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数学ガール フェルマーの最終定理

 以前読んだ「数学ガール」の続編です。

数学ガール フェルマーの最終定理
結城 浩/ソフトバンク・クリエイティブ/2008


 数学をこよなく愛する才媛・ミルカさんと、数学にハマり始めたバタバタっ娘・テトラちゃんと、数式を解くのが趣味の"僕"、さらに"僕"の従妹で中学生のユーリも加わり、さらに数学の森へ深く進みます。「フェルマーの最終定理」というと、「3以上の自然数nについて、x^n + y^n = z^n となる0でない自然数(x, y, z)の組み合わせがない」(^nはn乗)という数学史上最大の難問とされた問題。何度か耳にしたことはあったが、なにがどうして大問題と言われてきたのか、よくわからずにいた。

 「フェルマーの最終定理」とタイトルにあるので、最初からフェルマーの最終定理を証明していくのかと思ったら、"僕"とユーリの星に関する話、そして数学クイズから始まった。この数学クイズが面白くて、とっつきやすかった。中学生のユーリが加わったことで、高校の数学を忘れかけている数学音痴の私も、考えながら読み進められました。

 これまで、数学は物理学や化学、天文学など「自然科学」とはちょっと違うなと感じていた。天文学なら、望遠鏡で天体を観測し、そのデータを調べて研究する。自然に存在するものを観察して、研究するのが「自然科学」だと思ってきた。こうじゃないかと予想理論をたてることもあるけど、それを実証するために実験・観察する。でも数学は、数は自然に存在するけど、数は無限に作ることもできる。負の数や虚数など、自然界には存在しない数も作り出す。人間の手で作り出すことも出来る。そこが、他の「科学」とちょっと違うなと私は感じていた。

 でも、この本を読んでそれは違うとわかった。数にも素数や偶数・奇数など様々な性質がある。その性質を研究し、新たな問題を発見し、それを証明する。また、負の数や虚数も新しく「定義」されたものだ。新しく定義された数や数式を研究し、また新しい問題を見つけ、さらに定義する。第9章でユーリが言ったように、無理やりこじつけるのではなく、数式で定義する。定義することで、数学の世界はさらに広がる。数学も天文学に似ていると感じた。数学も、最初は整数しかなかった。それが負の数、虚数、複素数平面、幾何学的数論と進歩してきた。天文学も、最初は地動説すら信じられていなかった。それが地動説が証明され、太陽系の惑星がどんどん見つかった。冥王星が惑星から外れたように、観測・研究が進んで定義も変わる。さらに銀河や星雲、星団、ブラックホールなど様々な天体の観測・研究も進み、ハッブルが宇宙が膨張していることを発見し、ビッグバン理論が生まれた。そして今はダークマターの研究が進んでいるように。数学者は今、最前線でどんな研究をしているんだろう?きっとワクワクするような研究をしているに違いない。

 フェルマーの最終定理も、そんな数学の様々な理論、定義を総動員した定理だということが分かった。代数と幾何を関係づけるように、理論も関係づけて証明する。何度読んでも、楕円曲線やモジュラー、フライ曲線が何なのかはよく分からない。でも、ユーリと同じようにわからなくても話を聞いていたいとページをめくった。わからないけど面白い。不思議な感覚だ。

 第1弾では数学入門者だったテトラちゃんも、数学の面白さにハマってゆく。その一方で、その問題を解くカギは持っているのに解けない悔しさを味わう。わかる。何もわからないから解けないよりも、途中までわかっているのにわからないのが悔しい。また、今回ミルカさんはテトラちゃんやユーリに問題を出す。その問題に対して、反射的に「わからない」と言うのに対し、「だめ。ちゃんと考えなさい」とバシッと言うのにドキッとした。私自身、ぱっと見て難しそうだと思うと、反射的に「わからない」と思考停止してしまう。間違うのが怖い、考えようとしていない証拠だ。間違っても、途中までしか理解できなくてもいい。考えずに「わからない、無理」と言わず、まずは考える。まずわからないことをひとつひとつ洗い出し、解明する。そしてわかったことをひとつひとつカギとして考えてゆく。まずは考える。その姿勢が大事なんだ。どんなに難しい問題でも、まずは考える姿勢で挑む。そうミルカさんに教わった。ミルカさんに感謝したい。

 以前読んだ「博士の愛した数式」(小川洋子)でも出てきた「オイラーの式」(オイラーの等式)についても出てきます。ユーリと同じく、完全には理解できていないし、美しいのかどうかもよくわからない。でも、この式には面白いもの、不思議なものが詰まっている。数式にひきつけられる感覚が、少しだけ味わえた。シンプルでエレガントな数式か…。ワクワクする。

 全編にわたって宮澤賢治「銀河鉄道の夜」の一節が引用されていて、賢治好きとして嬉しくなりました。数学の旅も、宇宙の旅と同じぐらい不思議でワクワクする。そして今回は鍵盤大好き少女・エイエイの登場回数も多くて嬉しい。スピンオフ作品として、エイエイ主役で「鍵盤ガール」なんて読みたいな…なんて。演奏は楽譜をなぞるだけじゃない。作曲家が作品に音として込めた想いや、演奏の楽しさと苦悩。うん、読んでみたいな…。誰か書いて(そこまで考えているんだったら自分で書けと言われそうな…。)


 「フェルマーの最終定理」と言えばこの本も。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

サイモン・シン / 新潮社


 歴史読み物感覚で読めるそうだ。買ってきた。さらに、第3弾「ゲーテルの不完全性定理」も発売。ゲーテル…聞いたことない。図書館に入るのが待ちきれないな。買っちゃおうかな。楽しみです。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-30 23:37 | 本・読書

考えるための道具としての知識

 久々に天文仲間の方々と、星見をしてきました。薄曇りで、空は澄んでおらずあまり条件はよくないため、月と木星しか観られませんでしたが、それでもどちらの天体も何度観ても見入ってしまう魅力があります。月のクレーターのでこぼこ、海の部分の色、陰影。木星の縞模様、4つのガリレオ衛星。眼で観るだけでなく、スケッチしたいなと思った。残念ながら紙も鉛筆もなかったので出来なかったが、もっともっとよく観たい、もっと月のことも木星のことも知りたいと思った。あのクレーターはどのくらいの大きさ、高さ、深さなのだろうか。どんな名前が付いているのだろうか。「かぐや」が月に還った場所はどのあたりだっただろうか。いつも当たり前のように観ている月について、もっと知りたくなった。

 そんなことを考えながらしばらく月を観ていて、何かについてもっと考えようとしている時や疑問を持つ時、知識は必要となってくるのではないかと思った。これまで、知識と言うと詰め込んで、自分の中にためておくもののようなイメージがあった。でも、知識は力となる。例えば月なら、クレーターや月の岩石など月に関する知識をもとに、もっと深く知り、疑問を持ち、考えることが出来る。音楽なら、時代や作曲家、作品に関する背景や楽典を知って、作品についてより深く考えることが出来る。知識は道具となり、その道具を技として使い、さらに学んでいける。

 何かについて、もっと知りたいという気持ちは、それについてもっと考えたいという欲求のあらわれなのかもしれない。知識ばかり増やして何になる、知識の詰め込みはよくないという考えもあるけれども(自分自身そう考えていた)、知識がないと考えるにも考えられないと思う。知識と、その知識を使う経験、そして知識を使って考え、さらに深く知る。学ぶことはその繰り返しなのだと思う。何かについて知りたいと思ったら、ためらうことなく調べて、知識を蓄えよう。きっと、その蓄えが視野を広げ、考えを深めることにつながるはず。

・関連記事
課題を持って取り組むこと
道標を見失う
道標を見失って、つかめたもの
 「課題を持って~」から続いてきた、自分の学ぶ姿勢に対する悶々とした悩みへの答えが、さらに見つかったと、この記事を書いていて感じました。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-29 21:51 | 日常/考えたこと

ふたつのスピカ 16(最終巻)

 ようやく心の整理もついたので、「ふたつのスピカ」16巻、最終巻感想を書きます。
「ふたつのスピカ」最終巻に寄せて


ふたつのスピカ 16
柳沼 行/メディアファクトリー・MFコミックス フラッパーシリーズ/2009

 宇宙学校宇宙飛行士コース4年次に進級したアスミ。2010年の「獅子号」の打ち上げ、そして事故から17年。アスミが搭乗する日本の有人ロケットの打ち上げが迫っていた。アスミの父・友朗はこれまでの生活から、新たな一歩を踏み出そうとしていた。宇宙学校を卒業し、それぞれ別の道へ進んだケイは、別の道で宇宙への想いを温め続けていた。医学コースに編入したマリカは授業で忙しい日々を送る。そして、アスミの乗る新「獅子号」が打ち上げられた…。

 ライオンさんと出会い、父の背中を見て、宇宙への夢を育み続けてきたアスミ。その夢がついに叶えられる。しかし、この16巻前半ではアスミ本人の言葉や宇宙への想いは少ない。むしろ、アスミ自身のシーンが少ない。打ち上げまで描かれるのは、ケイやマリカ、府中野、友朗たちの現在や、子どもの頃の回想シーン。でも、そのシーンがアスミの宇宙へ向かう心境を間接的に、ささやかだけれども強くあらわしていると感じた。アスミが宇宙に行くことは、アスミだけの夢ではない。秋も含めた、皆の夢。この「皆」には、読者も含まれると私は思う。アスミ視点ではなく、周りの視点から、夢へのカウントダウンをドキドキしながら待ち、そのドキドキを共有しているような感じになった。一緒にアスミを見守り、応援しているような。そしてその数少ないアスミの出発前の言葉が、胸に響く。特に友朗へ電話するシーン。まずここで泣いた。

 そして打ち上げ、宇宙へ。アスミが見た地球の青さ…。私もきっと、友人や家族に会って伝えたいと思うだろう。でも、うまく言葉に出来るか、自信がない。

 後半は帰還後。唯ヶ浜花火大会で皆と再会の予定が…。アスミにとって、宇宙飛行士へ導いてくれた存在であり、どんな時もそばにいて励ましてくれた大きな存在であったライオンさん。そのライオンさんが…。アスミが宇宙へ行くことは、ライオンさんの夢でもあった。ライオンさん自身、「獅子号」事故で死に宇宙への夢を断たれてしまう。そんなライオンさんにとっても、アスミは希望であり夢を叶えて欲しい存在。アスミが夢を叶えて、ライオンさんも気持ちの整理が付いたのだろう。

 アスミが宇宙への夢を持ち始めた頃、アスミはひとりだった。ライオンさんはアスミにしか見えないから、アスミが宇宙への夢を素直に語り、それを聞いてくれるのはライオンさんだけ(府中野も微妙に巻き込まれていたが)。でも、今はケイやマリカ、府中野がいる。アスミはもうひとりではない。2巻あたりで、アスミがマリカに「ひとりじゃ宇宙へは行けないよ」と言ったことがあった。その時は、マリカへの言葉だと思ったが、今考えてみるとアスミ自身への言葉だったのかもしれない。

 この漫画を読んでいると、大切な家族や友人たちのことを想います。時々ひとりになると、その孤独に押しつぶされそうになることがある。でも、ちゃんと心でつながっている人がいるんだ。そんな人々の存在を想い、絆を大切にしたい。心からそう思います。

 最終話、アスミたちのその後と、アスミの新しい夢。宇宙に行くこと、それがゴールではない。また新しい夢の始まり。皆それぞれの道を進むが、宇宙への夢という共通項でつながっている。そんなラストシーン…余韻たっぷりの、「スピカ」らしいエンディングでした。

 この漫画と出会って9年。当時大学生だった私は、社会人になった。大学生の頃持っていた夢は叶えられなかったけど、そのために勉強したこと、努力したことはいい経験になったと思っている。夢とは呼べないかもしれないけど小さな願望や、夢の卵らしきものは今持っている。そして、この漫画を読んで人とのつながりを強く意識するようになった。前にも書いたとおり、昔は人と関わることをあまり好まない、マリカみたいな人間だった。でも、色々な人と出会って、人それぞれ考え方が異なること、それでもわかりあえる可能性はあることを徐々に経験していって、今に至る。この作品を読んで、アスミやマリカ、ライオンさんの言葉に何度共感したことか。今もコミュニケーションは得意とは言えない。気になる人に話しかけたくても勇気がなくてなかなか話しかけられないし、なかなか仲良くなれない。人と仲良くなるのにとても時間がかかる。不器用だと思う。それでも、今ある人間関係は大事にしたいな、と思う。

 最後まで温かい、味わい深い作品でした。この作品に出会えて、本当に嬉しかった。柳沼先生、本当にお疲れ様でした。そして、素晴らしい物語をありがとうございました。

長いですが、もう少し続きます 【続きを読む】
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by halca-kaukana057 | 2009-10-27 23:36 | 本・読書

星ぼしに名前を

 JAXAの人工衛星・探査機の「名前」に関する話題が2つ。

 まず、「準天頂衛星」愛称募集キャンペーン。以前、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の愛称名付け親のひとりになることが出来ましたが、また来ましたよ衛星の愛称募集。今回は準天頂衛星。…準天頂衛星なんてちょっと難しい名前ですが、どういう衛星かというと、GPSと組み合わせてどんなところでも正しい位置情報を測位できるようにするなど、測位技術の高性能化を実現する衛星です。

 詳しくは以下参照。
JAXA 宇宙利用ミッション本部:準天頂衛星システム ミッション

 という衛星なのですが、ぴったりとくる言葉が思いつかない…。難しいぞ今回は。測位、地図…。うーん。しばらく考えます。締め切りは12月16日まで

JAXA:準天頂衛星初号機の愛称募集について
準天頂衛星愛称募集キャンペーン

*****

 次は、愛称ではなく、皆の名前を載せる探査機のお話。来年度打ち上げ予定の金星探査機「PLANET-C」の愛称が「あかつき」に決まりました。ISASでは衛星・探査機が打ち上げられてから命名するのが伝統のはずだったのですが、今回は打ち上げ前に決めてしまったみたいです。いい名前です。

ISAS:金星探査機 PLANET-C あかつき
金星探査機 あかつき プロジェクトサイト

 その「あかつき」に名前やメッセージを載せて、金星に届けようというのがこのキャンペーン。火星探査機「のぞみ」、小惑星探査機「はやぶさ」(いよいよ来年帰還か…待ってるからね!!)、月周回衛星「かぐや」でも募集しました。「のぞみ」の時は送れませんでしたが、「はやぶさ」以降は家族まとめて送ってます。もちろん、今回も送ります。締め切りは12月25日まで。名前だけでも金星旅行、どんどん送っちゃいましょう!

「お届けします!あなたのメッセージ、暁の金星へ」~「あかつき」メッセージキャンペーン~

 さぁ、メッセージはどうしようか。20文字まで。短いな…悩む。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-25 21:48 | 宇宙・天文

「ふたつのスピカ」最終巻に寄せて

 最終巻となる「ふたつのスピカ」16巻を読みました。本屋で手にとって、表紙と帯を見てこみあげてくるものがありました。ああ、長い長い物語が、ずっと読み続けてきた物語が、ついに終わるのだ、と。読み始めて、覚悟はしていましたが、ありとあらゆるシーンで涙が出てきた。最終話は掲載紙「コミックフラッパー」を本屋で見つけて(普段その本屋にはフラッパーは置いていなかった。これまでフラッパーを買ったことはなかったが、せっかくなので買っておいた)買って読んでいたので結末はわかっていたのですが、16巻を通して読むとここが終着点なのだという実感がわいて、また涙。

 いつものように感想を書きたいのですが、感動と「スピカ」に対する9年分の想いがごちゃまぜになって、適当な言葉が出てきません。何度も読んで、落ち着いたら書こうと思います。

 9年前、雑誌「ダ・ヴィンチ」で1巻が小さく紹介されているのを読んだのがこの作品と出会ったきっかけだった。宇宙好きとして、「宇宙飛行士を目指す女の子の物語」という内容に興味を持った。表紙絵もいいし、絵柄も気に入った。で、読んでみたら…SFのはずなのにどこか懐かしい雰囲気、温かい物語とアスミやライオンさんたちの言葉に、心をわしづかみにされました。アスミが宇宙学校へ入ってからも、共感するシーンや言葉が多かった。自分自身、初期のマリカのように人と関わるのをあまり好まないところがあった(マリカほど過激ではないが)。そのマリカが、アスミたちとの関わりを経て、自分の抱えているものや過去を受け入れ前に進もうとする姿に、何度心打たれ勇気をもらえたことか。


 本当にいい作品に出会えて、完結まで見届けることができて良かったと思う。感動をありがとう。

 詳しい感想は、また後日あらためて書きます。今日はここまで。

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 なんとなく、星座関係の本と一緒に記念撮影してみたくなった。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-24 20:39 | 本・読書

曇っても粘り勝ち オリオン座流星群2009レポ2

 昨日に引き続き、オリオン座流星群の観測です。24時ごろから約1時間半、家の窓から東の空を観測をしました。観測を始めた頃は、またしても雲が。でも、黙ってそのまま待っていました。すると、雲がどんどん流れていき、澄んだ夜空と煌びやかなオリオン座が!よっしゃ、晴れた!諦めないで粘って良かった。

 約1時間半で、6個の流星を確認できました。流星群とは異なると思われる流星も2個。オリオン座流星群は速度が速いと聞いていましたが、確かに速い。スッと流れて、すぐに消えてしまう。痕もあまり残らない。流星群ごとで個性が出るのは、本当に面白いなぁ。何故なんだろう?母彗星の塵の特性?塵の位置?

 写真撮影も試みましたが、流星の撮影はできませんでした。難しいなぁ。でも、きれいなオリオン座が撮れたので載せておきます。
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 しかし、観測の間寒かった。さすがに疲れてきたので、今晩は晴れてはいますがお休みにします。来月のしし群でも、流星がたくさん見られるといいな。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-22 20:49 | 宇宙・天文

雲の切れ間をねらえ! オリオン座流星群2009レポ1

 極大を迎えたオリオン座流星群。今日未明、家の窓から観測してみました。しかし、空には雲が。ただ風が強く、雲の流れは速い。これは切れ間を狙えば観られるかも?と思い、切れ間を狙いつつ、広く空を眺めていました。40分ぐらい粘って、観測できたのは1個。オリオン座方向から流れてきたので、流星群の流星でした。その後、雲が厚くなり空は雲ばかり。完全燃焼とは言えない結果に終わりました。

 しかし、とても明るい…1等ぐらいの流星でした。あの雲の状態で観れたのはラッキーだったかも。同じ地域に住む天文仲間の話によると、日付が変わる前あたりは晴れ間も多かったらしい。なんですと…?天文好きとしてどうなんだと思うのですが、実は私は夜更かしが苦手。日付が変わるあたりまで起きていると、頭がもうろうとして翌朝にもひどく影響します。でも、早めに寝て夜中・早朝に起きるのは得意。今回もそんな自分の特技を活用してみたのですが…残念。

 今晩、今のところ雲はあっても少なめ。夕方雨が降ったので、空の透明度はよいはず。今夜は日付が変わるあたりに起きて、観測を始めることにします。
 オリオン座流星群は23日ごろまでがピーク。一方、しし座流星群はピークの日が限られる。流星の速さ、流れ方も流星群ごとで結構違う。面白いもんだなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-21 20:54 | 宇宙・天文

来るか、オリオン座流星群2009

 現在、オリオン座流星群が見ごろの時期を迎えています。オリオン座流星群…あまり聞かない流星群だなぁと思ったのですが、近年活発な出現が観測されている。そして、今年は当たり年らしい。

アストロアーツ:次回は70年後?活発な出現が予想されるオリオン座流星群
アストロアーツ:2009年10月21日 オリオン座流星群が極大
↑オリオン座流星群について基礎的な内容を。

世界天文年2009:ガリレオくんと仲間たち 第20回 第20回 「この秋、流れ星が増えるかもしれないのじゃ」の巻
↑漫画付きで、親子で一緒に読めるサイトです。しかも詳しい。おススメです。

国立天文台:「見えるかな?オリオン座流星群」キャンペーン
↑観察報告ページもあります。

 オリオン座流星群の母彗星はあのハレー彗星。そうだったのか。そのハレー彗星が通った後に残った塵の帯の中を地球が通過するため流星群が観測できます。オリオン座のあたりから流星が流れますが、オリオン座のあたりだけを見ず、オリオン座から少し離れたあたりや空全体を眺めると、より流星を観察出来ると思います。極大は明日21日ですが、23日ごろまで見ごろです。

 今は月もなく、夜空も澄んで観望にはぴったりの季節。さらに11月には2001年に大流星群になったしし座流星群が当たり年の可能性(あの大流星群は素晴らしかった…!思い出すだけで、胸がときめきます)。12月にはふたご座流星群も条件よし。この秋~冬は流星群でたっぷり楽しめます。ワクワクしてきたぞ!でも寒いので、観察する時は防寒対策を忘れずに。
 問題は天気。どうも最近雲が多く、にわか雨も多い。さらに体調もまだ全快とは言えない。無理しない程度に、空を眺めてみます。一応カメラも用意しておこう。

twitter: #orion2009
はてなハイク:オリオン座流星群
 こちらでも投稿がさかんなので、参考に。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-20 21:07 | 宇宙・天文

音楽を、もっと自由に楽しめたら

 先日、久々にコンサートに行ってきました。チェロリサイタルで、初めて聴く作品も多かったのですが、作品も演奏も魅力的でとても楽しめました。コンサートの内容について、詳しく書くかどうかはちょっと考え中なのですが(勿論、素晴らしいコンサートでした)、聴いていて考えたことを。

 もっと自分は自由に音楽を楽しんでいいんじゃないかということ。

 ピアノでは、今はソナチネというアリ地獄にはまっているような状態(辛い・苦しんでいるわけではないのだが)。でも、世の中にはもっとたくさんの楽曲がある。ブルグ25終わったらソナチネ…というのがよくあるルートだけど、そのルート通りに「進まなければならない」わけでもない。もっと頭を柔らかくして、「こうしなければならない」という考え方を弱めて、もっと自由に、好きなように音楽を楽しんだらいいんじゃないかと感じたのです。

 以前は、「こうでなければダメ」という思いが、自分に対してだけでなく、人に対してもとても強かったと感じています(昔のピアノ・音楽に関する記事をよくわかるかと思います。それらの記事へのリンクは、今は時間がないので省略)。練習曲をやるなら曲集全部、楽譜も読み込んで、CDも聴きこんで、「テキトー」「一応」「なんとなく」は許さない。特に自分の場合は独学だから、よりしっかりしなくては。そうじゃないと、クラシック音楽は理解できない!、と。でも、今は考え方が柔らかくなってきたと感じている。自分のやりたいように、今はあいまいなところがあってもいい。その時理解できなくてもいい。ひとつひとつ、できることから、ゆっくりとやっていけばいいんだと思うようになった。

 音楽の楽しみ方はひとつじゃない。私は、ただ「音楽に触れていたい」だけなんだろうと思う。「音楽に触れる」、それは演奏することだけとは限らない。聴くこともそうだし、音楽に関する本を読んだり、楽譜を読み解いたり。そんなことを、自分のペースで、ひとつひとつやっていけばいいんだ。あとは「音楽が好き」という気持ちで進んでいける。

 ただ、好きなように音楽を楽しみたい…と思っても、演奏する場合、技術という問題が出てくる。弾きたい曲はある。弾けるかどうか自信はない。全くない。楽譜を読み込めるだろうか。指は回るだろうか。不安は多い。ピアノを練習する時、進まなきゃ、早くこの曲を仕上げなきゃ…と思う。あまり時間をかけてしまうのは、下手くそでカッコ悪いイメージがあるからだ。でも、そうじゃない。長い時間をかけて取り組むのもあり。時間をおいて、また取り組むのもあり。同じ音楽を聴いたり演奏したりしても、その時々で印象が違う…。不思議だ。音楽が伝えられるもの、音楽を通して感じられるものは、無限に広がっているのかもしれない。

 未だ、「挑戦すること」をためらっている自分がいる。でも、誰だって最初から弾けるわけじゃない。練習して、練習を積んで演奏という形になる。楽譜も何度も何度も読んで、そこに書いてあることを理解できるようになる。勇気を出して一歩を踏み出したら、何が見えるだろうか。何を感じるだろうか。踏み出してみたい気もする。

 とにかく、もっと肩の力を抜いて、音楽に接していけたらと思います。音楽だけじゃなく、他の趣味にも言える。

 なんか前に同じようなことを書いたような、書かなかったような気がしますが、今回のコンサートで感じたことなので、書き記しておきます。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-18 20:19 | 音楽

水辺にて on the water/off the water

 私は、梨木香歩さんの文章が好きです。凛としていて、透明感があり、さらさらと心の中を流れてゆくよう。でも、その言葉には深い意味が込められている。透明な、深い湖のようだと言えばいいのだろうか。そんな梨木さんの文章の良さが、このエッセイでも存分に味わえました。


水辺にて―on the water/off the water
梨木 香歩/筑摩書房/2006

 梨木さんはカヤックが趣味だという。そのカヤックを通して訪れた川や湖の自然や、そこで感じたこと、考えたことなどが収められています。梨木さんがカヤックが趣味だとはこの本を読むまで知らなかった。カヤックとカヌーの違いもよくわからない私だが、カヤックはアクティブなアウトドアでのものというイメージがある。激流下りのような。でも、このエッセイを読んで、カヤックでも梨木さんは梨木さんなんだなと感じた。自然へのまなざし、静かな思考と言葉が、心の中にすーっと流れてくる。

 「西の魔女が死んだ」や「家守綺譚」では、沢山の植物が出てくる。そして登場人物たちはその植物に触れ、自然を思う。温かく、尊いものとして扱う。そんな登場人物たちの自然への姿勢は、梨木さんご本人の自然に対する姿勢から生まれたのだと確信した。自然の美しさ、生命のはかなさとたくましさ。文章は静かで透明なのに、しっかりとした強いものを感じるから不思議だ。

 水辺は、不思議な場所だと思う。陸と水中が入り混じる場所。境界線ははっきりしているようで、波打ったり、生えている植物の種類もいろいろであいまいだ。私はカヤックの経験はないが、カヤックで水面を進む時もそんな感じなのだろう。陸上と水の中の境界をゆくカヤック。カヤックの下には水の底がある。水の中には、陸上にはない世界が広がっている。その2つの世界をつなぐ水辺。私は川岸や湖のそば、海辺などが好きで、比較的近くに海があるので時々海辺で波の音を聴きながら海をボーっと眺めていることがある。広い海原を見ていると、心の中にある様々なものがリセットされるように感じる。水辺に惹かれるのは、そんな2つの世界のあいまいな境界に何らかの魅力を感じるからだろう。

 収められているエッセイの中で、「常若の国 3」、「川の匂い 森の音 1~3」に特に惹かれました。「常若の国 3」は、梨木さんの想像力に圧倒されます。後、「アザラシの娘 3」の最後に出てくるこの言葉
with desperate effort
激しく希求する心。そのための、命がけの努力。
(106ページ)

この言葉に強く惹かれました。

 梨木さんの文章を読んでいると、本当に心が落ち着きます。澄んだ静かな水面のよう。梨木さんの趣味がカヤックであることに、納得してしまうエッセイでした。
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by halca-kaukana057 | 2009-10-16 21:42 | 本・読書


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