<   2009年 12月 ( 24 )   > この月の画像一覧

2009年読んで印象に残った本まとめ

 N響の第九も観終わり、今年も残すところ1時間。紅白でのスーザン・ボイルさんの歌声にため息が出ました(第九も第4楽章でしたが、録画しているから…と紅白に移動。総合と教育でぶつけないでください、NHKさん…)。ステージで堂々と、のびのびと美しい声を響かせる。さぞ嬉しかっただろうなぁと思いながら聴いていました。

 さて、今年も読んで印象に残った本をまとめながら、今年を振り返りたいと思います。ランキングではないので、順不同です。

日日是好日 「お茶が」教えてくれた15のしあわせ
 お茶(茶道)を通して、何かを学ぶこと、成長すること、生きること。そして作法の中にある自由とは何かについて考えた本。読んで、同感と思うところがいくつもある、不思議な体験をした本でした。
 自分の成長や変化には、なかなか気付かないことが多い。進展がなく滞ったままで、自分はダメだ…と思う。でも、「何か」は自分の見えないところで積み重なり続けている。今年はそんなことが多かった。先ほど書いたようにピアノでもそうだったし、体調面でも、夏から秋にかけてすぐれない日が続き(今だから書きますが)自分でも苦しい思いをしていた。悪い間は「いつになったら良くなるんだろう」と不安になることが多かったが、少しずつ少しずつ、本当にゆっくりと良くなっていった。今は元気です。元気に大晦日を迎えることが出来て本当によかった。
 そして、この本で感じた「作法の中にある自由」。作法(作法だけでなく様々な決まり)とは、行動も心も縛るものではなく、行動をある程度制限することで心を開放し、余裕を作るものなのかもしれない。苦境に陥った時に読み返したい1冊です。(ピアノで壁にぶつかった時、読めば良かった…)

樅ノ木は残った
 山本周五郎の長編小説。全3巻にわたる、長い物語です。そのため、読むのをためらっていたのですが、読んでよかった。この長さは、物語のスケールそのものだ。
 原田甲斐というひとりの男が何を成し遂げようとしていたのか、何を大切にしていて、何を守りたかったのか。周囲の評価や状況に惑わされず、苦しい状態になっても、大切にしているもの、守りたいものを貫き通す強さ。孤独に耐える辛さと重さ。私は原田甲斐のような立場になった時に、何があっても自分の意思を曲げずにいられるだろうか。そう考えてしまう作品でした。
 原田甲斐の生き方の一方で、新八の生き方には希望を感じます。新八のように生きれたらと思う。

国際宇宙ステーションとはなにか
 世界天文年だった今年。宇宙・天文分野では様々なニュースがありました。その中でも大きかったものの一つが、若田光一宇宙飛行士のISS長期滞在。「きぼう」の完成。ISSから届く若田さんのブログの内容や動画にはいつもワクワクさせられました。特に宇宙おもしろ実験の動画は面白かった。あと、宇宙日本食の紹介動画も。「味噌カツ」と連呼していたフィンク司令官と、若田さんの楽しそうな笑い声が印象的でした。…宇宙食味噌カツ、作ろうよ。

 ちょっとずれますが、今年の宇宙天文界は本当に充実していた。まず7.22日食。自分の目で部分日食を観たことも印象に残っていますが、多くの人が街角から、世界のあちこちから、日食を見ようと空を見上げた。この様子を特集番組やニュース番組で見ると、目頭が熱くなります。あの日、その場にはいなかったけれども同じ時間に空を見上げていた人が、こんなに沢山いたんだ、と。本当に嬉しかったです。
 宇宙開発分野では、日本人宇宙飛行士候補5期生誕生(しかもそれをNHKスペシャルで取材していたこと)、「かぐや」のミッションコンプリート、H2B&HTVの打ち上げ~大気圏再突入まで大成功、「はやぶさ」の危機とまさかのウルトラCで復活あたりが印象に残っています。個人的には、土井隆雄さんの宇宙飛行士引退、国連宇宙部への転身も。引退を明言した日本人飛行士は土井さんが初めて。引退記者会見での清々しい笑顔が印象に残っています。
 天文分野では流星群もラッシュでした。あと、超新星ハンター板垣公一さんが次々と超新星を発見し続けていること。「また板垣か」…来年も期待しています。

数学ガール フェルマーの最終定理
フェルマーの最終定理
 今年は、数学に興味を持った年でもありました。「数学ガール」のコミック版を読んだのがそのきっかけ。原作「数学ガール」も読み、難しかったけれどもその魅力に気づいた。数式は理解できないところも多いけれど、諦めずに読んでよかったと本当に思う。第2作の方が好きなので、こちらを挙げました。
 そしてその関連で読んだS.シンの「フェルマーの最終定理」。この本でさらに深めることが出来ました。数学史も面白い!来年は、数学ガール第3作を読みます。

ふたつのスピカ 16
 今年のベスト漫画と言ったらこれしかない。「ふたつのスピカ」最終巻。この作品に出会えて、読み続けてきて本当によかったと思えるエンディングでした。夢は、ただ叶えるものではない。その夢への過程の中で得た仲間やその仲間と共有した時間、苦悩や挫折、哀しみ、切なさ、そして喜び、希望。それらを経て夢に向かって成長することが大事なのかもしれないと感じました。

モモ
 大人になって読む児童文学。昨年はドリトル先生シリーズでしたが、今年は「モモ」。これも大人になってから何度でも読んでいい作品だと思います。むしろ、忙しいと連呼している大人にこそ(自分も含めて)。

カレワラ物語 フィンランドの神々
 「カレワラ」のいい本が出ました。岩波文庫の完訳復刊も嬉しかったけど、この物語版もよかった。世界にはこんな面白い叙事詩・伝承・神話もあるんだよと後世に伝えてゆける。この著者で、「カレワラ」日本語訳で知られる小泉保先生が、先日亡くなられました。最後に素晴らしい本を残してくださって、どうもありがとうございます。

フィンランド 森の精霊と旅をする
 フィンランド関係本をもう一冊。フィンランドの森、自然と、それに対する人々の考え方が味わえた本。人とともに歩み、また畏れられてきた木々や森。フィンランド文化・歴史・民俗の更なる一面を垣間見ることが出来ました。フィンランドに行って、この本の空気を味わいたいなぁ。


 以上、雑談付き今年の本まとめでした。来年も、本をじっくり楽しめる年でありますように。それでは皆様、良いお年を!当ブログを読んでくださった皆様、ありがとうございました。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-31 23:41 | 本・読書

どんな時も、自分の音楽を

 前回から少し間があいて、今年最後のピアノ記事です。思いきり落ち込んで、立ち上がって、今はソナチネ7番全楽章とシベリウス「樅の木」、ブルグ25おさらいをしています。

 ソナチネ7番は、まだまだ第1楽章が安定しません。指が滑る、回らない。音を外してばかり。結局このまま年を越すことになりました。私にとっての第1楽章の課題が、指が回らないこと、技術であることが悔しい。技術はそう簡単に身に付くものではない。そう実感しています。簡単だろうと思っていたが、こんなに苦労するとは…。恐るべしソナチネ7番。
 第2・3楽章のほうが弾きやすいです。勿論、どちらも難しいところはあります。第2楽章はトリルとスラーの繋ぎ。第3楽章は左手の指遣い。3拍子系で、「ドミソドミソ…」という伴奏の場合、5・3・1という指遣いがお決まりのはず。ところが、この第3楽章では、4・2・1。慣れるまでは「お決まりの左手伴奏の指遣い」ではない指遣いに戸惑いました。後はコロコロと変化する強弱と、2つの主題をどう弾き分けるか。模索中です。

 以前、ピアノ演奏の録音・録画をアップするのは最低限にとどめるつもりと書いた。録音していると、解釈や表現を演奏で表すことよりも、きれいにミスなく演奏することばかり気にしてしまうから。あれから考えたのだが、思い通りの演奏が出来ないからアップしないのではなく、どんな時、どんな場でも自分の思い描く演奏をすることを目指す。これが自分の課題ではないのか。確かに緊張する。マイクやカメラをセットして演奏するとひとりで演奏しているのに緊張してしまって、手に汗をかくこともある。でも、その緊張を乗り越えて、皆演奏しているのではないか。どんな時も、自分の目指す音楽を心から奏でたい。これは、録音・録画すること、人前で演奏することに限らない。どんな時も…他者の進度の速さや挑戦意欲の高さ、練習している作品の難易度に圧倒されて自分を見失ってしまいそうになる時も、なかなか進展がなく焦る時も。周囲がどうあろうと、自分自身がスランプに陥っていても、「こんな音を奏でたい」「この解釈が伝わるような演奏をしたい」という灯台のような目標を持っていたい。どんな状況でも、私は私の目指す音楽へ向かいたい。勿論、視野を狭めたり、考え方を偏らせないように気を付けて。これが来年の目標です。

 そんな思いで、久々に録音してしました。ソナチネ7番第2楽章。
ソナチネ7番(クレメンティ op.36-1) 第2楽章ソナチネ7番のページでどうぞ。第1回録音です。
 トリルが難しい…。もっとゆったりでもいいよなぁ…。柔らかさ、優しさも足りない。第2楽章も年越し決定! ……。

 来年の目標をもう一つ。シベリウス「樅の木」を演奏すること。譜読みは終了。「わからない」と放り投げていた部分も解決しました。あとはみっちり練習するだけです。ここからが長いのですが…。アルペジオの嵐、静寂の深い低音をどう出すか。楽譜とにらめっこしていても始まらない。今度は鍵盤に向かおう。まさか、自分が「樅の木」を演奏しようと練習していることが夢みたいです。少し前までは「無理だ、今の私には弾けっこない」と思っていたのに、譜読みをして、少しずつ音をとってみて、「弾けるかもしれない」と感じている。ソナチネ7番が全然進まず、さらに壁にぶつかり落ち込んでいたのに、決して進んでいないわけではなかった。そうだ、今年はブルグミュラー25を完了した。これだけでも充分な進歩だ。それに、「樅の木」への第一歩、第二歩を踏み出せるなんて。信じられない。いや、信じろw

 ということで、来年ものんびりですがピアノを、音楽を楽しみたいと思います。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-31 22:36 | 奏でること・うたうこと

宇宙兄弟 8

 ISS長期滞在中の野口総一宇宙飛行士の宇宙でのお仕事が本格的に始まりました。先日28日には、待望の宇宙初ツイートも。さて、2026年の宇宙飛行士界はどうなるか。「宇宙兄弟」8巻です。


宇宙兄弟 8

小山宙哉/講談社・モーニングKC/2009

 六太たちが受けた宇宙飛行士選抜試験の合格発表がはじまった。せりか、溝口と電話が鳴り、合否が告げられる。六太も電話の前で今か今かと待つが、電話はなかなか鳴らない。不安と焦りの中、ようやく電話が鳴る。電話で外に出ろと言われた六太。合否の結果は…。
 一方、月では日々人らが音信の途絶えた探査機を捜索に出かける。月面車の運転中、アクシデントが…。


 お待たせしました。ようやく合格発表です。1巻から宇宙飛行士候補者選抜試験の様子を細かく描き、8巻で合格発表。宇宙飛行士になるには、勿論試験だけが大事ではない。それまでのバックグラウンドが大事だ。でも、試験という場でそのバックグラウンドも見なければならない。そのために受験者たちに課される課題、試験官たちや先輩宇宙飛行士たちの視点。それらが受験者たちの宇宙への想いとともにひとつひとつ細かく描かれていて、自分も一緒に試験を受けてきた…いや、見守ってきた気持ちでこの8巻を読んだ。

 まず、せりかさん。せりかさんが涙するシーンで、もらい泣きしました。宇宙を目指すきっかけとなり、結果を、そしてその先にある夢を一番語りたかった人が、ここにはいない。これからの自分を見て欲しかったのに。せりかさんの宇宙への強い想いと、悲しみが強く伝わってきた。でも、「泣くのはまだ早い。私はまだスタートライン」(20ページ)と気持ちを新たに踊るシーン。この爽快感。涙目のせりかさんの眼に映った空は、きっとどこまでも突き抜けるような澄んだ青だっただろう。

 一方、溝口。B班でケンジと対立し、日々人の兄である六太にも対抗意識を燃やしていた。その溝口の結果と、挫折。宇宙飛行士になるのは自分だ、自分は間違いなく宇宙飛行士になれると自信を持ってこれまでの試験も受けてきた。ただ、"試験"だけ。6巻でのヒューストンでの現役宇宙飛行士たちとの面接の後のパーティーでの態度と会話は、どうでもいいと思っていた。溝口が見てきたのは「自分自身」だけ。他者のことは見ず、競争に勝つことだけ考えてきた。その溝口に突き付けられた結果。妥当だな…と思ったが、星加さんが告げた落ちた理由、足りなかったものに私もドキリとした。「仲間に頼る」。私は溝口と違って、トップに立つような人間ではない。でも、「仲間に頼る」こと、皆で意見を言い合って協力すること。これは自分にも足りてない。溝口へ抱いていた想いが、ちょっと変わった。

 そして六太。星加さんに呼び出され、告げられた結果。子どもの頃からJAXAの施設に入り浸り、見学コースの解説の台本まで覚えてしまうほどだった南波兄弟。自分は宇宙飛行士になれなかったが、その南波兄弟を陰ながら見守ってきた星加さん。その星加さんの想いと、六太の喜び。最高です。樹の陰からこっそり見守り、「ケーキ買って帰りましょ」と涙を流す南波母。いつも超マイペースなお母さんも、ちゃんと六太のことを応援していたんだと嬉しくなりました。そのまま記者会見、読んでいる私もテンション上がりっぱなしです。堂々とした六太たち5人の姿…惚れ惚れします。

 "宇宙飛行士候補者"としての日々が始まった5人。紫さん、ぶっ飛ばしてますw座学での5人の性格の違いが出ているのがいい。うん、はっきりと。これからの5人の訓練シーンが楽しみだ。

 一方月の日々人。音信不通になった探査機を探しに、ダミアンと月面車に乗って走る。月には大気がない上大きさを対比する人工物がないため、風景の遠近感がわからなくなる。これは月に行かないとわからないことだ。地球では味わえない。そんな環境の中で、日々人とダミアンを襲った事故。いつもは陽気でマイペースな日々人の顔が変わる。周りに誰もいない。音信も途絶えてしまった。空気もなく、宇宙服と生命維持装置がなければ命を繋げない。まわりは暗闇。そんな過酷な環境で独りでいることは、どんな気持ちだろう。恐ろしいとしか思えなかった。恐ろしい気持ちを抑えて、冷静に判断し、行動する日々人。やはり宇宙飛行士はどんな環境でも生き抜こうとする意志と覚悟、精神力がないとなれないのだなと思う。先日開催された「宙博2009」で、日本科学未来館のブースに「君たちは本当に宇宙に行く気があるのか?」と書いてあったそうだが(こんな言葉を書こうとしたのは、やはり毛利館長?)、まさにその通り。中途半端な気持ちでは宇宙へは行けない。あらためて実感した。

 ダミアンと日々人はどうなる?9巻に続きます。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-30 21:54 | 本・読書

見ているだけではなく、その手を伸ばして 「獣の奏者エリン」感想

 1年間にわたって放送されたNHK教育アニメ「獣の奏者 エリン」が最終回を迎えました。原作をギリギリで読み終わって、アニメではどんなエンディングになるのだろうか…と思って観ていたのですが、原作小説の魅力を映像で存分に引き出してくれたエンディングでした。原作を読み終わった後はその壮大なストーリーに圧倒されて放心状態だったのですが、アニメではひとつひとつのシーンをかみしめながら観て、そしてこれまでの物語を思い出してボロボロと涙が止まりませんでした。

 最初は(この時は原作未読)、この物語はエリンという少女の成長物語なんだろうと思った。闘蛇衆の村・アケ村で、闘蛇専門の獣ノ医術師である母・ソヨンと暮らし、闘蛇の生態に興味を持つ。いつかはソヨンのような獣ノ医術師になりたい。しかし、ソヨンとの別れで物語が一変。蜂飼いのジョウンと暮らすようになり、王獣に出会う。ジョウンとのんびりと自然と生き物たちに囲まれた暮らしをしている一方で、リョザ神王国の各地では様々な変化が起きていた。国の長である"真王"の周囲、国を護る"大公"の周囲、さらに、ソヨンが出た一族である"霧の民"の周囲。その周囲の変化が、エリンに徐々に近づいてくる。ひとりの少女の成長物語だったはずなのに、国の政治や歴史の解釈と真相、それに関わる多くの人々がエリンに大きな影響を及ぼし始める。この時、この物語はエリンというひとりの少女の視点から見た"国家"というものの姿・鳥瞰図なのかなと感じた。

 このアニメで印象に残っているのが、「何もしないで見ているだけ?」というエリンの問いだ。ソヨンが死罪になる時、"霧の民"であるナソンはその様子を見ていた。エリンはソヨンを助けようと、闘蛇のいる沼に飛びこみ母のもとへ泳いでゆく。カザルムでリランに出会ったエリンは、傷つき餌も食べないリランをどうしたら助けられるか、野生の王獣を観察した経験から独自のやり方を編み出し、リランを助け、リランと心を通わせる。王獣に関しては、"王獣規範"という王獣の育て方、世話の仕方に関する細かい決まりがある。さらに、"霧の民"も"戒律"を守って暮らしている。しかし、エリンはそれらの存在を知らないままソヨンと別れ、リランと出会った。エリンがのちにそれらの存在を知っても、それに従おうとはしなかった。"王獣規範"や"戒律"の通りに生きることで、王獣や人を決まりで縛り思考を止め、「見ているだけ」の生き方になってしまうから。ソヨンが教えてくれたことや村で育てている闘蛇に対して抱いていた想いを受け継ぎ、自分の意思で決まりに従わず、手を伸ばし行動した。エリンがリランに手を伸ばした結果、保護場にいる他の王獣とは違う成長を遂げた。それは国家を揺るがし、エリンが様々な人々の思惑に巻き込まれていくきっかけとなる。その結果、エリンとリランの間には亀裂が生じてしまう。それでもエリンはリランを、王獣や闘蛇たちを守ろうとする。勿論それはたやすいことではない。大きな責任や重圧がのしかかり、命にもかかわる。強い意志がないと行動は出来ない。でも、「見ているだけ」で後悔するよりも、自分に出来ることがあるなら手を伸ばして行動するほうがいい。最終回、エリンが選んだ行動。そして、リランがとった行動。

 「見ているだけ」ではなく手を伸ばすことは、エリンとリランという人と王獣の間だけに限ったことではない。セィミヤとシュナンも、これまで相反する生き方をしてきた。その2人が手を伸ばし、その手を結んだ。真王の護衛士"堅き楯(セ・ザン)"であるイアルも、セ・ザンの使命を果たすために心を閉ざしていたが、手を伸ばしてきたエリンに対して、手を伸ばし返した。アニメオリジナルのキャラクタであるキリク先生も。NHKのアニメ公式サイトブログで、原作者の上橋菜穂子先生がアニメへの想いを語っていますが、最終回のところにこうありました。
ちっぽけな人間の、短い人生ではありますが、わたしたちは、その道を歩きながら多くの音を奏で、多くの他者が奏でている音と、ときには共鳴し、ときには不協和音を生みながら、複雑な調べを生みだしていきます。
この世は、私たちが奏でている音が響きあって生まれている、壮大な調べなのだと、いえるかもしれません。
NHKアニメワールド+BLOG:『エリン こぼれ話――原作者のアニメ監修日誌――』(14) 第14回 エリンの香りより


 そして、最終回でも語られた、原作のこの部分。
(――知りたくて、知りたくて……)
 エリンは、心の中で、リランに言った。
 おまえの思いを知りたくて、人と獣のはざまにある深い淵の縁に立ち、竪琴の弦を一本一本はじいて音を確かめるように、おまえに語りかけてきた。
 おまえもまた、竪琴の弦を一本一本はじくようにして、わたしに語りかけていた。
 深い淵をはさみ、わからぬ互いの心を探りながら。
 ときにはくいちがう木霊のように、不協和音を奏でながら。
 それでも、ずっと奏で合ってきた音は、こんなふうに、思いがけぬときに、思いがけぬ調べを聞かせてくれる……。

 おまえにもらった命が続くかぎり、わたしは深い淵の岸辺に立って、竪琴を奏でつづけよう。天と地に満ちる獣に向かって、一本一本弦をはじき、語りかけていこう。
 未知の調べを、耳にするために。
(「2・王獣編」454~455ページより)


 手を伸ばすことで、傷つくこともあるだろう。分かり合えず、苦しい想いもするだろう。うまくいくはずがない。違う人間、違う生き物なのだから、考えが違うのは当然だ。分かり合えないことの方が多いのではないかと思う。でも、手を伸ばす。言葉・声という"音"を奏で、様々な異なる"音"が重なって"調べ"となる。私が出している"音"も、どこかで"調べ"となっているのだろうか。「見ているだけ」で、伸ばそうとした手を引っ込めていないだろうか。伸ばそうとした手を引っ込めたことは、何度もある。手を叩き返されないだろうかと恐れたり、迷惑ではないだろうかと思ったり、面倒くさくなったり。これからもそんなことはあるだろう。無くなるとは思えない。でも、手を伸ばす勇気はいつでも持っていたい。下手でも語りかけるように"音"を奏でよう。

 そんな気持ちになるアニメでした。アニメオリジナルキャラクタのヌック&モックもいい味出してた。最初はただの泥棒だったのに、とてもいい人。張りつめた空気がこの2人で緩む。また、アニメはちょっとした部分の描写が半端なかった。小さな花々や、動物たち。しかもそれらの動きが、本編に関係がある。本当にちょっとした部分なのに、手を抜かない。…参りました。キャラクターデザイン、絵に関しては、最近のアニメとはちょっと違うと感じた。でも、それがよかったと思う。異世界の不思議な雰囲気が出ていて。さらに、このアニメではソヨンの死罪のシーンや、王獣が闘蛇を襲うシーンなど、土曜夕方のNHK教育にしてはかなり悲惨なシーンも多い。そのシーンの描写も、よく考えたなと思った。子どもたちを必要以上に怖がらせず、でも恐怖や悲惨さは伝える。挑戦的なアニメだと思いました。

 アニメの最後の最後で、今年出た「3・探求編」「4・完結編」へのエピソードも。何というラストを…。続編も…読む!

 年明けからは総集編が始まります。見逃した方も1年間見続けた方も。私も記憶があいまいな部分があるので、また観ます。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-28 22:33 | Eテレ・NHK教育テレビ

クリスマス週間は、宇宙週間? 今週のクインテット

 久々に「今週のクインテット」。「教育テレビとロケットの関係」で書いたとおり、月曜は野口さん搭乗のソユーズ打ち上げに合わせたかのように宇宙ネタ。しかし、今週のクインテットの宇宙ネタは、これだけでは終わりませんでした。

 水曜が「星の世界」。讃美歌「いつくしみ深き」と同じメロディーなので、クリスマスにもぴったり。コンヴァースの作曲したものに、川路柳虹がこのような日本語歌詞を付けました。まさに今の季節の星空を思い浮かべます。

 さらに金曜。サンタさんから欲しいものについて語り合うメンバーたち。楽器を挙げるのに対し、シャープ君は「ロケットが欲しい」と。またしてもロケットか!そのロケットで月に行きたいと言うシャープ君。歌は「明日は月の上で」。ちょっと昔の曲らしいです。検索してもよくわからず。

 そして24日はクリスマス。フラットさんのハイテンションがいいなぁ。普段の鬱憤、不運を爆発させているようだ。「手あらい数えうた」の上に「Merry Christmas」の文字が。新型インフルに罹らないように、手を洗ってクリスマスのディナーを食べようという意味か?そしてコンサートは…なんとアキラさんのピアノ・クリスマスメドレー!これをコンサートに持ってきたか、そう来たか!と興奮しっぱなしでしたwアキラさんのクリスマスメドレーは、何度観ても聴いてもいいなぁ。

 というクリスマス週間でした。金曜には懐かしい、ジャーニー君がゲスト出演。いやはや、ファンサービスが徹底していて嬉しいです。


 ついでにおかいつも。
【おかあさんといっしょ】
 先日、だいすけお兄さんとたくみお姉さんが新型インフルエンザに罹り、ファミリーコンサート大阪公演が中止になったとのニュースを見ました。2人はもう快復されただろうか。早く治りますように。

 金曜は「やぎさんゆうびん特集」。こどもたちからのお手紙やリクエストを紹介します。モノランモノランへのお手紙も。始まる前はどうなるだろうと思ったけど、こどもたちに愛されるキャラクタとして成長しているようで、よかったよかった。好きですよ、モノランモノラン。特に、フライパン師匠。カッコいいおじいさんキャラが好きです。

 その金曜でサプライズ。「ピタゴラスイッチ」の「アルゴリズムたいそう」を歴代お兄さんお姉さんで。あきひろ・りょうこ時代にも、あきひろ・りょうこ・ひろみち・きよこで「ピタゴラ~」に出演したことがありました。今回はおかいつにいつもここからが出張して「アルゴリズムたいそう」。おさむ・ゆうこ~だいすけ・たくみ(ゆうぞう・しょうこは出演せず)と、よし・まゆ。これは豪華!だいすけお兄さん・たくみお姉さんが楽しそうです。あきひろお兄さん・りょうこお姉さんは前にもやったことがあるので、余裕かな?
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-25 22:10 | Eテレ・NHK教育テレビ

フィンランドのホットワイン「Glögi」を作ってみた

 久々に作ってみたネタです。世の中はすっかりクリスマス。寒い季節になると、欲しくなるのが温かい飲み物。フィンランドには、「Glögi(グロギ、グロッギ)」という冬、特にクリスマスシーズンに飲まれるホットドリンクがあるのだそうです。ホットワイン(グリューワイン)はヨーロッパではポピュラーな飲み物。フィンランドでも飲まれますが、アーモンドとレーズンが入っているのがフィンランド流らしい。フィンランドでは勿論手作りもされますが、瓶に入っているものをそのまま温めるだけのものや、入れる香辛料のセットが売っているのだそうです。そういうものは、私の周りでは見当たらない。日本にあるもので作れないのだろうか。と色々検索してみたところ、作れるようです。ただ、検索した結果、使われている材料がそれぞれ異なる。どうやら、各家庭によってレシピが異なるようだ。日本のお味噌汁やカレーのように(多分)。ならば、それらのレシピを参考に、自分なりのグロギを作ってみよう。というわけで、作りました。


【材料】*分量は、お好みで調節してください。
・赤ワイン
・レーズン(干しブドウ)
・アーモンド
・クローブ
・シナモン(クローブとシナモンは粉でもOK)
・しょうが(すりおろしたものでOK)
・砂糖
・レモンの輪切り(防腐剤が皮にかけられているので、国産がベター。輸入ものなら、よく洗って)

【作り方】
1.材料全てをお鍋に入れ、5~10分、沸騰しないように温める。
2.ワインに香りがついて、温まったら、出来上がり。

f0079085_22154168.jpg

Kippis!/乾杯!

 飲んでみた。とても温まります。寒い冬にピッタリです。レーズンとアーモンドはスプーンですくって食べてください。ワインの味がしみ込んで、とても美味しいです。アーモンドはおつまみ感覚で食べられます。これは癖になりそう。またレシピをアレンジして作ってみたい。

 お酒の苦手な方や、お子様にはカシス(ブラックカラント・黒すぐり)やブルーベリーなど、ベリー系のジュースでも作れます。私も、今回グレープジュースを少し入れました。

 以上、私独自のレシピで作りました。本場フィンランドのレシピで作ったのも飲んでみたいな。輸入食材店で、香辛料セットが売っていないかなぁ。きっと今頃、フィンランドのあちこちでグロギが飲まれているに違いない。外は雪が降って寒い。温かい家の中で、グロギを飲みつつ、家族とゆっくりとした時間を過ごしているのかもしれない。

 とても簡単なので、寒い日に是非どうぞ!みんなも作ってアラモード♪(番組が違うw)

 それでは、楽しいクリスマスをお過ごしください。Merry Christmas! Hyvää Joulua!


 レシピは以下のサイトを参考にしました。ありがとうございます。
メルのメモ:フィンランドのクリスマスワイン
Kippis!:Glögiで温まりましょ~♪
makon makoisia herkkuja:グロッギのエキス作り
北極星を真上に見上げて:寒い季節にグロギをどうぞ
scope:iittala / Tsaikka ホルダー付グラス
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-24 22:40 | フィンランド・Suomi/北欧

[コミック版]風が強く吹いている 6(最終巻)

 映画も公開された「風が強く吹いている」。コミック版、完結です。

風が強く吹いている 6
三浦しをん:原作/海野そら太:漫画/集英社・ヤングジャンプコミックス/2009

 箱根駅伝、復路7区。給水で失敗し、調子が乱れる東体大に追いついたニコチャン。そのまま8区・キングに襷をつなぐ。しかし、東体大の榊が前半から飛ばし、キングはレース直前に知ったハイジの膝の怪我のことが気になって調子が出ない。一方9区のスタート地点では、カケルと六道大・藤岡が火花を散らしていた…。


 7区でニコチャンが大健闘。これまで、ニコチャンは陸上経験者で、しかも長距離走に向かない体型を気にし、箱根に出ることに積極的でなかった。陸上経験者だからこそ、長距離走に向かないと自覚していたからこそ、箱根の厳しさを知っている。でも、後ろ向きで挑戦しようとしなかった。ところが、アオタケメンバーと一緒に走っているうちに、ニコチャンのそれまでの「限界」を突破してみようと想い、本戦まで来た。そしてこの走り。まさに燃え尽きた。東体大のマルさんとの競り合いの迫力、素晴らしかったです。

 8区。キングはハイジの故障を、外部の人間である東体大・古賀から聞かされる。同じチームなのに、メンバーの故障のことを知らなかったということ、ハイジが話してくれなかったということ。その迷いの中から、キングのチームへの想いが溢れ出る。キングはこれまで影が薄く(しかも原作の雑学王でクイズマニアである設定がなくなっている)、メンバーにも溶け込めずにいた。場に合わせようとし、自分の意思は押し殺す。走るのも、タイムはあまり伸びない。それでも、皆で箱根を目指そうと走ってきた。自分の弱さは自覚している(しかもそれをユキに指摘され、逆上してしまう)。だからこそ、人が押し殺している弱さにも気づく。強さ…カケルの変化にも。強さと紙一重の弱さ。それをキングは見抜いていたんだろうな。

 一方、榊の内面も8区で語られます。高校時代からカケルを遠巻きに、疎ましく見ていたが、ずっと目標としてきた。ムカつくけれども、きっと追い越してみせる。榊は、ランナーとしてカケルを認めていた。走り終わった後、顔を合わせる榊とカケル。その表情に注目。

 9区、藤岡とカケルのタイム争い。これまで、藤岡さんは完璧で孤高な存在に見えた。走りでも、誰もそばに寄せ付けない。しかし、その藤岡さんがカケルに追われる形になる。お祖母さんとのエピソードでもそうだったけど、藤岡さんも人間。気持ちが揺らいだり、迷ったりすることもある。それでも走る。一方、カケルの走りは本当にすがすがしい。原作でもそのスマートで苦しさを感じさせない走りをイメージ出来たけど、漫画でもその通りの表現でした。しかも、ただ走っているわけではない。一秒でも早くハイジに襷をつなぐため、チームのゴールのために走る。高校での事件後、行き場を失い、「ただ走る」ことしかできなかったカケル。そのカケルが…。本当に成長したなぁ。

 ラスト10区、ハイジ。ハイジも高校時代の事件と怪我、監督であった父との関係に悩み、その弱さを押し殺して生きてきた。アオタケで箱根を目指すと宣言してからも、本音を出そうとしない(それが本選でキングやムサの混乱につながったのだが)。その弱さを感じても、見ないふりをする。自分をだます。その気持ちをようやく振り切った。このハイジの内面描写がいい。そして、「風が強く吹いている」の解釈。まさに駅伝、絆。


*****

 この「風が強く吹いている」のコミック版があると知って読んだ時、正直どうなるんだろうと思った。原作と比べてもどうしようもない。でも、原作で味わった10人それぞれの想い、「走ること」「強さ」とは何かという問いはどう掘り下げられるのか、心配だった。ところが、しばらく読んでいくうちに、とても丁寧に原作を織りなおしているんだなと感じた。寛政大・アオタケメンバーだけでなく、原作ではただの悪役でしかなかった榊をはじめとする東体大。さらに藤岡。それぞれが迷いを抱え、弱さと向き合いながら、それでも走る。"遠く"を目指して。とても充実したコミカライズでした。さらに原作を、映画も楽しめます。いい作品に出会えてよかったなと感じています。

 映画版はまだ観てません。観ないうちに、公開が終わってしまいました。DVDでゆっくり見ます。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-23 22:59 | 本・読書

宇宙に日本の文化を

 おととい野口総一宇宙飛行士を乗せて打ち上げられたソユーズ。今朝、ISS(国際宇宙ステーション)に到着、無事ドッキング成功しました。7:48頃、朝のニュース(TBS)でドッキング成功の速報を観て、仕事なので出勤。(しかも、番組には古川・星出・山崎飛行士が4期生となった宇宙飛行士選抜試験で、最終選抜に残った「中年ドクター宇宙飛行士受験奮戦記」の著者である、医師の白崎修一さんが出演。驚いた。)
 その後、日本時間9:30にハッチオープン、野口さんら3飛行士がISSへ。その様子がどうなったのが、お昼休みに携帯のワンセグでニュースを観たのですが…ご飯を食べつつ顔がニヤけてしまいました。

f0079085_2162766.jpg

!!?

f0079085_2114203.jpg

サンタがいっぱい!!!

JAXA:野口宇宙飛行士らISS長期滞在クルーがISSへ入室、長期滞在開始! (2009年12月23日)

 野口さんが、サンタ帽をかぶり、プレゼント袋を持ってハッチから登場!さらに、ロシア人飛行士のコトフ船長、アメリカ人のティモシー・クリーマー飛行士もサンタさん。クリスマスも近いし、「宇宙で暴れたい」と言っていた野口さんならきっと何かやってくれるだろう…と思っていたのですが、本当にやってくれました。

 これから、約5カ月のISS長期滞在が始まります。船外プラットホームも付き、完成した日本の実験棟「きぼう」内で様々な科学実験を行ったり、広報活動も。さらに、宇宙で日本の文化を普及したいと、お正月や節分などの慣習もするんだとか。ISSには今、アメリカ・ロシア・日本の3カ国の宇宙飛行士が滞在しています。ISSはその名の通り、グローバル、インターナショナルな場。だからこそ、自国の文化を大切にしたい。季節のないISSでも、日本で感じるのと同じように季節を感じられるようなことをしたい。ISSだけでなく、今後、月や火星などに人間が行くとして、そこでは「日本から来た」というよりも、「地球から来た」という意識の方が強くなるだろう。でも、地球のなかに沢山の国があり、日本という国があって、自分はその国の文化の中で育った。「地球から来た」のはその通りだけど、その自分の根底にあるのは日本の風土や文化。宇宙という未知の、危険で厳しい環境に行くからこそ、自分の根底にあるものを大事にしたくなる…のではないかなと、私は感じました。

 おとといの記事で、今朝ISSとソユーズのランデブーが見られると書きました。見ようと早起きしました。しかい、空はほとんど曇り。しかも、見える時間になってさらに雲が流れてきた…。何とか一瞬だけ、ISSを雲間に見られました。ソユーズはわからず。残念。それでも、雲間からちょっと見えただけでもISSだとわかる、明るい輝き。あらためてすごいなと感じました。明日もISSは見ごろ。明日、明後日の方が好条件。早起き出来る方はレッツトライ。

 ISSでの野口さんの情報は、JAXAのサイトでどうぞ。応援メッセージも送れます。また、twitterで野口さんのつぶやきが投稿されます。宇宙での第一声はまだ。初ツイートを今か今かと待っているところです。
JAXA:JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在・野口総一宇宙飛行士
twitter:Astro_Soichi

 もうひとつ、ISSに滞在中の飛行士たちに、ホリディグリーティングカードを送れます。勿論野口さんにも!
NASA:Holiday Greetings to The ISS Crew

 好きなカードを選んでクリック(船外活動宇宙服を着ている写真は、前回の飛行の時の野口さんの写真だと思う)。カードが拡大されたらもう一度クリック。裏面が出てくるので、メッセージと名前(ファーストネーム)、お住まいを記入しよう。NASAの企画なので、英語で書いた方がよいと思われます。日本語だと文字化けする可能性も…。私も英語で頑張って書くよ!締め切りは…不明。年内がいいかも?(不確定情報でごめんなさい…)
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-23 22:07 | 宇宙・天文

教育テレビとロケットの関係

 前の野口さん搭乗のソユーズの記事に関連して、教育テレビの話題を。

 今日の「クインテット」。ドラマパートを観て「!!?」となりました。アリアさん、シャープ君、フラットさんがスタジオの窓から「宇宙ステーションが見えた!」と。朝の「クインテット」の約30分前、宇宙ステーションに向かってロケットが打ち上げられた。なんという絶妙なタイミング!!これは打ち上げに合わせたのか?と思わずにはいられませんでした。
 3人が見ていた宇宙ステーションは、円形のSFに出てくるような形。しかも、「見えた」ってはっきりと形がわかるぐらい。…実際にはこんなはっきりは見えませんよ…。星のような、瞬かない明るい光の点が、スーッと空を飛んで行くように見えます。と、突っ込まずにはいられなかった宇宙ファンでもある自分でした。ただ、見えることは見えます。「クインテット」で宇宙を、宇宙ステーションのことを、絶妙なタイミングで取り上げてくれたのが嬉しかった。

 そして宇宙ステーションで演奏したい~と演奏したのが、山下達郎の「アトムの子」。おお、山下達郎ですか。いい歌詞です。
みんなで 力を合わせて
素敵な 未来にしようよ
どんなに 大人になっても
僕等は アトムの子供さ

大人にも、子どもにも、何かを考えさせてくれる歌詞ですね。

 実際、宇宙ステーションで演奏はできるのか。ISSにはキーボードが置いてあって、2005年の野口さんの初飛行(STS-114)では、そのキーボードで野口さんが「世界にひとつだけの花」を演奏していました。他にも、ギターを持参する飛行士もいるんだそう。で、今回、野口さんはある楽器を持参しているらしいのです。野口さんのブログで、ISSでチェロを演奏したいという記事を見たような見なかったような…という話をtwitterでしていたら、こんなツイートが。
どうやらスパッラという古楽器を持っていこうとしているようです>野口さん。 制作者の方にコンタクトをとったとか。
twitter:lizard_isanaさんのつぶやきより

 ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという古楽器。ヴィオラよりすこし大きめの、肩にあてて演奏する弦楽器です。これを持っていこうとしているらしい。実現したのだろうか。宇宙からの演奏、是非聴いてみたいです。
 ヴィオロンチェロ・スパッラについて詳しくは以下。
HMV:無伴奏チェロ組曲全曲 寺神戸亮(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)
スパッラの写真と、試聴もできます。


 一方、先週の「おかあさんといっしょ」土曜日、ファミリーコンサートで放送されたのが「ボロボロロケット」。ファミコンの収録は少し前だから、偶然かぶったとしか思えないけど、まさか…。確かにソユーズの歴史は古いけど、ボロボロじゃないよ!!と突っ込まずにはいられませんしたw

 教育テレビとロケットの関係、まだまだ続きそうです。いや、ガンガンやってくれ。

関連記事:おかいつとロケットの関係 「ボロボロロケット」
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-21 22:18 | Eテレ・NHK教育テレビ

ソユーズ打ち上げに見る、ロシア宇宙開発の歴史

 日本時間今朝6:52,野口総一宇宙飛行士が搭乗する、ロシアのソユーズ宇宙船(21S)が打ち上げられました。無事軌道にも乗り、ISS(国際宇宙ステーション)へ向かいます。

JAXA:国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員野口宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(21S/TMA-17)の打上げについて

JAXA:JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在:野口総一宇宙飛行士

 ネットでロシア宇宙局の中継、NASA TV、JAXA放送、YAC(日本宇宙少年団)放送と、テレビでNHKの中継を観ていました。非常にスムーズな打ち上げで、その後も安定した飛行。さすがはソユーズ。40年間、基本的な構造は変わっていない、しっかりとした技術がロシアの宇宙開発を支えてきたんだと実感します。


NASA TVでの打ち上げ中継の模様。打ち上げの迫力はたまりません。船内映像を見ると、狭そう…と感じてしまいます。しかし、打ち上げ時の振動はスペースシャトルよりも少ないそう。以下、この動画の見どころを。

f0079085_21172543.jpg

1分40秒あたり。奥に座っている野口さんが、手を振ってサムアップ。余裕そうです。加重力・Gはシャトルよりきついそうですが、厳しい訓練を積み重ねた結果なのでしょうね。

f0079085_21194656.jpg

4分あたり。船長のオレッグ・コトフ飛行士が、棒のようなもので操作パネルのスイッチを突っついています。これがソユーズの"突っつき棒"。操作パネルに手が届かないので、棒で突っついているだけなんです。アメリカでも、宇宙船の操作パネルに手が届かなかったことがあり、その後操作パネルの位置を変更しました。一方ロシアは鉛筆…じゃなくて棒を使った。ロシアの宇宙開発は実用的でシンプル。そう簡単に仕様や技術を変更しない。そんな考え方が、この棒にも表れていると感じます。ちゃんと訓練の時も、この棒を使って訓練するんですよw

 ところで、動画を見てあれ?と思うのが、船内にぶら下がっている黒い熊(猫?)のぬいぐるみ。これは、無重力になったかどうかを確かめるためにぶら下げられているのです。無重力になれば、浮く。至ってシンプル…。ガガーリンの初飛行の時からの伝統だそうです。ちょっとお茶目ですw
f0079085_21301139.jpg

9分以降、このぬいぐるみが浮きます。


 ISSへは23日朝にドッキング。その日の早朝、ISSと野口さんの乗るソユーズ宇宙船のランデブーが見られるかも!5時19分ごろ、北海道、東北、関東北部でチャンスあり。私も挑戦してみるつもりです。晴れればいいなぁ…。各地の詳しい情報は、以下JAXAのサイトでチェックしてね。
国際宇宙ステーションを見よう

 野口さんは2005年にアメリカのシャトル、そして今回ロシアのソユーズにも搭乗。両方に搭乗した日本人飛行士は、野口さんが初めて。アメリカとロシア、両国の有人宇宙飛行技術を実際に乗ることで比較し、学び、今後の日本の宇宙開発に役立てることができると思います。勿論、日本も無人探査機の技術では負けてませんが、有人飛行となるとまだまだ手探りの部分もある(それでも、「きぼう」やHTVで徐々に技術を得られてきたと感じます。特にHTVの運用は素晴らしかった)。日本の宇宙開発の更なる一歩を期待しています。

f0079085_21402349.jpg

 Вы можете пойти,Счастливого пути! /行ってらっしゃい、よい旅を!!

*上の写真は食玩「王立科学博物館」より、打ち上げ前のソユーズと、打ち上げ後のソユーズ。お気に入りです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2009-12-21 21:45 | 宇宙・天文


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

プロフィールを見る

お知らせ・別サイト

管理人HN:(はるか)
 熱しやすく冷めにくい、何が好きになるかわからない好奇心のかたまり。このブログでは好きなものを、好き放題に語ってます。

プロフィール
*2014.9.5:更新
はてなプロフィール:遼(halca-kaukana)



web拍手を送る






日々のログ:今、ここ、想うこと
または:Twilog

はてなブックマーク
Mielenkiintoinen!

気になること、関心のある記事や参考にしたサイトなどのブックマーク集。コメント多め。

◆ピアノ録音置きブログ:Satellite HALCA

☆「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ目指して順調に飛行中!☆
管理人・遼も小惑星探査機「はやぶさ2」を応援しています。



あかつき特設サイト
JAXA:金星探査機「あかつき」特設サイト

☆祝!「あかつき」は金星の衛星になりました☆
金星軌道上で観測準備中!

最新の記事

マッティは今日も憂鬱 フィン..
at 2017-06-23 22:49
イリジウムフレアを見たくて
at 2017-06-20 22:21
6月はばらの季節
at 2017-06-12 22:49
Im ~イム~ 6・7
at 2017-06-12 22:43
カリグラフィニブが楽しい
at 2017-06-10 22:49
お久しぶりISS
at 2017-06-06 22:23
まだ間に合う!?「GCOM-..
at 2017-05-30 23:26
ライラックの季節も過ぎて
at 2017-05-29 21:55
メロディ・フェア
at 2017-05-17 22:51
日本・デンマーク国交樹立15..
at 2017-05-12 22:18

カテゴリ

はじめにお読みください
プロフィール
本・読書
宇宙・天文
音楽
奏でること・うたうこと
Eテレ・NHK教育テレビ
フィンランド・Suomi/北欧
イラスト・落描き
日常/考えたこと
興味を持ったものいろいろ
旅・お出かけ
information

タグ

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
more...

検索