カテゴリ:音楽( 238 )

ドラマティックなシベリウスの歌曲op.37

 今年はシベリウス生誕150年。記念年です。先日のEテレ「らららクラシック」ではヴァイオリン協奏曲、テレ朝「題名のない音楽会」では藤岡幸夫さん指揮日本フィルで「フィンランディア」と交響曲第5番第3楽章を特集、演奏していました。Eテレ「クラシック音楽館」では、ユッカ・ペッカ・サラステ指揮N響の「クオレマ」と交響曲第2番。少し前には庄司紗矢香さんヴァイオリンソロ、パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響のヴァイオリン協奏曲。アンコールは「水滴」(シベリウス10歳の時の、人生最初の作曲作品!元はヴァイオリンとチェロの二重奏です)。テレビ放送で確認しただけでもこんなにある。もっと盛り上がってもいいですよ!嬉しい限りです。

 今日、こんなのを見つけました。
ゴールデンタイムズ:クラシック音楽でこれだけは聴いておけ!という曲を貼っていくよ
 クラシック初心者向けの有名曲、定番曲と思いきや、マニアックな選曲、作曲家ばっかりです…。有名な作曲家でもかなりひねってます。これは面白い。知ってる曲、好きな曲、名前も初めて聞く曲・作曲家。他者の聴いている曲、おすすめを教えてもらうのもいいですね。

 この中に、シベリウスもありました。民族叙事詩「カレワラ」のクレルヴォの物語を題材にした「クレルヴォ交響曲」。初期の作品で、私はまだ馴染めていないのですが、合唱の「Kullervo,Kalervon poika(クレルヴォ、カレルヴォの息子)」の部分は何故か口ずさんでしまいます。

 そしてもうひとつ。歌曲集「5つの歌」op.37より、第4曲「あれは夢だったのか?(Var det en dröm?)」。クレルヴォ交響曲も声楽つきの交響曲ですが、再び声楽・歌曲と来ましたか。これまた渋い選曲を。動画もあるのでどんな曲かすぐ聴けます。でも、歌詞はどんな歌詞だったっけ?私、CDとか持ってたっけ?探してみたらありました。よかった…(安堵

 タイトルの通り、歌詞はスウェーデン語です。作詞はヴェクセル。
梅丘歌曲会館 詩と音楽:ジャン・シベリウス:あれは夢だったのか?
 歌詞はこちらに対訳もあります。

 聴いたのは、ソプラノのバーバラ・ボニー盤、メゾソプラノのアンネ・ソフィー・フォン・オッター盤、テノールのハンヌ・ユルム盤。
 作曲されたのは1902年。交響曲第2番と同じ年です。歌曲でも、シベリウス作品は前期と後期では雰囲気が異なる。前期に当たるこの「あれは夢だったのか?」を聴いて、まず思ったのが伴奏も歌もドラマティックな曲だな、と。歌詞も過去の恋人との思い出を情熱的に語っている。歌詞を見ずに音楽・歌だけ聴いていると、夢見るような曲想に惹かれます。短い曲ではあるけれども、エネルギーをじわじわと爆発させている。

 他にも、op.37の曲があったので聴いてみた。第5曲「逢い引きから戻った娘(Flickan kom ifrån sin älskings möte)」はシベリウスの歌曲の中でも有名だと思う。これは聴いた記憶がちゃんとあった。詩はルーネベルイ。作曲は1901年。やはりスウェーデン語の歌詞です。
梅丘歌曲会館 詩と音楽:ジャン・シベリウス:デートから戻った娘
 これまた詩も曲もドラマティック。恋をした娘の恋の成就と別れ…シューマンやシューベルトの歌曲を思います。が、曲はシベリウスだなと思うところがある。細かく刻まれる音や、歌を追いかけるようなゆるやかな伴奏。交響曲第2番でもあるようなうねうねとした部分も。伴奏を聴くのも楽しい。ピアノでも、オーケストラ伴奏でも。オーケストラ伴奏だと、よりシベリウスらしさを感じます。

 第3曲「日の出(Soluppgång)」。詩が暁、日の出、夜明けの情景を美しく描いている。となると曲も雄大で美しい。素朴さもあるのがまたいい。

 ということで、「5つの歌」op.37、いい歌曲集です。せっかく声楽やってるんだし、歌えたらなぁと思うのですが、日本語版の楽譜がない…。シベリウスの歌曲の日本語版の楽譜は悲しいことに皆無。スウェーデン語の発音もわからない。日本語版の楽譜なら、スウェーデン語の発音解説も書かれるはずなので(イタリア歌曲集にはあります)。ピアノ曲でも日本語版の楽譜は少ない。ようやく少しずつ増えてきていますが、曲の数はまだ少ない。いい曲いっぱいあるのに…。シベリウス生誕150年記念年だし、日本では著作権保護期間も切れてアマチュアでも演奏しやすくなっているので、どんどん楽譜出しましょうよ!アマチュアが演奏しやすいピアノやヴァイオリンなどの器楽曲、室内楽、声楽・合唱曲は特に。声楽・歌曲集の日本語版楽譜は本当に出しましょうよ!!

 歌曲・声楽作品もどんどん聴くことにします。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-07-21 23:16 | 音楽

シューマンのもうひとつの「ライン」

 今日はロベルト・シューマンの誕生日。1810年生まれ、生誕205年です。

 シューマンの生誕記念に色々と聴いています。シューマン作品の中で特に好きなのが、交響曲第3番変ホ長調op.97「ライン」。第1楽章の冒頭は「N響アワー」のオープニングにもなり、聴くとN響アワーを思い出します。
 デュッセルドルフにやって来たシューマン。ケルン大聖堂を訪れたことが、作曲のきっかけとなったと言われています。「ライン」の副題はシューマン自身によるものではありませんが、爽やかで、時に勢いよく時にゆったりとした曲調はライン川を思わせます。そして第4楽章の荘厳な雰囲気はケルン大聖堂。生き生きとして明るく、とても好きです。

 聴いていたら、もうひとつ、「ライン」とある曲を見つけました。歌曲集「詩人の恋」op.48の第6曲「ラインの聖なる流れに(Im Rhein, im heiligen Strome)」。詩はハイネのものより。ライン川を歌っていると思いきや、ケルン大聖堂を歌っています。「詩人の恋」の前半は、愛する人への想いをロマンティックに歌っていて、本当にシューマンらしい。甘い夢見るような曲が詩を盛り上げます。が、第6曲「ラインの聖なる流れに」はそれまでと雰囲気が変わります。重くどっしりと暗い。荘厳。ケルン大聖堂の中の光、そして聖母像が愛する人にそっくりだ、と。交響曲第3番「ライン」も、ケルン大聖堂と枢機卿就任式をイメージした第4楽章は荘厳な雰囲気。似ています。どちらかと言うと、「詩人の恋」の「ラインの聖なる流れに」の方が暗く重い気はします(声域にもよる?)。そして、第7曲「恨みはしない」からは、失恋が歌われます。第6曲が転換期となっているように思えます。
 シューマンにとって、ライン川は、ケルン大聖堂と結びついているのかも。
 ちなみに、聴いたのは、フィッシャー=ディースカウ(バリトン)と、ペーター・シュライアー(テノール)。ディースカウだとよりどっしりと感じられます。

 ちなみに、この詩にはリストも曲をつけています。ただ、「ラインの美しき流れに(Im Rhein,im schönen Strome)」とタイトルは異なり、曲も優しく華麗です。同じ詩でも、曲調が全く異なる。シューマンの方が暗い雰囲気になっているのが面白いです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-06-08 23:58 | 音楽

冒険を彩る音楽 人形劇「シャーロックホームズ」サントラ

 もう購入して、聴き始めてから1ヶ月以上。NHK人形劇「シャーロックホームズ」サントラCDのことを。

NHK パペットエンターテインメント シャーロックホームズ オリジナル・サウンドトラック

平松加奈(作曲、Vn)、ダニエル・ハーディング(指揮)マーラー・チェンバー・オーケストラ、ナノ(歌)/ IMX



 音楽について、平松加奈さんご自身によるライナーノーツが「完全メモリアルブック」の中にあります。何故CDのブックレットに収めなかったのかなぁ…。

シャーロックホームズ 完全メモリアルブック: NHKパペットエンターテインメント (ワンダーライフスペシャル)

三谷幸喜 / 小学館



 まず、何と言っても私の注目は、演奏にダニエル・ハーディング指揮のマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)が参加していること。このサントラでハーディング&MCOが演奏しているのは5曲。「友情のテーマ」(Track1)、「ビートン校迷宮のテーマ」(2)、「シャーロック・ホームズのテーマ」(3)、「モリアーティのテーマ」(15)、「Scarlet Story(Orchestra Version)」(27)。意外と少ない…ですが、聴き応えばっちりです。トラック1の「友情のテーマ」、2話のスタンガスンの部屋へ向かうシーンや、9話の犯人追跡のシーンで流れていた疾走感溢れる明るく爽やかな曲です。聴いた瞬間、澄んだ弦に魅了されました。管楽器も打楽器も援護するけれども主張し過ぎない。バランスがいい。

 この曲から始まって、人形劇本編で流れた音楽が次々と出てきます。聴くと、あのシーンだ!とか、台詞が脳内自動再生。シーンを思い浮かべながら聴くのもよし、純粋に音楽だけを聴くのもよし。本編では部分的にしか使われてなかった音楽が、フルで聴くと意外と長かったと気付いたり、同じ曲でも別の部分を使うと合わせるシーンの雰囲気も変わる。MCO以外の、平松さんを中心にした弦楽四重奏、海沼正利さんのパーカッションの音楽も聴きどころ満載です。演奏者、形態が変わっても弦は澄んでいるし、パーカッションは楽器の種類も多くそれだけ多様な音楽になる。人形劇では出てきませんでしたが、ホームズはヴァイオリン演奏が得意ということで、サントラでもヴァイオリンが中心。平松さんのヴァイオリンソロの協奏曲のような感じの曲が多いです。弦楽四重奏でもオーケストラでの協奏曲のような広がりと深みがある。聴いていて楽しい。

 本編で聴いて気になっていた曲…9話のメアリーが謎の絵葉書のことを話すシーンや、13話の頼もしいワトソンとメアリーのシーンなどで流れるマリンバの可愛らしい曲。「そっと寄り添う心」(14)。優しい気持ちになれる曲です。「ラングデール・パイクのテーマ」(11)は、「シャーロッQ!」でも流れている曲。パイクのコミカルな雰囲気が思い浮かびます。「Taking Block」(10)はワトソンメモの音楽。聴くとあのワトソンメモの日記帳のアニメーションとともにワトソンの語りが自動再生ですw「華麗なる思考」(13)は、ホームズが早口で推理を述べるシーンでよく流れる曲。ホームズの早口での推理と、テンポのよいスリリングな曲がよく合います。「ハドソン夫人のテーマ」(4)はご存知、ハドソン夫人が「♪タララッタラッタララ~ララッララッラ~」と歌っている曲。ハドソン夫人の歌声は入ってませんwでも、部屋や車の中などで一人で聴いている時は歌ってしまいますw

 サントラで聴いて気に入った曲は「ジョン・H・ワトソンのテーマ」(7)。ワトソン好きだから…と言うのもありますがw、いい曲です。ゆったりとした波の大海原のような弦に、南太平洋を思わせるパーカッション。この曲ではあまりヴァイオリンが主張せず、弦のハーモニーが優しく美しい。後半からは力強くなる。人の感情・和を大事にして寛大で優しい、力強さもある、オーストラリアからやって来たワトソンにピッタリの音楽です。「すれ違い」(16)、「犯人の言葉」(17)、「心の窓辺」(24)、「ワトソンの憂慮」(25)のような、しんみり、しっとりとした曲もCDだからこそじっくりと聴ける。これらの曲はヴィオラやチェロがいい味出してます。

 最後を飾るのが、オーケストラバージョンの主題歌「Scarlet Story」。前奏の部分は最終回、ミルヴァートン先生とのシーンで流れました。そして歌の部分はホームズを見送るシーンで。同じ曲でも使う部分で変わる。オーケストラ、しかもハーディング指揮MCOとはなんて豪華なんだ…と実感する曲です。通常のバージョンでは速くて聴き取れない、歌いづらいと感じていても、このオーケストラバージョンならゆったりめのテンポで聞き取りやすく歌いやすいです。

 少し前に、NHKFMのクラシック音楽番組でハーディング指揮MCOの演奏会の録音が放送されました。勿論聴きました。メインの演目は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。いい演奏でした。MCOはオーケストラでも少人数の室内オーケストラ。でも、音の厚みや広がりは普通のオーケストラに負けていない。和と個のバランスがうまいのだな、と。ホームズとワトソンのコンビのチームワークのよう。前にも書きましたが、若い人たちが人形劇「ホームズ」でオーケストラや弦楽奏に親しんでもらえたらな、とあらためて思います。

 夏の新作では新曲があったりするのだろうか?気になります。

 しかし、人形劇の音楽もよいのですが、「ホームズ」映像作品は今まで私が観てきた作品はどれも音楽がいい!グラナダ版、BBC「SHERLOCK」、ロバート・ダウニー・Jrがホームズの映画、アニメ「名探偵ホームズ」。映画はオペラのシーンが印象的でかっこいい。「名探偵ホームズ」は作曲がハネケン・羽田健太郎さん。「ホームズ」は音楽も楽しめます。人形劇もその仲間入りです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-03-26 22:49 | 音楽

春を待つシベリウス交響曲第2番 フィンランド人指揮者でシベリウス・生誕150年記念リターンズ

 今日は二十四節気で「雨水」。雪から雨に変わる頃、とされています。当地も、一日中氷点下の真冬日で大雪・猛吹雪という日は少なくなってきました。先日は猛吹雪、短時間の大雪に見舞われましたが、その後は穏やかで、春が少しずつ近づいていることを感じます。それでも、そのうちまた真冬に戻ったりする…まさに「三寒四温」。

 こんな季節になると、シベリウスの交響曲第2番を聴きたくなります。まさに冬から春に移り変わる今の季節を描いているかのような交響曲。シベリウスの交響曲の中で最もメジャーなので、録音もたくさんあります…。その中から、この演奏を。
HMV:シベリウス:交響曲第2番 サカリ・オラモ&フィンランド放送交響楽
 フィンランド人指揮者とフィンランドのオーケストラコンビによる演奏。2006年、シベリウス没後50年の時のライヴ録音です。この演奏会はシベリウス・チクルス(交響曲全曲演奏会)で、部屋の中を探したら、NHKFMで放送されたのを録音したMDが出てきました。でもCD買っちゃった。
 オラモは、以前バーミンガム市交響楽団とのシベリウス交響曲全集で聴いています。バーミンガム市響とのは2000年。それから6年後。オケも違う、録音環境も違う、フィンランド放送響の方はライヴ。そしてオラモも6年とは言え年齢と経験を重ねてきた。しかもこのオーケストラはオラモがコンサートマスターを務めていた古巣、故郷のようなオケ。音楽だけ聴こうと思っても、こんなことも考えてしまいます。

 これまで私が2番で気に入っている箇所は、第1楽章の冒頭、せせらぎのような弦の澄んだ音。あと、第3楽章終盤で弦楽器も管楽器もうねうねとしながら雄大な第4楽章に入っていくあたり。第4楽章も朗々としているけれども明るさと暗さを繰り返して、輝かしいフィナーレを迎える。この辺りが好きなのですが、このオラモ&フィンランド放送響の演奏でいいなと思ったのが第2楽章。全体的に暗い楽章。時に、雲間から陽が差すようなうっすらとした明るさもある。トランペットのソロが印象的。メリハリがあってキリリと冷たく引き締まったテンポとトーン。強い音の部分も強過ぎない。シベリウスの音楽は、音楽そのものは暗くても、感傷的な陰鬱・メランコリーとは違うと思っている(後期交響曲・作品は特に)のですが、オラモ&フィンランド放送響の2番の第2楽章はまさにそんな感じ。

 第1楽章の弦のささやきも、第4楽章のファンファーレも澄んでいる。第4楽章は少しテンポ速いところも。メリハリ効かせてます。弱音から強音までの幅が広い。盛り上げるところは盛り上げて、抑えるところは抑える。第4楽章の最後のあたり、短調で盛り上げて長調に変わるあたりから最後にかけても、冷静でいて内面の熱さがある感じ。いい演奏です。
 バーミンガム市響のと聴き比べてみましたが、こっちのほうが落ち着いているかな?

 今年はシベリウス生誕150年。本国フィンランドは気合入ってます。日本でも、年明け前からあちらこちらでシベリウス作品が演奏されています。ああ、せっかくのアニバーサリーイヤーだし、何かひとつでもいいから生でシベリウスを聴きたいなぁ。

 ということで、現在フィンランド放送響のサイトでは、この2番を含む、オラモ指揮の2006年のシベリウス交響曲全曲を無料で配信しています。シベリウス気になっているんだけど聴いたことない。聴いてみたい。そういう方には是非。
◇1番~3番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 1-3
◇4番~7番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 4-7
 フィンランド語ですが、番号さえわかれば大丈夫

yle.fi:Klassinen:Jean Sibelius 150v
 フィンランド国営放送YLEのシベリウス生誕150年記念サイト。フィンランド語ですが…。
Sibelius 150
 こちらは英語のシベリウス生誕150年記念サイト。

・過去関連記事:さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-02-19 22:15 | 音楽

池田綾子:こころたび/心のふるさと

 年末年始、帰省していた方もいらっしゃると思います。今日から仕事始め。故郷から離れて日常に戻った人も少なくないと思いますが…それに逆行するような歌を。

 BSプレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」。俳優の火野正平さんが自転車で、視聴者からの思い出の場所にまつわるお手紙をもとに、自転車でその場所に向かう番組。火野さんのマイペースさ、自転車からならではの風景、お手紙に綴られた思い出。普通の紀行番組とは異なる雰囲気の旅に、つい見入ってしまいます。

 この番組の主題歌「こころたび」を歌うのが、池田綾子さん。 NHK教育アニメ「電脳コイル」の主題歌「プリズム」「空の欠片」以来、とても好きな歌手さんです。アルバムについても何度か記事を書いてきました。その「こころたび」と、挿入曲の新曲「心のふるさと」を含むCDがこれ。

NHK-BSプレミアム「にっぽん縦断こころ旅」ソングコレクション

池田綾子/火野正平/ SMD itaku (music)


 「こころたび」は、「こころ旅」サントラCD第1弾と、アルバムバージョンが池田さんのアルバム「この時の中で」にも収録されています。「この時の中で」もいいアルバムです。今回は「心のふるさと」も聴きたかったのでこちらを。あと、このCDには歌無しカラオケバージョンも入ってます。

 故郷には、物理的な場所と心に残る思い出の精神的な場所があると思う。出身地は具体的な地名を挙げるけれども、思い入れは人それぞれだと思う。生まれた場所ではあるけれどもすぐ引越して記憶が無いとか、あまりいい日々を過ごせず苦い思い出ばかりがあってあまり思い出したくないとか、市町村合併で地名が変わってしまったというのも少なくないと思う。その一方で、精神的な故郷は、もっと細かく、繊細。人生の一時期を過ごした町、事あるごとに通ったその人にしかわからない特定の場所、行ったのは一度だけだけど強烈な経験をして記憶にこびりついている場所、何気なく訪れたら景色に惹かれた場所、旅先でハプニングが起きたけどその土地の人に助けてもらい人のあたたかさに触れた場所…本当に様々だと思う。ひとつとも限らない。日本、世界のあちこちにあると思う。

 そんな精神的な故郷を歌っているのが「こころたび」「心のふるさと」。「こころたび」は流れるような弦と池田さんの澄んだ伸びやかな声が、明るい曲に乗って、聴いていると旅に出たくなる。実際、旅先で聴くとこれからどんな出会いがあるんだろうとワクワクする。思い出のあの場所、一度は行ってみたい憧れの場所へ行きたくもなる。
「思い出す度にに笑顔になれる」
という歌詞が、過去のものでもあるし未来のものにも思える。
 一方の「心のふるさと」。こちらはギターのシンプルな伴奏に、静かに語るような歌。過去を思い出し、懐かしさを誘う。静かだけれども、暗くは無い。ゆらめくような、ほのかな明るさ。夕暮れの中、家路を行く雰囲気。
「私はここで待っている 遠く疲れたその時 思い出して」
自分が故郷に向かうだけじゃない、誰かを故郷で待っている視点でも歌われる。とてもやさしい歌です。

 帰省の時だけじゃない、心が帰る(還る)場所。そんな気持ちになりながら聴いています。火野正平さんの歌も収録。こちらもいいですよ。

 池田綾子さんの歌と言えば、これが気になっています。
NHK:松山放送局:NHK四国4局キャンペーン 四国遍路1200:題字・テーマ音楽
 このテーマ「時の旅人」を池田さんが歌っています。歌詞も掲載されており、四国以外からでも上記サイトで聴けます。NHKでのお仕事が本当に多い池田さん。これを収録したCDが早く出ないかなぁ。

 さらに、これも
山梨県立科学館プラネタリウム番組:きみが住む星
 山梨県立科学館のオリジナルプラネタリウム番組の音楽を、池田さんが担当しています。これも気になる。池田さんの活躍は幅広いです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2015-01-05 22:31 | 音楽

こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

 先日、NHKBSプレミアムで放送されていた「BBC Proms(プロムス)ラスト・ナイト・コンサート」を録画で観ました。イギリスで、7月中旬から9月中旬まで開催される、世界最大級の音楽祭。その最終日の夜、最後のコンサートが「ラスト・ナイト・コンサート」。演奏はBBC交響楽団。指揮は、主席指揮者のサカリ・オラモ。フィンランド人指揮者のオラモは、シベリウス作品を中心に聴いてきて、特に好きな指揮者のひとり。オラモ目当てに録画してみたら、とんでもないコンサートだった。

NHK:プレミアムシアター:プロムス2014 ラスト・ナイト・コンサート

 このプロムス・ラスト・ナイト・コンサート。普通のクラシックコンサートと随分違う。会場のロンドンのロイヤル・アルバート・ホールは、とても大きなホール。照明や大型スクリーンもある。観客は、曲の合間に国旗を振っている。前半はまだおとなしめなのですが、後半になると、風船を飛ばし、クラッカーを鳴らし、お祭り状態。指揮台もいつの間にか、クラッカーのカラーテープや国旗でデコレーションされている。何だこれ!?
 会場はこのロイヤル・アルバート・ホールだけではない。ロンドンのハイド・パーク、北アイルランドのベルファスト、スコットランドのグラスゴー、ウェールズのスウォンジーには野外会場が設けられている。ロックフェスか何かですか!?
 しかも、オラモはユニオン・ジャック柄のベスト!?蝶ネクタイもユニオン・ジャックカラー。楽団員さんや合唱団員さんにも、国旗カラーの蝶ネクタイの人がいる。何が始まるんです…!?

 前半は、イギリス人作曲家のアーノルドやウォルトン、イギリスもの以外でも、ショーソンや今年生誕150年のリヒャルト・シュトラウスも。
 後半は、ハチャトゥリアン「剣の舞」で勢いよく始まり、黒人霊歌「ジェリコの戦い」やミュージカル「ショウ・ボート」から「オール・マン・リバー」とバラエティに富んでいる。ヴァイオリンの超絶技巧にワクワクするラヴェル「ツィガーヌ」も。ヴァイオリンはジャニーヌ・ヤンセン。そのアンコール。ヤンセンがヴァイオリンをそっと鳴らすと、ヴァイオリンの音が聴こえる。舞台袖には、ヴァイオリンを持ったオラモが。ヤンセンとオラモで、メキシコ民謡「ラ・クカラチャ」ヴァイオリン二重奏!オラモは、元フィンランド放送交響楽団のコンサートマスター。オラモのヴァイオリンを初めて聴きました。息ぴったり、ユーモアも交えて楽しい演奏。
Traditional, arr. Aleksey Igudesman: La Cucaracha - BBC Proms 2014
 ↑「ラ・クカラチャ」公式動画が上がってますので、是非。

 さらに、今年公開50年という「メリー・ポピンズ」メドレー。演奏の前に、オラモが挨拶とMCをして、歌も会場の皆さんも一緒に。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は勿論歌えましたよ!(日本語訳詞で)
Mary Poppins - Medley - BBC Proms 2014

 その後が、イギリス万歳な曲が続きます。「ルール・ブリタニア」、エルガー「威風堂々」第1番(Land of Hope and Glory)、ヒューバート・パリーの「エルサレム」、そしてブリテン編曲のイギリス国歌。最後は演奏なしで「Auld Lang Syne(蛍の光)」。会場の観客も一緒に歌います。私も一緒に歌ってしまった。盛り上がりが凄い!「ルール・ブリタニア」は、ソロはバリトンのロデリック・ウィリアムズ。深く堂々とした歌声がかっこいい。「威風堂々」第1番の歌詞つきは初めて聴きました。これも熱くなる歌詞。イギリス万歳な曲が続くのですが、何故か不思議な一体感がある。振られている国旗はユニオンジャック、もしくはイギリス各地域の旗とは限らない。オラモの故郷のフィンランド国旗、ヤンセンの故郷のオランダ国旗。日本人もいるのか日の丸も。世界各国の国旗が振られている。世界はひとつ、のこの不思議な一体感。演奏中に各会場を中継するのもいい。その指揮をオラモがしていることに、とても感激しました。
 指揮者のスピーチも恒例なのだそうですが、オラモのフィンランド人ジョークに笑いましたwさっきまでノリノリで指揮してたじゃないですか!wそして、あのユニオンジャック柄ベストには、粋な仕掛けがありました…!テレビの前で大喝采でしたw
Elgar: Pomp and Circumstance - BBC Proms 2014

 会場内は動画撮影もOKらしく、動画もいくつかありました。
BBC Last Night of the Proms 2014 Rule Britannia, Land of Hope etc Highlights Royal Albert Hall
 クライマックスの部分を。これは燃えます。盛り上がります。

LAST NIGHT OF THE PROMS LONDON 2014 4K ULTRA HD
 観客総立ち。熱気がすごい。クラシックコンサートとは思えない。

Proms In The Park - London - 2014 - The Last Night Of The Proms !
 ハイド・パークの会場の様子を。昼間はクラシック以外も演奏されます。ピクニックみたい。ラスト・ナイト・コンサートの盛り上がりは野外でも変わりません。

 プロムスは、1895年、クラシックコンサートをもっと気軽に、気楽に楽しめるようにと始まりました。ロバート・ニューマンが企画し、指揮者のヘンリー・ウッドがプロムスを広めました。100年以上もの歴史と伝統のあるコンサートなのに、気楽に、お祭り気分で楽しめる。凄い、素晴らしいです。
 ラスト・ナイト・コンサート以外のプロムスのコンサートも、イギリス国外のオーケストラも参加し、多彩な音楽を楽しめます。会場に行けなくても、ネットラジオで生中継があります。これまで、時差の関係などで、気にはなっていたけれども聴かずにいた。来年はプロムスをもっと楽しみたいです。

 ちなみに、来年はシベリウス生誕150年。今年、リヒャルト・シュトラウスもやったなら、シベリウスもやりますよね。しかも指揮がオラモなら尚更。BBC響とオラモのコンビはまだ続きますし。イギリスは元々シベリウス好きでもある。これは期待します!

・サカリ・オラモ関係過去記事
NHK音楽祭2005
 オラモのことを知ったのは、このNHK音楽祭2005でフィンランド放送響と来日した時。もう10年近く経つのか。
さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
 バーミンガム市交響楽団とのシベリウス全集。愛聴盤です。オラモ、2回目のシベ全やらないかなぁ。
 この頃はもっとスマートだったのに、オラモ…いつの間に恰幅よくなっちゃって…。来年50歳なのか。まだ若いというべきか、もう50になるのかというべきか…。
 ちなみに、若い頃のオラモに似たトランペット奏者さんがいて、気になってましたw

・2016年のラストナイト感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-12-18 23:42 | 音楽

金管がうたう「歴史的情景」 シベリウス生誕149年に

 今日12月8日はシベリウスのお誕生日。1865年。今年で149年。来年はいよいよ生誕150年です。シベリウスは私にとって、最も(と言ってもいい)親しみ深い作曲家。7曲(プラス「クレルヴォ交響曲」)の交響曲、ヴァイオリン協奏曲、管弦楽曲や劇音楽。室内楽や合唱、ヴァイオリンやピアノ曲は交響曲とはまた違った面が伺えて、どんどん聴きたくなる。でも、シベリウスも結構多作で、まだまだ知らない曲、聴いたことのない曲があります。CDは持っているのに聴いてない曲も。今日はそんなCD持ってるのに、今まであまり聴いてこなかった作品を。

 シベリウスの作品で有名な作品と言えば?と聞かれたら、多くの人は交響詩「フィンランディア」op.26と答えると思います。フィンランドの作曲家・シベリウス。ロシアの統治下にあるフィンランドの独立を願って書かれたという、力強く、美しい作品。中間部の「フィンランディア讃歌」は合唱曲にもなり、フィンランド第二の国歌として親しまれています。フィンランド語で歌えるようになるんだ、いつかきっと。

 その「フィンランディア」は元々、「愛国記念劇」という歴史劇の音楽の7曲目から生まれたもの。元々の題名は「フィンランドは目覚める」というタイトルでした。その「愛国記念劇」の曲も残ってはいるのですが、あまり演奏されない。ただ、シベリウスは「フィンランディア」発表後、「愛国記念劇」の中から3曲を選んで編曲し再発表。それが、この記事で取り上げる組曲「歴史的情景」第1番op.25.

 3曲にはそれぞれタイトルが付いていて、第1曲「序曲風に(All'Overtura)」、第2曲「情景(Scena)」、第3曲「祝祭(Festivo)」。どれも聴いていてとても楽しい。「フィンランディア」よりも牧歌的。聴いていると、シベリウスは金管楽器を使うのがうまいなと思う。弦楽器も木管楽器もだけれども、ここぞというところで金管が出てくる。時には高らかに歌うように、時には厳かに、時には勇ましく。第2曲「情景」は木管で静かに始まるけど、この曲も金管がポイント。ファンファーレのように登場する。第3曲「祝祭」は明るく朗らかに、リズミカル。「祝祭」と言っても、どんちゃん騒ぎのお祭りにならないところはシベリウスらしい。「アンダンテ・フェスティーヴォ(邦題:祝祭アンダンテ)」にも通じてゆくのかな。カスタネットとタンバリンが出てくるのが面白い。シベリウスがカスタネットを使うのは珍しいんじゃないのか?

 シベリウス作品は交響曲第4番、第6番、第7番のような幽玄で独特の暗さも、澄んだ弦も魅力的。でも、こんな明るいシベリウス作品もある。お誕生日お祝いにはちょうどいい、と聴いています。こんないい曲があったんだなぁ。しかも、「フィンランディア」と元は同じだったとは。
 ちなみに、私が聴いたのは、ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ響。

 この「歴史的情景」、演奏会用の第2番もあるそうで。そちらも聴いてみたい。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-12-08 23:49 | 音楽

地域の楽団を応援して伸ばす

 音楽、演奏会について、最近思ったことを。

 先日の「題名のない音楽会」は、2週に渡っての大阪市音楽団特集。この春、大阪市から独立し(3年間は市から独立のための補助は受けています)、以前から共演してきた宮川彬良さんを音楽監督に迎え、新しいスタートを切りました。
 2012年には、東京公演に行って生の演奏を聴いてくることができました。また、独立に関して、以前このブログで記事を書き言及しました。
・2012年東京公演・コンサートレポ:その1(第1部) / その2(第2部) / その3(アンコール・終演後・感想雑感)
 
↓独立とその支援に対しての私の意見記事
大阪市音楽団存続問題と「文化の空白」+存続支援運動に対して思うこと
大阪市音楽団存続問題に思うこと 続編
吹奏楽の強み 続々・大阪市音楽団存続問題に思うこと
 ↑この記事以後、静観し記事は書いていませんが、応援はしていました。

 「題名」では第1週は「出直しまっせ!」とタイトルに入れるほどの攻めの姿勢。勿論演奏は素晴らしかった。第2週は「市音の4つのS」と題して、市音の魅力を演奏で伝える形に。第1週では音楽監督である宮川彬良さんの指揮・編曲でしたが、第2週では指揮は吹奏楽ではお馴染みの丸谷明夫先生の指揮で、地元大阪の吹奏楽の名門校・淀川工科高校吹奏楽部との共演。最後は、髙谷光信さん指揮で、吹奏楽の名曲「指輪物語」(デ・メイ作曲)を。幅広く市音の魅力と精力的な活動が伝わってくる番組内容と、演奏で楽しみました。
 ここで、第2週で紹介されたのが、市音は地域に根ざした演奏活動を積極的にしていること。以前も書きましたが、無料・ワンコインコンサートや、学校での演奏会、吹奏楽部への指導などをしている。淀高も市音の指導で、力をつけてきた。淀高と市音の共演は圧巻でした。曲もカーペンターズの名曲のメドレーでとても楽しかった。

 もうひとつ、先日日曜のNHKEテレ「クラシック音楽館」。twitterでの実況も楽しく盛り上がるので、毎週楽しみにしています。いつもはNHK交響楽団の定期公演なのですが、先日日曜の放送は九州交響楽団の定期演奏会より。九州交響楽団は、九州で唯一のプロオーケストラ。しかし、先述した市音もそうですし、他の地域のプロオケもですが、財政難、演奏会に訪れる人が少なく苦しい状況…。それでも、九州響はボランティアスタッフや地域の人々の支援・応援で、地域に根ざした演奏活動をしてきた。今回、「クラシック音楽館」で全国放送されることをとても喜んでいるそうです。
 プログラムは、シューマンのピアノ協奏曲に、ブルックナーの交響曲第1番。ブルックナーの1番…あまり演奏されない曲です。お客さんを呼び込むなら、有名曲の方が呼びやすい。でも、こちらも攻めの姿勢の九州響。私はまだブルックナーはあまり親しめていないのですが、4番や9番は好きですし、重厚なオーケストラの音色、ブルックナーらしい荘厳さは1番からあったのだなぁ、と楽しめました。ちなみに、ブルックナーは交響曲0番も作曲しています…まだ聴いたことはありません…。

 この2つの番組を観て聴いて思ったのが、地域にプロの楽団があるのが羨ましい、と。もし住んでいる地域にプロの楽団があるならば、一度演奏会に足を運んで、その演奏を聴いてみて欲しい。もし気に入ったら、贔屓にして聴きに行く、定期会員になるなどして、応援してあげて欲しい、と。

 以前、市音存続問題について記事を書いた時に、もし無くなったら「文化の空白地帯」が生まれる、と書いた。クラシックなんて、吹奏楽なんて別に聴かないし、関係ないと思う人も少なくないと思う。でも、見えないところで、地域の芸術文化活動を支えている。学校や福祉施設などでの演奏会、音楽系の部活での指導。その地域での式典での演奏…知らないところで、実は耳にしていたことも少なくないかもしれない。

 先日、私も自分の地域のアマチュア楽団の演奏会に行ってきた。数年前から毎年行っている。普段馴染みのない曲も多く取り上げてくれて、こんな楽しい曲があるんだ、と演奏で教えてもらえる。アマチュアなので、仕事や学業などの合間に練習をしている。でも、毎年演奏会を開いて、地域の学校や施設に演奏会にも出かけている。演奏活動はプロと変わりない。演奏している姿が楽しそうで、また来年も来よう、と演奏会終了後に思う。毎年のように。何か気がついたことがあればアンケート用紙に書く。アマチュアでもレベルアップして欲しい。もっと音楽に惹き込んでくれる演奏を聴きたい。聴衆、ファンの存在が、その楽団を成長させると私は思う。マイナーな曲に挑戦する九州響のように。

 もう一度書きます。もし住んでいる地域にプロの楽団(オーケストラ、吹奏楽、オペラ団体)があるなら、一度演奏会に足を運んでみて欲しい。クラシックや吹奏楽曲なんて敷居が高そう…と思っても、親しみやすい有名曲を集めた親しみやすい演奏会もあるので、チェックしてみてください。そして、聴いてみて、気に入ったら、出来る範囲で構わないので聴いて応援してあげてください。コンサートを聴きにいくのが、一番の応援です。
 プロだけじゃなく、アマチュアでも同じです。

 また、団員さんやソリストさん、オペラ団体なら歌手で、気に入った演奏家がいたら、有名無名に関わらず応援してあげてください。あまり有名じゃない人、若手なら尚更、特に。有名な人、「○○コンクール優勝」などで特に売り出されている人は目立ちますが、有名じゃない、脇役でも「この人の演奏、いいな、好きだな!」と感じたらまた聴きに行ってみてください。感想はアンケートに書いたり、ブログやツイッター、FBなどでどんどん書いていいと思います。本人や関係者に読まれたら恥ずかしい…いえ、喜ぶと思います。たとえ厳しい意見だったとしても。

 楽団も、演奏家も、伸びてゆく過程を聞き続けてゆけたら…それはとても幸せなことだと思います。

 地域に根ざした楽団は、その地域にとっての財産だと思っています。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-11-26 22:17 | 音楽

フォーレを聴こう その4 フォーレの月の歌

 昨日11月4日はガブリエル・フォーレの御命日。1924年、今年没後90年です。フォーレシリーズが止まっていたので、昨日何か書こうと思ったのですが、聴いただけで終わってしまった…。

 今夜は、当地は快晴で月がきれいに見えている。今日は閏九月十三日で、珍しいもので「後の十三夜」とも呼ばれている。いつの間にか、何やら大げさなカタカナ語名称をつけられているのを見て、何だこれ…とも感じています(その名称については書きません触れません。普及させたくない。検索避けでもあります)
・「後の十三夜」について以前言及した記事:今年の秋はお月見三昧
↓閏九月十三日の月については、以下2サイトが詳しくわかりやすく、私の言いたいことを書いています。
アストロアーツ:11月5日は今年2度目の十三夜?
自然環境情報ひろば 丸の内さえずり館:知恵ブクロウ 天文編:月を頼りに暦は巡る

 暦と月の話はここまでにして、月がとてもきれいなので、月を眺めながら聴きたいフォーレの歌曲を今回は選んで書いてみます。フォーレは歌曲も沢山作曲しました。フォーレが活躍した近代フランスには、フランス文学を代表する詩人たちが次々と美しい詩を発表し、作曲家たちは曲をつけました。

 まず、フォーレの歌曲で月の歌と言えばこれ。「月の光(Clair de Lune)」op.46-2.詩はポール・ヴェルレーヌ。「月の光」というと、ドビュッシーのピアノ曲(「ベルガマスク組曲」より第3曲)が有名ですが、ヴェルレーヌのこの詩に影響を受けて書いたと言われています。
 物憂げなピアノの前奏が30秒ほど奏でられた後、ゆったりとした歌が。詩も、月の光の中の物憂げで儚い人々の様子を描いている。詩も曲も派手さはなくさらりとしている。人々や景色の内のかなしさが、月の光でぼんやりと浮き上がっているような詩と曲。派手でもない、濃くも無い。だからこそ、何度でも聴きたくなります。
Fauré: Clair de lune - Régine Crespin, 1966

 次は、歌曲集「優しい歌」op.61より第3曲「白い月影は森を照らし(La lune blanche luit dans les bois)」(「白い月(La lune blanche)」).これもヴェルレーヌの詩。こちらは愛の歌。白い月が森を照らす中、愛する人と一緒にいる。月が照らす森や池の情景、月の光の描写と、愛する人への想いを、言葉は少ないけれども美しく表現している。詩の中の
Rêvons,c'est l'heure. /夢見よう、今この時

C'est l'heure exquise! /今こそ至福の時!

 今しかない時間を歌う、この箇所が特に気に入っています。
Gabriel Fauré - La bonne chanson - Charles Panzéra
 この第3曲。https://www.youtube.com/watch?v=fuP-vrNP-do

 最後に、フォーレ最後の歌曲集「幻想の水平線」op.118より第3曲「ディアーヌよ、セレネよ(月の女神、セレネよ)(Diane,Séléné)」.詩はジャン・ド・ラ・ヴィルド・ミルモン。「幻想の水平線」は海と船をテーマにした歌曲集。ディアーヌ(ダイアナ)も、セレネ(セレーネ)も月の女神。日本の月探査機「かぐや」のコードネームも「SELENE」でした。月が照らす海は、静かなピアノから、凪いでいるとみえる。月も静かに輝いている。人間は疲れ、心は騒ぎ…月の静けさはそんな下界をあざ笑っているように見えるけれども、その静けさに憧れる。静かなピアノ伴奏と、語るように静かに歌う様が気に入っています。
 この曲は、何だか今日そのもののようだ。人間は何だかんだと騒ぐけれども、月はただ静かにそこで輝いているだけ。私もその静けさに憧れます。
Gabriel Fauré -- L'horizon chimérique, op.118 -- Camille Maurane
 この第3曲。

 フランス語はほとんど読めません。発音も難しい。でも、フォーレの歌曲を聴くようになって、美しいなと感じるようになりました。詩も儚さや静けさをさりげなく表現している。儚いものの美しさ…日本の美的感覚に通じるものがあるのだろうか。詳しくないのでよくわからないけれど、ゆったりと夜に聴きたいフォーレの歌曲です。
 「優しい歌」と「幻想の水平線」は歌曲集そのものも気に入ってるので、今度は歌曲集として取り上げてみたいです。

【過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
・第3回:フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-11-05 22:48 | 音楽

観て、聴いて楽しい「ピーターとおおかみ」

 日曜の夜はNHK教育(Eテレ)「クラシック音楽館」を観ます。実質「N響アワー」の復活・後継番組。最近では観ながらツイッターで実況しています(なので日曜夜はうるさいです…すみません)。

 先日の放送は「N響ほっとコンサート」。夏休み、親子で楽しめる毎年恒例の企画。子ども達にも親しみやすい、大人も楽しい、音楽の授業で聴いた懐かしい作品が目白押し。その今年の「ほっとコンサート」の目玉が、プロコフィエフ「ピーターとおおかみ」。子どものためのオーケストラ入門曲として知られています。

 少年・ピーター(ヴァイオリンはじめ弦楽器)は、おじいさん(ファゴット)と森で暮らしている。小鳥(フルート)、あひる(オーボエ)、ねこ(クラリネット)、狩人(ティンパニ・打楽器)、そしておおかみ(ホルン)…オーケストラの各楽器がそれぞれの登場キャラクタを演じ、物語の朗読とともに演奏されます。

 今回のN響では、朗読はフリーアナウンサーの小林麻耶さん。そして、飯面雅子さんのサンドアートをステージのスクリーンに映して、物語の絵を砂で描きます。これが凄かった。音楽と朗読に合わせて、すらすらさらさらと物語の情景を砂で描いてゆく。勿論下絵もない。しかも、最初に描いていた絵を変化させて、次のシーンを描いてゆく。その儚さと美しさ。すっかり見惚れてしまいました。小林さんの朗読も、表情豊かでとても聴きやすかった。演奏も楽しく、ドラマティック。おおかみのホルンの音色がおどろおどろして怖い。ホルンと言えば、牧歌的なのんびりとした音を出す楽器(でも演奏は難しい、とても繊細)というイメージがあるのに、こんな不気味な音も出せるのか!と驚きながら聴いていました。あひるに待ち受けている運命。そして、おおかみとピーターの知恵比べ。放送では演奏とサンドアートを2分割画面で同時に見せていたのですが、サンドアートだけじっくり観たい、もしくは演奏だけでも観たい。マルチアングルでどちらの映像もじっくり観られるようにDVD化してくれませんかねN響さん?そのくらい素晴らしい演奏・演出でした。

 これを観ていて、その前にBSプレミアム「プレミアムシアター」でも「ピーターとおおかみ」をやっていて、録画をしたのを思い出しました。少し観て、途中までだったので全部観ました。
 こちらはダニエレ・ガッティ指揮フランス国立管弦楽団。以前、サン=サーンス「動物の謝肉祭」でも、演奏風景とアニメ演出、ドラマを見事に融合させた作品を放送していたのですが、またしてもフランスはやってくれました。
 今回も、オーケストラとアニメ演出、ドラマを見事に融合させています。アニメはアルファベットや音楽記号の文字を使って、小鳥やあひるなどの登場キャラクタ、森やピーターとおじいさんの家などを表現。これがとてもお洒落で洗練されている。さすがフランス。ピーターはピーター役の男の子がいて、ヴァイオリンを弾きつつ演じる。各キャラクタを演じる楽器の奏者たちも所々アニメの中に入って演奏する。実写とアニメ、物語が融合して、落ち着いた朗読(フランス語。日本語字幕が出ます)が物語を進める。こちらも素敵だった。

 朗読や演出で、様々な表現・演出ができる「ピーターとおおかみ」。同時期に2作品を見比べて、観て聴いて楽しい音楽だなと実感しました。各楽器への愛着・親しみも沸く。こういう様々な演出・アレンジのしがいのある作品は楽しいですね。とても好きです。
 音楽を聴く時は、CDなどで主に音だけ聴いていることが多い。でも、「クラシック音楽館」のように演奏風景を観られるテレビ放送やコンサートでも、音だけではわからなかった、指揮者や演奏者の表情も観られるし、この部分ではこの楽器が活躍しているという発見もある。その他にも、「ピーターとおおかみ」のように視覚でも楽しめる音楽作品もある。音楽の楽しみ方がまた増えました。

 そういえば、オペラも視覚、観ても楽しめる音楽ですね。音楽・歌と演劇の融合。演出も多様、同じ演目でも演出や出演者が異なれば、ガラリと雰囲気が変わる。オペラの魅力ですね。

・以前観たフランスの「動物の謝肉祭」:聴く、観る、読む、楽しむ音楽 「動物の謝肉祭」
 チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる演奏でした。
 「フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団」と「フランス国立管弦楽団」…似ていますが全く別のオーケストラです。運営しているのはどちらもラジオ・フランス。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2014-09-23 22:39 | 音楽


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

お知らせ・別サイト

管理人HN:(はるか)
 熱しやすく冷めにくい、何が好きになるかわからない好奇心のかたまり。このブログでは好きなものを、好き放題に語ってます。

プロフィール
*2014.9.5:更新
はてなプロフィール:遼(halca-kaukana)



web拍手を送る






日々のログ:今、ここ、想うこと
または:Twilog

はてなブックマーク
Mielenkiintoinen!

気になること、関心のある記事や参考にしたサイトなどのブックマーク集。コメント多め。

◆ピアノ録音置きブログ:Satellite HALCA

☆「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ目指して順調に飛行中!☆
管理人・遼も小惑星探査機「はやぶさ2」を応援しています。



あかつき特設サイト
JAXA:金星探査機「あかつき」特設サイト

☆祝!「あかつき」は金星の衛星になりました☆
金星軌道上で観測準備中!

最新の記事

超巨大ブラックホールに迫る ..
at 2017-09-18 23:48
西洋文化に触れた驚き 「遥か..
at 2017-09-03 23:01
BBC Proms(プロムス..
at 2017-09-02 17:07
土星堪能星見 + 今日は伝統..
at 2017-08-28 21:58
BBC Proms(プロムス..
at 2017-08-18 23:48
惨敗。 ペルセウス座流星群2..
at 2017-08-14 21:43
BBC Proms(プロムス..
at 2017-07-31 22:32
BBC Proms(プロムス..
at 2017-07-14 23:08
青い海の宇宙港 春夏篇 秋冬篇
at 2017-07-10 22:58
夏のペンギン切手&特印
at 2017-07-05 21:07

カテゴリ

はじめにお読みください
プロフィール
本・読書
宇宙・天文
音楽
奏でること・うたうこと
Eテレ・NHK教育テレビ
フィンランド・Suomi/北欧
イラスト・落描き
日常/考えたこと
興味を持ったものいろいろ
旅・お出かけ
information

タグ

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
more...

検索