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ブルグ25カップ:バナーを作ってみた

 先日ちょっと漏らしていたブルグ25カップのバナーが出来ました。開催に何とか間に合いました。一応3種類あります。

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背景は「貴婦人の乗馬」の楽譜の画像。大きなBの文字が目立ちます。
幅width="180"  高さheight="60"



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背景は「アラベスク」。"Ich liebe Burgmüller"つまり、「ブルグミュラー大好き!」
幅と高さは上と同じ。



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背景は「タランテラ」。シンプル系。
幅、高さは同上。


どうぞご自由にお使いください。必ず自分のパソコンに画像を保存し、アップロードしてください。直接リンクする方法(直リン)はサーバーに負担をかけるため禁止です。主催者留衣さんのブログにリンクさせてバナーを表示する方法はここに詳しく書いてあるので参考にどうぞ。サイズの変更もご自由にどうぞ。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-31 20:51 | 奏でること・うたうこと

人形の夢と目覚め 第2弾

 ドリーカップ終了直前で駆け込み再録音です。何とか間に合いました。こちらからどうぞ

 以前の曲のイメージを参考に、考え直して弾いてみました。そのイメージが表現として反映されているか…。自分でもよくわかっていませんが。

 さて、8月からはブルグ25カップ。何を考えたかバナーを作ってみようと企てています。8月になる前に公開できれば良いなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-28 21:51 | 奏でること・うたうこと

北欧好きが答える50の質問

 先日こんなものを見つけました。

「Snu☆snu Blog:北欧好きが答える50の質問」

 北欧が好きな人のための50の質問。やりましょう。やってみましょう。

長いので続きはこちらから
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by halca-kaukana057 | 2006-07-27 22:11 | フィンランド・Suomi/北欧

今度はブルグミュラー選手権!

 「人形の夢と目覚め」をみんなで弾きまくるドリーカップもそろそろおしまい(フルバージョンを再録音とは言ってみたものの、どうなるんだ私)。次の企画は生誕200年記念ブルグミュラー「25の練習曲op.100」をみんなで弾くことになりました。詳しいことは主催者の留衣さんのブログの記事「ピアノもっかい始めたけぇね。:ブルグミュラー25の練習曲CUPしちゃう?」「ブルグ25CUP参加表明、ちょっとまとめてみる」でご覧下さい。ドリーカップの主催者おっとーさんも共催です。

 で、ブルグミュラー大好き人間の私が参加しないでどうするの。勿論参加します。現在、第14曲「スティリアンヌ(スティリアの女・シュタイヤー舞曲)」にエントリー中。25曲のうち好きな曲を選んで弾き、ネット上にアップすることが参加条件。当初は各曲一人ずつのエントリーの予定でしたが、私が無理を言って(ごめんなさい;)重複も可となりました。と言っても、全25曲エントリー者が決定した時点でのこと。25曲揃わないうちは重複不可でございます。という訳でここを見ていらっしゃるピアノ弾きの皆さん、参加してみませんか?自信が無い、恥ずかしい、人に聴かせられる代物じゃない…問題ありません。多くの方々の演奏を聴いて、自分も弾いて勉強するチャンスです。私のような独学者は特に人前で演奏する機会がないので、ドリーカップでは随分勉強になりましたし、度胸試しにもなりました。興味を持った方は留衣さんのブログへコメントなりトラックバックなりしてみてください。開催期間は8月1日から9月30日まで。夏休み中の学生さんも是非どうぞ。

 私も今は1曲のみですが、全曲エントリーが決定したら他の曲にも挑戦してみるつもりです。まずはシュタイヤー舞曲の練習練習。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-27 21:22 | 奏でること・うたうこと

川の名前

「川の名前」(川端裕人、早川書房・ハヤカワ文庫、2006、単行本は2004)


 川端裕人再読第3弾。先日文庫化したばっかりの「川の名前」。夏休みにぴったりな作品です。


 菊野脩は小学5年生。お調子者で、漫画を描くのが好きでオリジナルの恐竜の漫画を描いていた。著名な自然写真家である父の仕事柄ゆえに転校を繰り返し、この春この学校に転校してきた。夏休みになると毎年父と北米やアマゾンの大自然の中を駆け回っていたが、この夏休みは父について行かずこの土地で過ごすことに決めていた。
 夏休み、自由研究の宿題のテーマを友達の「ゴム丸」亀丸拓哉と「河童」河邑浩童と決めることになった。先日、河童が変な生き物を町を流れる桜川で目撃したと言うのだ。怪物か、はたまた恐竜か。それを自由研究のテーマにすると言うゴム丸。調査を続けていくうち、脩はそれが怪物でも恐竜でもなく鳥のような生き物…ペンギンだと知る。そのペンギンは保護区となっている「鳳凰池」につがいで巣をつくり、卵まで産んでいたのだ。普通の川にペンギンがいる。そのペンギンを観察し自由研究のテーマにした脩とゴム丸。エキサイティングな夏休みが始まった。

*****

 川にペンギンが棲みついてしまったら…という奇想天外な物語です。読み進めていくと多摩川のアザラシ・タマちゃん騒動を思い出した。この作品の場合、ただ川に棲むとは思えない動物にまつわる騒動を語りたいんじゃない。ペンギンや棲みついた川や周囲の自然を通して成長していく少年たち。川端裕人らしい爽快感がたまりません。

 登場人物も本当にバラエティに富んでいて活き活きしている。お調子者の脩も様々な側面を見せる。体は大きく太っちょだけど弱虫のゴム丸。クールで賢い河童。この3人だけではない。脩がライバル視している優等生の手嶋、ラッパを吹きつつ不思議な事を話す喇叭爺、脩のクラス担任で熱血教師の「デビル」鬼澤…。それぞれの語ること、思うことに深さがある。話が進むにつれてその深さが増していく。特に手嶋と河童の「深さ」に感嘆。

 ここで物語とは離れて自分の話になってしまうのだが、私は水辺、特に大きな川が好きだ。地元の小川も好きで、時々眺めに行っている。また旅行先で大きな川を見ると間近で見てみたいとそわそわし始める。高校の修学旅行で京都を訪れた時、旅館から近かったこともあって朝早く起きて鴨川を散歩した程だ。たとえ人の力で流れが変えられていようと、海に向かっていつまでも流れ続ける様を見ているのが好きなのだ。そこで、脩のライバルであり物語の後半から活躍する手嶋がこんなことを言う。
「桜川は別の川と合流して海に注いで、その海にはもっとたくさんの川が注いでいる。というか世界中のすべての川がが海に注いでいるから、世界につながっているんだ。で、世界はまあるい地球で、その外側にはまだまだ人が行ったことがない宇宙が広がっててって考えると、自分がなんだか滑走路に立っている気がしてきたんだよ。そう、川って滑走路なんだよ」(216ページ)
納得した言葉だ。世界につながる川を見ているとすっきりした気持ちになる理由がわかったかもしれない。

 川とペンギンがきっかけで、少年たちは大きな世界に目を向けることになる。少年たちにも不安はある。学校のない夏休みだからこそ、余計にその不安に直面してしまう。川やペンギン、自然はそれを直接解決してくれるわけではない。でも、川に向き合って考えたことが少年たちの日常に活きてくる。悩んでいても始まらない。何だかそんな感じがしてきた。


 今まで読んだ川端裕人作品はここまで。あとはまだ読んでいない。川端氏は作家としてデビューする前に「ペンギン、日本人と出会う」(文藝春秋)など自然や動物に関するノンフィクションを出している。その辺も読みたいぞ。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-24 21:10 | 本・読書

フラットさんの「ひぃ、ふぅ、みぃ!」

 今週のクインテット感想。木曜日の「クインテット」の「シェリトリンド」。メキシカンフラットさんが可愛い!マラカスを持って何気にクラリネットは背負っている。やはりクラリネットは親友、いや盟友だからか(「友だちはクラリネット」より)。「Cielito Lindo」と綴り、意味は「美しい空」。ああ、確かにそんな感じの歌詞だった。演奏前の「ひぃ、ふぅ、みぃ!」とカウントするフラットさんの声が好きだ。しかし、カウントするなら日本語じゃなくてスペイン語の方がよかった…いや、この不揃い感がクインテット流なのかも…。

 ところでフラットさんってかなりの衣装持ちじゃないだろうか?メンバーの中で一番いろいろな衣装を着ていると見た。ちょっと数えてみる。カッコ内は曲目他登場したところ。
○メキシカン(シェリトリンド)
○コック服(サンタルチア)
○アロハシャツ(アロハ・オエ:メンバー全員が着ていた)
○ベレー帽(おおシャンゼリゼ)最後の方では中国風の帽子もかぶっていた。
○ト音記号のバックプリントつきジャケット(コンサート前)
思い出せるのはこのくらい。もっとあったかも。第一、コンサート用のシャツにフリルがついているあたり、フラットさんの衣装への凝り懲りぶりがわかる。

 金曜の早口言葉雑唱団はあっぱれ。最後の方では皆壊れかけていましたが。「うみ」もよかったなぁ。こっちの「うみ」は初めて聴いた。「海は広いな大きいな」の方も好きなんだけど、こっちも好きになった。「シャツとパンツ」も和みました。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-23 21:28 | Eテレ・NHK教育テレビ

[味楽る!ミミカ]シュワシュワ☆レモンスカッシュゼリーを作ろう

 「味楽る!ミミカ」、今週の料理は「レモンスカッシュゼリー」。特別講師として招かれたパティシエール・ケイコ先生の大好きなレモンスカッシュをゼリーにしました。


<材料>
○レモン:1個(私はレモン汁と飾り付け用にもう一個追加)
○粉ゼラチン:大さじ1と1/2
○サイダー:300ml
○砂糖:大さじ3(私は2ぐらい入れた)
○レモン汁:大さじ1(レモンを絞ったものでも売られているレモン汁でもどっちでもよい)
○水:100ccと150cc
○缶詰のチェリー:適量

<作り方>
1.ゼラチンを水100ccに溶かす。10~15分ほど冷蔵庫に入れておく。
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2.レモンをよく洗って皮をピーラー(皮むき器)でそぎとる。
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こんな風に。白い部分は苦いので黄色い部分だけ。

3.皮と砂糖、水150ccを煮立てる。
4.冷蔵庫に入れていたゼラチンをくずす。
5.鍋で煮立てていた液が黄色になったら火から下ろす。ゼラチンを鍋に入れて溶けるまで混ぜる。
6.鍋の液をざるでこしてレモン汁を入れる。
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きれいな黄色になりました。レモンの香りもいい。

7.5分ほど冷ましてから、サイダーを静かに入れる。
8.グラスに入れ、冷蔵庫で冷やす。1時間ぐらい。
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グラスは足の長いものと、個人的好みでイッタラのアイノ・アアルトのグラスで。

9.残った液を冷やしながら泡立てる。
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おお、きれいに泡が立った。

10.泡を固まったゼリーの上にのせ、もう一度冷蔵庫に入れて固める。
11.レモンスライスとチェリーをのせて飾りつけ。
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出来上がり!アイノ・アアルトのグラスもいい感じ。


 実はゼリーがなかなか固まらなくて焦った。どうやらゼラチンの量が足りなかったらしい。レモン汁の量も多かった。今回私が作ったゼリーは結構柔らかめです。ちゃんと分量を守れば、ちゃんとできると思います。

 で、味。おお、ゼリーなのにシュワシュワする!これは楽しい。レモンの香りもいい。まさに「美しさ・香り・味」の3拍子そろったデザート。是非お試しあれ!最後の美味香のアドバイスだと、ジュースやコーラでも応用出来るらしい。応用編を作ってみようかな。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-20 22:09 | Eテレ・NHK教育テレビ

新しい世界に足を踏み入れて思うこと

 少し前から、新しい環境に身を置くことになった。転職したのだが、様々な理由でこれまでの職種とは全く違う仕事に就くことになった。不安は勿論あった。これまでの仕事と勝手が違うので戸惑うことも多いが、それでも今の仕事は今の仕事なりに面白いところが沢山ある。

 始め今の仕事内容を知った時に、「これなら私にも出来そうだ」と感じた。しかし、やってみると意外と難しい。なかなかぴったりの言葉が出てこなかったり、問い合わせに戸惑ったり。そんな時は上司や先輩方(私が一番下っ端なのだが)の言動を見ていると「すごい」と思う。すらすらと丁寧に仕事をこなしていく。どんなに疲れていても顧客に接する時は満面の笑顔。見かけによらずしっかりとした考えを持って仕事している人もいる。そんな仕事ぶりを見ていると、私もあんな風に仕事してみたいと思う。いいなと思ったところはマネてみたり、教えてもらったことを実践してみたり。そう簡単にうまくはいかないけれど、ここはうまくいったと評価できるところも少しずつ増えてきた。

 誰かの仕事ぶりだけでなく、その職場のシステムの部分でも「すごい」と何度も思う。子どものころ、社会見学で訪れた様々な仕事の裏側を見た時の気持ちに近いなと感じた。勿論、今私はそこの社員である訳だからいつまでもそんな呑気に構えて入られない。でも、慣れたとしてもやっぱりすごいものはすごい。その中身を知っているからこそ、ますますすごいと感じるだろう。

 このブログのタイトルどおり、「見知らぬ世界に想いを馳せ」てばかりいる私だが、想いを馳せているだけではわからないことが沢山あると感じる。実際に足を踏み入れてみなければ分からないことが。踏み入れる時の期待と不安が入り混じったドキドキ感が私は好きだ。そして、自分の世界が広がっていって、様々な見方で物事を考えられるようになるのが楽しくてたまらない。だからこそ、私は自分の五感を最大限に使って物事に当たりたい。仕事も趣味も同じ。ピアノである曲が弾けるようになって、よりその曲を楽しむことが出来るようになる。何てことないと思っていたものにも奥深さがある(例えば「人形の夢と目覚め」のように)。

 以前「naoyaグループ-naoyaの日記:自分にできないことをすごいと思う」「北の大地から送る物欲日記:『すごい』と感じる気持ち」を読んで共感したのだが、転職したことで自分も経験としてこの様に感じた。この環境に慣れたとしても、「すごい」と思う気持ちを忘れないでいたい。


 蛇足な余談。何気なくおかいつのアルバムを聴きながら書いていたのだけれど、「ふしぎはすてき」の歌詞にぴったりだ、この感覚。…どうでもいい話ですが……。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-17 21:23 | 日常/考えたこと

ブルグミュラー「アラベスク」

 「人形の夢と目覚め」をアップしたページにブルグミュラー「アラベスク」をアップしました。サイドバーのリンクからどうぞ。またはここからどうぞ。

 この曲もなかなか難しい。左手の16分音符でどんなに苦労したことか。今もまだしっかりと弾くことが出来ないでいます。最後の両手の「ミレドシラ」も、左手が合わない。バラエティに富んだ曲想を楽しむことが出来るエチュードを書いたブルグミュラーはすごい人だと感じる今日この頃。

 ちなみに今後アップ予定の曲
・シュタイヤー舞曲(ブルグミュラー)
 他にも「パストラル」や「清らかな流れ」「やさしい花」「別れ」他ブルグミュラーは重点的にアップ予定。
・楽しき農夫(シューマン)
 現在練習中。苦戦中です…。
・エリーゼのために(ベートーヴェン)
 ご存知エリーゼ。現在思い出し中。
・メヌエット(バッハ伝、ペツォルト)
 ト長調、ト短調の両方。ト短調は意外と難しい。

 ゆっくりとアップしていく予定です。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-13 21:09 | 奏でること・うたうこと

夏のロケット

「夏のロケット」(川端裕人、文春文庫、2002 単行本は文藝春秋社刊、1998)


 北朝鮮がミサイルを打ったその日、アメリカではスペースシャトル・ディスカバリーが打ち上げられた。ミサイルとロケット。構造は同じだけれどもその利用の目的は全く違う。そんなことを考えていたらこの本ことを思い出した。川端裕人再読第2弾はデビュー作ともなった「夏のロケット」。もうね、面白くて面白くて。

*****

 科学担当の新聞記者・高野は宇宙オタクで、宇宙関連の記事になると熱を入れて記事を書くため、公正中立・客観報道を求める部長とはしょっちゅうケンカになっていた。そんな中、高野は過激派によるミサイル製造・爆発事件の取材を手伝うため社会部の同期・純子のもとを訪れる。その製造されていたミサイルは、なんと実際にロケットに使われているコンポジット燃料やレーザー・ジャイロを搭載したとても高度なものだった。高野は爆発現場の写真に写っていた噴射板の奇妙な形に見覚えがあり、心当たりを取材しようとする。それは高野が高校生の頃、「天文部ロケット班」で活動していた時にさかのぼる。

 高校に入学してから少しして、火星マニアである高野は隣のクラスの北見祐一に天文部に入らないかと誘われる。北見も含めロケットに興味があるメンバーがいるので、モデルロケットを作って飛ばすつもりでいるのだそうだ。部の予算を使って作る予定のため、県の作文コンクールで入賞したこともある高野の文才を見込んで広報係になって欲しいとのことだった。北見の話術に乗せられて入部した天文部ロケット班には奇妙なメンバーがそろっていた。「教授」と呼ばれている日高紀夫は、ロケットの原理にとても詳しくロケットの設計を担当した。いつも薄汚れた白衣を着ていることで変な奴と学年で噂になっていた清水剛太は手先が非常に器用で学校の壊れたいる物を次々と直すことが出来た。彼はロケットの組み立てを担当した。医者の息子である氷川京介はSF小説好きの秀才。しかし、遅刻や欠席ばかりしている。そんなメンバーと(実は非合法な)モデルロケットを作っているうち、教授の提案で本物のロケットを作ることになった。マーズと名づけられたそのロケットシリーズは失敗ばかりしていたが、メンバーたちは宇宙への夢を捨てることなく高校を卒業した。

 そして今、メンバーはそれぞれの道を進んでいる。教授・日高はロケット工学を学び宇宙開発授業団へ、剛太は材料工学を学び大手金属メーカーの研究室にいた。北見は大手総合商社に勤め宇宙開発関係の取引をしている。氷川は売れっ子ミュージシャンとなり、モデルロケット普及教会を設立していた。高野は爆発したミサイルの噴射板が教授オリジナルのものであることに気付き、ロケット班のメンバーのことを調べ始める。そして、ロケット班がかつて金属加工を頼んでいた製作所でメンバーと再会し、新しいマーズロケット・マーズ18号を作っていることを知る。それは高校生の時に作ったロケットとは桁違いの、宇宙まで飛ぶロケットだった。教授がミサイルの製造に関わっている疑惑が晴れないまま、さらに高野の後をつけてきた純子も巻き込んで高野もロケットの製造・打ち上げに加わることになるのだが…。

*****


 個人がロケットを手作りするというとんでもない物語だけれども、ロケットの原理や構造はしっかりと現実のものに基づいている。確かに教授や剛太の天才的能力は現実的かどうかはわからないけれども、ロケットがだんだんと出来ていく過程が目に見えるように活き活きと描かれている。ロケットというと国家プロジェクトでないと取り組むことが出来ないハイテクで最先端のイメージがあるけれども、実はきわめてローテクだったのだ。燃料を燃やしその力で飛んでいく。それだけの原理。もちろんそれだけなのだが難所がいくつもあり、試作品は失敗が続く。メンバーがそれぞれの専門の知識を出し合って改良していくその試行錯誤の過程は、かつてロケットを開発した研究者たちの姿につながっている。その過程にどんどん引き込まれた。

 このマーズ18号の打ち上げにはある目的があった。それは今の宇宙開発の現状から考えると目からうろこだ。予算やら国家プロジェクトとしての安全性やら、面倒くさいことが沢山あってそれがロケット・宇宙開発を阻んでいる。その面倒くさいことを蹴飛ばしてしまったらどうなるのか。それがこの物語だと思う。教授と剛太の並外れた能力、北見の取引の巧さ、氷川の経済支援、そして高野の世界各国の宇宙開発に関する豊富な知識と人脈があってマーズ18号が出来た。そしてそれぞれの役割や目的は異なるけれども、ロケットを飛ばしたいという情熱。小説であることはわかっているのだけれども、もしかしたら、やろうと思えば出来るかも…と思ってしまった。とんでもない騒動が巻き起こるのは確実だろうけど。

 教授のミサイル疑惑も物語の大きな核になっている。ロケットとミサイルは紙一重。メンバーのその疑惑に対する思いも様々だ。信頼しつつも複雑な思いの北見、ジャーナリストとしての見方をする高野、そんなことはどうでもいいと思う剛太、己の潔癖を証明しつつも揺れ動く教授。科学者の倫理や信念に関して考えさせられた。教授だけの問題じゃない。歴史上でも月ロケットを開発したがナチスによってミサイルに転用されてしまったフォン・ブラウン、ツィオルコフスキーよりも先にロケットの設計の論文を書いていたが手榴弾でアレクサンドル2世を暗殺したキバリチッチの例が挙げられている。ロケット開発の明るい部分だけでなく、影の部分にも考察してあるのが興味深い。

 マーズ18号の打ち上げに向かってノンストップで駆け抜ける爽快感がたまらない。ところで、個人がロケットを作るという話は他にもある。あさりよしとお作の漫画「なつのロケット」がその一つ。まだ読んではないのだけれども(そのうち読みます)、私が子どものころ「学研の科学」で連載されていた「まんがサイエンス・ロケットの作り方教えます」は大好きで夢中で読んでいた。本当にわかりやすくて面白かった。あと、映画「明日があるさ THE MOVIE」も。これも途中までしか見ていないのだけれども…。
 ああそれから「プラネテス」でもハチマキの弟九太郎君もロケットを作って飛ばしていた。宇宙まで飛ぶ自作ロケットなんてゴロゴロしている、という感じの台詞があったっけ。そんな時代がいつか来るのだろうか。


trackback for:「本だけ読んで暮らせたら:『夏のロケット』」
「Star Gazer`s Cafe:ロケッティア」
作中にも出てきますが、「ロケッティア」とは「ロケット狂」という意味。社会的に見れば「狂っている」高野たちの行動も、本人たちから見れば真剣。分かりやすい言葉だと思います。
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by halca-kaukana057 | 2006-07-10 21:35 | 本・読書


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