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白夜の国のヴァイオリン弾き

 以前紹介したフィンランド語本「フィンランド語のしくみ」の巻末で、「白夜の国のヴァイオリン弾き」という本が紹介されていた。80年代にフィンランドでの生活について書かれていた本と言えば「フィンランド語は猫の言葉」(稲垣美晴、講談社)。この本の他にもあったんだ、知らなかった。

「白夜の国のヴァイオリン弾き」
(小野寺誠、新潮社、1986)

 フィンランドには「ペリマンニ(Pelimanni)」と呼ばれる民族音楽師がいる。農民の暮らしの中でヴァイオリンやフィドル(北欧のヴァイオリンに似た民族楽器)、カンテレ(フィンランドのハープに似た民族楽器)、アコーディオンやのこぎりなどを演奏する音楽家のことで、主に世襲制でその音楽は受け継がれる。楽譜はあまり使わず、独学で耳と習練で覚えるのが基本らしい。筆者の小野寺さんはただ一人の日本人ペリマンニ。日本人はおろか外国人ペリマンニもいない。フィンランドの田舎町・イーサルミでペリマンニとして暮らし、音楽漬けの日々を送った小野寺さんのエッセイです。

 フィンランドに渡った小野寺さんはフィンランド人の妻と結婚し、子どもも生まれたが定職に就くことが出来ない日々を送っていた。子どもの頃に習ったヴァイオリンを独り黙々と弾くうちに、ペリマンニたちと出会う。フィンランドの民族音楽など全く分からなかったがペリマンニたちの演奏を聴き、共に演奏するようになる。

 庶民の暮らしに息づくペリマンニの音楽は、クラシックを学んだ者からは嫌われていることも。このエッセイの中でも、町一番のヴァイオリニストのインキネン教授はペリマンニ音楽を単純で演奏スタイルもめちゃくちゃなものだと批判していた。ペリマンニたちもクラシックなんか堅苦しくてやっていられないと敬遠する。または、演奏技術ではクラシックに敵うことは無いと羨む。私はこれまでフィンランドのクラシック音楽を中心に聴いてきた。しかし、そこにはもうひとつのフィンランド音楽、ペリマンニの音楽があったのだ。下手な演奏家は淘汰されてしまうクラシック音楽の一方で、ペリマンニ音楽は誰でも受け入れてくれるのだ、と。だが後に、ペリマンニ音楽とクラシック音楽という相反するものも、だんだんお互いに近づいてゆく。それぞれのよいところから学び、より高いものへ向かってゆく。

 ペリマンニとしての音楽漬けの生活、個性豊かなペリマンニたち。威勢よく、魂から叫ぶ想いで楽器をかき鳴らす。その熱い姿に、少しでも楽器を演奏したことがある人・音楽が好きな人なら何か感じずにはいられない。ペリマンニたちは後にいくつもの村や町から集まって練習会を開く。そこでは年配のベテランペリマンニたちが、その経験豊かな腕前を披露する。楽譜が読めない上に地域によって演奏スタイルもバラバラのため、集会では曲の解釈で揉める事はあるが、皆音楽に全身全霊をかけている。生きること=演奏することであるペリマンニたち。そんなペリマンニの世界に飛び込んでいった小野寺さんは、音楽を通じて自分自身を振り返り、生きるとは何かと考える。その問いかけ・思考が、そしてペリマンニたちの言葉がとても深くて心に染みた。

 5年間のペリマンニ生活の後、小野寺さんは妻子をフィンランドに残し帰国する。その後の小野寺さんはどうなったのだろう。もう一度フィンランドを訪れたのだろうか。何とも切ない最後でした。

 楽器の種類は違えど、楽器を演奏するものとして深く心に残った言葉を最後に引用させていただきます。本の冒頭、小野寺さんがフィンランドに住むジプシーと音楽の話をしているシーンで、そのジプシーの青年が言った言葉。
「楽器を弾けるっていうのは、きみ、神様の与え給うた<恩恵>というべきなんだぜ。<恩恵>を断わるっていう法はない。人生の<幸運>を逃しちゃいけない。いつも手元に置いておくべきなんだ。」(22ページより)

 フィンランドの民族音楽の本ですが、私は楽器を演奏する(どんな楽器であれ、どんなに下手だとしても)全ての人にこの本をお薦めいたします。
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by halca-kaukana057 | 2007-03-31 22:12 | 本・読書

年度末のきょういくてれび

 2006年度の教育テレビももうすぐ終了。色々あった一年でした。今年度を振り返るとともに、最近の教育テレビウォッチング。

【おかあさんといっしょ】
 今年度の大事件と言えば「スプーショック」。しょうこお姉さんの「スプーのえかきうた」事件。もっと昔の出来事だったような気がするのは何故だろう。

 今週のおかいつは今年度のファミリーコンサート総集編。季節が季節なので「しろいともだち」に涙腺直撃されました。毎年この季節は「しろいともだち」に殺られるんだろうなぁ…私。
 宮崎のコンサートで「チキンダンス」を歌っていたのは、東国原知事の宮崎の地鶏キャンペーンの一環ですか?と本気で聞いてみる。でも、宮崎のコンサートは東国原知事が就任する前でしたっけ?後でしたっけ?
 少し前の「ふしぎな森へようこそ!」のステージ。以前の「びっくりパーティー」でもあったけど、何かをやり遂げたい→でも弱気→やる気まんまんマンとウーマンという流れが私的ツボ。結構コンサート向きな曲だったんだね。以前「ママゴリラ」をコンサートで歌っているのを聞いて、お姉さんの迫力のある歌とダンスに驚いたことがあるけれども、それと似てる。迫力のある声が聞き所の歌だからこそ、生で目の前で聴きたい。


【あいのて】
 これが本当の最後の「あいのてコンサート」。ルリアちゃんとあいのてさんたちがスタジオを飛び出して、ステージで楽しい演奏をします。あれ?永依ちゃんは?

 「あいのて」はすごくステージ・コンサート向きな番組だと思う。観客の子どもたちも大人もだんだん乗ってきてとても楽しそう。元の音楽もすごく楽しいのだけれども、一緒に楽しんでいる人たちの手拍子でまた新しい音楽が出来る。何よりも子どもも大人も楽しめるのがいい。
 特にお気に入りの曲が「ペットボトル・メモリー」と「カラダ・ディスコ」。本編でもすごく気に入っていたからこの最後の放送で観れてよかった。
 ステージでも勿論登場「ワニバレエ」!!今回はいつもの3割増しで激しく踊ってます。あれを目の前でやられたら、すごく楽しいだろうなぁ。大人も喜ぶわ。しかし登場の時の走る速さが尋常じゃなく速いんですがwどういう走り方しているんだ、あれは。
 今回のエンディングテーマは明るめ。紙コップやペットボトルを会場の方々に配り、鳴らしたり踊ったりしている姿がとても印象的。それから赤のあいのてさん・野村さんのピアノ。とにかく響く響く。ルリアちゃんのダンスもかっこよかった。あんなに踊れるなんて知らなかった…。番組は終わってしまいますが、今後全国各地でワークショップが開かれるらしいので、あいのてさんがお近くに来たら是非どうぞ。
 あと感じたことと言えば、「あいのて」は終わってしまいますが最近の教育テレビの音楽番組はしゃべらないキャラが目立ってますね。あいのてさんも、「クインテット」のアキラさんも。
 番組に関する詳しいことは、音楽を担当している野村誠さんのブログ「野村誠の作曲日記:[あいのて]紙コップが宝物になる瞬間」をどうぞ。今後のワークショップの予定も野村さんのブログでどうぞ。


【味楽る!ミミカ】
 最近はずっと総集編。オリジナル料理の投稿ビデオがなかなか面白い。肉じゃがを作った子は結構レベルが高かったと思う。トンデモ創作料理中心のミミカで、あんな定番の料理をしっかり作ってしまったのだから。
 4月からは5時40分からの放送。つまり、5時50分から放送の「クインテット」の前。やばい、夕方はETVの前から離れられなさそうだ。


 先日、あの電波一度聞いたら耳から離れないテーマソング「味楽る!ミミカ ナンバーワン」がCD化されました。ええ、勿論聴きましたとも(ただしレンタルで)。3番まである素晴らしい歌でした…。3番に「食道楽のモーツァルトも」という歌詞があったのですが、むしろモーツァルトよりもJ.S.バッハがプッチーニではないかと突っ込んでみる。
 カップリングはエンディングテーマの「みんな、君だけを待ってる」。心和むいい歌です。聴けば聴くほど好きになる。ジャケットはアレですが、聴いてみて損はないCDですよ。ちなみにステッカーもオマケでついています。どうしろとw


 4月からも教育テレビは我が心の友です。まずは「クインテット」のコンサート新曲に期待します。
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by halca-kaukana057 | 2007-03-30 22:08 | Eテレ・NHK教育テレビ

せきれいの月面三段跳び

 ピアノ演奏録音、どんどん行きます。

【ツェルニー100番】
HPのツェルニー100番ページへ
 7番。ツェルニーって苦手かもしれない。10番まではやると言ったのに、かなり不安になってきました。こんな練習ばっかりだと、確かに嫌になるかもしれない。恐るべしツェルニー。次の8番も難しい。本当に10番まではバイエル程度なのか?嘘ついてる?それとも、私の腕がダメダメなだけ…?

【ブルグミュラー25】
 どちらもHPのブルグ25ページへ

○11:せきれい
 なんとかリベンジ。一応あの速さについて行けるようになりました。微妙に滑ってる部分とか、強弱が甘いが。もう1回リベンジしますか?
 とりあえずどんな演奏にしたかったのか書いておく。以前はスタッカートを意識しすぎて伸ばすところをちゃんと伸ばしていなかったのだが、それに合わせてぴょーん、ぴょーんとスタッカートで音が跳ね、少しの間空中で漂っているような感じを出したかった。陸上の三段跳びか、月面でジャンプしているような(分かりにくい比喩で申し訳ない)。そろそろ北国にも春がやってきた。セキレイは、我が家の庭にもよくやってくる。もう少しすればチョコチョコと歩く可愛い姿が見られるだろう。そんな可愛いセキレイをイメージできたかどうか。

○16:小さな嘆き(甘い嘆き)
 ブルグミュラー短調キャンペーン第3弾。これまでの記事でも書いたとおり、弱音で内省的な前半と、我慢していた悲しみが抑えられなくなりそうな後半部分。
 ちょっと速かったかしら?前半はよかったんだけど、後半のヤマのフォルテが意外と出ない。2回目の録音をどうしようか…。(理由は「続きを読む」に)


 さて、やる曲も終わったので、いよいよシベリウス「即興曲 作品5-6」に取り掛かります。さあ、やってやろうじゃないかシベリウス大先生!グリーグ「アリエッタ(抒情小品集より)」も弾きたいので、なんとか没後50年メモリアルイヤーの今年のうちに完成させたい。

続きを読む
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by halca-kaukana057 | 2007-03-27 20:48 | 奏でること・うたうこと

星のパイロット ハイ・フロンティア&ブルー・プラネット

 ようやく「星のパイロット」シリーズを読みきった。第3作「ハイ・フロンティア」と第4作「ブルー・プラネット」、2冊まとめて感想。



「星のパイロット3 ハイ・フロンティア」
(笹本祐一、朝日ソノラマ文庫、1999)

 彗星争奪レースに勝ったスペース・プランニング社は、カイロン物産の劉建と賭けていた超音速大型航空機ヴァルキリーを獲得、美紀たちはそのテストフライトをしていた。しかし、そのテストフライト中に正体不明の戦闘機からミサイル攻撃を受ける。何とか逃れたものの、その後も攻撃が続き、それは宇宙開発産業全体に及んでいた。劉建はそれが謎の巨大経済団体によるものであることを突き止める。謎の団体の意図とは?

 宇宙開発産業の利権を狙う者との戦いがメイン。あまり宇宙空間に出てません。その、軌道上で美紀やチャンたちが決行したある作戦の部分が一番面白かった。チャン大活躍。第2作ではよく分からない存在だった劉建も大活躍。今後まだまだ絡んできそうな人。
 ハッキングに関するあたりはよく分からず。

*****



「星のパイロット4 ブルー・プラネット」
(笹本祐一、朝日ソノラマ文庫、2000)

 老朽化のため、ハッブル宇宙望遠鏡がその役目を終えた。美紀たちはその回収のミッションへ。その時、管制室にいたマリオは、スウと太陽系外地球型惑星の話をしている。
 その後、スウは宇宙軍が極秘で打ち上げ、運用しているらしい地球型惑星発見衛星のデータを持ってくる。それは勿論国家機密で、スウは犯罪を犯すのを覚悟してマリオにそのデータを見て欲しいと頼んだのだ。マリオは会社のパラボラアンテナを使って、その衛星に信号を送ってみることにする。届いたデータの中に、何があるのか…。

 太陽系外の、地球のような人類が住めそうな惑星探しが柱となる第4作。話の全体でスウが大活躍です。美紀はどこ行った?ってぐらいのレベルで。
 その秘密の軍事衛星にハッキングをかけるシーンや、そのハッキングのおかげでJPLが軍に占拠されてしまうシーンとか、ドキドキするシーンが多くオモシロイ。スウが最後にある発表をするシーンも。後半、ひとり奮闘するスウがなんともたくましい。宇宙を飛んでいるわけではありませんが、天文学上の大発見をしようと広大な宇宙に立ち向かう(小柄な)女の子が活躍する物語って、本当にいいですね。


 以上、「ロケットガール」シリーズから始まった宇宙SFライトノベルスペシャルはここにて終了。たっぷり宇宙を堪能できました。「ロケガ」はアニメも好評放送中。4月には第4弾「魔法使いとランデヴー」も発売予定。続編が出ますよ!!
 宇宙SFと言えば、漫画「MOONLIGHT MILE」もアニメ放送開始。「プラネテス」&「ふたつのスピカ」以来の宇宙SFアニメ化花盛りですな。結構結構。
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by halca-kaukana057 | 2007-03-27 18:03 | 本・読書

ふたつのスピカ 12

 JAXAのプレスリリースの通り、星出彰彦宇宙飛行士の初飛行が決定しました。来年2月頃、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の2回目の建設が主なミッション。大変ですよ、土井さん、若田さんに続き、来年は日本人飛行士の宇宙飛行が3回もありますよ。こんなの初めてですよ、楽しみですよ!!

 そんなこんなで「ふたつのスピカ」12巻感想です。宇宙つながりってことで…前置きでした。

f0079085_2040546.jpgふたつのスピカ 12 (12)
柳沼行/メディアファクトリー/2007

 夏休みも近づき、アスミたちはいつもの5人で毎年恒例の旅行先を考える。くじ引きの結果、行き先はアスミと府中野の故郷であり、去年も訪れた唯ヶ浜に決定する。実は皆、唯ヶ浜行きを希望していたのだ。
 唯ヶ浜に着いた5人は、獅子号事故の慰霊碑を訪れ、ケイとマリカはアスミの実家に向かう。3人が実家にいるところへ、アスミの父・トモロウが帰ってくる。トモロウとともに、彼のロケット技師時代の話も聞きながら楽しく過ごす3人。翌朝、再び遠方へ仕事に出かけるトモロウは、ちょうど顔を合わせたマリカにアスミのことを話す。
 一方、秋は花火大会の準備で忙しい府中野を手伝っていた。その秋は電話である知らせを受ける。
 最後かもしれない5人の夏が始まった。



 宇宙学校の宇宙飛行士コースでは、学校からの参加枠があるミッションに参加できる生徒しか4年に進級することが出来ない。もしかすると、この3年生の1年が5人一緒にいられる最後の時間かもしれない。そんな思いで5人は唯ヶ浜での夏休みを楽しみます。

 まず印象的だったのが、アスミの実家にて、トモロウがマリカにアスミのことを話すシーン。そして、ロケット技師としての職を絶たれ、夢を叶えられなかったトモロウに対して、マリカが問いかける。そのマリカに対してトモロウが言った言葉。
空が美しいと気付いたら
誰だって上を向いて歩くもんだよ
自分はこんな生き方しかできないけど
夢を追って生きてきた道に悔いはないよ(57ページより)
…いい事言うなぁ…トモロウさん。


 そして、宇宙飛行士選抜試験を受けていた秋のもとに嬉しい知らせが。その秋と、自分の病気についてマリカが語るシーンも印象的。宇宙に行く者と、行きたいけど行けないかも知れない者。現実は厳しいが、その現実がどうであれ同じ夢を追って過ごして来た時間はかけがえのないものだし、お互いの絆はライバルとかそういうものを通り越して強いものになっている。たとえ最終目標が叶えられなくとも、そこまでの過程は誇るべきものなんだと。私はトモロウさんのように、途中で挫折してしまった人間だ。でも、目標を持って努力していた日々のことは、今でもいい思い出になっている。そこんところが、すごく強く伝わってきた。

 MISSION:62、101~103ページのライオンさんの言葉も胸に深く心に残る。どんなに技術が進化し時代が進んでも、そこにある人々の想いはかけがえがない。不便な時代でも、その中で人々がいろんな想いをしてきたからこそ見えるもの、考えられるものもある。未来の人々が、同じようなものの見方・考え方をするとは限らない。今だからこそ、その人だからこそ見えるものがあり、考えられることがある。MISSION:64の府中野の隠された過去もそこにつながる。同じものを見ているからと言って、皆同じように見えるわけじゃない。様々な要因で異なって見える。その異なる視点が、各々の人の異なる感情・考え方を作っているんだ。

 最後、MISSION:64、最後のシーン…なんですかあれは!!ネタバレ防止のために何があったかは伏せておきますが、言葉がない。言葉にならない。えっと…その…とても混乱しています。これからどうなるんじゃぁああ!!

(13巻に続く)
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by halca-kaukana057 | 2007-03-24 21:21 | 本・読書

「せきれい」の誓い

 今リベンジで練習しているブルグミュラー25の練習曲の「せきれい」。未だに苦戦中。何て難しい曲なんだ。その練習をしながら、考えていることを。

 以前この曲を練習し行き詰っていた頃、私はこのまま独学を続けるか悩んでいた。「せきれい」の難しさに不安を感じてしまい、このままでいいのかと自分に問いかけ始めた。習っている人の話を聞けば「羨ましい」としか思えなかった。独学の自分が、とても情けなく感じられた。習うことについて詳しい人に尋ねたこともある。しかし、その答えで私は問題を解決できなかった。

 独学は中途半端なのか。独学はレベルが低いのか。独学じゃダメなのか。それから「せきれい」を練習しながらずっと考えていた。「せきれい」はあまりにも難しいのでいったん終了させたが、その後もモヤモヤしながら練習していた。そして、ようやく独学する理由を見つけ、決意を固めた。それについて書いたのが過去記事「サシで学び、演奏したい ~ピアノ独学の理由」だった。

 習わない限りは独学を貫き通し、習っている人を羨ましがらない。分からないなら、とにかく沢山の演奏をCDでもネット上の音源でも、プロアマ問わず聴く。楽譜を読む。考える。そしていったん終了させたとしても、諦めない。時間を置いてもいいからリベンジしよう。「せきれい」は私にとって、独学について考えさせてくれ、独学を決意させた大切な曲だ。だから何が何でも弾きたい。それなりのレベルに仕上げたい。

 以前バロック音楽はわからないと思っていたペツォルトの「メヌエット」も、引き続けているうちに手ごたえを感じられるようになった。粘り強く弾き続けていれば、何かに気付くはず。そう信じて独学を続けたい。今、「せきれい」を練習していて、そう強く思う。



 そんな「せきれい」リベンジの途中経過。♪再生する
以前の演奏はこの過去記事からどうぞ。
 前の悪かったところは、スタッカートを意識しすぎて伸ばすところをちゃんと伸ばしていなかったこと。メリハリがなく、飛び跳ねる感じがなかった。この途中経過はちょっとテンポ速めだった。今はまだもう少し遅くていい。ゆっくり弾いて、音を聴いていこう。


*****

 バロック音楽も諦めなければ何か分かるはずと、この楽譜を買ってみた。
プレインベンション J.S.バッハ・インベンション―のまえに/全音楽譜出版社

 CD付きのは高かったので通常版を。でもCDがあったほうが便利だっただろうかとちょっと後悔。いいや、ネット上で探そう。バッハ一族やテレマン、モーツァルト親子にヘンデル、ハイドンなどバロック・古典派の作品がずらり。モーツァルト親子のからやってみようかしら。



 それからこれも。


「音楽の友」4月号。グリーグ&シベリウス特集ってことで。いつもなら図書館で読んで済ませてしまうのですが買ってしまった。…正直言うと、買った理由の7割強は表紙がアンスネスだったからです。ハイ。
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by halca-kaukana057 | 2007-03-20 21:46 | 奏でること・うたうこと

楽しんで奏でる、だからこそ「音楽」

 最近の教育テレビから、音楽について考えたこと。

 まず、「あいのて」。残念なことに今年度で終了らしい。面白い、いい番組だったのに…。

 最終回らしい第20回「ベスト!!」はこれまでの演奏をメドレーで振り返る企画。エイちゃん、ルリアちゃんが今のお部屋からお引越しすることになり、あいのてさんたちとの最後のセッションを楽しむ。森迫永依ちゃん、今回はヴァイオリンにも挑戦しています(元々弾けるのかしら?)。

 「あいのて」で取り上げてきたのは、身近にあるモノから出来た音楽。石、紙、ビニール袋、ペットボトル、コップ…、いつもなら見逃してしまうモノでも、音楽を生み出すことが出来る。デタラメのように思えても、ちゃんと「音楽」になっている。そう思う理由…5人がとても楽しそうだから。番組の音楽全体を作っている野村誠さんはじめ、尾引浩志さん・片岡祐介さんの3人の演奏がとても楽しい。こんなモノで音楽になるのかと思っていても、いつの間にかノッている自分がいる。リズムや音色がとても巧みで多彩。その音から楽しさが伝わってくる。この第20回で演奏されたエンディングテーマには思わず涙腺が緩んだ。演奏後、あいのてさんたちは消えてしまう…。

 こんないい番組を終わらせるなんて、NHKももったいない事をするなぁ。第一、学校放送で音楽番組は、今はこの「あいのて」しかないのに(以前は「ドレミノテレビ」)。どうするんですか、今後。(最新情報によると、特番の「音楽のちから」がレギュラー化するらしい。それが来年度の学校放送音楽番組?)


*****

 次は「クインテット」。雑誌「TV Japan」3月15日号に宮川彬良さんのインタビューが載っていた(191ページ)。その感想含む。

 アキラさんが「クインテット」で大事にしていることは、「心から楽しんでいることを表現」すること。インタビューの大体の要旨を書きますと、押し付けることなく、聴いてほしい音楽を聴いてもらうにはまず自分自身が楽しむことが大前提。出演者もスタッフも全員が。でも、ただ楽しんでいるだけでは何も伝わらない。クオリティの高いものに、全力で取り組むことが必要なんだ、と。

 「楽しむ」、でも「楽する」のでは無い。レベルの高いところを目指してこそ、大変なこともひっくるめて楽しさを感じることが出来る。そういう演奏って、なかなかめぐり合えないとCDを聴いていても、自分でピアノを弾いていても思う。だからこそ目指したい。


 音楽について大事なことを、この2番組からいつも教わっています。ああ素晴らしきかなNHK教育。「TV Japan」によりますと、「クインテット」の放送時間が来年度・4月から変わります。5年目を迎え、来年度も期待大。
 「クインテット」の放送時間変更に関しては、ココさんのブログ「クインテット大好き!」もご覧ください。
「クインテット大好き!:「クインテット」放送時間変更のお知らせ」
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by halca-kaukana057 | 2007-03-17 22:24 | Eテレ・NHK教育テレビ

合唱大国・フィンランドを堪能する その2・タピオラ合唱団編

 かなり前に「合唱大国・フィンランドを堪能する」という記事でフィンランド(北欧・バルト諸国全体)の合唱がすごいという話をした。かなり間が開きましたが、今日はその続き。フィンランド・北欧音楽にとても詳しく、このブログでお世話になっているsuomestaさんのお薦め、タピオラ合唱団のフィンランド民謡集です。



「Sininen ja Valkoinen」
タピオラ合唱団/エルッキ・ポホヨラ(合唱指揮)
タピオラ・シンフォニエッタ/ヨルマ・パヌラ(オーケストラ指揮)/ONDINE
(リンク先で試聴可能。またはアメリカのタワーレコードのサイトで)



 タピオラ合唱団は小学校の音楽教師だったエルッキ・ポホヨラ氏(以前オラモ/バーミンガム市響のシベリウス交響曲全集の記事で触れたフィンランド屈指の音楽一家・ポホヨラ家出身。リーサ・ポホヨラは妹にあたる)が1960年代に創設した児童合唱団。初めは小学校内の合唱団だったが、そのうちフィンランド中から子どもたちが集まるようになった。世界中の合唱コンクールで何度も優勝し、国際的に活躍している。CDも数多く、そのうち一枚がこれ。以前紹介したカンドミノ合唱団は無伴奏合唱ですが、このCDではタピオラ・シンフォニエッタによるオーケストラ伴奏がついています。その指揮があのヨルマ・パヌラ。

 CDタイトルの「Sininen ja Valkoinen」とは、フィンランド語で「青と白」(「sininen(シニネン)」が青、「valkoinen(ヴァルコイネン)」は白の意。「ja(ヤ)」はandのこと)。つまり、フィンランド国旗の色でありフィンランドを象徴する色。このCDにも「Taivas on Sininen ja Valkoinen」(空は青く、そして白い)という民謡がある。フィンランドの民謡には、自分たちの土地、国を称える歌がかなり多く、この歌もそのひとつ。

 このCD、そんなフィンランドの方々のフィンランド愛が強く表れています。何と言っても1曲目の「Maamme(我が祖国)」。フィンランド国歌です。25曲目、トリを飾るのは「Finlandia-Hymni」…「第2の国歌」とも呼ばれるシベリウスの「フィンランディア」に歌詞を付けた「フィンランディア賛歌」。フィンランド愛国CDと言ってもいいぐらい、フィンランド(スオミ)愛が強いCDです。

 少年少女で結成されているタピオラ合唱団ですが、声が澄み切っている。世界中の合唱コンクールで優勝しまくる理由も分かる。男声合唱の低い声が基本的に私は好きなのですが、この柔らかく透明な声も好きだ。児童合唱団だからこそ出せる声。合唱もいいが、時々出てくるソロパートでも見事な腕前。特に「Taivas on Sininen ja Valkoinen」と「Orvon Huokas(夕暮れの歌:ここでひとり私は歌う)」のソロはとても美しい。オケの伴奏も合唱に負けじととてもきれいです。

 あと、以前のカンドミノ合唱団のCDではブックレットに日本語訳の歌詞しか載っておらず、フィンランド語の歌詞が読みたいと思っていたのですがこのCDにはちゃんとありました(訳は英語)。声の美しさもそうですが、フィンランド語特有の発音・響きも堪能したい。やっぱりフィンランド語は響きが面白い。合唱・歌に何故かしっくり来る。

 タピオラ合唱団のこと、ポホヨラ氏自身のことについては「世界をつなぐ歌の橋 -タピオラ合唱団の音楽教育」(エルッキ・ポホヨラ著、松原千振訳、音楽の友社、1994)という本で詳しく書かれています。合唱で、音楽で大事にすることとは何かについてかなり深く書かれています。合唱団の子どもたちもかなりハードな練習をしているそうですが、この歌声はその賜物。合唱曲を作曲した現代フィンランドの作曲家のことも多く書かれていて興味深い。

 フィンランドの合唱はやっぱり凄い。民謡だけじゃなくて、シベリウス以降の作曲家の合唱曲(合唱入り管弦楽曲も含む)も。その辺はまだ聴いている最中。
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by halca-kaukana057 | 2007-03-16 21:38 | フィンランド・Suomi/北欧

底へ響く「冬の旅」

 これまでの暖冬をひっくり返し、冬を取り戻す勢いで北日本は吹雪いています。いくら私が冬好きでも、この気候の豹変ぶりにはついていけません…。そんな冬好きが選ぶ冬の代表曲と言えばシューベルトの歌曲「冬の旅」。これまではずっとフィッシャー=ディースカウ盤(ピアノ:バレンボイム)を聴いてきたのですが、今回は「クインテット大好き!」のココさんお薦め、クリスティアン・ゲルハーエルの歌で聴いてみました。


シューベルト:冬の旅
クリスティアン・ゲルハーエル(バリトン)/ゲロルド・フーバー(ピアノ)/BMG JAPAN


 ゲルハーエルはディースカウのお弟子さん。でも、ディースカウとは全く違うアプローチ。まず、声が深く、暗い。ディースカウはどちらかというと明るめの声。ゲルハーエルは第1曲「おやすみ」からズーンと底の方へ響いてくる。でも、第5曲「菩提樹」や第11曲「春の夢」では甘く優しい、あたたかい歌。第13曲「郵便馬車」ではとても伸びやか。人の声ってこんなに表情豊かだったんだとあらためて気がついた。

 失恋した若者が放浪の旅に出る歌詞は、どこまでも暗く絶望的。下手をすると聴いているこっちまで絶望のどん底へ引きずられてしまう曲。最後の第24曲「辻音楽師(ライアー回し)」で、どこまで続くのか分からない絶望にため息が出る。ゲルハーエルはこの歌曲の若者にどっぷりなりきっているとは感じないけど、聴いている側をどんどん物語へ引きずり込む。落ち込んでいる気分の時には、ちょうどよく感じます。

 フーバーのピアノ伴奏もイイ。ピアノはピアノでしっかりと聴かせる所は聴かせてくれる。ただの伴奏じゃない。伴奏だって音楽の一部。伴奏がなきゃこの歌曲は生きてこない。そんなことを思わせてくれる、いい演奏です。あと、ブックレットの解説もとても詳しいです。勿論日本語。それで1000円で収まるお値段。私もお薦めです。

 「冬の旅」のCDを探してみたら、色々気になる録音が見つかった。大体好きなピアニストのものなんですが、アンスネスのとか、アンドラーシュ・シフのとか。
 シューベルトの歌曲だと、ディースカウで「白鳥の歌」も図書館から借りてきた。ディースカウの声だと「白鳥の歌」の方がお気に入り。とても表情豊か。カップリングされている「音楽に寄せて D.547」や「ます D.550」(ピアノ五重奏曲「ます」のもととなった曲)も好き。


 ディースカウ盤に関して詳しくはまぐさんのブログで。
「きゃべつ畑のかなた:冬の旅」
さらに、「冬の旅」についてもっと詳しい解説はこちら↓
歌曲集「冬の旅」のページ
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by halca-kaukana057 | 2007-03-13 22:13 | 音楽

指が踊るメヌエット

ピアノ練習経過の録音です。

○ペツォルト「メヌエット」
 ト短調は前回の録音で。今回はト長調→ト短調→ト長調の順で通して録音。
メヌエット ト短調のページで3つ目の「ト長調のメヌエット→ト短調のメヌエット→ト長調のメヌエット」です。
通して弾くとまた違う。メヌエットは踊りの曲だが、私は弾いている指が踊っていると感じた。人間も踊るけど、旋律も踊り、演奏する指も踊る。よく分からないけど。

○ブルグミュラー「小さな嘆き」
 途中経過。録音置き場ブログ:小さな嘆きのページ「第1回録音」です。
途中止まりますがご了承ください。音をしっかり把握したいのでペダル無し。
 冒頭の音が、もう少し小さくならないかと考え中。ある程度の大きさの音は出てしまうんだよなぁ。それから、左右の手によって違う強弱を出せたら。左手が強く聴こえる。
 後半以降の緊張感、抑えていた激しさを伸び伸びと出したい。泣きたくても泣けない、悲しいけど表に出せない辛さを表現できたら。でも、あまりにも激しくしてしまったら、また別物だし…。節度が大事らしい、この曲。

 音楽の友社版の、新しい楽譜はなかなか面白いです。解説が深い。色々考えさせてくれる設問つき。子ども向けに書いているが、大人でも十分考える価値あり。やっぱりブルグは面白い!!


ブルクミュラー 25の練習曲 New Edition 解説付
春畑セロリ/音楽之友社
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by halca-kaukana057 | 2007-03-12 21:51 | 奏でること・うたうこと


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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