カテゴリ:フィンランド・Suomi/北欧( 90 )

marimekko公式ムック発売

 有名ブランド製品やデザインプロダクト製品をおまけにつけて販売する本・ムックが流行っておりますが、ついにあのテキスタイルデザインも参戦しました…!!

marimekko 1951- 2010 (e-MOOK)

宝島社



marimekko公式サイト:公式ブランドムック「e-mook marimekko 1951-2010」発売

 マリメッコ公式のブランドムックです。フィンランドのマリメッコの工場、マリメッコデザイナーのインタビューなどの冊子と、付録はマリメッコのロゴ入りバッグ&ポーチ。これは買うかしかないでしょう!

 買ってきました。
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表紙はお馴染み真っ赤な「ウニッコ」。この表紙は非常に目立ちます。すぐわかりますw

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付録のバッグとポーチ。マリメッコのロゴの製品はあまり見たことがないのだが、可愛い。日常で使ってこその北欧デザインプロダクト。普段使いにしたいのですが、保存しておきたくもある。これはもう一冊買えと?w

 冊子の方は、フィンランドでマリメッコを愛用している人たちや、マリメッコユーザーがどんな風にマリメッコ製品を愛用しているかについて。フィンランドのマリメッコの工場の様子や、代表的なマリメッコのデザイナー、マイヤ・イソラのデザインと、娘であり同じくマリメッコデザイナーであるクリスティーナさんの仕事と暮らし。マリメッコデザイナーへのインタビュー。マリメッコの歴史と、製品紹介…などなど。冊子はそんなに厚くはないのですが、マリメッコの魅力が伝わってきます。

 フィンランドの人々の暮らしに、マリメッコ製品が浸透しているのが驚きでした。フィンランドにとってのマリメッコに対して、日本なら何を挙げられるだろう?地方各地に伝わる染物や織物だろうか。自分の身の回りを見回してみて、自分の地域の伝統工芸品はどれくらいあるだろうと数えてみたら、とても少なかった。マリメッコをはじめとする、フィンランド・北欧デザインプロダクトはとても素敵だ。マリメッコの大胆なデザイン、色づかいには心が躍る。その一方で、大胆なんだけどどこかシックなところもあり、心落ち着く。そして、印象的なデザインは一度見たら忘れられない(このムックを買った時、友人も一緒だったのですが、マリメッコを全く知らない友人も「この柄(ウニッコ)のバッグとか見たことあるよ」と言っていた)。でも、自分の身の回り、身近なところ、住んでいる地域にも、長い歴史の中で根付いてきたデザイン・工芸品がある。その地域での暮らしに役立つように作られているはずだ。それを見直し、北欧デザインプロダクトと同じように大事に使っていきたいと感じています。

 しかし、フィンランドの郵便局が羨まし過ぎる件。郵便物の封筒や箱が売られているのですが、マリメッコのデザイン。いいなぁ…。

 ちなみに、私のマリメッコ製品。
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 Maija Louekari(マイヤ・ロウエカリ)デザインの「AARRE(アアッレ)」クッションカバー。「AARRE」とは「宝物」の意。賑やかなのだけれど、白黒のため落ち着いている感じもする。お気に入りです。

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マイマリメッコ。増えたなぁ。あ、マリメッコも大きく取り上げている本「Finland×Fabric とっておきの布探し」を加えるのを忘れました…。
・過去記事:秋のフィンランド本まつり 「Finland×Fabric とっておきの布探し」
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by halca-kaukana057 | 2010-04-23 21:36 | フィンランド・Suomi/北欧

オリンピックで感じる言葉の壁

 バンクーバー冬季五輪が始まりました。前回のトリノ五輪の時と同じように、日本選手はもちろんのこと、フィンランド選手も応援しています。冬季五輪になると、ヨーロッパ・北欧勢が元気になります。その一方で、北欧アイスランドは少人数の選手団。元々人口が少ないのもあると思いますが、世界金融危機の打撃が選手育成・サポートにも響いてしまったのだそう。世界経済にも左右されるオリンピック。リュージュの公式練習中の事故で亡くなってしまったグルジアの選手のことも思うと、悲しく切ないオリンピックの始まりとなってしまいました。グルジアの選手の事故は、本当に無念でなりません。

 さて、開会式でのフィンランド選手団の入場を観ていたのですが、ジャケットの柄がすごかった。フィンランドのオリンピック公式ページにその写真があるのですが、まさにフィンランドらしいデザインだと感じました。
XXI olympialaiset talvikisat avattiin Vancouverissa(2枚目の写真)
また、ジャケットだけでなく、ポロシャツもこのデザインみたいです。
誰のデザインだろう? marimekkoだとは思うが、デザイナーについてはわからないまま。marimekkoはこれまでのオリンピックでもフィンランド選手のユニフォームのデザインを手がけてきた。marimekkoも世界に誇るフィンランドの代表です。

 オリンピックなどの世界大会で感じるのは、言葉の壁。英語であれ、フィンランド語であれ。英語やフィンランド語の語学力がもっとあれば、このユニフォームのデザイナーについても調べられるのに…と悔しく感じています。前回のオリンピックでも同じように感じていたのだし、オリンピックだけではない。宇宙関係でもNASA TVなどを観ていていつも思う。もっと本気で勉強しろよと、何度自分に言っただろうかと反省。語学は簡単には身に付かない。

 それでも、試合には言葉の壁を超えるものがあると感じています。速さ、強さ、美しさを競う選手たちを、言葉の壁を超えて応援したいです。

 フィンランドカテゴリにしたのだが、フィンランドとあまり関係ないような、あるような…。
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by halca-kaukana057 | 2010-02-13 22:03 | フィンランド・Suomi/北欧

フィンランドのホットワイン「Glögi」を作ってみた

 久々に作ってみたネタです。世の中はすっかりクリスマス。寒い季節になると、欲しくなるのが温かい飲み物。フィンランドには、「Glögi(グロギ、グロッギ)」という冬、特にクリスマスシーズンに飲まれるホットドリンクがあるのだそうです。ホットワイン(グリューワイン)はヨーロッパではポピュラーな飲み物。フィンランドでも飲まれますが、アーモンドとレーズンが入っているのがフィンランド流らしい。フィンランドでは勿論手作りもされますが、瓶に入っているものをそのまま温めるだけのものや、入れる香辛料のセットが売っているのだそうです。そういうものは、私の周りでは見当たらない。日本にあるもので作れないのだろうか。と色々検索してみたところ、作れるようです。ただ、検索した結果、使われている材料がそれぞれ異なる。どうやら、各家庭によってレシピが異なるようだ。日本のお味噌汁やカレーのように(多分)。ならば、それらのレシピを参考に、自分なりのグロギを作ってみよう。というわけで、作りました。


【材料】*分量は、お好みで調節してください。
・赤ワイン
・レーズン(干しブドウ)
・アーモンド
・クローブ
・シナモン(クローブとシナモンは粉でもOK)
・しょうが(すりおろしたものでOK)
・砂糖
・レモンの輪切り(防腐剤が皮にかけられているので、国産がベター。輸入ものなら、よく洗って)

【作り方】
1.材料全てをお鍋に入れ、5~10分、沸騰しないように温める。
2.ワインに香りがついて、温まったら、出来上がり。

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Kippis!/乾杯!

 飲んでみた。とても温まります。寒い冬にピッタリです。レーズンとアーモンドはスプーンですくって食べてください。ワインの味がしみ込んで、とても美味しいです。アーモンドはおつまみ感覚で食べられます。これは癖になりそう。またレシピをアレンジして作ってみたい。

 お酒の苦手な方や、お子様にはカシス(ブラックカラント・黒すぐり)やブルーベリーなど、ベリー系のジュースでも作れます。私も、今回グレープジュースを少し入れました。

 以上、私独自のレシピで作りました。本場フィンランドのレシピで作ったのも飲んでみたいな。輸入食材店で、香辛料セットが売っていないかなぁ。きっと今頃、フィンランドのあちこちでグロギが飲まれているに違いない。外は雪が降って寒い。温かい家の中で、グロギを飲みつつ、家族とゆっくりとした時間を過ごしているのかもしれない。

 とても簡単なので、寒い日に是非どうぞ!みんなも作ってアラモード♪(番組が違うw)

 それでは、楽しいクリスマスをお過ごしください。Merry Christmas! Hyvää Joulua!


 レシピは以下のサイトを参考にしました。ありがとうございます。
メルのメモ:フィンランドのクリスマスワイン
Kippis!:Glögiで温まりましょ~♪
makon makoisia herkkuja:グロッギのエキス作り
北極星を真上に見上げて:寒い季節にグロギをどうぞ
scope:iittala / Tsaikka ホルダー付グラス
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by halca-kaukana057 | 2009-12-24 22:40 | フィンランド・Suomi/北欧

北欧デザインの背景にあるもの

 北欧デザイン・ライフスタイル専門雑誌「北欧スタイル」の最新号が出ました。特集は「なぜ?なに?北欧デザイン」。北欧デザインプロダクトや北欧諸国のライフスタイルが人気を集め、注目されているが、その理由は何なのだろう。"北欧デザイン"の根っこ・背景にはどんなものがあり、現在の形を支えているのだろうか。今号のまえがきで、創刊から7年間このことを伝えずにきたと書かれてあったが、私も考えたことがなかった。北欧デザインの根っこにあるものを、私も探ってみたい。


北欧スタイル 18
エイ出版社/エイムック1843/2009

 北欧デザインを支えているものは、やはりその厳しい自然環境。冬が長く、寒い。夏も短く、日照時間も短い。また、天然資源にも乏しい。スウェーデンはキルナなどに鉱山があり、ノルウェーは石油が産出し、石油輸出もしているが、それらを除けば北欧諸国には天然資源が少ない。あるのは森林、木材だった。

 また、北欧デザインの源流は、8世紀から世界各地へ進出していったヴァイキングにあるという。ヴァイキングはご存じのとおり、高度な航行術と圧倒的な強さでヨーロッパ全域を制圧、暴力で略奪していった海賊のイメージがある(私も愛読している漫画「ヴィンランド・サガ」でも描かれている通り)。しかし、ヴァイキングは略奪だけが能だったわけではない。航海のための頑丈な船を造るものづくりの技術にも長けていたし、貿易にも長けていた。その後ヴァイキングの勢力は衰え、18世紀半ばにイギリスが産業革命を起こし、ヨーロッパの勢力図は変化する。元々貧しく、厳しい自然環境に置かれた北欧諸国は産業革命に乗り遅れ、近代化にも乗り遅れた。しかし、この近代化に乗り遅れたのが、北欧独自の政治・産業の発展を促すことになった。19世紀に生まれた「国民民主主義」という考え方だ。貧しい暮らしの中でも、出来ること、身近にあるものを活用し、皆で協力していこうという思想だ。さらに第二次世界大戦後、経済復興をしようにも人口が少ないので労働力が足りない。そこで女性の社会進出が促され、家事は男女平等。その家事を支える食器や台所用品などの日用品は、機能的だけれども生活を彩るものであってほしいという視点で作られ、現在の"北欧デザインプロダクト"につながる製品が生み出された。

 また、これまでも書いてきたように、冬が長い=日照時間も短く、家の中で過ごすことが多いため、家の中での暮らしを豊かにしたいという人々の願いがあった。金銭的・物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを。長い夜を明るく、暖かく過ごすための照明。家族で食卓を囲む時に使う食器類。寒い冬にも耐えられる防寒用品。建物そのものにもそんな願いが求められた。モノの使い勝手や機能性、見た目も考慮して、日々の暮らしを豊かにする温かな様々なデザイン製品・建築が生まれた。

 これまで、北欧デザインプロダクトは、「美術品」ではなく、日常生活ですぐに使えるもの、人々の生活に根付くモノであることを本などで知り、このブログにも書き続けてきた。実際、その機会は少ないけれども自分でイッタラのグラスなど、北欧デザイン製品に触れ、使ってみて、私の生活にもなじむ、使いやすいモノだと実感した。製品の素材も、木材など身近にあるものを使う。そのデザインの背景には、北欧の厳しい自然環境があり、ヴァイキングの時代から続いているものづくりの技術・精神があった。そのものづくりの環境を支えているのは、国家やデザイナー、デザイナーを支える職人たちだけではない。「日用品」として使い続ける北欧諸国の人々は大きな存在だ。現在は勿論だが、戦後、アメリカで北欧デザイン製品がヒットしたそうなのだが、そのヒットを牽引したのが、19世紀にアメリカへ移住した北欧諸国の人々の末裔だったのだそうだ。祖先の祖国のモノを使う。モノがつなぐ歴史と国と縁。デザイン製品は人の心に訴えかける"何か"も持っているのだなと感じた。

 この「北欧スタイル」18号で、北欧デザインの背景にあるものについて知ることが出来ましたが、これはまだ大まかなものに過ぎない。私自身、北欧史をまだ把握・理解しきれていないところがある。スカンディナヴィア諸国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)の関係は一筋縄ではいかないし、フィンランドはスウェーデンの属国であった期間が長いけれども、スカンディナヴィア諸国とはちょっと違う歴史を持つ。アイスランドもフィンランドよりはスカンディナヴィア諸国に近いけれども、同じくちょっと違う。"北欧"とひとまとめに括るのは難しいなぁと感じることもある。ただ、わかったことは、私が持っているイッタラのグラスや、お店で見て触ってみたアアルトのスツールなどには、様々な背景があるということ。ひとつひとつのデザイン製品に、長い歴史と北欧という地域の特色、環境、文化が繋がっているということ。北欧デザインはシンプルで使いやすくて可愛い、だけじゃない。もっと背景にあるものを知って、より北欧デザインプロダクトに「親しみたい」と感じました。いい特集でした。

 この特集を監修したのが、武蔵野美術大学名誉教授の島崎信先生。島崎先生はこれまで、北欧デザインに関する本も数多く執筆されているそうだ。北欧史の本と合わせて、島崎先生の本も読んでみよう。

一脚の椅子・その背景―モダンチェアはいかにして生まれたか

島崎 信 / 建築資料研究社



【関連記事】
北欧デザインを知る(2006.4.22)
この記事から、もっと北欧デザインを知りたいと思うようになったんだった。
フィンランドデザイン製品の良さを自分で確かめる(2006.5.23)
初めてのフィンランドデザイン製品、イッタラのアイノ・アアルトのグラス。今も大事に使っています。持った時のちょうどよい重さ・質感に、今も安心感を覚えます。そしてずっと触っていたくなる。やっぱり北欧デザイン製品の良さは、「親近感」だと思う。
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by halca-kaukana057 | 2009-12-12 22:11 | フィンランド・Suomi/北欧

12.6 Hyvää Itsenäisyyspäivä!!

 12月6日はフィンランド独立記念日。92回目の独立記念日です。おめでとう!
記事タイトルの「Hyvää Itsenäisyyspäivä」、フィンランド語で「独立記念日おめでとう」という意味です。

 ただいまのBGMは勿論「フィンランディア賛歌」。フィンランドでは、国旗カラーの青と白のキャンドルに灯をともして、お祝いするのだそうです。アロマキャンドルしかないや…。なので、例の国旗マグで、コーヒーを。
・以前の記事:フィンランド国旗のマグカップ

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画像の後ろの方も注目です。

 イッタラのTeemaが欲しいなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2009-12-06 19:46 | フィンランド・Suomi/北欧

フィンランド・森の精霊と旅をする

 2007年に放送されたNHKスペシャル「世界里山紀行 フィンランド 森・妖精との対話」。実はこの番組には、原書があったのだそうだ。それの日本語版がこれ。



フィンランド・森の精霊と旅をする -Tree People-
リトヴァ・コヴァライネン、サンニ・セッポ/訳:柴田昌平/監修:上山美保子/プロダクション・エイシア/2009

 この本は、1997年フィンランドで「もっとも美しい本」賞に輝き、訳者の柴田氏がこの本を読み、ドキュメンタリー番組として製作することになったのだそう。写真家である著者の2人が、1990年からフィンランド各地に残る古い木とその歴史を調べてゆく。フィンランド人にとって、森とは、木とは何なのか。森や木にまつわる神話や慣習、信仰を美しい写真と共に紐解いていきます。

 フィンランドはご存知の通り、「森と湖の国」と呼ばれる。フィンランドの人々にとって、森は暮らしと切っても切れない関係。その森が誰の所有であれ、誰でも散歩したり、きのこやベリーを採取したりできる「すべての人の権利」という慣習がある。人々の生活のすぐそばにある森や木々。それにまつわる話もたくさんあります。「カレワラ」とはまた違う話もあり、とても興味深いです。「カレワラ」で「悪魔」や「死者の国」を意味する「ヒーシ(hiisi)」も、元は「聖なる森」という意味だったらしい。きっかけはキリスト教の伝来。森や木々に対する信仰から、キリスト教へと変わり、信仰の対象であった木は切り倒された。そして徐々に、かつては良きものとされた「ヒーシ」も、悪魔的なものに変わっていったのだそうだ。(と言うことは、カレワラはキリスト教の影響もあるのかも。実際、カレワラを編纂したエリアス・ロンリョートが聞き集めた話をまとめる際、創作・編集している部分もあるそうだ)

 この本に収められている木々の写真は、どれも印象的だ。どれも立派な木で、畏れ多くもある。森はいかにも静かで、写真を見ているだけなのに不思議な気持ちになる。日本で言えば、「御神木」や神社の森のよう。家々のそばには「守護の木」があり、子どもが生まれるとその子どもの「分身の木」を植える。そして代々その木を守り、後世へ伝えてゆく。また、死んだら「カルシッコ(karsikko)」という、松の木に生年と没年、イニシャルを木に刻み、死者の思い出を木に残す。木と人がつながり、共に生きている。木や森は畏れ多い存在でもあるが、身近な存在でもある。フィンランドの人々にとって、やはり木々や森は切っても切り離せない、大切な存在だと感じた。

 森や木と密接に暮らしてきたフィンランドでも、森林開発が問題になっているそうだ。自然は、環境の面、科学的な面からだけでなく、文化的な面や精神的な面からも語ることができる。人間も自然の中で、自然と共に、自然に学んで生きている。自然を大切にすることは、人間の文化や歴史、精神的なものも大切にすることができる。考え直さなければいけないことだなと感じた。

 フィンランドの人々の自然観がうかがえる、まさに「美しい本」です。ただ美しいだけではない、深く、力強い本でもあります。文章にも、写真にも引き込まれます。「読む」というよりはじっくり味わって、雰囲気に浸り、のまれる気分になります。

・以前の記事:NHKスペシャル 世界里山紀行 フィンランド(2007.8.26)
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by halca-kaukana057 | 2009-08-02 22:02 | フィンランド・Suomi/北欧

「カレワラ」をてにいれた!

 タイトルは勿論ドラクエ他RPG風にお読みくださいw

 先日、岩波少年文庫で「カレワラ物語 フィンランドの神々」が出版されたのですが、小泉保先生による完訳岩波文庫版も、ついに復刊されました!

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 上下巻の2冊。ずっと読みたいと思っていた。嬉しい。復刊してくださってありがとうございます、岩波書店さん。

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 現在、第7刷。2009年2月に復刊されたばっかりです。

 まだ届いたばっかりなのでちゃんと読んでいないのですが、上巻の一番最初、第1章序詩の文章の美しさに惚れました。何か壮大な物語が始まることを感じさせる文章で、ワクワクする。文章から、フィンランドの豊かな自然と、語られる伝説と、人々の暮らしの様がイメージできる。これから読むのが楽しみです。アニメ「牧場の少女カトリ」のカトリの気分だ。小泉先生の訳は口語になっているから読みやすいが、カトリが読んだであろうフィンランド語による原典版は文語で、もっと読みにくかっただろう。しかもカトリは学校には通えず、独学で「カレワラ」を読んだ。あらためてカトリは凄いと感じた。

 巻末には各章の解説と、「カレワラ」についての解説もあります。これまで「カレワラ」には色々と疑問を抱いてきたが、この完訳でヒントが見つかるといいな。


カレワラ 上 フィンランド叙事詩
エリアス・リョンロット:編/小泉 保:訳/岩波書店・岩波文庫(赤)/1976








カレワラ 下 フィンランド叙事詩
エリアス・リョンロット:編/小泉 保:訳/岩波書店・岩波文庫(赤)/1976
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by halca-kaukana057 | 2009-03-02 22:05 | フィンランド・Suomi/北欧

続・フィンランド人の名前って… ノキアジャパン新社長の名前を読み解いてみる

 フィンランドに興味を持って、フィンランド語・フィンランド人の名前を見ると時々「なんじゃこりゃ?!」と驚く言葉に出会う。フィンランド語の響きって、日本人から見るととてもユニーク。以前書いた記事「フィンランド人の名前って…」では、日本人がユニークだと感じるフィンランド人の名前の代表「アホ」さんや「アホネン」さんなどを取り上げた。「アホ(aho)」は「牧草地」という意味。フィンランド人の姓に多い「~ネン(-nen)」は、「~の人」という意味になる。なので、「アホネン(ahonen)」は「牧草地の人」。ちなみに、スキージャンプのヤンネ・アホネンは引退しました。寂しい。

 そんなユニークに聞こえるフィンランド人の名前にまた面白い例が。
ケータイwatch:ノキア・ジャパン新社長にウコンマーンアホ氏
CNET Japan:ノキア・ジャパン、代表取締役社長を交代--マウリ・ウコンマーンアホ氏が就任

 「マウリ・ウコンマーンアホ(Mauri Ukonmaanaho)」さん…これはインパクトのある姓名。ごめんなさい、可笑しくて笑ってしまいました…。そんな話はどうでもよいとして、この「ウコンマーンアホ」ってどういう意味なんだろう?疑問に思ったので、図書館にあったフィンランド語辞書で調べてみた。

 と思ったら、既にwikipediaに書いてあった件。
Wikipedia:マウリ・ウコンマーンアホ
姓のウコンマーンアホのウコンは「天空神ウッコの」、マーンは「大地の」、アホは「森林を切り開いた開拓地」の意味である。

 私が調べてきた結果もこの通りでした。一歩先行く人は必ずいるものだなぁ。GJです。でも、このままじゃせっかく図書館で調べてきた意味が無いので、補足します。

 まず、「ウコン(Ukon)」。「Ukko(ウッコ)」が格変化(単数属格"~の")したもので、「天空神ウッコ」とは、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」に出てくる至上の神様のこと。老人の姿をした雷神です。「カレワラ」(もしくは「カレヴァラ」)はフィンランドのカレリア地方に言い伝えられてきた口承詩をもとに、医師であったエリアス・ロンロートが収集・編集したもの。フィンランドは北欧の国ですが、ノルウェーやスウェーデンなどのスカンディナヴィア諸国の「北欧神話」とは全く異なります。フィンランドの民族楽器・カンテレを演奏して人びとを魅了し、呪術を巧みにつかう老賢人・ワイナミョイネンや宇宙を創造した鍛冶職人・イルマリネン、破天荒な男子・レンミンカイネンなどが活躍する叙事詩です。もっと詳しく読みたい方は岩波少年文庫からいい本が出たばっかりなので、オススメします。
カレワラ物語 フィンランドの神々
 また、「ukko」は「おじいさん/老人」という意味でもあります。「ukkonen」は「雷」の意。どちらもウッコ神から派生したものと思われます。
 ちなみに、フィンランドが舞台のアニメ「牧場の少女カトリ」のカトリの姓は「ウコンネミ(UkonnemiかUkonniemiかはっきりしない)」。同じくウッコ神、もしくは「雷」が関係していると思われます。「niemi」は「岬、半島」の意。

 次に「マーン(maan)」。「maa(マー)」が格変化(同じく単数属格)したもので、「大地の、土地の」という意味。ちなみに、フィンランド国歌のタイトルは「Maamme(マーンメ):我等の国」。詳しくは以下。
フィンランド国歌 歌詞・日本語訳
Finland's National Anthem:Maamme-フィンランド国歌 「わが国」
空耳世界の国歌:フィンランド国歌
↑日本語ひらがなで、歌詞に読み仮名がふられています。結構わかりやすいw



 最後、「アホ(aho)」。冒頭で書いたとおり、「牧草地」のこと。荻島崇「フィンランド語辞典」(大学書林)には、こう書いてありました。
取り入れの後草が生えている状態の畑。
広くて耕作していない土地。
焼き畑の後に草が生えて出来た牧草地。
整備された土地というよりは、荒れた土地というニュアンスのようです。「カレワラ」でも、ワイナミョイネンが誕生し、その後荒地に種を蒔き草木を育てる部分がある。そこに関係するのかしら?

 以上です。ここまで自分なりに調べたものを書きました。私はあくまでフィンランド語に関しては初歩者の、ただのフィンランド好きであり、専門家ではありません。間違っている、別の説もあるというご意見があれば、コメントなどでご指摘お待ちしております。

 しかし、一人の人の姓でここまで調べてみると、面白いもんだ。フィンランド語の響きも楽しい。ますますフィンランド語に興味がわきました。もう一度フィンランド語の本を読み直してみよう。
フィンランド語のしくみ
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by halca-kaukana057 | 2009-01-27 22:05 | フィンランド・Suomi/北欧

カレワラ物語 フィンランドの神々

カレワラ物語―フィンランドの神々
小泉 保・編訳/岩波書店・岩波少年文庫/2008

 フィンランドの叙事詩・「カレワラ」の新しい本が出ました。岩波文庫で「カレワラ」をフィンランド語から日本語に訳した小泉保先生による、岩波少年文庫版。岩波少年文庫で神話・叙事詩と言えば、以前取り上げた「北欧神話」もある。これが読みやすく、北欧神話の雰囲気が伝わってきてよかった。これは期待。

 「カレワラ」の原詩日本語訳を所々に入れ、物語風になっています。物語風の「カレワラ」と言えば、以前読んだ「カレワラ物語」(キルスティ・マキネン著/荒牧和子訳/春風社)もある。しかしこちらは完全に物語。原詩はどこにも出てこない。私が今まで原詩を読んだのは、シベリウスの「カレワラ」に基づく作品…「クレルヴォ」や交響詩「ルオンノタール」などの日本語訳歌詞のみ。ようやく原詩を味わえた。読んで、とても美しく躍動感があると感じた。大気の乙女・イルマタル(ルオンノタール)が天地を創造し、老賢人ワイナミョイネンが生まれる。ワイナミョイネンや荒くれ者・レンミンカイネンの呪文や歌は原詩でその想いの強さや躍動感がより引き出される。「カレワラ」の活き活きとした面白さを、たっぷりと味わえる本を出してくれた岩波書店さん、本当にありがとう。

 この本の解説には、「カレワラ」に出てくる呪術師である登場人物たちは神々として信仰されていたと書かれてある。以前、「人」か「神」か論争になったこともあるそうだ。「カレワラ」に出てくる神は"ウッコ"ただひとり。この本の中でも、ワイナミョイネンがウッコに願うシーンがよく登場する。だが、ワイナミョイネンも老賢人であり、フィンランドの伝統的な楽器・カンテレを演奏して歌い人々を魅了する詩歌の神とされている。鍛冶屋のイルマリネンは、フィンランドに恵みをもたらす"サンポ"や天空を鍛造した神と崇められている。北欧神話でも神々は神様なのに人間臭いところが合って失敗もする。完全、絶対的な存在ではない。スカンディナヴィア諸国の北欧神話と、フィンランドの「カレワラ」は全くの別物だけれども、神様だけど完全でなく、より人間に近いところは似ていると感じた。

 そんな人間臭い神々の一方で、両親の仇を討つ「クッレルボ」のお話には引き込まれます。シベリウスの「クレルヴォ」も、CDを何枚か持っているので聴き直そう。シベリウスは好きだけど、「クレルヴォ」は近づきがたい存在だと感じていた。クッレルボの深い深い哀しみを、もっと味わってみよう。


 ところで、「カレワラ」にはいくつか疑問を感じるところがある。ワイナミョイネンがサーミの乙女・アイノに出会った時、アイノはその求婚の言葉に対して「あなたのために十字架はつけません」と言って拒絶した。「カレワラ」はキリスト教がフィンランドに入ってくる前からあるのに、何故十字架?これはフィンランドが舞台のアニメ「牧場の少女カトリ」でも、主人公カトリに「カレワラ」を読むことを薦めた青年・アッキが、カトリに出会ったシーンでワイネミョイネンの言葉を引用するのだが、その時から疑問だった。まだ疑問は解決せず。口頭伝承しているうちに変化したのだろうか。
*「牧場の少女カトリ」のそのアッキのシーンについて: 牧場の少女カトリ 2・3巻それぞれの感想まとめ
 3話で出てきます。

 それと、"サンポ"って結局なんだったのだろうか。形もよくわからない。ワイナミョイネンたちがサンポをポポヨラの女主人・ロウヒから奪い返そうとするよりも、作った本人・イルマリネンがいるんだからもう1回作ったらどうかと思ったのだが、そういうわけにもいかないのか。この辺もまだよくわからない。

 読み込めばもっと面白いと思う「カレワラ」。岩波文庫の小泉先生による訳は絶版ですが、もう一度図書館などを探してみよう。
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by halca-kaukana057 | 2009-01-18 22:18 | フィンランド・Suomi/北欧

フィンランド銃乱射事件、ふたたび

 またしても痛ましい事件が起きてしまいました。

朝日新聞:フィンランドの学校で乱射、10人死亡 数日前ネット投稿

CNN.co.jp:フィンランドの学校で銃乱射、10人死亡 容疑者自殺

 このニュースを見て、私は去年のこと?と一瞬勘違いしてしまった。昨年11月にも、フィンランドの学校で銃乱射事件が起こっていた。去年の事件と、似ている点が多い。学校で、銃を凶器としていたこと。YouTubeに犯行声明動画を載せていたこと。犯行後、犯人は自殺したこと。またしても悲劇が繰り返されてしまった。非常に残念です。

◆去年の事件の記事フィンランドの衝撃 高校銃乱射事件に寄せて

 昨年の事件の時も、フィンランドの一般民間人の銃保有率の高さが問題になっていました。昨年の事件の時も書いたように、フィンランドの人々は狩猟用として銃を保有している。ただ、昨年の事件の後、銃所持の年齢を15歳から18歳に引き上げる法案について議論していた。今回の事件を受けて、民間人の銃保持そのものを規制するかどうかについての議論が必要とフィンランド・バンハネン首相も発言しているそうです。
日経ネット:フィンランド首相「拳銃所持の議論を」 10人殺害受け

 一方、YouTubeに犯行声明動画を載せた件についても、警察が犯行の前日に事情を聞いていたのだそうだ。しかし、警察は銃を取り上げるなどはしなかった。産経新聞によれば、
ハロネン大統領は事件後、「(ネット社会を)異様な惑星のように感じることもあるが、まぎれもなくこの世界の一部。だからこそ介入せねばならない」と語っている。一方で、ネット社会の安易な規制は表現の自由の侵害につながりかねない。犯罪の事前抑止に向けた「介入」の具体的手法は見えないままだ。
産経新聞:具体的手法見えぬネット社会への介入 フィンランド銃乱射の波紋広がる

とのこと。ネット上での「表現」とその対応についても、今後の議論の焦点となりそうです。

 この事件の波紋は、まだまだ広がると思います。哀しい事件を繰り返さないための議論と法律、対策が出されることを願ってやみません。ショックを受けている方々へのサポートも。フィンランド国内では、再び半旗が掲げられているようです(フィンランドの新聞Helsingin Sanomat紙の画像)。言葉になりません。この事件で犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。
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by halca-kaukana057 | 2008-09-24 22:21 | フィンランド・Suomi/北欧


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

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