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いつもとは違う”春”

 いつものように、夕方、NHK教育「クインテット」を観ていたら、今日のドラマはフラットさんの花粉症の話。春の訪れに「春の唄」を歌う。これは来るな、と思いました。そう、エンディングの春テーマが。予想通り、春テーマでした。

 「クインテット」放送1年目、季節ごとにテーマ曲の歌詞が変わることに気づいた時は驚きました。春テーマの朗らかさ、夏テーマの爽やかさ、秋テーマの賑やかさ、冬テーマの煌めき…と私は感じています。そして、新オープニング歌詞が出てきた時も驚きました。

 毎年、春テーマを聴くと、春が近いのだなと感じます。そのうち、「さくらさくら」がコンサートで演奏されるのだろうなと思うと、心躍りました。しかし、今日、春テーマを聴いて、寂しい気持ちになりました。平日に「クインテット」を観られるのは、残り1ヶ月となってしまったから。あと4週間です。来年度も土曜放送がある。土曜日になれば観られるじゃないか、朝も夕方も。でも、週1。いつもとは違う春テーマに聴こえました。

 春テーマのように朗らかにいきたいものですが…、この4週間は他のETVでのお別れと合わせて、寂しく、切なくなりそうです。


 ちなみに、先週の「クインテット」まとめ書き。
・月曜の「I♥MYまくら」。フラットさんの新曲はその路線で来ましたかwまくらが替わると眠れない…フラットさんらしいです。
・火曜「LOVE LOVE LOVE」ドリカムの名曲ですね。この歌が主題歌となっていたドラマも思い出します。スコアさんの語りを合わせると、ただのラブソングとは違って聴こえます。冒頭でフラットさんが「愛って何?」とつぶやきますが、何だろうなぁ…と考えてしまいます。
・水曜「日本語のおけいこ」新曲が続きますね。フラットさんの英語が、ルー大柴さんのルー語に聞こえたのは私だけではないはずだw
・その水曜のコンサート前、フラットさんたまごかけご飯はツボでしたw
・木曜。冒頭でアキラさんがピアノで演奏しているのは「勇気100%」.「忍たま乱太郎」の主題歌、アニソンの名曲ですね。ということは、今日の歌はこれか…!?と期待してしまいました。ちょっぴり残念。
・金曜「こちょこちょ」。月曜に続きオリジナル曲新曲です。新曲多いぞ!家族でくすぐり遊びつつ歌いたい歌ですね。
・ということで、今週はフラットさんウィークなんですね(勝手に結論w

 今週は、再放送週かなぁ?
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by halca-kaukana057 | 2011-02-28 22:51 | Eテレ・NHK教育テレビ

渡りの足跡

 少し前に、梨木香歩さんの新刊(と言っても1年ぐらい前に出たものも)が結構出ていることを知りました。小説でもエッセイでも、梨木さんの文章を読んでいると心が落ち着きます。ざわざわしていたものが鎮まり、視界がクリアになってゆく。書いてある内容がたとえ厳しい現実を直視したものでも、不思議と受け止められます。


渡りの足跡
梨木香歩/新潮社/2010

 渡り鳥は、季節の移り変わりとともに世界中を渡り飛ぶ。オオワシを中心に、様々な渡り鳥たちを、北海道、諏訪湖、カムチャツカなどへ観に行く。渡り鳥たちの渡りの旅路に関する話や、渡り鳥たちを見守る人々との交流を経て、人間の「渡り」にも想いを馳せる。渡り鳥と、人間・私たち自身を見つめるエッセイです。

 私にとって”渡り鳥”といえば、ハクチョウ。今の季節は、町の上空をV字型になって飛んで行ったり、川や海、田んぼで羽根を休めエサをついばんだり…私にとっては身近な渡り鳥です。ハクチョウの甲高い優しい声に空を見上げると、数羽のハクチョウが飛んでゆく。まさに、シベリウスの「交響曲第5番」のエピソードそのもの。ハクチョウが飛んでゆく様を観ると、頭の中では「交響曲第5番」第3楽章のあのゆったりとしたホルンのメロディーが流れます。その飛ぶ姿を見るのが大好きなので、シベリウスのエピソードを知ってからはもっと好きになりました。毎年秋になり、ハクチョウの姿を見ると「よく来たね。」と思う。灰色の羽毛の幼鳥を見れば「小さいのに、遠くから飛んできたんだね。すごいね。」と。そして、年が明けて3月頃になると、また北へ向けて旅立つ。「また寒くなったらおいで。気をつけて帰るんだよ。」と声をかけたくなる。私の冬はハクチョウとともにあります。
 また、ツバメも身近な渡り鳥。春、桜の季節も終わるとすばやく空を滑空する姿に、やっぱり「今年もよく来たね」と思ってしまいます。ツバメの音楽といえば、「ブルグミュラー25の練習曲」の「つばめ」。もしくはNHK教育「クインテット」の「ツバメがきたよ」でしょうか。


 私の話はこの辺にして、本の内容に。梨木さんの以前のエッセイ「水辺にて on the water/off the water」では、水の周辺の自然を見つめ、「境界」について考える内容だった。今回の「渡りの日々」は、「水辺にて」が静なら、動の内容だと思う。

 鳥たちが渡りをする際、周囲の自然を敏感に観察している。風を読み、渡りのルートを決める。渡りの途中でエサを食べるために一旦降りる。どこにも降りずに一気に渡り、通過してゆく鳥もいる。そして渡りの先がどんな土地なのか。季節が変わり、元の土地へ帰る。同じ季節がやってくれば、また渡りを始める。ハクチョウを観ていて毎年思う事がある。毎年遠い北の地から、自分の羽の力で飛んでくる。その体力はいかほどなのだろうか。また、ハクチョウには地図もGPSもない。それなのに、毎年覚えてやってくる。どうやって覚えているのだろうか。「案内するもの」の項で引用されている「鳥たちの旅 渡り鳥の衛星追跡」(樋口広芳/日本放送出版協会/2005)によると、太陽や星座も鳥たちにとって目印、案内役になるのだそうだ。渡り鳥をケージに入れて、プラネタリウムで星を見せると、その季節の星座に合わせて、飛ぶ方向に向かって動くのだそうだ。例え人工の星空でも反応する。この部分にとても驚いた。昔、人類は夜空の星を結んで星座とし、農耕や放牧、旅の目印にしたが、人だけではなく鳥たちも星を観て飛んでいたのだ。さらに詳しくはその本を読もうと思うが、感激した。

 渡るのは鳥たちだけではない。人間も「渡り」をする。旅や他の土地に移住する。「渡りの先の大地」ではエッセイ「春になったらイチゴを摘みに」で書かれていたアメリカに移り住んだ日系2世の方について、更に詳しく書かれていた。両親がアメリカに渡り、そこで生まれ育ったが、第2次世界大戦・太平洋戦争が始まると彼を取り巻く状況が変化した。「春になったら~」も読み返して、その壮絶さに絶句した。渡った先で、情勢が変化したことによって厳しい現実に打ちのめされる。でも、原点となった日本も、生まれ育ったアメリカも、どちらも故郷である。渡ったことは後悔していない。ただ、そこで生き抜くこうとする。「もっと違う場所・帰りたい場所」でも、北海道知床に移住した方の話が綴られている。

 旅や移住でなくても、毎日私たちは時空を「渡って」いる。変化し続けている。変化しないでいてほしいと思うものもある。例えば、私が思うのは縄文時代から昭和まで、日本各地に残る遺跡や建築物。歴史的に貴重と守られているものも、古い普通の民家も。いつまでも残っていてほしいと思う。その一方で、変わり続けたいと思うものもある。例えば天文学・宇宙科学・宇宙探査・宇宙利用はどんどん進んで、もっと遠くの宇宙を観てその姿をよく知りたい、無人有人に限らずもっと遠くの宇宙へ行ってみたいと思う。そんな壮大なものでなくても、自分自身も日々変わり続けているだろうし、変わるなら新しいものを吸収し続け明日に進みたいと思う。もちろん、変わらずに持っていたいものもあるけれども。

 鳥たちの渡りは、越冬や繁殖・子育てのためなど、生きるためのひとつの方法。人間も個人でも人類全体でも、生きるために、成長し続けるために「渡る」のだと思う。見知らぬ場所・見知らぬものであっても、生きるために、選んだ場所や環境に渡り、変化・成長してゆく。そう思うと、鳥たちの渡りに私の暮らしとどこか共通するものがあるのだろうな、と感じました。

 各章の末尾に、その章で出てきた鳥の解説も付いています。文字だけですが、梨木さんによる解説は、普通の図鑑の解説とは違う味わいがあります。身近にはいない鳥も多いですが、鳥を観る楽しみが増えそうです。

【過去関連記事】
水辺にて on the water/off the water
春になったら苺を摘みに
 「それぞれの戦争」の章で「渡りの先の大地」で出てきたアメリカで生まれ育った日系2世の方のお話が出てきます。
身近な鳥のふしぎ
 お手軽な鳥の図鑑です。この本に出てくる全ての鳥が載っているわけではありませんが、参考になります。

 というわけで、一気にまとめて…ではないですが、梨木香歩フェアをまたやりたいと思います。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-26 14:58 | 本・読書

ディスカバリー、最後の打ち上げ

 日本時間今朝6時53分、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-133)が打ち上げられました。打ち上げは無事に成功。ディスカバリーはISSへ向かう軌道に乗り、現在飛行2日目を迎えています。

朝日新聞:ディスカバリー最後の旅 39回目の打ち上げ成功
sorae.jp:スペースシャトル・ディスカバリー、最後の打ち上げ成功
AFP BB News:スペースシャトル「ディスカバリー」、最後の打ち上げ成功
ITmedia News:「ディスカバリー」、ラストフライト
↑下の2つは打ち上げ画像が色々あります。

YouTube:Discovery's Last Ride


YouTube:STS-133 Space Shuttle Launch


 シャトルのカウントダウンは、9分前と5分前に一度カウントダウンを止めて、各部署に打ち上げに問題がないか確認し、最終的に管制がGOを出すのですが、9分前のホールドで、コンピュータに問題があるとの情報が。しかし、問題は解決したようでカウントダウン再開。打ち上げGOサインも出た。そして、ディスカバリーは青い空に轟音と共に昇ってゆきました。きれいな打ち上げでした。今年、スペースシャトルは引退します(本当は昨年のはずが、延期が続いて…)。ディスカバリーはこれが最後の飛行。引退1号機です。引退後はアメリカ宇宙開発の歴史が詰まっているスミソニアン博物館に展示されるとのこと。スミソニアン博物館は、一度行ってみたい博物館です。

 私は今朝NASATVとニコニコ生中継で打ち上げを観ていました。NASATVは超高画質。画面をフルサイズにしても鮮明な動画。素晴らしい!ニコニコ生中継は、ホールド中にJAXAと東北大学で宇宙での生物生育の実験をしている方を招いて実験内容などについてのお話。微笑重力下でキュウリがどのように育つのか。実験結果が楽しみです。

 今回、ロボット宇宙飛行士「ロボノート2(R2)」も搭乗しています。ISS船内で、宇宙飛行士の手助けをします。ロボットがISSで働く時代になったのか~。

 打ち上げの途中、シャトルオービター(ディスカバリーの機体)とオレンジ色の外部燃料タンクの間に設置したカメラでの撮影動画を観ていたのですが、外部燃料タンクから断熱材がバラバラと落ちていきました。コロンビア事故の原因となったのが、外部燃料タンクから剥がれ落ちた断熱材が、オービターのお腹の部分にぶつかり、断熱材が破損。大気圏再突入時にそこから損傷が始まり…悲惨な事故につながりました。動画で確認したところ、オービターのお腹に強くぶつかっているようではないみたいですが、大きめの破片だったので心配です。何事もないことを祈るばかりです。

 外部燃料タンクも無事切り離し、打ち上げ成功。この後、ニコニコ生中継では、中継をしている近くに野口聡一宇宙飛行士がいるのを発見。出演交渉を開始したニコニコ生中継。そして、見事に野口さんがニコ生にご出演!!コメント欄が大変なことになっていましたが、私も興奮しました!さすがは野口さんです。軌道に乗った後、機内の宇宙飛行士たちは座っていた椅子を片付けたり、オレンジ色の与圧服から普段着に着替えたり、様々な機材のチェックをしたり…とても忙しいのだそうです。しかも、無重量状態に来たばかりで身体を慣らさないといけない。ベテラン飛行士なら早いですが、初飛行だとなかなか勝手がわからない。宇宙酔いの症状が出てくることもある。実際にシャトルに乗った野口さんの貴重なお話が、とても興味深かったです。

 そして、ニコニコ動画のマスコットキャラクタのぬいぐるみにサインまでしてくれた野口さん。どうもありがとうございます!野口さん、この時、テレビ東京で放送の番組の収録中だったとか。残念ながら、私の地域ではテレ東は映らないのです…。
 ニコニコプレミアムの方なら、タイムシフト再生が出来ます。以下からどうぞ☆
ニコニコ生中継:ジェイムス&ひろゆきが行く!ディスカバリー打ち上げの瞬間!!

 シャトルに先立って打ち上げられたヨーロッパの補給船・ATV2号機「ヨハネス・ケプラー」も無事にISSにドッキングしました。さぁ、ディスカバリーがISSに到着すれば、ISSに最初で最後の世界各国の宇宙機が勢揃いします。楽しみです。

sorae.jp:欧州補給機(ATV)2号機、国際宇宙ステーションとドッキング

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ニコ生の最後に写っていた、打ち上げ後の発射台。夕焼け空を背景に、美しいですね。

 ディスカバリー、最後の旅の無事を祈ります。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-26 00:11 | 宇宙・天文

フィンランドのサーモンスープ「Lohikeitto」を作ってみた

 先日、エースコックから出ている「AIR ACE フィンランドサーモンスープ」を食べて、インスタントではなく、自分でも作ってみたいと思いました。レシピを検索してみたら、結構出てきた(前回はここまで)。ということで、フィンランドのサーモンスープ・Lohikeitto(ロヒケイット)を作ってみます。このところ私の地域でも暖かい日が続いていましたが、今日はまた2月の寒さに逆戻り。温かいサーモンスープを食べるにはちょうどよい天候です。

・前回の記事:「フィンランドサーモンスープ」を食べてみた

 前回調べたレシピは、どれも材料も作り方も異なっていました。が、全てのレシピに共通しているものを取り出して、私の作りやすいようなレシピを参考に、自分なりのレシピで作ってみました。

【材料】
・水:300ml
・生サケ:2切れ
・じゃがいも:3個(小さいのだと4個)
・にんじん:1本
・たまねぎ:1個
・長ネギ:1/2本
・牛乳:200ml(1カップ)
・生クリーム:50ml
・ブイヨンキューブ:1個
・粉チーズ:適量
・塩コショウ:適量
・ディル:適量(生でも乾燥でもどちらでも可)

【作り方】
1.たまねぎはみじん切り、サケ、じゃがいも、にんじんは一口大に、長ネギは小口切りに切ります。

2.鍋にサラダ油(バター、オリーブオイルなら尚良い)をひき、たまねぎを炒めます。たまねぎがしんなりしてきたら、じゃがいもとにんじんを入れ、さらに炒めます。

3.水、ブイヨンキューブを入れて煮込みます。この時、長ネギを入れます。あくを取り、野菜が柔らかくなってきたらサケを入れて、さらに煮込みます。

4.牛乳、生クリームを入れ煮込み、塩コショウ、粉チーズ、ディルで味を整えます。じゃがいもがホクホクに煮えたら出来上がり。

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 こうなりました。フィンランドの料理と言うことで、iittalaの食器があれば尚良いです。欲しい…。

 このレシピですが、結構アバウトに作りました。ブイヨンはコンソメで代用しました。ブイヨンとコンソメが別物であることを、初めて知りました…。あと、味付けに「クレイジーソルト」も使いました。岩塩にコショウとハーブが入っている調味料です。目玉焼きにかけると美味しいですw

 食べてみた。うん、あの「フィンランドサーモンスープ」の味です。サケも生のものを使ったので柔らかく、美味しい。冷凍したものだと、解凍してから使えばいいのかな?あと、甘塩などの場合は、塩コショウの加減を変える必要があるかな?生のサケがあるなら、それを使うのが一番です。

 前回、最後にご飯を入れて食べたのですが、今回もやりました。元々ご飯のおかずだったのですが、最後あたりでご飯をスープの中へ。やっぱり合います、美味しいです。本国フィンランドではパンと一緒に食べるそうですが、日本人ならご飯でしょう。でも、ご飯とも合う。不思議だけれども、合うんです。

 作り方はカレーやシチューの作り方と似ているので、比較的簡単です。サケの旬の季節に是非どうぞ!

 みんなも作ってアラモード♪(まいんちゃん違う!w


【参考にさせていただいたサイト】
cookpad:北欧フィンランド料理★簡単サーモンスープ
cookpad:フィンランド料理☆サーモンクリームスープ
マイごはんの教えてあげたいわたしの毎日ごはん:フィンランド風サーモンスープ
Mikon Finland Shop:LOHIKEITTO サーモンスープ

 この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-25 23:16 | フィンランド・Suomi/北欧

絶対帰還。

 先日の若田さんISSコマンダー就任の記事にちょろっと出した本の感想です。



絶対帰還。 宇宙ステーションに取り残された3人、奇跡の救出作戦
クリストファー・ジョーンズ:著/河野純治:訳/光文社/2008

 2002年11月、スペースシャトル・エンデバー号(STS-113)は7人のクルーを乗せて打ち上げられた。そのうちの3人、ケネス(ケン)・バウアーソックス、ドナルド(ドン)・ペティット、ニコライ・ブダーリンは第6次長期滞在(エクスペディション6)のクルーで、これから4ヶ月間国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、科学実験などを行うことになっていた。4ヶ月後には、迎えのスペースシャトル(STS-114/野口聡一宇宙飛行士が搭乗)に乗って、エクスペディション7のクルーと交代するはずだった。
 しかし、長期滞在中の2003年1月に打ち上げられたコロンビア号(STS-107)が、大気圏再突入の際に空中分解。「コロンビア号事故」…7人の宇宙飛行士の命が奪われた。事故の原因解明のため、スペースシャトルの飛行は凍結。ISSにいるバウアーソックス、ペティット、ブダーリンの3人は、当初の予定よりも長くISSに滞在することになってしまった。いつ帰れるかはわからない。
 ISSに取り残された3人の宇宙飛行士。地球で待つ家族たち。帰還させようと懸命に方法を考える地上スタッフ。彼らに直接取材して、エクスペディション6のクルーが帰還するまでを追ったノンフィクションです。


 この本を読み始めたのは、コロンビア事故から8年が経った後。毎年、コロンビア事故が起こった日…日本時間だと2月1日の夜は、事故のことを想います。その日の夜、テレビは付けていなかったので、事故を知ったのは翌朝2月2日のことでした。朝起きて、テレビを付けると青空に火球のような閃光がバラバラと流れ落ちる様を観て、それがコロンビアの最期だと知って…驚きの声しか出ませんでした。静まり返った管制室。そして、その後見つかった焼け焦げたクルーのヘルメットが地上に落ちている映像も、今も頭に焼き付いています。スペースシャトルがあってこそのISS建設だったので、これからISSは(日本の「きぼう」実験棟建設も含む)、そして宇宙開発・有人宇宙飛行そのものはどうなってしまうのだろうと、考えても考えても答えが出ない日々を送っていました。コロンビア事故は2月1日。1967年1月27日のアポロ1号事故、1986年1月28日のチャレンジャー号爆発事故と合わせて、このあたりは毎年かなしみと共に宇宙飛行を想います。

 そのコロンビア事故の一方で、ISSにはエクスペディション6の3人のクルーがいた。事故のコロンビア号は、ISS建設がメインだったシャトルミッションには珍しく、ISSには向かわないシャトル単独での科学実験ミッションだった。なので、コロンビアはISSには直接関係していなかったが、関係はあった。事故でシャトル飛行そのものが凍結してしまい、次にシャトルが飛ぶのはいつになるのかわからない。また、飛行が再開しても、当初予定されていたミッションのままになるかどうかもわからない。そして、エクスペディション6のクルーの帰還と、次のエクスペディション7の打ち上げをどうするか。エクスペディション6を帰還させ、ISSを無人にしてしまうと、後に復旧するのが大変になる。ISSは建設中とはいえ、科学実験も行っており、ISSを無人にしては予定されている実験もできない(ただ、シャトルでないと運べない実験器具はどうしようもないが…)。当時、すっかりコロンビア事故と、事故の原因究明、今後シャトル計画はどうなるのか、いつ飛行再開するのかを気にしてしまい、ISSの維持のことは頭からすっかり飛んでいってしまっていました。なので、この本で「あの事故の影でこんなことがあったのか」と初めて知る内容が多くありました。

 また、この本ではSTS-113、エクスペディション6、STS-107までに至る有人宇宙飛行の歴史も随所に書かれ、振り返ることができるようになっています。過去の有人宇宙飛行の歴史の部分が時系列順ではなくいきなり出てきたり、かなり長い箇所もあり、ちょっと混乱するところもありますが、数々の有人宇宙飛行計画・ミッションを経て、シャトルとISSに至るのだなと実感します。しかし、その歴史も、アメリカ・ロシア(旧ソ連)同様平坦ではなかった。大小の事故はもちろんのこと、アメリカのスカイラブ計画では、宇宙のクルーと管制との意思疎通がうまくいかず、宇宙のクルーがストライキを起こすという事態まであった。冷戦下、アメリカはスペースシャトル、旧ソ連は宇宙ステーション「ミール」でそれぞれの道を歩むが、両国の宇宙飛行士をそれぞれの宇宙船に招待することが続けられた。その中で、ミールは故障に見舞われ、補給船「プログレス」の衝突、火災…。そんな状況でも冷静に対処するロシア人飛行士は、今も昔も変わらないのだなと思う。もちろん個人によって違いはある。旧ソ連のミッションでも、長期滞在の途中で精神が破綻しかけ緊急帰還した例があった。それでも、ロシア人飛行士はやはり心身ともに頑強というイメージがある。
 現在、ISSでは日本、カナダ、ヨーロッパ諸国、ブラジルなどが参加。多国籍で、居住環境も衣食も快適になりましたが、現在に至るまでには大変な歴史が積み重ねられているのだなと感じました。

 ISSに取り残されてしまったバウアーソックス、ペティット、ブダーリンの3人。コロンビアのクルーとも交信し、また訓練中に親交のあった飛行士もいて、3人のかなしみは深かった。そして、いつ帰れるかわからないと言う不安も。それでも、ISSでの生活・ミッションは続く。コマンダーとしてペティットとブダーリンをまとめ、無重量状態で骨や筋力が衰えないようにトレーニングを欠かさなかったアメリカ人飛行士・バウアーソックス。3人の中で唯一の民間出身(あとの2人は軍出身)の技術者で、ユニークな発想に基づく研究が一目置かれていたアメリカ人飛行士・ペティット。彼は宇宙でもそのユニークな発想と、器用な手先で壊れていた装置を直したり、様々な工夫をした。ベテラン宇宙飛行士で緊急事態でもどうしたらいいかを心得ており、宇宙で快適に暮すために様々な工夫も知っていたロシア人飛行士・ブダーリン。彼らは長引く宇宙生活を楽しみつつも、やはり寂しさも感じていた。その一方で、地上の家族のことも描かれる。やはり、宇宙飛行士にも帰る場所があるのだと感じる。

 そして、ソユーズ宇宙船で帰ることが決定。しかし、しばらく運転させずISSに係留させたままだったソユーズ宇宙船がうまく動くか。そして、帰還途中でもトラブルが…。最後までドキドキします。

 大気圏外・地上から約400km上空の宇宙空間での暮らしは、確実に身近になってきている。地上の暮らしの延長線上に、宇宙での暮らしがあり、その延長線がだんだん短くなってきている、短くなればいいとこのブログで何度も述べてきた。ところが、宇宙へ行くためには、この重力を振り切って飛ぶロケット・宇宙船がなければならない。帰還するための宇宙船も。もし、そのロケット・宇宙船が失われてしまったら、延長線は、地上と宇宙を繋ぐ糸は途切れてしまう。身近であり続ける、もっと身近になるためには、安全に、安定して打ち上げ・帰還できるロケット・宇宙船が必要なんだと感じました。そして、長期滞在も簡単ではないということ。これまで、若田さんや野口さんは比較的楽に長期滞在をこなしてきたように見える。他の宇宙飛行士も。しかし、私たちには語られていないこともあるのかもしれない。いつか、引退した後でも、一般に向けて語られたらいいなと思う。地上での暮らしと宇宙での暮らしを、もっと近づけるために。

 長い作品ですが、読み応えがありました。


【過去関連記事】
オンリーワン ずっと宇宙に行きたかった
 野口さんの、STS-114での初飛行後に書かれたエッセイ。昨年のISS長期滞在中に文庫化され、読みました。コロンビア事故がなければ、コロンビアが帰還後に打ち上げ、エクスペディション6のクルーを乗せて帰ってくる予定でした。コロンビア事故で、野口さんも大きな影響を受けました。合わせてどうぞ。

野口さん帰還と、地上の生活につながる「きぼう」の実験
 野口さんの、長期滞在からの帰還について。ソユーズ宇宙船での帰還についても書きました。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-24 22:37 | 本・読書

ISSとATV

 ここ数日、ISSとATV2号機「ヨハネス・ケプラー」ウォッチングブログになっています…。

 さて、今日はISSが見頃。天頂近くを通る、絶好の観測チャンスです。そして、ATVもISSの後数十分後に見られる予報。天気は快晴。これは着合い入れて観る!

 まずはISS.いい観測場所を探していたら、もうISSが見え始める時間。急いでカメラをセット。
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左側におひつじ座、右側の明るい星が写っている辺りがペルセウス座。その間を通過中。下に細長い三角形を形作る3つの星が見えますが、それがさんかく座。さんかく座方向へ向かっています。

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さんかく座を通過後、写ってはいませんがアンドロメダ座方向へ。おおぐま座のあたりで見えなくなりました。

今日は全くの快晴で、ISSを観た後も、しばらく星空を眺めていました。
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今日の冬の大三角形。大三角の中には、いっかくじゅう座があるのですが、暗い星座で確認できず。散開星団M50やバラ星雲など、魅力的な天体が多い星座です。

 さぁ、次はATV.予報どおりの時間、方角に見えました!しかし、3~4等程度と暗く、しかもとても速かった。なので、確認するのが大変でした。
 頑張って撮影もしてみた。
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このあたりに見えたのですが…写っていないですね。私のカメラでは無理だったようですorz

 夜になっても天気がよかったので、更に撮影。
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東の空から昇ってきたしし座。しし座はご存知の通り、春の星座。春の訪れを告げる獅子の姿に見惚れてしまいました。東の低い空には、おとめ座のスピカも見えました。

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西に傾く冬の王者・オリオン座とおおいぬ座のシリウス。それでも、その煌めきは失せません。

 今日は星空を堪能しました。ATVもこれで2回目。嬉しいなぁ!次はシャトルだ!


【おまけ】
 今日の失敗写真。
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ISSが見え始めの時間に撮影したもの。おうし座を通過するISS.プレアデス星団(スバル)との絶好のショットだったのに、雪の上で三脚がぐらつき、ISSがゆらゆらしてる…。残念。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-22 23:31 | 宇宙・天文

日欧宇宙輸送船制覇 ATV2号機を観た

 昨日は観ることのできなかったヨーロッパの国際宇宙ステーション輸送船「ATV」2号機「ヨハネス・ケプラー」。今日、再度目視にチャレンジしました。NASAのサイトで時間と方角の予報をチェックしておきましたが、直前になって変わったかもしれない。そう思ってtwitterを確認したら、既に日本上空を通過したとの情報が。…なんですと…。

 しかし、「GoogleSatTrack」などのサイトでは、これから日本上空を通過するところ。とりあえず予報どおりの方角を見てみよう、と、観てみました。

 すると、予報とほぼ同じ時間に、3等ぐらいの小さな光の点がすーっと飛んでいきました。時間も方角も、通過コースも予報どおりだったのでATVだと思います。短い間で、暗めでしたが、見入っていました。
(そのため、画像は撮影できませんでした。この間のHTV同様、どの程度の明るさかわからなかったので、観るのが精一杯でした。)

 日本の「こうのとり(HTV)」を観たからには、ATVも観たいと思っていたので、観られて嬉しいです。これで日欧宇宙輸送船制覇です。ロシアのソユーズ宇宙船、並びにプログレス輸送船はまだ観たことがありません(多分。ソユーズは観たっけかな…?)。今度はロシア宇宙機2種にチャレンジしたいです。

 スペースシャトル・ディスカバリー号の打ち上げも近づいてきました。シャトルは今年で退役予定(本当は昨年でした)なので、観られるチャンスはどんどん減っていきます。打ち上げ後には、またシャトルも観たいです。

・昨日の記事:今日のISS 「こうのとり(HTV)」付き

 このところ、まだ寒いですが晴れていると、陽の光が春を思わせます。春は確実に近づいています。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-21 23:38 | 宇宙・天文

今日のISS 「こうのとり(HTV)」付き

 現在、国際宇宙ステーション(ISS)が見頃です。今日も、19時前後の時間帯に日本上空を通過していきました。
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 画像を撮りました。南西の空、エリダヌス座のあたりを通過中、30秒間の撮影です。下から上へ昇って、見えなくなりました。

 エリダヌス座は、私の好きな星座のひとつでもあります。エリダヌスはギリシア神話に出てくる川の名前。オリオン座の青白い一等星・リゲルのすぐそばから南へ曲がりくねりながら流れ、一等星のアケルナルが終点です。アケルナルは日本では鹿児島以南でないと観られない、南方の星。私にとっては、りゅうこつ座のα星で一等星のカノープスとともに、憧れの星です。

 先日、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の無人補給船ATV2号機「ヨハネス・ケプラー」がアリアン5ロケットで打ち上げられました。日本の「こうのとり(HTV)」同様、ISSへ物資を輸送します。そのATVもこのISSが見える約5分前に見られるはずだったのですが…残念ながら見ることができませんでした。方角を時間を見当違いしていた模様。ATVがISSへドッキング(ATVはロシアモジュール側のハッチを使い、自動制御でISSに連結することが出来るので「ドッキング」です)するのは25日。それまでに、ATVも観たいです。

 今日観たISSには、先日ISSに到着した「こうのとり」2号機も付いています。地上から肉眼では明るく光る点ですが、あそこにあの金色に輝く「こうのとり」もいるのだなと思うと嬉しいです。

 ATVがISSにドッキングの25日、スペースシャトル・ディスカバリーも打ち上げられます。ディスカバリーとしてはこれが最後の打ち上げ。シャトル引退が近づいています。このディスカバリーもISSにドッキングすると、ISSには世界各国の宇宙機が勢ぞろいします。アメリカのスペースシャトル、ロシアのソユーズ宇宙船、プログレス補給機、日本の「こうのとり(HTV)」、ヨーロッパのATV。ソユーズ宇宙船は緊急時のために2機ドッキングしてあるので、1機に宇宙飛行士が乗り込みISSから離れて、勢ぞろいの様を撮影しようという計画もあるようです。地上からも、機材と相当の腕前が必要ですが、ISSの形がわかるほど撮影することもできます。天文台や、アマチュア天文家たちが狙っていることと思います。楽しみです。

 ATVがいつどの方角に見えるのかは、NASAのサイトで確認を。英語です。リンク先の、観測する都市、無ければ一番近い都市を選んで進み、「ATV」のところをご覧ください。
NASA:Human Space Flight (HSF) - Orbital Tracking


【過去関連記事】
暁の空に、こうのとり(HTV)2号機を見てみよう!
 この時も、上記NASAのサイトでHTVの情報を知りました。まだJAXAの解説ページはあるので、HTVをATVに置き換えれば大丈夫です。
「こうのとり」の飛翔 HTV2号機を見てみよう その後
 そして、HTVを観ることができました!ATVも観たいぞ。まだチャレンジしてみます。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-20 21:56 | 宇宙・天文

和音の楽しみ

 約1ヶ月ぶりですが、ピアノ練習経過です。

【クーラウ:ソナチネ4番】
 第1楽章を両手で。クレメンティの「ソナチネ7番」1楽章よりも弾きやすいと感じるのは何故なんだ…?(汗)
 この4番第1楽章は、ぴょんぴょんと飛び跳ねるようなメロディーとスケールが印象的。しかし、飛び跳ねるようなメロディーだからと言って、元気に演奏するのではない。第1主題はp(ピアノ:弱音)で始まるし、第2主題にはdolce(甘く・やさしく)とある。飛び跳ねるようだけれども、やさしく、滑らかに。でも、強弱の変化はつけて。ソナチネでも、抑揚をつけて滑らかに演奏することが求められているようです。朗らかだけれども、「元気いっぱい」とは違う。そんな微妙な変化を形にして、演奏したいです。

【シューマン:春の歌(「ユーゲントアルバム」より)】
 前回の記事でこの作品に取り組むと決めたものの、実はとても不安だった。和音は多いし、ヘミオラのリズムは取りにくいし…。本当に演奏できるようになるのだろうかと思っていた。しかし、ヘミオラのリズムを打ちながらメロディーを歌い、右手だけの練習を重ねるうちに、おぼろげながら形になってきた。まだ和音が怪しいところがあるのですが、練習するのが楽しい。和音がどのように変化していくのか。それを譜読みや鍵盤で確かめながら演奏するのが楽しい。これまで、和音の多い作品は敬遠していました。この「春の歌」のように、和音でメロディーが構成されている作品は特に。すばやく次の和音、次の和音を出すことが苦手だから。今も、途中で何度も止まります。でも、以前ほど和音への抵抗は少なくなった。シューマンのおかげです。
 でも、まだ第1主題の右手しか練習していない。左手、第2主題以降…先は長いぞ…。

 ヘミオラのリズムは頭に叩き込んだ。ちなみに、叩き込むために、楽譜作成ソフト「Sibelius6」の体験版をダウンロードして、楽譜を打ち込み、ゆっくりと再生しながらリズムを取る練習をしました。この「Sibelius6」,起動するとシベリウス「交響曲第6番」の第1楽章の終わり辺りのメロディーが流れます。まさしくシベリウス!!
(しかし、何故このソフトの名前が「シベリウス」なのだろう?「ベートーヴェン」や「モーツァルト」、「ハイドン」など、他の作曲家の名前ではなく、「シベリウス」を選んだ理由が知りたい…。開発者がシベファンだったとか…?)
Sibelius 6 - 音楽制作|譜面作成ソフトウェア

【シベリウス:樅の木】
 楽譜作成ソフトではなく、作曲家のシベリウスの作品の話。あとで挙げる「クインテット」の練習をしていて、あまり出来ていません。でも、こちらも和音の変化を楽しめるようになって来ました。

【宮川彬良:ゆうがたクインテット テーマ】
 この作品が練習曲リストに入っていることが信じられない!!
楽譜は、サイドバーにもある公式の弾き語り楽譜を使ってます。伴奏をまず練習して収録。あとでメロディー部分を演奏して、別に収録。動画作成ソフトで合わせる形を取ろうかと思っています。初級のピアノソロ楽譜もネットで見つけたのですが、ハ調に移調されていて、それを原調のニ長調に移調するのが面倒だったので、せっかく楽譜も出ていて持っているのだから、それを使おうと。
 この作品も、和音が多いです。シューマンと同じように、譜読みや練習でその和音がどのように変化していくのかを辿りながら練習するのが楽しいです。8度の和音もかなり出てくるのですが、ぎりぎりです。練習するうちに開けるようになるかとは思います。
 また、和音が多いと、音色の厚みに驚きます。音色の厚さ、響きの深さ…和音ひとつで随分違うのだなと感じています。ちょうどいい。シューマンと合わせて、和音の奥深さに浸ろうじゃないか。

 音は取れているのですが、楽曲として演奏するまでは程遠いです。3月末まで間に合うかな…。間に合わなかったら、4月以降でも練習続行します。…となると、シベリウス「樅の木」への影響が心配だな。
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by halca-kaukana057 | 2011-02-17 23:34 | 奏でること・うたうこと

祝・日本人初ISSコマンダー!

 今朝、このニュースが飛び込んで来て驚きました!

JAXA:若田光一宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について
JAXA:宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター:若田宇宙飛行士のISS長期滞在決定!(2010年2月17日)

NHKニュース:若田光一さん “船長”に就任
sorae.jp:若田光一宇宙飛行士、日本人初のISSコマンダーとして長期滞在へ
朝日新聞:若田さん、日本人初のISS司令官 2度目の長期滞在へ
毎日新聞:若田光一さん:国際宇宙ステーション「船長」に…日本人初
時事通信:若田さん、宇宙基地船長に=日本人初、13年末から長期滞在-「和の心大切に」


マイコミジャーナル:日本人の和の心を大切にしたコマンダーを目指す - 若田宇宙飛行士が会見
 ↑記者会見の詳細ならびに、これまでのISSコマンダーに関する話題も。
Imamuraの日記:若田光一宇宙飛行士、ISSコマンダー就任決定会見
 ↑記者会見の全文があります。

 2013年末頃に打ち上げられるソユーズ宇宙船で、若田光一宇宙飛行士が4度目の宇宙飛行・2度目の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在(半年間)へ。38・39次長期滞在のクルーとなるのですが、後半の39次では、ISSのコマンダーを務めることになりました。ISSのコマンダー…一般的には「船長」と訳されてますが、「司令官」「指揮官」と訳したほうがわかりやすくなるかと思います。コマンダーの任務は、ISSのクルーが安全にミッションを遂行できるように、チームをまとめること。滞在時のISSの機器の状態(ISSにある様々な実験器具からISSの生命維持装置、その時ISSに係留している補給船など)、クルーの状態も全体をつかんで把握する必要もあります。地上の管制とのコミュニケーションも重要。これまで、日本人宇宙飛行士はスペースシャトルでもISSでも、ソユーズ宇宙船でも、飛行や運用のサポートはしても指揮をとることはなかった。しかし、今回、若田さんが日本人初となるISSコマンダー就任へ。おめでとうございます!!

 これまでISSのコマンダーを担当してきたのは、主にアメリカとロシアの宇宙飛行士。加えて、カナダとベルギー(ヨーロッパ宇宙機関/ESAより)の宇宙飛行士もコマンダーを務めたこともあります。欧米以外では初(ただ、欧米諸国以外でISSでの長期滞在の資格があるのは日本だけ。出資額、「きぼう」日本実験棟の運用、補給船「こうのとり(HTV)」の打ち上げ・物資輸送などを担当することでその資格を得ています。この辺りの取り決めが非常にややこしい…)。

 コマンダーに就任することについて、上記のマイコミジャーナルさんの記事にとても詳しく書かれているのですが、こちらも。
毎日新聞:若田光一さん:和の心でまとめたい…「船長」誕生へ
朝日新聞:「ISS司令官、若田さんしかいない」 日本の悲願達成

 宇宙飛行士に求められる能力は色々ありますが、その中でも重要なのがコミュニケーション能力。決まったクルーと閉鎖環境で、3ヶ月~半年にわたって共に生活し、ミッションを遂行する。その日々の中で、意見の違いからけんかになったり、家族や友人に会えない辛さなどから悩みや不安を抱えて心を閉ざしたり…ということもありうる。しかし、そこで大切なのがコマンダーの存在。言語も生活習慣も文化も異なる各国から集まった、個性的なクルー一人ひとりの状態を把握し、困っているようであれば手を差し伸べる。ミッションがうまく行っていなければ、それがストレスとなってしまう。そうならないように、各クルーが心身共によい状態を保ち、ミッションを遂行できるようにするには、どんな場をつくればよいか。それを考え実行していくのもコマンダーの役目。若田さんが3度目の飛行・日本人初となった3ヶ月の長期滞在では、ロシア人コマンダーのパダルカ司令官が食事は皆で揃って食べることを大切にしていた。チームが結束し続けられるように。また、そのパダルカ司令官の前のアメリカ人コマンダー・フィンク司令官は、空軍時代日本に住んでいたこともあって日本語が上手。明るい性格でクルーをリラックスさせていた。また、初の長期滞在で体重が減っていた若田さんのことを心配し、アドバイスもしていた。他にも、私がこれまでISS長期滞在を見てきて印象に残っているコマンダーは数多くいるのですが(例えば、16次のペギー・ウィットソン司令官。きびきびしているお母さんのようなコマンダーで、強く印象に残っています)、若田さんがどんなコマンダーとして39次クルーをまとめていくのか、楽しみです。

 若田さんはご存知の通り、これまで3回のフライトを経験。ロボットアームの腕前はNASAトップクラス。1996年の初飛行からその腕前で、難しいミッションも確実にこなしてきました。アームの技術だけでなく、語学も堪能。軌道上でのメディアや子どもたちからの質問にも、丁寧に答える真摯で朗らかな性格も、これまでのクルーから信頼される要素だったそう。はい、若田さんの笑顔を見ていると安心します(古川さんでも同じことを言ったような…)。

 現在訓練中の5期生・油井・大西・金井の3候補生は、ISSコマンダーになることを目指して選抜された宇宙飛行士候補。この3人にとっても、若田さんがいい先達になるといいなと思います。

ISS長期滞在と、コマンダーの役割についての関連図書。

絶対帰還。

クリス・ジョーンズ / 光文社


 今読んでいる本です。スペースシャトル・コロンビア事故でISSに取り残されてしまった3人の宇宙飛行士。彼らが帰還するまでのドキュメントなのですが、コマンダーのバウアーソックス司令官の動きにも注目して読みたいと思います。

宇宙飛行士の育て方

林 公代 / 日本経済新聞出版社


 宇宙飛行士は選抜したら終わりではない。訓練を重ね、「育てていく」必要がある。宇宙飛行士がどんな訓練を受け、宇宙飛行士としての資質をどう磨いていくのか。近々読みます。

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

大鐘 良一 / 光文社


上記の油井・大西・金井3候補者が選抜された試験のドキュメント。ISSコマンダーに関する記述があります。
・私の感想:ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

 ニュースサイトへのリンクがいつも以上に多いです。本当はもっとあるのですが、追いきれない!(嬉しい悲鳴)

【関連過去記事】
タグ:STS-119
タグ:STS-127
 前回の長期滞在はシャトルに搭乗だったので、シャトルのフライトナンバーでまとめてありました。今度は、長期滞在のナンバー(○次長期滞在/エクスペディション○/Exp.○)のどれかを作らないとなぁ。(野口さんの時のにも後から作って付けておこうかな。)
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by halca-kaukana057 | 2011-02-17 22:15 | 宇宙・天文


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