詩でも、曲調が全く異なる。シューマンの方が暗い雰囲気になっているのが面白いです。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-08 23:58 | 音楽

冒険を彩る音楽 人形劇「シャーロックホームズ」サントラ

 もう購入して、聴き始めてから1ヶ月以上。NHK人形劇「シャーロックホームズ」サントラCDのことを。

NHK パペットエンターテインメント シャーロックホームズ オリジナル・サウンドトラック

平松加奈(作曲、Vn)、ダニエル・ハーディング(指揮)マーラー・チェンバー・オーケストラ、ナノ(歌)/ IMX



 音楽について、平松加奈さんご自身によるライナーノーツが「完全メモリアルブック」の中にあります。何故CDのブックレットに収めなかったのかなぁ…。

シャーロックホームズ 完全メモリアルブック: NHKパペットエンターテインメント (ワンダーライフスペシャル)

三谷幸喜 / 小学館



 まず、何と言っても私の注目は、演奏にダニエル・ハーディング指揮のマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)が参加していること。このサントラでハーディング&MCOが演奏しているのは5曲。「友情のテーマ」(Track1)、「ビートン校迷宮のテーマ」(2)、「シャーロック・ホームズのテーマ」(3)、「モリアーティのテーマ」(15)、「Scarlet Story(Orchestra Version)」(27)。意外と少ない…ですが、聴き応えばっちりです。トラック1の「友情のテーマ」、2話のスタンガスンの部屋へ向かうシーンや、9話の犯人追跡のシーンで流れていた疾走感溢れる明るく爽やかな曲です。聴いた瞬間、澄んだ弦に魅了されました。管楽器も打楽器も援護するけれども主張し過ぎない。バランスがいい。

 この曲から始まって、人形劇本編で流れた音楽が次々と出てきます。聴くと、あのシーンだ!とか、台詞が脳内自動再生。シーンを思い浮かべながら聴くのもよし、純粋に音楽だけを聴くのもよし。本編では部分的にしか使われてなかった音楽が、フルで聴くと意外と長かったと気付いたり、同じ曲でも別の部分を使うと合わせるシーンの雰囲気も変わる。MCO以外の、平松さんを中心にした弦楽四重奏、海沼正利さんのパーカッションの音楽も聴きどころ満載です。演奏者、形態が変わっても弦は澄んでいるし、パーカッションは楽器の種類も多くそれだけ多様な音楽になる。人形劇では出てきませんでしたが、ホームズはヴァイオリン演奏が得意ということで、サントラでもヴァイオリンが中心。平松さんのヴァイオリンソロの協奏曲のような感じの曲が多いです。弦楽四重奏でもオーケストラでの協奏曲のような広がりと深みがある。聴いていて楽しい。

 本編で聴いて気になっていた曲…9話のメアリーが謎の絵葉書のことを話すシーンや、13話の頼もしいワトソンとメアリーのシーンなどで流れるマリンバの可愛らしい曲。「そっと寄り添う心」(14)。優しい気持ちになれる曲です。「ラングデール・パイクのテーマ」(11)は、「シャーロッQ!」でも流れている曲。パイクのコミカルな雰囲気が思い浮かびます。「Taking Block」(10)はワトソンメモの音楽。聴くとあのワトソンメモの日記帳のアニメーションとともにワトソンの語りが自動再生ですw「華麗なる思考」(13)は、ホームズが早口で推理を述べるシーンでよく流れる曲。ホームズの早口での推理と、テンポのよいスリリングな曲がよく合います。「ハドソン夫人のテーマ」(4)はご存知、ハドソン夫人が「♪タララッタラッタララ~ララッララッラ~」と歌っている曲。ハドソン夫人の歌声は入ってませんwでも、部屋や車の中などで一人で聴いている時は歌ってしまいますw

 サントラで聴いて気に入った曲は「ジョン・H・ワトソンのテーマ」(7)。ワトソン好きだから…と言うのもありますがw、いい曲です。ゆったりとした波の大海原のような弦に、南太平洋を思わせるパーカッション。この曲ではあまりヴァイオリンが主張せず、弦のハーモニーが優しく美しい。後半からは力強くなる。人の感情・和を大事にして寛大で優しい、力強さもある、オーストラリアからやって来たワトソンにピッタリの音楽です。「すれ違い」(16)、「犯人の言葉」(17)、「心の窓辺」(24)、「ワトソンの憂慮」(25)のような、しんみり、しっとりとした曲もCDだからこそじっくりと聴ける。これらの曲はヴィオラやチェロがいい味出してます。

 最後を飾るのが、オーケストラバージョンの主題歌「Scarlet Story」。前奏の部分は最終回、ミルヴァートン先生とのシーンで流れました。そして歌の部分はホームズを見送るシーンで。同じ曲でも使う部分で変わる。オーケストラ、しかもハーディング指揮MCOとはなんて豪華なんだ…と実感する曲です。通常のバージョンでは速くて聴き取れない、歌いづらいと感じていても、このオーケストラバージョンならゆったりめのテンポで聞き取りやすく歌いやすいです。

 少し前に、NHKFMのクラシック音楽番組でハーディング指揮MCOの演奏会の録音が放送されました。勿論聴きました。メインの演目は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。いい演奏でした。MCOはオーケストラでも少人数の室内オーケストラ。でも、音の厚みや広がりは普通のオーケストラに負けていない。和と個のバランスがうまいのだな、と。ホームズとワトソンのコンビのチームワークのよう。前にも書きましたが、若い人たちが人形劇「ホームズ」でオーケストラや弦楽奏に親しんでもらえたらな、とあらためて思います。

 夏の新作では新曲があったりするのだろうか?気になります。

 しかし、人形劇の音楽もよいのですが、「ホームズ」映像作品は今まで私が観てきた作品はどれも音楽がいい!グラナダ版、BBC「SHERLOCK」、ロバート・ダウニー・Jrがホームズの映画、アニメ「名探偵ホームズ」。映画はオペラのシーンが印象的でかっこいい。「名探偵ホームズ」は作曲がハネケン・羽田健太郎さん。「ホームズ」は音楽も楽しめます。人形劇もその仲間入りです。
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by halca-kaukana057 | 2015-03-26 22:49 | 音楽

春を待つシベリウス交響曲第2番 フィンランド人指揮者でシベリウス・生誕150年記念リターンズ

 今日は二十四節気で「雨水」。雪から雨に変わる頃、とされています。当地も、一日中氷点下の真冬日で大雪・猛吹雪という日は少なくなってきました。先日は猛吹雪、短時間の大雪に見舞われましたが、その後は穏やかで、春が少しずつ近づいていることを感じます。それでも、そのうちまた真冬に戻ったりする…まさに「三寒四温」。

 こんな季節になると、シベリウスの交響曲第2番を聴きたくなります。まさに冬から春に移り変わる今の季節を描いているかのような交響曲。シベリウスの交響曲の中で最もメジャーなので、録音もたくさんあります…。その中から、この演奏を。
HMV:シベリウス:交響曲第2番 サカリ・オラモ&フィンランド放送交響楽
 フィンランド人指揮者とフィンランドのオーケストラコンビによる演奏。2006年、シベリウス没後50年の時のライヴ録音です。この演奏会はシベリウス・チクルス(交響曲全曲演奏会)で、部屋の中を探したら、NHKFMで放送されたのを録音したMDが出てきました。でもCD買っちゃった。
 オラモは、以前バーミンガム市交響楽団とのシベリウス交響曲全集で聴いています。バーミンガム市響とのは2000年。それから6年後。オケも違う、録音環境も違う、フィンランド放送響の方はライヴ。そしてオラモも6年とは言え年齢と経験を重ねてきた。しかもこのオーケストラはオラモがコンサートマスターを務めていた古巣、故郷のようなオケ。音楽だけ聴こうと思っても、こんなことも考えてしまいます。

 これまで私が2番で気に入っている箇所は、第1楽章の冒頭、せせらぎのような弦の澄んだ音。あと、第3楽章終盤で弦楽器も管楽器もうねうねとしながら雄大な第4楽章に入っていくあたり。第4楽章も朗々としているけれども明るさと暗さを繰り返して、輝かしいフィナーレを迎える。この辺りが好きなのですが、このオラモ&フィンランド放送響の演奏でいいなと思ったのが第2楽章。全体的に暗い楽章。時に、雲間から陽が差すようなうっすらとした明るさもある。トランペットのソロが印象的。メリハリがあってキリリと冷たく引き締まったテンポとトーン。強い音の部分も強過ぎない。シベリウスの音楽は、音楽そのものは暗くても、感傷的な陰鬱・メランコリーとは違うと思っている(後期交響曲・作品は特に)のですが、オラモ&フィンランド放送響の2番の第2楽章はまさにそんな感じ。

 第1楽章の弦のささやきも、第4楽章のファンファーレも澄んでいる。第4楽章は少しテンポ速いところも。メリハリ効かせてます。弱音から強音までの幅が広い。盛り上げるところは盛り上げて、抑えるところは抑える。第4楽章の最後のあたり、短調で盛り上げて長調に変わるあたりから最後にかけても、冷静でいて内面の熱さがある感じ。いい演奏です。
 バーミンガム市響のと聴き比べてみましたが、こっちのほうが落ち着いているかな?

 今年はシベリウス生誕150年。本国フィンランドは気合入ってます。日本でも、年明け前からあちらこちらでシベリウス作品が演奏されています。ああ、せっかくのアニバーサリーイヤーだし、何かひとつでもいいから生でシベリウスを聴きたいなぁ。

 ということで、現在フィンランド放送響のサイトでは、この2番を含む、オラモ指揮の2006年のシベリウス交響曲全曲を無料で配信しています。シベリウス気になっているんだけど聴いたことない。聴いてみたい。そういう方には是非。
◇1番~3番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 1-3
◇4番~7番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 4-7
 フィンランド語ですが、番号さえわかれば大丈夫

yle.fi:Klassinen:Jean Sibelius 150v
 フィンランド国営放送YLEのシベリウス生誕150年記念サイト。フィンランド語ですが…。
Sibelius 150
 こちらは英語のシベリウス生誕150年記念サイト。

・過去関連記事:さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
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by halca-kaukana057 | 2015-02-19 22:15 | 音楽


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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