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<  2012年 01月   >

  • ピアノでこれから先に進むために
    [ 2012-01-31 20:50 ]
  • まさかの、驚き新クリップ 今週のEテレ・教育テレビ
    [ 2012-01-29 23:45 ]
  • 音楽は”壁”を越えて 今週の「クインテット」
    [ 2012-01-29 22:51 ]
  • ありがとう、マエストロ・パーヴォ・ベルグルンド
    [ 2012-01-27 22:42 ]
  • 君たちはどう生きるか
    [ 2012-01-25 23:10 ]
  • 吹雪の晴れ間に
    [ 2012-01-24 23:33 ]
  • 歌だけの表現だからこそ おかいつアルバム「それがともだち」
    [ 2012-01-23 22:10 ]
  • フラットさんの幸せな口笛 今週の「クインテット」
    [ 2012-01-21 22:08 ]
  • 宇宙兄弟 16
    [ 2012-01-19 23:00 ]
  • ヤコブへの手紙
    [ 2012-01-16 23:40 ]

ピアノでこれから先に進むために

 久しぶりにピアノのことを。箇条書きで。

・これまでピアノから遠ざかっていたのですが、少しずつ練習を増やしています。ただ、酷寒の毎日。ピアノのある部屋(自室)のストーブをつけて、部屋が暖まらないと練習できません…(暖房が無いと5℃以下)。ピアノ練習には辛い季節です。

・ソナチネ7番、4番、シューマン「春の歌」op.68-15(「ユーゲントアルバム」より)を練習していますが、”何となく弾いている”状態。楽しくない。

・楽しくない理由は、”何となく”な状態だから。楽曲に、作品に、楽譜に向き合っていない。楽譜を読み込もうとしていない。ここで思った。和声法など、楽典・音楽理論をみっちりと勉強したい。それを土台にして、楽譜を徹底的に”読めるように”なりたい。楽譜を、楽譜からその作品の”音楽”を読み解きたい。読み込みたい。

・音楽理論を土台に、楽譜を読み込む。これが、その作品に向き合うということだと思う。さらに、作曲者に敬意を持って接することにも繋がると思う。今は、向き合っていない。何となく隣にいるだけ。だからつまらない。楽譜には私が読めていないたくさんの面白いことが書いてあるのに。

・”いい音楽”である理由も、つかめるかもしれない。何故、300年、200年と演奏され、聴き続けてられている音楽作品があるのか。その理由をつかみたい。

・昨年、楽典・音楽理論を復習、飛ばして勉強していた和声法を少しかじりました。が、それでは足りない。足りるわけが無い。今までのやり方、取り組み方では、先に進めない。ソナチネで停滞・苦戦している理由は、これかもしれない。ただ古典派の音楽作品に触れるだけの作品集ではない。




・少し前から、音楽を聴いて、それで満足してしまっています。音楽に限らず、観ること、読むことでも。

・と言うのは、様々な作品・演奏を聴けば聴くほど、”遠い”と感じます。自分の手には届かない。触れることは出来ない、と。

・以前は、聴いていいなと思うとすぐに、「自分も演奏してみたい」「自分もこんな演奏をしたい」と思っていました。でも、今はあまり思わない。「自分でつくること」の楽しみを失っていると、自分で感じる。「誰かのつくったもの」で満足している。「自分でつくること」を面倒だと感じている。

・「飽きた」「つまらなくなった」ではないのだけれども。いい音楽を聴けばワクワクする。でも、自分で、という次元に来ない。

・音楽というものを、身近に感じていないのかも…。以前は、ピアノ練習も、音楽を聴くことも毎日の生活、日常の中にあった。今はその頃とはちょっと違う位置にある感じがする。しばらくピアノ練習から遠ざかっていたせいかもしれない。日常に、戻したいな。

・今日、本を読んでいて、「日常で挑戦する」ということを考えました。私にとって、それはピアノかもしれない。(ピアノだろう!!と言い切りたい。)

 以上、ピアノ演奏と音楽に関する独り言、呟きでした。
by halca-kaukana057 | 2012-01-31 20:50 | ピアノ演奏・ピアノ考 | Trackback

まさかの、驚き新クリップ 今週のEテレ・教育テレビ

 久々に「今週の教育テレビ」です。「Eテレ」よりもやっぱり「教育テレビ」でしょ。

【おかあさんといっしょ】
 「あいうえおにぎり」で新クリップ登場。観た瞬間、「何だこれは…!?」と目が釘付けになった。だいすけお兄さんとたくみお姉さんが、おにぎりの被り物を被っている。腕が見える状態で。これは、罰ゲームか何かですか…?はい、だいすけお兄さんの腕のたくましさに目が…(汗

 土曜の「あつまれ!土曜日」は、鹿児島から。鹿児島の紹介で、種子島宇宙センターが。H2Bロケット2号機(宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」2号機搭載)の打ち上げ映像に、よしお兄さんもまゆお姉さんもエキサイト。思わず釘付けになった宇宙ファンです。「10かぞえたら」のH2Aロケットなど、おかいつは宇宙ファンにも優しい。しかも、「ポコポッテイト」もUFOで宇宙ネタだった。UFOを目撃したムテ吉たち3人。UFOを追いかけて、正体に迫る…が。オチはいつものオチでした。この回を観ていて、ぽてい島では満天の星空が拝めるだろうなぁと想像してしまった。そういえば、「ポコポッテイト」では、流れ星・流星群の回もあったなぁ。

【みいつけた!】
 「みいつけた!」ED・冬バージョンをまだ観ていないのだが…。おかいつの「ふゆっていいな」と同じく、冬に欠かせない曲・クリップですよ。

【リトル・チャロ2】
 あまり観ていませんが、現在放送のあたりは、第1シリーズ・ニューヨーク編が好きな方なら、嬉しい、そして切ない回です。小説版に伏線があるので、小説もどうぞ。
小説 リトル・チャロ

 来年度の編成で、第1シリーズ・ニューヨーク編が再放送されます。やった!!更に、新シリーズ「東北編」もスタート。チャロが東北の民話の世界に飛び込みます。基本、日本語番組ですが、語学枠用の英語版も作成し、放送するらしいです。東北の民話を英語でどう表現するんだろう?楽しみです。
NHK:放送番組編成計画


【アニメ「日常」】
 少し前から始まったアニメ。元々民放深夜枠で放送されていた作品ですが、教育テレビでも放送されることに。これまでに例の無い、異例の放送です。26話のシリーズを12話に、教育テレビにも合うように再編成。元のものとはちょっと違うそうです。

NHKアニメワールド:「日常」
京都アニメーション:「日常」 京アニサイト
 ↑アニメ制作の京都アニメーションによる特設サイト。
「日常」オフィシャルサイト

 相生祐子(あいおい・ゆうこ)・通称:ゆっこは、妄想しがちな夢見る女子高生。ゆっこの周りには、不思議なものがいっぱい。ゆっこの通う”時定高校”と、天才少女”はかせ”の開発した女子高生型ロボット・東雲なの、黒猫”阪本さん”が暮らす”東雲研究所”での、のんびりだけどシュールで笑える”日常”を描きます。

 ストーリーはそんなに繋がっていないので、途中から観ても大丈夫。とにかく笑えます。ゆっこと、ゆっこの友達・みおのコントのような会話。マッドサイエンティストで凄いものを開発しているのに支離滅裂な”はかせ”(でも可愛い)。ロボットであることを隠したい”なの”の奮闘とボケ。この番組の最後の良心(?)阪本さんのツッコミ。ちょうど夕飯の時間なのですが、食べながら笑ってしまう…(お行儀悪いので、よい子は真似しないように!)
 オープニングアニメも、斬新。歌も聴いていると、病み付きになってくる不思議…。
 とにかく、不思議でオモシロイ、愉快なアニメです。

 音楽は、野見祐二さん。NHKスペシャル「宇宙 未知への大紀行」(東儀秀樹さんも音楽担当ですが、オーケストレーションなどは野見さんによる)、「耳をすませば」「猫の恩返し」など。音楽を聴いていると、なかなか凝ってます。すごいよこのアニメ。
by halca-kaukana057 | 2012-01-29 23:45 | Eテレ・NHK教育テレビ | Trackback

音楽は”壁”を越えて 今週の「クインテット」

 まず、本題の前に、NHKの平成24年度番組編成が出ました。待ってました、待ち遠しかった…。
NHK:放送番組編成計画
 ↑まだ23年度のままですが、中身は24年度です(紛らわしいっ!!)。別表に、来年度番組表があります。

 「クインテット」は…存続です!今年度と同じ、土曜朝8:25~35. ただし、金曜の再放送が無くなりました。ではその再放送はどこへ行ったのか。ありません。……えっ?無い?再放送が、無い、ですと……!?

 再放送が無い、これは厳しいです。再放送で観直して、違う方向から楽しめた、ことは何度も。そして、何か(地震などの災害、緊急ニュースなど)があって、土曜朝の放送が潰れた時の保険が無い。毎週一発勝負。せめて今年度前半のように、夕方に再放送してくれれば…。夕方放送があれば、「ゆうがたクインテット」としての「クインテット」も復活しますし、夕方の方が観やすい人にも優しい=観る人が増えますし。それが無理なら早朝や深夜でも構わない。Eテレ(教育)がダメなら、BSでも結構(Eテレの子ども向け番組をBSでも放送していますし)。
 存続で一安心ですが、完全な週1.厳しいです。

 まさか、翌週に再放送する、とかじゃないでしょうね?放送回が減るじゃないかー!!

 ちなみに、「クインテット」よりも心配なのが、BSプレミアム「宮川彬良のショータイム」。関係者のtwitterや、昨日の放送での発言で、次回2月の放送が最後…かもしれません。ちょっと待ってくれ…1年で終了って…(続きは「ショータイム」の別記事で)

 来年度は、最悪の事態、今年度以上に欠乏症になりそうな予感…大丈夫か、私。

 金曜の再放送、「幸福くん」ますます好きになる。演奏しているアキラさんが嬉しそうだ。ピアノを演奏している背中や指ばかり写っているけど、そこからもこの作品(お父様・泰さんの作品)への愛情が感じられます。

*****

 では、本題。ドラマパートは「聖者の行進」。ゲームに夢中になっているシャープ君。演奏しますよと言っても、聞かない(効かない)。見かねたスコアさんは、曲目変更して、演奏を始める。演奏を聴いたシャープ君は、ゲーム機を放り投げ、トランペットを手に演奏、そして歌う。
 「聖者の行進」、シャープ君も大好きな曲だと言っていましたが、私も大好きな曲です。子どもの頃、ピアノ教室で先生と連弾したのがとても楽しかった。「クインテット」版もノリノリの、楽しいアレンジ・演奏。ここで、シャープ君が英語の歌詞を歌っています。字幕放送で、英語歌詞がちゃんと表示されていました。「クインテット」の字幕放送は便利、視聴者に優しい!でも、この英語歌詞の字幕なしでも、楽しめるんですよね。歌詞の意味はよくわからない(実際、英語歌詞が表示されても、当然のことながら訳までは表示されない)。でも、シャープ君のノリノリの歌や、演奏でその楽しさが伝わってくる。

◇【参考リンク】英語歌詞と意訳はこちら:When the Saints Go Marching In 聖者の行進(聖者が町にやってくる)

 音楽は言語を、国境を越える、とよく言われます。その一方で、音楽はそれぞれ生まれた国・地域の言語や文化・風土に基づいていて(例えば同じクラシック音楽でも、ドイツ・オーストリア、イタリア、フランス、ロシア、東欧、北欧では全然違う)、国境はある、とも言われます。私もそう感じています。でも…何の知識も無しに音楽だけ聴いて、いいなぁと思うことは何度も。洋楽を聴いていて、歌詞はよくわからないけど「この曲好きだ!」と思うことも何度もあります。やっぱり、音楽は言語を、国境を…様々な”壁”を乗り越えてしまうんじゃないか。そう感じました。

 パート3は、今週は2本。まずはアニメ「手あらい数え歌」。寒波で風邪・インフルエンザが流行っています。この歌を歌いつつ、しっかりと手洗いしましょう。私も手を洗う時、この歌が脳内再生されます。プラス「ウガイ人のウガイさん」も。♪あーあーあーあーあーあーあーあー

 次はクインテット雑唱団「美しく青きドナウ」。来た、待ってましたwこれ、大好きです。クラシックの名曲を、テキトー(?)に歌うこのシリーズ。ラヴェル「ボレロ」、ドヴォルザーク「ユモレスク」、シューマン「トロイメライ」(「子供の情景」より)、メンデルスゾーン「結婚行進曲」(「真夏の夜の夢」より)。と、この「美しく青きドナウ」。コンサートでも演奏されていますが、雑唱団の方が先に出てきました。初見の時は笑い転げましたww 歌も勿論ですが、アキラさんの指揮の再現率が高いwそっくりww操演の人は、アキラさんの指揮を相当研究・練習したんだろうな…あ、下の人など(以下略

 コンサート前、黒猫ニャンコロスキーをモデルに、絵を描いているシャープ君。でも、モデルが動く…。動かないでと連呼するが、ニャンコロスキーには通じなかった。逃げたニャンコロスキー。モデルはどこへ行った?と慌てるシャープ君。慌てっぷりが可愛い。

 コンサートは、モーツァルト「フィガロの結婚 序曲」。今日のアイキャッチでも出てきました。と言うのは、1月27日はモーツァルトのお誕生日。この季節の恒例です。カツラと、アキラさんのカメラ目線に相変わらずクスリと笑ってしまいます。演奏も楽しい。この演奏・演出も、”壁”(=クラシック音楽の固定概念)を乗り越えてますね。”壁”なんて気にしないで、ひょいと飛び越えて、楽しもうよ。この番組のこのコンセプト(アキラさんが「クインテット」に込めているメッセージ)が大好きです。
 「フィガロの結婚」は、今年度2回目ですね。
アリアさんの美声スペシャル2011年7月9日

 来年度の編成がわかって、放送は楽しんでいますが、心の片隅に心配の種があることを自覚しながら観ていました。ああ…。
by halca-kaukana057 | 2012-01-29 22:51 | Eテレ・NHK教育テレビ | Trackback

ありがとう、マエストロ・パーヴォ・ベルグルンド

 今日は悲しいニュースを…。

読売新聞:パーボ・ベルグルンド氏=フィンランドの指揮者

YLE:Kapellimestari Paavo Berglund on kuollut
 ↑フィンランド国営放送YLE。フィンランド語です。
HS.fi:Kapellimestari Paavo Berglund on kuollut
 ↑フィンランドの主要紙「HELSINGIN SANOMAT」。フィンランド語です。
THE Washington Post:Finnish conductor Paavo Berglund, known for Sibelius recordings, dead at age 82
 ↑ワシントン・ポスト紙。英語です。

 フィンランド人指揮者・パーヴォ・ベルグルンド死去…ですって…!? 25日、82歳だったそうです。長く闘病生活を送っていたそうです。
 このニュースを見た瞬間、ただただショックでした。そして、涙が…。

 ベルグルンドといえば、やはり同じくフィンランドの偉大な作曲家・シベリウスの作品が挙げられます(勿論、シベリウス以外の作曲家の作品の演奏もあります)。ベルグルンドは1929年生まれ。シベリウスは1957年死去。同じ時代にフィンランドに生き、2人は会ったこともあるのだそう。ベルグルンドは元々はフィンランド放送交響楽団のヴァイオリン奏者だった(熱血漢で、楽曲の解釈が合わないと指揮者と論争したことも…)。その後、フィンランド放送響を始め、様々なオーケストラと共演。また、左利きで、左手に指揮棒を持つ指揮者としても知られていました。

 私にとって、ベルグルンドは、シベリウス作品に触れるきっかけであり、シベリウス作品が大好きになるきっかけでもあり、そしてクラシック音楽に親しむようになったきっかけでもある。今の私に無くてはならない指揮者・マエストロでした。

 以前も書いたとおり、クラシック音楽を聴き始めた頃、ピアノ曲や器楽ソロ、管弦楽の小品には親しんでいましたが、交響曲となると”長い、重い、難しい”というイメージが払拭できずなかなか親しめずにいました。そんな時、「シベリウスの交響曲(特に後期交響曲)がいい」というコラムを読みました(ちなみに、今だから話そう…そのコラムの筆者は、大河ドラマ「平清盛」の音楽も担当している作曲家・吉松隆さん。シベリウス6番交響曲のような作品を書きたいと作曲家を志し、シベリウスを師と仰いでいることを、この時は知りませんでした)。そして、図書館で借りてきたのが、ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の交響曲全集。シベリウスの交響曲は7曲。さて、どれから聴こうかと迷い、1楽章のみで演奏時間の短い7番から聴いてみた。そして、聴いた瞬間「わあっ…」と思った。音が澄んでいる、透明。静かで、音がゆったりと揺れ動くよう。メロディーも、出てきたかと思うと消えてしまう。そして、あの神々しいトロンボーンのソロ。演奏時間約20分。聴き終わった時、私はすっかり魅了されていた。それまで私が抱いていた交響曲のイメージを、いい意味でぶち壊してくれた。7曲全部聴いて、シベリウスの音楽をもっと聴きたい、他の作曲家の交響曲ももう一度ちゃんと聴いてみたいと思うようになっていた。このベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管のシベリウス交響曲全集は、私のクラシック音楽に親しむ道標のような存在になった。

 その後、ベルグルンド指揮フィルハーモニア管弦楽団による「フィンランディア」などの交響詩・管弦楽曲や、ヘルシンキ・フィルとの交響曲・管弦楽曲も聴いた。ヘルシンキ・フィルとの演奏は、ヨーロッパ室内管よりもあたたかい演奏だと感じた。この演奏には感動しました。

 他の指揮者によるシベリウスも色々聴いたけど、やっぱり最後に戻ってくるのはベルグルンドが指揮した演奏だった。落ち込んでいる時、ひとりになりたい時は、いつも交響曲第4番を聴いている。果ての無い暗い曲だが、聴いていると落ち着いてくる。雪が降ると、5・6・7番を聴きたくなるし、春が近づくと2番、初夏には3番を聴いている。ベルグルンドのシベリウスは、どんな時も心の支えだった。私の心にピッタリ来る音楽だった。

 今夜はベルグルンドのシベリウスを聴きまくろうと思う。

 ベルグルンド先生、ありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 最後に、ベルグルンドの指揮動画を。
Jean Sibelius - Symphony No. 5

 1971年、日本フィルとの交響曲第5番。

Jean Sibelius' tone poem The Bard
 フィンランド放送響との「吟遊詩人」op.64.ハープが美しい、私もお気に入りの作品です。

Sibelius: Symphony No.7 - Berglund(2002Live)
 動画ではなく音源だけ(イラストは気にしない)。10年前、2002年、BBC交響楽団との交響曲第7番です。

Jorge Bolet and Paavo Berglund in Rehearsal
 シベリウスではないのですが、珍しい動画を。ベルグルンドが、ピアニスト・ホルヘ・ボレットと一緒にラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を打ち合わせ・練習。オケはなく、ピアノだけ。ベルグルンドが指示を出しています。ベルグルンドが話しているところを観たことが無かった。何と言っているのかわからないのが悔しい…。

Beethoven - Piano Concerto n.3 Emil Gilels - Philharmonia Orchestra, dir. Paavo Berglund
 こちらも、シベリウスではないのですが。エミール・ギレリスのピアノで、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」。オケはフィルハーモニア管。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で、第3番が一番好きなんです。このコンビでこの曲が聴けるとは嬉しい。1984年のものです。

【関連リンク】
The Giant Conductor: a maestro mourns
 フィンランドを代表する指揮者・サカリ・オラモによる、追悼文。オラモもフィンランド放送響のヴァイオリン奏者(コンマス)で、後にフィンランド放送響の指揮者となった。ベルグルンドと同じように。

森と湖の詩:Kiitoksia Maestro Paavo Berglund
 オスモ・ヴァンスカのお弟子さんで、シベリウス作品に精力的に取り組んでいる指揮者・新田ユリさんの公式ブログより。新田さんも、ベルグルンドに会ったことがあるのだそう。その時の思い出を語ります。


【過去関連記事】
やっぱり フィンランド人指揮者でシベリウス
 ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管のシベリウスについて語ってみました。
アアルト風シベリウス フィンランド人指揮者でシベリウス・ふたたび
 こちらはヘルシンキ・フィル盤。
冬から春へ…節分に聴きたいシベリウス
 ヘルシンキ・フィルとの2番。
by halca-kaukana057 | 2012-01-27 22:42 | 音楽 | Trackback

君たちはどう生きるか

 先日読んだ「僕は、そして僕たちはどう生きるか」(梨木香歩:著)の元となった「君たちはどう生きるか」、読みました。岩波文庫版で。

僕は、そして僕たちはどう生きるか:(梨木香歩)

君たちはどう生きるか
吉野源三郎/岩波書店・岩波文庫

 この作品が発表されたのは1937年(昭和12年)。その後、修正はされているが、書かれている内容は今読んでも古臭いとは感じなかった。現代でも通じる、普遍の内容であると感じた。「貧しき友」の章も現代に通じるところがある…と書くと、豊かになったと思える現代でも貧困の問題を克服できていないのか…と考えてしまった。この作品の時代の貧困と、現代の貧困はまたちょっと違うけれども。

 15歳の中学生の少年・コペル君(本名は潤一だが、そうあだ名がついている)と、学校の友達、そしてコペル君が父を亡くした後、父親のような存在であるおじさんとの交流や会話、様々な出来事を通して、コペル君が成長してゆく物語として書かれている。友情や生き方について書かれている部分もあるが、メインは「社会の中で生きる」ということ。デパートの屋上から街を見ていたコペル君が、僕らは広い世界の一分子で、人間はその集まりだ…ということを考え、おじさんに話す。そして、その”分子”は「生産関係」の中で、ものを生産し、消費している。ものは世界中を駆け巡る。会ったこともない人とも、生産した何かで繋がっている。それは、遠い過去から続いている。文化や芸術も、世界中を駆け巡って伝わり、それぞれの民族によって異なる特色が加えられた。普段、生活していると自分の身の回りしか気にしない、身の回りのことだけ考えてしまう。が、コペル君とおじさんの言葉は、誰もが広い世界に人間同士何らかの関わりを持って生きているんだ、という視点を静かに、穏やかに、優しく語りかけ、気づかせてくれる。

 そんな世界・社会で生きてゆくためにも、自分が感じたことをごまかさず、正直に受け止めて考えてゆくこと。過ちを犯したら、苦しんでもそれを認め反省し、もう一度立ち上がること。歴史に学ぶこと。社会のために貢献すること。おじさんはこれらを力強く語りつつも、押し付けるようなことはせず、一文一文考え、噛み締めながら語る。おじさんの視点で読むか、コペル君の視点で読むかで、また味わいも異なる。深い本だ。

 「雪の日の出来事」から「石段の思い出」「凱旋」までの章は、結構重めの物語。友情を壊してしまったというコペル君の境遇に、自分の過去を重ね合わせて読んだ。切ない、辛い、苦しい。でも、コペル君はおじさんや母の言葉に励まされ、友情を取り戻そうとする。コペル君も、友達もとても真摯で、心優しくあたたかく、こんな友情はずっと続いていくんだろうなとちょっと羨ましくもなった。それを作るのは、読者の君たちなんだよ、と筆者は言いたかったのかもしれない。

 お茶目でいたずら好きなコペル君や、友達との無邪気な会話、更に柔らかいイラストがユーモラス。書かれている内容は濃いのに、あたたかく手を引いて物語の世界へ入れるようにしてある。80年以上も読み継がれていても不思議じゃない、と感じました。

 中学生、もしくは高校生の時に出会いたかった。でも、大人になってから読んでも遅くは無い。いい本だ。いい本に出会えて幸せだ。そして、この本は「社会の中で生きる」スタートラインなんだ。そう感じました。物語はまだまだ続きそうなところで終わっている。この先は、君たちが生きて、作ってゆくのだよ。おじさんがそう言っているような気もします。
by halca-kaukana057 | 2012-01-25 23:10 | 本・読書 | Trackback

吹雪の晴れ間に

 昨日から、全国的に寒くなり普段あまり雪の降らない地域でも雪が降った、積もったというニュースを大変だなぁと思いつつ観ていました。私の住む地域は豪雪地帯。雪なんて見慣れている、けど、そうでもなかったりする。

 と言うのは、雪は時によって様々な表情を見せるから。数メートル先が見えなくなる猛吹雪もあるし、ゆっくり穏やかに降る粉雪もある。初雪の頃と春が近づいてきた頃のみぞれ、粒々のあられ。積もった雪も天候によって表情が異なる。

 今日も吹雪いていたのですが、その数十分後にサッと青空に。雪の白と空の青が美しくて、思わずカメラを手に外に出ていました。シャッターを押す時手袋を外していたのですが、氷点下で手袋無しはきつかった。指先がかじかみましたw(無茶するなw





 雪には辛い面も勿論ある。大雪で道路が狭くなり、道路もガタガタで歩くのも運転するのも大変。雪で渋滞。除雪車が家の前に置いていった雪の塊を片付けるのは辛い(でも、除雪車が来ないと困る)。毎日毎日雪かき続きで嫌になる…こともあります。もう勘弁してくれ!と叫びたくなります。
 でも、暖冬で雪が無いと逆に心配になる。どこか落ち着かない。何だか物足りない。また、雪がもたらすものもある。スキーも雪が無いと出来ないし、溶ければ春以降の水源となる。暖冬の時、雪が少なくて春以降に水不足になり、農作物に影響が出るのだそうだ。それを知った時、この雪も自然の一部であり、大切なものなんだと思いました。

 これからも、私は雪と共に生きるのだろうな。そうこの雪景色を見て思っていました。

・過去関連記事:北欧に学ぶ、冬を"楽しむ"方法
 寒く暗い厳しい冬を楽しむ、ということ。
by halca-kaukana057 | 2012-01-24 23:33 | 日常/考えたこと | Trackback

歌だけの表現だからこそ おかいつアルバム「それがともだち」

 「おかあさんといっしょ」の最新CD「それがともだち」をようやく聴いたのですが、凄かった。

NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト それがともだち

横山だいすけ/三谷たくみ / ポニーキャニオン



 収録曲は一昨年11・12月の「くりとくり」から、昨年10月の「ねこ ときどき らいおん」まで。更に過去曲、「モノランモノラン」と「ポコポッテイト」の主題歌、「あしたてんきにな~れ!」ポコポッテイトver.と結構盛りだくさん。ああ、「モノラン」も懐かしくなりにけり…。「ポコポッテイト」も面白いけど、「モノラン」の物語もまだまだ観たかったなぁ。(BSおかいつがあれば…)そんな気持ちで、「みんなみんなみんな」を聴いています。

 さて、CDで聴くと普段テレビで観ているのとは異なる印象を持つ曲が多い。昨年4月の月歌「えがおでいこう」は、曲と2人の歌声に元気になれる。テレビで観た時は、アメコミ風のアニメーションが苦手でどうもピンと来なかったのだが、音だけ聴くといいなと思える。あと、この時は震災直後で混乱していた時期なので、ようやくこの曲を落ち着いて聴けるようになり、感想も変わった。「リンゴントウ」のたくみお姉さんの歌い方がとても優しくて、これも放送で観た時と違った感想を持った。「ねこ ときどき らいおん」と「くりとくり」は、2人の歌い方・動物の鳴きまねが可愛い。「キッチンオーケストラ」や「新幹線でゴー!ゴ・ゴー!」、「こんや こんにゃく」は音が楽しくて、ますます好きになる。「それがともだち」も、最初は変な曲だなぁと思ったのに、2ヶ月も聴いたらユニークな曲が「ともだち8にん」の雰囲気に合っていると思うし、歌詞でグッと来る。

 さて、今回のCDは、過去曲が名曲揃い。「風とパレード」、「にじのむこうに」、「きみのこえ」…この3曲が入っていることに感動。そして「ぼよよん行進曲」。だいすけお兄さん…本当に成長したなぁ…と何度も聴いてしまう。優しくやわらかく、あたたかいだいすけお兄さんの歌声に、「力強さ」がプラスされた。放送でも今年度に入ってからこの歌が歌われることが多くなり、回を重ねるごとに巧くなってると思っていたのですが、とうとうここまで!だいすけお兄さんの「ぼよよん~」は、どこか遠くを目指して、そこにジャンプして飛んでいくような感じだなと。本当に「あの雲まで手が届きそう」な、「あの星さえ手が届きそう」な。そんな力強さ。オリジナルのゆうぞうお兄さんのも大好きですが、だいすけお兄さん版もいいよ!

 しかし、それ以上の曲があった…。あの「こんや こんにゃく」を越えたと言っていい…「イカイカイルカ」。1年目、夏のスペシャル沖縄ロケで歌われたのが最初ですが、今回録りなおし。この歌はオリジナルのけんたろうお兄さん・あゆみお姉さんの伝説のクリップが衝撃的ですが、今回はCD。クリップではありません。それなのに、2人がキャラ崩壊してる!!w歌が、歌声が…凄い。渾身の「イカイカイルカ」!被り物や、2人の得意な顔芸といったビジュアルでキャラ崩壊するのではなく、歌声だけでキャラ崩壊するような歌い方が出来るって凄い。歌のお兄さん・お姉さんの本気を聴きました。しかし、その後の曲が「リンゴントウ」とは…。

 「ふたりでひとつ」はだいすけ・たくみコンビだからこそ歌える歌だなぁ。

 今回のCDは、これまで以上に気合の入った、素晴らしいアルバムだと感じました。ビジュアル無しに、歌だけでどこまで表現できるか。歌だけの表現だからこそ、できることがあるんじゃないか。そんなことを感じました。
 「おうちにかえろう」、「モンスタップ」が収録される次のアルバムも出るのが待ち遠しい。この2曲だけでもたまらない。CDでじっくり聴きたい。
by halca-kaukana057 | 2012-01-23 22:10 | Eテレ・NHK教育テレビ | Trackback

フラットさんの幸せな口笛 今週の「クインテット」

 まず、先週放送の再放送を観て、勘違いをしていました。ドラマパートでシャープ君に昔話をしていたのは、スコアさんではなくアリアさんでした。アリアさんは「楽器の話」で朗読は得意。でも、スコアさんもパート3の「小噺」コーナーがある。スコアさんの朗読も聞きたいなぁ。
・先週の:眠りを、涙を誘う 今週の「クインテット」


 では今週の「クインテット」。ドラマパートは「幸福(しあわせ)くん」。作詞岩谷時子、作曲宮川秦…はい、宮川親子共演です!「クインテット」での、宮川親子共演作品は、「銀色の道」、「君をのせて」(沢田研二さんの)、「シャボン玉ホリデー」(「手あらい数え歌」の回)と、この「幸福くん」の4作品。少ないと思うか、これでいいと思うか…。「若いってすばらしい」を歌って欲しかったな、と思う。
 ちなみに、先日ラジオを聴いていたらいきなり「カリキュラマシーン」のテーマが流れてきて、思わず反応してしまいました。リアルタイム世代では無いのですが…あれ脱線したw

 話を元に戻して、この回の冒頭、フラットさんの不幸物語を回想するシーンで、辛いと思いつつも笑ってしまう。ごめんなさいフラットさん。でも、そんなフラットさんが大好きです。スコアさん、フラットさんは不幸を背負っていると断言しつつも、気遣ってくれる仲間がいることは幸せだと。そしてこの歌。フラットさんの口笛がぴったりと合う。フラットさんはネガティヴ、ペシミスト、心配性、そして不幸体質。楽器は柔らかくあたたかな音色が特徴のクラリネットを担当、そして人の感情をダイレクトに伝える音色の口笛も得意。陰鬱な表現も得意ですが、長調の朗らかな表現にはもってこい。フラットさん自身の性格・個性と、演奏する楽器(口笛も含む)の性格・特徴が相反している。ここが面白いなぁと感じます。

 アリアさんが歌っていると、どこからかあの口笛が。そして帰ってきたフラットさん。お土産の「幸福まんじゅう」を手に。フラットさんも、不幸なだけじゃない。朗らかさ、切り替えのよさも持ち合わせているし、友達思い(時に迷惑になることも…)。スコアさんの最後の言葉がよかった。フラットさんはクインテットメンバーに気遣われている。フラットさんも、メンバーのことを大事にしている。幸せは、すぐそばにあるんだと。

 パート3は「つまんないうた」アニメ。前にも書きましたが、この歌の破壊力は想像以上だと思う。取り扱い注意。楽しい気分も全否定、ぶち壊しにしてしまう。ある意味「おわびのスキャット」より強烈な歌かもしれない…。

 コンサート前のシャープ君。トランペットも好きだけど…、心の中では「練習だいきらい」を歌いたい気持ちなのかも(想像です)。でも、コンサートとなれば、しっかり演奏します。そこがシャープ君のすごいところ。

 ということでコンサートは、ショパン「華麗な大円舞曲」。あ、昨年9月10日以来、今年度2回目だ。華麗です。でも…まだ放送してないコンサート曲もやりましょうよ。

【過去関連記事】
フラットさんの幸福と不幸 今週のクインテット(2008.10.18)
 「幸福くん」初回。初回以後毎年放送されてる気がする。いい回だなぁ。
フラットさんの地獄と天国 今週の「クインテット」
 今年度の「華麗な大円舞曲」の回。ドラマパートは「ほえろライオン」…不幸なフラットさん回だったか…。


*****

 さて、「クインテット」コンサートスコア集第1巻のオンライン販売が始まりました!
おふぃすベガ:top
 ↑トップページにある「クインテット」スコア集へ。

 第1巻のみの販売です。やはり2・3巻は誤植発見のため、延期の模様。ゆっくり待ちます。
 今のところ、販売はアンサンブル・ベガコンサート会場か、このオンライン販売のみだそうですが、全国の楽譜店から問い合わせも多いのだそうです。そのうち店頭販売があるかもしれません。あるといいなぁ。

「クインテット」スコア集には、全国より多数お問い合わせを頂いております。現在のところ、公演会場、当社オンラインショップのみの販売ですが、今後増える可能性もございます。お近くの大きな楽器店などでリクエストして頂くのもよろしいかもしれません! #nhk_quintet
posted at 2012.1.18 15:02:54
twitter:おふぃすベガ(@officevaga)




 そして…NHKの来年度の番組編成の発表はまだですか…。待ちくたびれてます。長寿番組の終了のお知らせが何件か…来年度の編成も波乱の予感?「クインテット」はどうなる!?続く、よねぇ…?
by halca-kaukana057 | 2012-01-21 22:08 | Eテレ・NHK教育テレビ | Trackback

宇宙兄弟 16

 発売してからもう1ヶ月経とうとしている…。「宇宙兄弟」16巻です。だから単行本が出るペースが(以下略。いい加減慣れなさい

 ちなみに、帯にも書いてありますが、4月からアニメ化されるとのこと。制作会社、放送局などの詳細は未発表です。民放深夜枠だったら、ほぼ確実に観られません…(NHKで頼む!)。5月は映画。「宇宙兄弟」祭りが来るのか?ちなみに、映画は今のところ観に行く気はありません。この作品を実写化するイメージが、私にはありません。

 …ぶつくさ言ってないで本題行きましょう。

宇宙兄弟 16
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2011

 月面でのミッションを想定した訓練をするため、海底にある訓練施設「アクエリアス」でのNEEMO訓練に挑む六太・ケンジ・新田。六太とケンジは同じ班で、先輩宇宙飛行士のジョージ・ラブとアンディ・タイラーと組んで訓練をすることに。これまでのASCAN訓練などでのことで、六太の名と噂は先輩宇宙飛行士たちにも知れ渡っていた。そんな中で訓練することに、不安を感じる六太だった…。
 訓練の内容は、月面基地と周辺設備のモデルを船外に作ること。アイディアはグループの4人のうちの2人の新人が考える。これまで通り、ケンジと協力してアイディアを出していった六太だが、コマンダー役のラブがひとつの事実を2人に告げる。2人のうち、月へ行けるのは1人だけ、だと…。


 15巻は日々人でしたが、16巻はムッタです。始まりましたNEEMO訓練。宇宙飛行士にとって、このNEEMO訓練は重要な訓練のひとつです(全員が必ずしもやるわけではないですが)。何と言っても、海底なので宇宙空間と似ている。船外活動は特に。勿論、違うところはあります。この違うところが、作品内でちょっとしたポイントになっていました。
 ちなみに、15巻が出た時、ちょうど大西卓哉宇宙飛行士がNEEMO訓練に入ったのですが…ハリケーンのため中止。残念無念…。

 さて、親友ケンジとともにアクエリアスに乗り込んだムッタ。最初はいつもの調子だったが、この訓練の真実「新人2人のうち、月に行けるのはどちらか1人だけ」という事実を知って…動揺しないわけがない。ムッタにとっても、ケンジにとっても、選抜試験も一緒に乗り越えてきた、親友であり助け合え信頼できるパートナー。それなのに、この訓練では2人が争わないとならない。酷だ…!事実を知って、苦労をかけてきた妻と子どもを想うケンジ。慣れないアメリカでの生活、妻のひとりでの苦労、娘・風佳は出張・長期訓練ばかりのケンジが家にいないことを寂しがっている。その一方で、2人はケンジが宇宙へ、月へ行くことを一番に応援してくれている。その気持ちに応えなければ…。その後のケンジの変わり様が、切ない。大切な人がいるからがんばれる、風佳の言葉で言うと「ムリできる」。辛い、冷酷な「ムリ」に。

 一方のムッタ。ムッタも、シャロン博士の月面天文望遠鏡計画のため、弟・日々人と一緒に月に行くため…と考える。が、やっぱりムッタはムッタだった。場の流れでアンディに相談したムッタ。なかなかミッションのアサインを貰えず、悩んでいたアンディがたどり着いた答えにムッタは大事なことを思い出した。そしてムッタもこう考え行動する…「先のことを考えるのをやめた」「今この訓練をどうやったら最高のものにできるか」。思えば、選抜試験で挑んだ閉鎖環境試験でもそうだった。誰が選ばれるのか、自分をよく見せるには、邪魔な人を蹴落とすには…ではなく、今目の前にある課題に、皆で取り組む。それが、結果に繋がっていった。

 結果や、この先どうなるのかを考えると止まらない。考えずにはいられない。でも、考えは、アンディが悩んでいた時のような「妄想」へと変化してゆく。それに囚われて、行動できなくなる。そうなってしまったら意味がない。行動しなければ、何も始まらないのだから。
 アンディも、ムッタも、どうしたら自分が選ばれるのか、結果はどうなるのか、「考える」のをやめて今やることに集中した。これは、宇宙飛行士でなくてもとても大事なことだと思う。結果だけ考えて、恐がって行動しない自分にとって、目の前の霧を吹き飛ばしてくれるような言葉だ。大事なのは、今この時。今やっていることをこなしていく。それを続ければ、結果はついて来るのかもしれない。ああ、結果のことは考えない!

 その後の2人は、これまで以上に信頼し合えるパートナーになっている。本当に、ムッタとケンジで月に行けたら最高のミッションになるんじゃないかと思うのに…。事実を知って、信頼関係はますます強くなった。あれ、これじゃビンスさんやラブさんの思惑通り…?

 一方、ロシアからヒューストンに戻され、パニック障害のことがバレてしまった日々人。でもめげません。ローリーと医師を巻き込んで、こっそり”ロシア式訓練”を再開。ローリーが「あのタフなヒビトからはとても想像できない」と言っていたが、いや、日々人はタフだ。きっと大丈夫。

・15巻感想:宇宙兄弟 15
by halca-kaukana057 | 2012-01-19 23:00 | 本・読書 | Trackback

ヤコブへの手紙

 少し前に、面白そうなフィンランドの映画を見つけました。私の地域では上映されなかったのでDVD待ち。ようやく観ました。

ヤコブへの手紙(原題:postia pappi Jaakobille) [DVD]

監督・脚本:クラウス・ハロ/出演:カーリナ・ハザード,ヘイッキ・ノウシアイネン,ユッカ・ケイノネン,エスコ・ロイ/ネエプコット/2011(フィンランドでの公開は2009)



 1970年代のフィンランド。終身刑で12年間刑務所にいたレイラは、恩赦で釈放される。釈放されても行くあてもないレイラだが、勧められしぶしぶ年老いた盲目の牧師・ヤコブのもとで住みこみで働くことに。仕事は、ヤコブに届いた手紙を読み、返事を代筆すること。ヤコブに届く手紙には、人々の悩みや相談、祈っていて欲しいということが書かれている。レイラはその手紙を読みつつも、内容やヤコブの話すことに理解を示さず、ヤコブや郵便配達人と距離を置いていた。
 そんな中、ヤコブのもとに手紙が一通も届かなくなってしまう。落ち込むヤコブ。そんなことは自分には関係ない、どうでもいいと思いつつも、レイラは…。

 75分と短めの映画です。牧師さんがメインキャストであること、タイトルの「ヤコブへの手紙」も新約聖書の「ヤコブ書」を意識していることなど、キリスト教の思想が根幹にある作品です。なので、キリスト教に疎い私が観ても大丈夫だろうか…と思っていたのですが、観て、キリスト教というひとつの宗教に限定されない、「生きること」全てに共通するものを感じました。

 終身刑という重い罪(何の罪なのか、何を犯したのかはネタバレになるので伏せます。物語の最後で出てきます)を負い、人と距離を置き分かり合おうとはせず、いつも周囲を警戒し、威嚇しているレイラ。更に大柄で恐そうな顔。一方、年老いて盲目ではあるけれども、人々から毎日手紙が届き、相談にのっている心優しいヤコブ牧師。全く正反対の2人。レイラが刑務所を出て、ヤコブの住む牧師館へやってきた時も、ヤコブは歓迎するが、レイラは何故自分はこんなところに来なければいけないのだと言わんばかりの態度。手紙を届けに来る郵便配達人も、ヤコブを慕う一方で、レイラは終身刑だった女だと知っており、恐れてなるべく関わらないようにしている。レイラからすれば、わけのわからない老牧師と、どうでもいい手紙を読み、郵便配達人にもイライラする。レイラは何か事件を起こすんじゃないかとハラハラしていました。

 しかし、時間は淡々と流れる。牧師館の周囲は、白樺の林が美しい。まさにフィンランドの田舎だ。レイラとヤコブの食事やお茶の時間も、ぎくしゃくしているようでどこかゆるやかな空気が流れている。そして、”静か”だ。レイラがどんなにイライラしていても、雨で牧師館のあちらこちらで雨漏りがしていても。この静けさに、レイラの凍りついた心の奥にある何かが見えてくるようだ。

 そして、突然来なくなったヤコブ牧師への手紙。手紙を心待ちにしていたヤコブにとってはショックである。自分はもう必要となくなってしまったのではないか。レイラも、ドアの前で郵便配達人を待つが、素通りしてしまう。来なくなった手紙、そしてレイラの一言が、今度はヤコブ牧師を変えてゆく。牧師ではなく、ひとりの人間として。

 ヤコブにとって、手紙は何だったのか。牧師であることは、どんなことだったのか。そして、レイラも恩赦で釈放されたが、”元終身刑”であることを引きずっている。本当は終身刑の受刑者のままでいい、そうあるべきだとさえ思っている。2人を取り巻いていたもの、支えていたものが無くなり、孤独な2人の人間が、肩書きの無い人間として「生きること」「生きてゆくこと」を語り始める。誰からも必要とされなくなっても、孤独でも、生きる。生きる道はある。生きる意味はある。レイラからヤコブへの”手紙”、ヤコブに届いたある人からのレイラへの手紙。その深みが、じわりじわりと心に届きます。

 レイラは来るべくしてヤコブのところへ来たのだろうし、ヤコブもレイラが来なければ気づけないことがあった。人間が「生きる」ことを、控えめに、ひっそりと、でも崇高な思いを持って伝えようとしたこの作品に、静かに拍手を贈りたいです。音楽もいい。

「ヤコブへの手紙」オフィシャルサイト (*ジャンプすると予告動画が自動再生されるので、注意してください)

 ところで、この公式サイトに、「郵便配達人を巡るギモン」というのがあった。ん…確かに、郵便配達人の視点からこの物語を観ると、全然違った物語になる。郵便配達人の行動も、謎めいているところがあるし…。郵便配達人は、一体何者なんだ?何なんだ、この映画…。

 ちなみに、この映画から生まれたサイドストーリー絵本「シニッカさんどうしたの?」(絵・文:七字由布)も出ているとのこと。アマゾンにはないようだが、読みたいなぁ。
by halca-kaukana057 | 2012-01-16 23:40 | フィンランド・Suomi/北欧 | Trackback


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