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地上で食べる宇宙食まつり スペースカレー編

 宇宙食を食べてみるシリーズ。2回目は宇宙日本食レトルトカレー「スペースカレー」です。ハウス食品から発売されたこのカレー。宇宙日本食として初めて一般販売された製品でもありました。

ハウス食品:スペースカレー

 以前から食べてみたいと思っていた。宇宙では味覚が鈍くなるため、普通のカレーよりも濃い目の味つけになっているらしい。辛いものは苦手なんだが…、どんな味がするのだろう?

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箱表。「きぼう」が目印。宇宙日本食のマークもちゃんと入ってます。

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箱の裏にはISSや宇宙日本食の説明など。左下「地上での作り方」ってw実際は加熱用のプレートで温めるのだそう。

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中にはレトルトパウチが。「スペースカレー」の文字がいい味出してる。ここまでは普通のレトルトカレー。

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「地上での作り方」に従って加熱中。ただ単にお湯で温めているだけです。

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ご飯にかけてできあがり!勿論、ISSではお皿に盛って食べる…なんて出来ませんが、ここは地上風に。

 食べてみた感想ですが、思っていたほど辛くはない。食べてからじわじわと辛みを感じますが、そんなに辛くない。なかなか美味しかったです。カルシウムも強化、ビタミンDや大豆イソフラボンも入っているので栄養もばっちり。美味しく元気になれるカレーです。

 レトルトカレーが最初に宇宙に行ったのは、92年毛利さんの初飛行(STS-47)の時。レトルトカレー自体が既に宇宙食っぽかったので、NASAもOKを出せたのだそう。それから、レトルトカレーは日本人飛行士は勿論、海外の宇宙飛行士たちにも好評。ただ、レトルトカレーは公式の宇宙食ではなく、宇宙飛行士個人の「私物」として扱われる「ボーナスパック」だった。そして、「宇宙日本食」、公式の宇宙食としてのレトルトカレーが出来た。レトルトカレーの宇宙進出にも、歴史を感じてしまいます。

 このスペースカレーは全国の科学館やJAXA関連施設、ハウス食品のオンラインストアで購入可能。1つ500円とレトルトカレーにしては高め。ちなみに、現在ハウスではカレーに合うお米とスペースカレー2箱が当たる懸賞をやっているみたいです。これで当てて食べるという手も…。

 宇宙食シリーズ、続きます。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-29 22:43 | 宇宙・天文

ブルグミュラーの困難を楽しめ

 まとまった練習時間はなかなか取れずにいますが、ちょっとの時間でもいいから…と練習しています。たった10分でも、続けていれば何かつかめるはず。

【ブルグミュラー25】
◆22:再会(帰途)
 一定のテンポを保つことがいかに難しいかをこの曲で実感しています。まだスローペースでしか弾けないので、弾いているうちにテンポを上げてしまうと途中から弾けなくなってしまう。最初ゆっくりに弾いていても、途中から無意識にテンポを上げてしまう悪い癖が出てしまっている。ゆっくりゆっくり、落ち着いて。焦らない。完成時のテンポにはまだ無理して近づけなくてもいい。徐々に近づけていけばいいのだから、今は出来るテンポで確実に弾こう。そう自分に言い聞かせて練習中です。

 最初は「何じゃこりゃぁ!?」と思っていたこの曲ですが、練習しているうちにだんだん好きになってきた。楽しくなってきた。難しいことに変わりは無い。弾けていない箇所がいくつもあり、要求される技術や表現にはまだまだ遠いのに、それに近づこうと練習するのが楽しい。ブルグミュラーを続けてきて、「これはブルグミュラー先生のイジメじゃないのか?」と思うほど難しいと感じる箇所に何度も出会ってきた。技術的な部分でも、楽曲読解・理解の面でも、表現での部分でも。例えば11曲目「せきれい」なんて最高のスパルタ曲でないかと思うし、7曲目「清い流れ」も技術的にも、曲の美しさを引き出す点でも本当に難しい曲だと思う。2曲目「アラベスク」は短いようで、未だに弾きこなせていない。本当にブルグミュラーは初級向けの練習曲集なのかと疑いたくなるぐらい。でも、演奏できるようになった時、またその過程でも、美しさや楽しさ、悲しさや寂しさなどその曲の魅力に触れた瞬間や、自分の指で引き出せた瞬間に、この練習曲集を演奏することにして本当によかったと感じる。道のりは険しく要求されるものは厳しいが、その過程がだんだん楽しくなってくる。目指す音を出せた時の充実感がたまらない。今「再会」を練習していても同じことを感じる。ブルグミュラーとともに歩んで約5年(途中半年以上のブランクもあったが)。ようやくブルグミュラーとじっくり付き合えるようになってきたみたいだ。この曲を含め、あと3曲。難しさの中にある楽しさを、最後までじっくりと味わいたい。


 ということで、苦戦している箇所。
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まずは冒頭の左手連打。スタッカートにならずにベタベタになってしまう。右手の和音も、スラーであることに注意。和音の流れがブツブツと切れてしまっている。8小節目から9小節目への流れもきれいにつながらない。滑らかに橋渡ししたいのだが…。

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17小節目から第2主題、左手がメロディーに。右手の和音が大きくならないように。左手のメロディーも流れるようにのびのびと。まだブツブツ切れています。19小節目のp、21小節目のsfにも注意。

 あと、タイトルが「再会(帰途)」とあるように、誰か(家族?友人?)に会うために帰る人を描写していると思われるこの曲。完成時のテンポだとずいぶん速くないかと感じている。走る情景はイメージできない。馬に乗っているならこの速さでもいいと思う。または、物理的な速さではなく心理的な…早く帰りたい、一秒でも早くあの人に会いたいという気持ちを表現しているのかと。どうなんだろう?

 まだまだ練習が足りないけど、まずは一度録音してみよう。
再会(帰途) 第1回録音
まずは一定のテンポでゆっくりと確実に弾くことを目標に。


【プレ・インベンション】
◆ブレ(L.モーツァルト)
 指使いが非常にややこしい。切る音と伸ばす音の違いの出し方も、リズム感も。左手はそんなややこしいものではないのに、ややこしいと感じてしまう。これがバロックの難しさなのだろう。実はこの曲はあまり乗り気ではなかったのだが、この曲もだんだん面白くなってきた。バロックは続けていかないと、すぐに感覚を忘れてしまう。続けてこそ。


********

 練習記録はここまで。さて、「アリエッタ」も終わったので、また新しい曲を始めようかと思っている。何を弾こうかと考えたのだが、そろそろシベリウス「樅の木」をやってみてもいいのではないかと思っている。一番演奏したい、大好きな曲だ。あのアルペジオの嵐と、重く静かな低音はまだ無理だと思ってきた。未熟な状態で、この曲は弾きたくない。未熟な自分が弾いても、この曲の魅力は引き出せない。この曲だけは台無しにしたくない。そうやって「守り」続けてきたのもある。

 でも、「やってみてもいいのでは」と思い始めている。今の自分にこの曲を演奏するだけの技術も、表現力も十分についたとは思えない。やってみてかなり苦労すると思う。半年以上…1年ぐらいかかるかもしれない。だが、挑戦してみたい。挑戦というのはちょっと違うかな。これまでは聴くだけだった「樅の木」を、自分で演奏することで見直してみたい、聴くだけでは気がつかなかった魅力を探してみたいのだ。ええい、とにかく弾いてみたいんだ。

 何ヶ月かかるかわからない。途中で練習が停滞するかもしれない。だが、やってみよう。

 本当は、シューベルト「楽興の時」第3番と、シューマン「美しい5月よ、お前はもうすぐやってくる」(ユーゲントアルバムより)と悩んだ。今もまだ悩んでいる。うーん、でもここは「樅の木」で!!

 エキサイトブログにもようやくYouTube動画を公式に貼れるようになったので、お気に入りの「樅の木」の演奏を。ゆっくりなのもいいな。

もとはニコニコ動画にアップされたもの。
ニコニコ動画版
 YouTubeにもニコニコにも、「樅の木」演奏動画が増えてきているので、いい勉強になります。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-27 23:09 | 奏でること・うたうこと

地上で食べる宇宙食まつり 宇宙日本食羊羹続編

 三沢航空科学館でお土産に買ってきた宇宙食3つ。タイプの全く異なる3種です。一体どんな味がするのか、地上の食べ物とどう違うのか。食べてみなきゃわからない。と言うことで食べてみます。

 第1弾はヤマザキから出ている「宇宙日本食YOHKAN」。この羊羹は「宇宙日本食羊羹を食べてみた」の記事で書いたとおり食べたことがありますが、この時購入したのは一般のスーパー・コンビニで売ってるパッケージが箱のもの。しかし、科学館などでは実際に宇宙に持っていく時と同じ袋に入った正式パッケージ版が販売されているのです。本物の宇宙食のパッケージには、どんな秘密があるんだろう?

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これがその正式パッケージ版。確かに宇宙食に見えます。ちなみに、6月に行ったJAXAタウンミーティングin青森の会場でも、宇宙日本食展示コーナーがあって羊羹も展示されていました。
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販売用ラベルもない、いたってシンプルなパッケージ。
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ラベルを拡大。「You can eat as it is.」=そのまま食べることが出来ます。

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販売用ラベル拡大。「この袋は、宇宙ステーションで使用の際、簡単に破裂したり、開封出来ない様に作られており、宇宙飛行士は開封する際、はさみを使用します。」と書いてある。NASA TVなどを観ているとこの宇宙食ようかんに限らず宇宙飛行士たちははさみを使って袋を開けていたが、それにはこういう理由もあったんだ。

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はさみを使って開けました。外包装はとても薄い。中には羊羹がそのまま…ではなく、箱入り版と同じ個包装が。

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中身は以前食べた羊羹と一緒です。味も一緒。

 さて、このパッケージの何が違うのか。ヤマザキの宇宙日本食YOHKAN公式サイトを見てみると、パッケージについて詳しく書いてあります。「宇宙日本食基準に適合する材質で羊かん包材を構成(4層)しました。」と。宇宙日本食基準…?JAXAの宇宙日本食のページを見てみよう。「宇宙日本食認証基準」のPDFを読むと、包装の大きさなども決まっているようだ。だから小さな羊羹なのに、こんな大きな包装が使われていたのか。素材もアルミニウムと指定があったり、認証されるために穴を開ける試験や落下試験もあるらしい。かなり厳しい。宇宙で食品関係のトラブルや食中毒があっても、すぐには帰還できない。宇宙飛行士の体調が悪くなっても、病院なんて勿論無い。そういう緊急事態のための訓練もしてあるが、そういう危険性はないのが一番。宇宙でも地上と同じ羊羹が食べられるのはいいことだけど、そのためにはクリアしなければいけない壁がいくつもある。これはNASAが決めた基準なのでかつてのロシア(ソ連)の宇宙船や宇宙ステーション「ミール」ではまた違う基準があったのだろうけど、宇宙での食は地上のものとまだまだかけ離れたところにあるのかなと思いました。

 一般発売されていた箱入り宇宙羊羹は100円台でしたが、正式パッケージ版は300円台でした。パッケージの分、値段が上がっています。

 羊羹の回はここまで。続きます。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-26 22:38 | 宇宙・天文

虚空の旅人

 「精霊の守り人」シリーズ第4弾。ようやく文庫版が出ました。

虚空の旅人
上橋 菜穂子/新潮社・新潮文庫/2008


 新ヨゴ皇国の皇太子・チャグムは、隣のサンガル王国の新しい王の即位儀礼に招かれ、チャグムの教育係である星読博士・シュガとサンガル王国へ向かう。その頃、サンガル王国では奇妙な出来事が起こっていた。漁師の娘が伝説の生贄となり、さらに船で暮らす"ラッシャロー"の娘・スリナァは漁の途中で家族や仲間とともに兵士に襲われ、家族と離れ離れになってしまう。スリナァが襲われた理由、生贄となった娘のこと、そしてチャグムが知ったサンガル王国の行く末とは…。



 これまではバルサが主役で、チャグムもバルサとともに出てきましたが今回は完全にチャグムの物語。舞台はお隣サンガル王国。海に面した美しい風景が読んでいて浮かんできた。だが、その美しい海を舞台に繰り広げられるのは、海にまつわる伝説と何カ国をも巻き込んだ陰謀の物語。これまで「守り人」シリーズで語られるのはチャグムの住む新ヨゴ皇国と、バルサの生まれ故郷であるカンバル王国だけだった。それが一気に世界が広がり、国ごとの伝説や考え方の違いがこの「虚空の旅人」で出てきた。作者の上橋菜穂子さんがあとがきで書いているとおり、「シリーズの流れを大きく変えた重要な1冊」となったのです。

 今回も登場人物が多いです。サンガル王国の王子・タルサン。チャグムとは正反対の気質のようではあるが、なかなかチャグムと気が合う様子。タルサン王子の兄弟である三姉妹とともに、今後チャグムと国同士の付き合いになるのだろうか。今巻は皇太子としてのチャグムの成長が見逃せません。国と国の関係についてもよく考えている。賢くなったし、大人になった。それには、シュガの役割も大きい。シュガも星読博士ではあるが、星読博士の間では忌み嫌われている呪術師トロガイにこっそり教えを請い、異世界について多方面から学んでいる。そんなシュガの成長もあったからこそ、シュガはチャグムを支えることが出来た。運命共同体となりつつある2人です。

 一方で、「精霊の守り人」からのつながりも。チャグムが「精霊の守り人」となってしまった理由もほのめかされます。国は変わっても共通する神話や伝説があり、その根底には同じものが流れているのかもしれない。ここは民族学者である上橋さんだからこそ出来ること。民衆の暮らしを味わっていて、民衆の気持ちを理解し何とかしようと全力を尽くし、国に伝わる伝説を自らの身で体験し、異世界に接したこともあり、呪術と武術をかじったこともあるチャグムは、きっと賢く視野の広い、素晴らしい帝になれると思うんだ。


 そして今回も美味しそうな物が出てくる出てくる。海の幸がどっさり。「守り人」シリーズは食べ物の描写が容赦ない。イラスト無し、文章だけでも美味しそうな料理がイメージできるのだからすごい。

 シリーズ第5弾「蒼路の旅人」は今巻の続きのお話。文庫化は来年夏…?遅すぎます。待ってられません新潮社さん。図書館で単行本借りてくる。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-25 22:30 | 本・読書

歌い継がれるETV 今週のクインテット

 今週のクインテットはかなり見所満載でした。

◇月:「モーツァルトの子守唄」
 実際はモーツァルトではなく、ベルンハルト・フリースの作品であることがわかってはいますが、タイトルには「モーツァルトの~」と付いたまま。子守唄の後に「あくびのうた」を繋げているのはうまい。
 スコアさんがコーヒー好きなのは理解できるが、シャープ君は紅茶が好きだったのか。「コーヒー・ルンバ」の回では「コーヒーは苦いから嫌い、牛乳が好き」と言っていたっけ。ならば、ミルクティーが好きなのかしら?
 コンサートの「モルダウ」。演奏後のアキラさんの挨拶が好きです。控えめだけど、敬虔の念を持って演奏を終えたような感じがします。

◇水:「幸せの黄色いリボン」・「なかなおり」
 アリアさんとフラットさんが演奏に関する意見の違いから、けんかをしてしまう。楽譜に正確に演奏しなければと言うアリアさんと、楽しさを出したいから楽譜とはちょっと違っていてもいいと言うフラットさん。意見の違いが2人らしい。
 2人のけんかはここだけでは収まらない。「鉄道唱歌」の後、コンサートの後もエピソードが語られる。つまり、皆一緒に陽気に歌っている「鉄道唱歌」の間も、「エリーゼのために」の間も2人はけんかのわだかまりを抱えていたということか。「エリーゼのために」の激しいアレンジはそんな2人の気持ちを反映しているかのよう。そして、シャープ君とスコアさんの"作戦"で、仲直りする2人。本当は仲直りしたかったけどお互いの気持ちがわからずにいた。この「なかなおり」の歌詞は、まさに仲直りしたくても出来ないもどかしい気持ちと、それを越えての安堵感がストレートに伝わってくる。いい歌です。
 仲直りして「ゆうがたクインテット」テーマを仲良く歌っておしまい、という流れだったわけです。素晴らしいドラマの回です。

◇木:楽器の話新作
 今週の楽器はファゴット。「竹取物語」に絡ませる。ファゴットはかぐや姫を乗せて月からやってきたのだと。そしてかぐや姫が月へ帰った後も、月への信号を送っていた…と。ファゴットは宇宙船だったのかー!ファゴット=イタリア語で「薪」の意味ですが、それを日本風にすると竹…確かに似ている。音も普通はおどけたひょうきんな音とか言われますが、空気を突き抜けていくような音にも聞こえる。この発想はなかった。

◇金:「虹のむこうに」
 弦楽器とフラットさんはデリケートです。虹を見てシャープ君が歌うは「虹のむこうに」。「おかあさんといっしょ」の名曲中の名曲、おさむお兄さんの作詞作曲のあの歌です。おかいつ・クインテットコラボ来た!!さすがシャープ君、声がぴったり!!ギター→マーチ風のアレンジも楽しい。
 クインテットでこの歌が聴けるとは思っていなかった。名曲はその番組内だけでなく、他の番組でも歌い継がれていくのだろう。「クインテット」からうまれた歌も、いつかこうやって別の番組で歌い継がれていくのだろうか。ある番組にとってその歌はその番組だけの歌ではなく、教育テレビ全体にとっての歌でもあるような気がした。


 夕方の本放送ではまだ登場していませんが、朝の「プチ」ではコンサート新曲も登場。本放送で放送されたらゆっくり感想を書こうと思います。朝は忙しくてゆっくり聴いている暇が無い…。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-23 22:04 | Eテレ・NHK教育テレビ

フィンランドデザインと氷の関係

 以前「北欧に学ぶ、冬を"楽しむ"方法」の記事で、北欧デザインと冬の暮らし方について書いた。高緯度の厳しい冬と共に生き、楽しもうとする姿勢が見える北欧のデザインと、そのデザインプロダクトを使ったライフスタイル。そんな考え方が伺えるデザインプロダクトをまた見つけました。

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 これが何かと言いますと、フィンランドデザインの巨匠・アルヴァ・アアルトがデザインした花瓶アアルトベースと同じ形の製氷皿。そう、アアルトベースと同じ形の氷が出来るんです。なんということだ。
iittala(イッタラ):Aalto アイスキューブモールド
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iittalaのロゴ入りです。この青い色がいい。

 2006年、アアルトベース70周年を記念して作られたのだそうです。アアルトベースの形を氷にまでしてしまうなんて、氷に親しむフィンランド人ならではの発想?以前の記事でも取り上げたタピオ・ヴィルカラのgaissaも氷をモチーフとしていた。深読み&勝手な妄想のし過ぎ?

 何はともあれ、氷を作ってみよう。
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 アアルトベースの形がいっぱい。増殖器と呼ぶべきか。
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氷だけ拡大。
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アルヴァ・アアルトの妻であるアイノ・アアルトのグラスに入れてみた。
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夫婦コラボ?

 今度はgaissaに入れてみる。
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入れたのはお酒ではありません。某ぶどう味の炭酸飲料です。

 これまで飲み物に入れる氷に関しては、あまり考えたことが無かった。しかし、デザインプロダクトは飾っておくだけでは意味が無い。使ってこそのデザインプロダクト。イッタラのグラスは、飲み物を入れた時のガラスの透明度がさらに映えると感じるのだが、氷を入れるとまた変わる。違う表情を見せる。グラスは勿論、中の飲み物も氷も全てデザイン・表現の一部。使った時に初めて、ひとつのデザイン・表現として完成されるのかもしれない。だとすると、氷だってデザインしたい。そんなことを、この氷を見て感じました。

 氷だけでなく、ゼリーやシャーベットを作っても楽しそう。ゼリーの場合、この製氷皿がゴム製で曲がりやすいので、ゼリー液をこぼさないように注意が必要。固めのほうがよさそう。あと、羊羹を作ってしまった人もいるらしい。アアルトベース型の羊羹…。和洋折衷ならぬ、和芬折衷?

 フィンランド・北欧デザインにはこんな面白いものもあったのか。まだまだ奥が深い。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-21 23:04 | フィンランド・Suomi/北欧

月をめざした2人の科学者 アポロとスプートニクの軌跡

 少し前に、はてなブックマークでこんな記事が話題になっていました。

はてな匿名ダイアリー:ソ連宇宙オタが非オタの彼女にソ連宇宙世界を紹介するための10機

 非常に濃くて面白かったwヒロイック的なイメージのアメリカ宇宙世界もいいけど、細かいことにはこだわらずシンプルかつ実用的でタフなソ連・ロシア宇宙世界も好きだ。ソユーズは本当にタフで安定性があるし、ミールもいろいろあったけど、宇宙開発史の中で忘れられない存在。エネルギアなんてとんでもないロケットもあったし、結局有人探査は出来なかったがアメリカに先駆けて月探査を行った「ルナ計画」も印象的。ちなみに、私はルナ17号・21号に搭載された世界初の月面無人探査機「ルノホート」が好きです。

 ルノホートは、こんな探査機です。食玩「王立科学博物館 第1展示場」より「赤いロボット」ルノホート1号
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 前置きはここまでにして、この「ソ連宇宙オタが~」の記事の中に、何度も出てくる名前がある。コロリョフ…ソ連宇宙開発になくてならない人、セルゲイ・コロリョフ。このコロリョフがソ連の宇宙開発をリードしていた頃、アメリカにはヴェルナー・フォン・ブラウンがいた。そう、ドイツでロケットの研究をし、第2次世界大戦後アメリカに渡りアメリカの宇宙開発をリードする。コロリョフのライバルだ。そのコロリョフとフォン・ブラウン、ソ連とアメリカの宇宙開発競争について書かれたのがこの本。

月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡
的川泰宣/中公新書・中央公論新社/2000

 お互い少年時代に空、そして宇宙へ憧れた。1930年代にはロケット・ブームが訪れ、2人はそれぞれソ連とドイツでロケットの研究・開発に尽力する。しかし、迫り来る戦争と国家の力の波。その波にのまれ身動きできなくなるコロリョフと、目指していた方向とは違うけれども使えるものは使おうと波に乗るフォン・ブラウン。この本を読んでいて強く感じたのが、宇宙開発は国家が無くては出来ないということだ。

 2人がライバルとして争った(コロリョフは死ぬまで表舞台に名前を出されることは無かったが)1960年代は、米ソが互いの威信をかけて宇宙を、月を目指していた時代。ロケットを開発するにも打ち上げるにも莫大な予算がかかる。しかも、アポロのサターンVロケットなんて巨大なロケットだと、とんでもない予算がかかる。それでも、米ソは国家の威信とライバルに打ち勝つために、お金と時間と最新技術をかけて争った。今、日本では宇宙開発予算…だけでなく科学に関する予算そのものが十分に足りていない。予算が足りないからと、実現が困難なプロジェクトも多い。そんな今の日本から見れば…勿論当時の米ソとは考え方も目的も違うけど、この時代の国が宇宙開発にかけるパワーは計り知れないものだと感じる。

 そんな国の支援を背景に、宇宙を目指すコロリョフとフォン・ブラウン。追い抜いたり、追い抜かれたり。ガガーリンとライト・スタッフだけをとっても、両国の有人宇宙飛行に対する考え方の違いが見えて面白い。そして、最初は負けっぱなしだったが月に照準を絞ることでソ連に追いついたアメリカ。一方、リードしていたのにいろいろ手を出しすぎて有人月飛行ではアメリカに追い抜かれてしまったソ連。この戦略の違いも面白い。

 ただ、ソ連の場合は1966年、コロリョフの死によって大きく狂いだす。コロリョフのリーダーシップがいかに大きかったかがわかる。コロリョフがもう少し長生きしていたら、サターンVロケットに対抗するN-1ロケットを完成させて、米ソ宇宙開発競争はもっと過熱していたかもしれない。

 コロリョフとフォン・ブラウン。国も考え方も違う2人だが、宇宙を目指していた強い思いは同じ。戦争や国の圧力にもめげず、その意思を貫いたからこそ、今の両国の宇宙開発、いや、世界の宇宙開発の今があるのではないだろうか。

 ところで、フォン・ブラウンは子どもの頃、母からピアノの手ほどきを受け、ヒンデミットのレッスンを受けたこともあったのだそう。すごい…。中学ではチェロのレッスンも受け始め、学校のオーケストラで演奏したり、作曲もしてたんだそう。ロケット研究をしていた"秘密基地"ペーネミュンデでも研究者たちと弦楽四重奏団を結成してモーツァルトやハイドン、シューベルトなどを演奏していたのだそうだ。フォン・ブラウンのチェロ演奏を聴いてみたかった!作曲した作品も、どんな作品だったんだろう?

 最後に、この本を読んでいる間、こんなしおりを使っていました。
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 JAXAの宇宙飛行士候補生募集の宣伝しおり。友人からもらいました。友人は科学館で見つけたらしいが、本屋にも置いてあったらしい。面白いものを作ったなぁ、JAXA.いいぞいいぞw
 宇宙つながりで脱線しまくりでしたがこの辺で。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-19 23:12 | 本・読書

飛行機と空へのあこがれ 三沢航空科学館

 PCが壊れるかなり前に、青森県三沢市にある「青森県立三沢航空科学館」に行ってきました。5年前にオープンした、比較的新しい科学館。しかも展示の中心は飛行機。面白そうです。

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ガラス張りのカッコイイ建物です。

 この三沢航空科学館の隣には米軍基地や自衛隊の三沢飛行場も。三沢飛行場からは戦闘機がびゅんびゅんと飛び立っていました。戦闘機が飛び立つところを見たのは初めて。エンジンの物凄い音に圧倒されていました。

 この三沢市は、1931年、世界初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げた「ミス・ビードル号」が飛び立った地。そのミス・ビードル号をはじめとした歴史に名を残した飛行機に触れ、科学体験もできるのがこの科学館のコンセプト。展示も飛行機と科学体験のコーナーに分かれています。

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ミス・ビードル号(復元機)がお出迎え。こんな小さな飛行機で太平洋を横断したなんて。

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館内で眼を引くのが現在唯一の国産旅客機「YS-11」。2002年まで実際に運行されていた機体です。
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YS-11のコックピット。中に入ることも出来、座席に座ることも可能です。コックピットにも座りたかったけど、コックピットは見るだけ。

 館内、飛行機の展示の他には科学体験が出来る設備が沢山。飛行機に関するもの、フライトシュミレーターもありました。こういうの大好き!と見て、触っていたのですが…大人一人で、しかも平日の午前に行くのは結構寂しい。ボランティアスタッフさんがあちこちにいるのだが、私が興味深そうに展示を見ていても話しかけて来るスタッフはほぼ皆無。寂しい。私から話しかけていくべきだったとは思う。比べるわけじゃないが、都内のある科学館では大人一人でもスタッフの方々が気さくに話しかけてくれて、体験設備を使って解説してくれたのに…。設備は充実しているのに残念。こういう体験型科学館は、体験しないと面白くない。面白くならない。子どもたちには、積極的に解説していたみたいだが…。

 館の外には、戦闘機や自衛隊のヘリなどが展示されてました。
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F-16戦闘機

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F-104戦闘機のコックピット。コックピットには自由に座れます。コックピットに座れる機体がこんな風にいくつかありました。

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陸上自衛隊のLR-1とそのコックピット。座ってみたが、狭い。他の機体でも、コックピットはとにかく狭い。体格のいい隊員たちは狭く感じないのだろうか…?

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T-2ブルーインパルス。

 戦闘機をじっくり見ていくうちに、カッコよさに惚れました。特にコックピットの機器類。カッコよすぎです。飛行機野郎の空へのあこがれを乗せて、空を飛び続けてきた飛行機たち。空を真っ直ぐに目指す機体の美しさと力強さ。そんな飛行機…飛ぶモノが大好きです。中の科学体験コーナーよりも、こっちの方が面白いと感じてしまいました。しかし、野ざらしで錆びたりしないのだろうか。

 お土産屋さんではこんなものを買いました。
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 航空科学館に行ったはずなのに、宇宙関係のものばっかりってどういうことだろう…。宇宙日本食羊羹の正式パッケージバージョン、そしてずっと食べたいと思っていた宇宙食カレーもあった。そのうち、宇宙食祭りします。

 これもお気に入りです。
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H2Aロケットミニチュア。330分の1の大きさです。これもずっと欲しかったんです。
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フェアリングを外すと人工衛星…ではなくボールペンが。


 航空科学館の飛行機画像は、はてなフォトライフでも公開中です。ここに載せ切れなかった画像もあります。
halca-kaukana's fotolife- 三沢航空科学館'08
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by halca-kaukana057 | 2008-08-18 23:08 | 旅・お出かけ

通常更新に戻ります

 ようやくパソコンが直りました。パソコンのない生活は本当に不便であることを実感した2週間でした。ということで、通常更新に戻ります。書きたかったことがたくさんあるので、しばらくはそれを徐々に書いていこうと思っています。

 パソコンは直りましたが、これまで保存していたソフトウェアやブックマーク、設定などは消えてしまいました。それを元に戻すのが一苦労です。パソコンも、人の癖が出るのだなぁと実感しています。

 それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

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by halca-kaukana057 | 2008-08-17 21:43 | information

ドリトル先生の楽しい家

 ドリトル先生シリーズもいよいよ最終巻。短編集として、ロフティングの死後まとめられ出版されました。

ドリトル先生の楽しい家
ヒュー・ロフティング/井伏鱒二:訳/岩波書店・岩波少年文庫
 
 ドリトル先生シリーズでは、各所に短編のようなお話や、動物たちが語る経験談が語られる。この短編・小話が面白い。ロフティングはこういう小さなお話を書くのが得意だったのではないかと思われる。ドリトル先生という大きな枠組みの物語を彩り、スパイスを与える沢山の短編。短いお話の中で、動物たちは生き生きと活躍し、彼らなりの視点で世の中を、人間たちを見ている。その鋭さと楽しさがいっぱい詰まっているのが、この最終巻です。


 お話は犬たちのこと、鳥たちのことなど。ドリトル先生の周りではいつも動物たちが巻き起こす楽しい「事件」が起こる。特に「船乗り犬」と名探偵犬・クリングの事件簿は飛びぬけた面白さ。船に乗り、船乗りと共に生活していた犬のローバー。そのローバーが船に乗っていた頃起こした事件と、ある一人の船乗りの少年との物語。前巻「緑のカナリア」のピピネラと窓拭き男と同じように、犬の言葉を全部正確に理解できなくても、動物と心を通わすことは出来る。信頼と絆が強ければ。再びそう感じた。一方「動物園」で出てきた名探偵犬・クリングも再登場。ドリトル先生の家の前で、男が一人倒れていた。意識を取り戻した男は、金を盗まれたと言っている。男を気絶させたのは誰なのか、盗まれたという金はどこへ行ったのか。そして事件の真実は…。怪事件の謎を次々と解いてゆくクリング。ドリトル先生は探偵小説としても楽しむことが出来たのです。クリングの捜査の腕・洞察力はベルギーで警察犬として働くうちに身に付けた。もし人間が警察犬の言葉を理解できれば、解決する事件も増えるんじゃないかと思ってしまう。


 さらに、うじ虫の大冒険とドリトル家にやってきたある子どものお話。うじ虫の話は、さすがロフティング。冒険ものは得意です。一方、これまでドリトル家に新顔の動物がやってくるのは良くある話だったのですが、これが動物ではなく人間だったら…というのが「迷子の男の子」のお話。ドリトル先生も動物たちもお手上げの騒動を巻き起こす迷子の少年。ドリトル先生にとっては、動物よりも人間と心を通わす方が大変なんだろうなぁ。


 以上、これでドリトル先生シリーズは最後です。動物の言葉を理解し、コミュニケーションできたらという夢を実現してしまったドリトル先生の大冒険もここで幕を閉じます。冒険ものであり、月へ行ってしまうSF要素もあり、ファンタジーでもあり探偵ものでもある。子どもたちがこれから読むであろう様々な文学のジャンルを広く扱い、文学への第一歩として楽しむことも出来る。また、一般的には児童文学と括られていますが、大人が深読み・更なる空想をするにも充分な面白さと深さがある。しかも、書かれたのは第一次世界大戦~第二次世界大戦の頃。読み継がれてきたのには元々の面白さもあるし、特に日本では井伏鱒二の名訳もある。ずっと後世に残っていって欲しい、私も語り継ぎたい物語のひとつだと感じました。

 これで最後と書きましたが、ブタのガブガブの番外編もあります。それはそのうちゆっくりと
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by halca-kaukana057 | 2008-08-14 20:49 | 本・読書


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