<   2013年 06月 ( 16 )   > この月の画像一覧

プラハの街と森より プラハ放送交響楽団日本ツアー

 なかなかプロのオーケストラ(管弦楽)のコンサートに行く機会が無い、行ける範囲でコンサートそのものがない…のですが、久しぶりに行ってきました。現在日本ツアー中のプラハ放送交響楽団。海外オケを聴くのは初めてです。海外オケを日本で、行ける範囲で聴けるのは嬉しいです。

【プログラム】
・スメタナ:連作交響詩「わが祖国」 より 第2曲「モルダウ」
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 "運命"
・ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op95 「新世界より」
 オンドレイ・レナルト指揮/プラハ放送交響楽団

 席は後ろの方でしたが(大体いつも後ろの気がする…)、オケ全体を見渡せ、音もよく響いて届いたので問題なし。ホールに入って、最初に舞台を見たら、椅子の数が少ない。編成は小さめでした。トランペットは2本。弦セクションもそんなに人数は多くない。大丈夫なのかなと驚きましたが、問題ない。小さい編成でもホールいっぱいに豊かに音が響いていました。

 プラハ放送響の演奏を聴くのは初めてです。CDでも聴いたことが無い。チェコのオーケストラと言えばチェコ・フィル。大好きなオケのひとつです。チェコの音楽そのものが好きで、プログラムも「モルダウ」に「新世界より」とお国ものが。プラハ放送響もきっと本場の演奏なんだろうと楽しみにしていました。

 まずはスメタナ「モルダウ」。大好きな曲です。初めて通して聴いたのは中学の時、音楽の授業で。モルダウ川(ヴルダヴァ川)の流れと川のほとりの風景を描く音楽は、すぐに好きになりました。

 今回の演奏も、どの楽器も繊細かつ、きりっとしていて、雄大でもある。色彩豊かな演奏でした。この曲は、ヴィオラ泣かせの曲とも言われます。ヴァイオリンやチェロが主題のメロディーを奏でるのに対して、ヴィオラは複雑な伴奏を延々としなくてはならない。大変です。でも、この伴奏が無いと主題のメロディーが生きてこない。ヴィオラは無くてはならないパート・楽器だと痛感。金管パートの音もよかったなぁ。ホルンがいい味出してました。
 聴きながら、演奏している団員の皆さんは、普段はプラハでモルダウ川の流れを見て、モルダウ川と共に暮らしているのだろうと思いました。今演奏している「モルダウ」は、団員さんたちが普段見ているモルダウ川の姿なのかもしれない、と。スメタナの時代も、激動の歴史の時代も、そして今も。スメタナの時代の前も。流れ続けているモルダウ川。プラハ放送響の演奏が、今のプラハのモルダウ川の姿を描いているように聴こえました。音楽って凄い。

 続けてベートーヴェン5番「運命」。「ジャジャジャジャーン」も比較的軽めの、さらりとした演奏でした。3・4楽章は続けて演奏されるこの曲ですが、今回は全楽章続けて演奏していました。この曲でも、ホルンが印象的。あまり音を伸ばさないところにおっ、と思いました。そして、先ほどの「モルダウ」とメンバーはほぼ同じはずなのに、弦の響きが違う感じになっていて、驚きました。「モルダウ」は自然な感じだったのが、「運命」は厚みがある。人数が増えたわけでもないのに。指揮者も同じ。厚みはあるけど、重さはそれほどでもない。不思議です。2楽章のフルートをはじめとする木管の歌がきれいで、聞き惚れました。第4楽章は堂々と。この曲もヴィオラが伴奏でも時にメロディーでも大活躍ですね。

 休憩を挟んで、ドヴォルザーク9番「新世界より」。お国ものです。これまた大好きな曲。なんといっても第2楽章のイングリッシュホルン(コールアングレ)ソロ。木管パートがとにかくきれい。ドヴォルザークの音楽は、次から次へと魅力的なメロディーが出てきて、全部が聴きどころ。伴奏もいいなと思うところばかり。
 プラハからやってきた団員さんたちは、この曲を演奏しながら、日本からプラハを思っているのかもしれない。ドヴォルザークがアメリカから、チェコを思ってこの曲を書いたように。

 全体的にきりっと引き締まっていて、鮮やかでつややかな演奏でした。軽さと厚みをうまく切り替えている。「新世界より」の第4楽章の金管は大迫力で。トランペット2本でもあんな音が出るとは驚いた。編成が小さめだから、小回りが利く(?)のかもしれない。

 アンコールは、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第15番。ぐいぐいと勢いのある、迫力満点の演奏でした。弦楽器がちょっと楽しそうです。

 このプラハ放送響日本ツアーではプログラムがいくつかあるのですが、堤剛さんのドヴォルザーク・チェロ協奏曲のところも。それ聴きたかった…!ブーニンのショパン・ピアノ協奏曲第2番のところも…。でも、私が聴いたのもよかったですよ。定番曲は何回聴いても面白い。

プラハ放送交響楽団公式サイト
 チェコ語です。英語のページもあります。チェコ語は難しい…。
 そういえば、ホールに着いた時開場までまだ時間があったのですが、団員さんらしき方々がホールから出てきたりしていました。チェコ語で挨拶しようかと思ったが、チェコ語の挨拶は知らなかった…。
Wikitravel:チェコ語会話集
 発音も難しい…まず読めない…。


・過去関連記事:そんなヴィオラが大好きです スメタナ編
 「モルダウ」のヴィオラがいかに大変か…。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-29 23:08 | 音楽

ふわふわの泉

 読んだ本の感想を。今回もSF。前回は古典SFでしたが、今度は比較的新しいSFです。


ふわふわの泉
野尻 抱介/ 早川書房・ハヤカワ文庫JA/2012(元のファミ通文庫は2001年)

 浅倉泉は高校2年生、化学が好きで化学部の部長をしている。部員は1年生の保科昶(あきら)のみ。文化祭に向け、展示するフラーレンの生成を行っていた時、落雷による実験器具が故障、実験は失敗に終わったかに見えた。しかし、部屋の空気中には不思議な物体が浮かんでいた。ミクロのシャボン玉のような、でも中身は真空で、とても固い…。泉はこの物体を「ふわふわ」と名づけ、文化祭の後に詳しい検査をしてみる。すると、その物質はダイヤモンドより固く空気より軽い、「立方晶窒化炭素」…夢の新素材と予言されていたものだった。「ふわふわ」を生産し、売って一儲けしようと考えた泉は、昶と再び「ふわふわ」を作る。そして昶の祖父と祖父の鉄工場に協力してもらい、「ふわふわ」を生産し販売する会社を立ち上げる。夢の新素材に人々は殺到。そして3年後…泉は社長、昶は専務となり、「ふわふわ」は世界を変えていた…


 2001年に刊行されるも絶版してしまいましたが…この度復刊した作品です。話には聞いていて、読みたいと思っていたので復刊が嬉しかった。

 物語が次々ととんでもない方向に進んでいきます。勢いがよくて、とても面白い。化学はあまり得意分野ではないのですが、「ふわふわ」がいかに優れた物質で、様々なことに応用が利くことは読み進めるうちにすんなりと頭に入ってきます。

 泉と昶が開発した「ふわふわ」。この「ふわふわ」を様々な形に活用し、新しいものが次々と生まれ、その過程にワクワクするのですが、その一方でワクワクを阻むものもある。「ふわふわ」の工場の立地や、「ふわふわ」を使った建造物の立地。「ふわふわ」を活用して、空飛ぶコミューンを作った人々…。「ふわふわ」はそれまでの建築などの概念を根底から変え、それまでにない画期的なものも生み出された。それを活用して、それまでの概念の枠から飛び出し、打ち破る人々も現れるが、どこかでこれまでの概念や決まりにぶつかってしまう。環境、その地域に住む人々の考え、国境…。「ふわふわ」で広がる可能性、生まれる自由。でも、どこかで止まってしまう…。そんなもどかしさが力になっているようにも読める。

 後半は、更にとんでもない方向に物語が進みます。あまりにもとんでもなくて、一体どうなるの?と思わずにいられなかった。そして泉は新たなるプロジェクトを進める。ここでもまた、それまでの概念や決まりにぶつかってしまう。でも、泉は、いや「ふわふわ」はどこまでも自由を、広がる世界を目指しているように読んだ。最後、そのとんでもない展開が収拾したのには、もう驚き…非常に驚いた。何も制限するものが無く、どこまでも自由で、どこまでも広がる世界へ進んでゆける…実際にそうなったら、私もラストシーンのようになるかもしれない。

 読んでいてとても楽しかった。復刊してくれて有難い、読めてよかった作品です。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-28 22:41 | 本・読書

「IKAROS」目覚める(2回目)

 プロジェクトチームは解散したものの、まだ旅は続いている、ソーラーセイル実証機「IKAROS(イカロス)」
・以前の記事:「はやぶさ」「イカロス」から「はやぶさ2」へのバトンタッチ

 「イカロス」は2度目の”冬眠中”で、上記の記事では冬眠明けは夏ごろと予測。そのあたりにもう一度電波を捉えられるか運用してみる予定でした。そして…

~翼を広げて~ IKAROS(イカロス)専門チャンネル
 IKAROSは昨年末より2度目の冬眠モード(発生電力低下による搭載機器シャットダウン)に入っていましたが、平成25年6月20日(木)に状態確認運用を開始したところ、IKAROSからのデータ受信ができました。
 これにより、現在IKAROSは冬眠明けの状態であると判断しています。
 なお、IKAROSの状態については引き続きデータ取得を通して確認します。
 今後、将来の宇宙機開発に有益なデータを取得することを目的として、運用を行う予定です。


 イカロスの電波受信、冬眠明けが確認されました!凄い!しかも、2回目です。
 以前、「はやぶさ」が行方不明になった時、「行方不明になって見つかった衛星はない」という話がありました。しかし、それを見事にひっくり返し、見つかった「はやぶさ」。そして「イカロス」も冬眠した後、昨年9月に冬眠明けで電波受信成功。その後再び冬眠してしまいましたが、再び…! 見事な従来の定説ひっくり返し。イカロスの挑戦はまだまだ続く模様です。凄いとしか言いようが無い!
・昨年9月の冬眠明け:「IKAROS」、”冬眠”から目覚める!

 これは再びチーズケーキでお祝いせねば。明日以降やります。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-25 22:35 | 宇宙・天文

つくること、あじわうこと 対立ではなく多層

 「ほぼ日」こと、「ほぼ日刊イトイ新聞」のトップにある、糸井重里さんによる日替わりエッセイ「今日のダーリン」を読むのが日課になっています。毎日、糸井さんの目の付け所、考え方が面白くて読んでいます。
ほぼ日刊イトイ新聞

 今日6月23日の分を読んだのですが、頷くところ、考えるところが沢山ありました。明日には消えてしまう(ログも無い)ので、以下引用します。
ジャムをつくりはじめたときも、砂糖を少なくしました。
「甘すぎない」のをつくってやれ、と思ったのです。
そっちも、うまくいきませんでした。
いまは、ジャムには材料の50%の砂糖が必要だと思います。
梅干しにしても、ジャムにしても、
食べる立場だけでいたら、いまでも、
減塩だの低糖だのとえらそうに語ってたかもしれません。

「つくる」と「あじわう」は、
わかることがちがうんですよね。
「つくる」だけの人がわからないこともあるし、
「あじわう」だけの人にわからないこともある。
そして、実際に「つくる」人の数のほうが、
圧倒的に少ないというのが、現実の地図ですよねー。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
実際の「やる」「つくる」は、ほんとうに学ばせてくれる。


 ジャムに入れる砂糖の量のところで、梨木香歩「西の魔女が死んだ」を思い出しました。まいとおばあちゃんが野イチゴのジャムを作っている時、おばあちゃんは沢山の砂糖を用意する。それを見たまいは、こんなに砂糖を入れたのを食べたら病気になっちゃうよ、と。おばあちゃんは何故ジャムに砂糖を沢山入れるのかを話し、また、ジャムは一気に沢山食べないから大丈夫、とも。この部分に、ジャムをつくったことのない自分はなるほどそうなのか、と思いました。私もつくるなら、砂糖は控えめにするなと考えたに違いない。

 話を本題に戻して、「つくる」ことと「あじわう」こと。
 両方体験してわかることがある、頷きました。先ほどのジャムの話もそうですし、例えば、ピアノでもある。聴いている分にはそんな難しそうに聞こえないのに、楽譜を見て愕然とする曲は沢山ある(シューマン「ユーゲントアルバム」とか。モーツァルトのピアノソナタも、聴いていると難しくないように思えるけど、弾いてみるととても難しいとよく聞きます。)実際難しくないはずなのに自分にとっては何故か難しいものもある(ソナチネ7番第1楽章…何故だ、何故難しいんだこれは…)。そして、自分で弾いてみて、はじめて表現についてじっくり考える。自分の楽器がピアノなので、他の器楽曲や管弦楽曲・交響曲などでは聴く側=「あじわう」側にしか立てないことが残念なのですが、それでも、ピアノだけでも一応「自分の楽器」があるのはいい。それに、弾く・弾けないのどちらかで、「つくる」「あじわう」に分けられてしまうのも残念に思える。「自分の楽器」は無いけど、「つくる」ように音楽を聴くことが出来る人だっているはず。深く読解しながら。

 つくってみて失敗するのも大事だと思う。ジャムの話のように。失敗して、その理由に気づくのは大事だ。

 それから、よく思うのが、「つくってみたい」けど自分の技術やつくるために必要なものが無くて、つくれないものも沢山ある。精巧できれいな絵・イラストとか、手描きのアニメ、きれいな写真、難しい料理、面白い文章、やってみたい仕事…。頭の中ではイメージはどんどん膨らんでいるのに、形に出来ないこのもどかしさ。頭の中のイメージを、形に出来る機械とかあればいいのにと何度思ったことか。

 でも、それでいいのかも、とも思う。何でも簡単にはつくれない。つくるための基礎知識を学んだり、道具の使い方・扱いを練習したり、つくっては壊して…案を出してはボツにしての繰り返し。難しいけど夢中で作業したり…そんな”生みの苦しみ”があるからおもしろいのだと思う。苦労して努力する、なかなか思ったものが出来上がらない辛さも、「つくる」ための過程。

 ここまで書いて、今の自分のことを省みた。今の自分は「あじわう」方が圧倒的に多い。糸井さんが仰るように、「実際に「つくる」人の数のほうが、圧倒的に少ない」…まさに。ただ、「つくる」ものは、プロの仕事だけとは限らないし、大きなものだけとも限らない。日常の些細なことでも、いつの間にかつくっていると思う。

 いつの間にかつくっているもの。つくりたくて、つくっているもの。意識してみるとおもしろいかも。

 あと、つくりたいものの中から、実際につくるものを選ぶことも必要になってくる。つくりたいもの全部はつくれない。よほどの才能が無いと難しい。何をつくりたいか。それを選ぶのは、自然にいつの間にかこうなったことが多いのでは無いかと思う。

 「つくる」にも色々ある。「あじわう」だけだったはずがいつの間にか「つくる」側にもなっていた。そんな多層的な考え方も出来るんじゃないかなと思いました。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-23 23:44 | 日常/考えたこと

月との距離が縮まる夜

 今夜は満月。しかも、地球に近づいて大きく見える「スーパームーン」です。

◇詳しい解説:月探査情報ステーション:月を知ろう Q&A:スーパームーンとはなんですか?
 「スーパームーン」の学術的定義は無いそうです。
 
 楕円軌道だから起こる見え方の違い。満月も、いつも同じ満月じゃない。地球と月の距離が少しだけだけど短くなる、近くなる。「特別な」という言葉もちょっと違うような気もしますが、いつもより大きく見える、ちょっとだけ近くに感じる月は、どこか「特別」です。
 明るい満月をしばらくの間眺めていました。
f0079085_22333493.jpg

 雲を照らす満月。いい性能のカメラが欲しいなぁ。クレーターもきれいに撮れたらいいのにな、と思ってしまいました。こんなぼんやりしているのも好きではあります。

 一方、西の空には金星が輝いていました。水星も金星の下にいるのですが、屋根に隠れて見えなくなってしまっていました。写真も撮りそこね。

 本当に空・宇宙はいつ観てもおもしろい、興味深いです。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-23 22:36 | 宇宙・天文

海底二万里 (訳:村松潔)

 しばらく読んだ本の感想を書いていませんでした。なかなか時間が取れなかったり、心身の調子が悪くて読書がはかどらなかったのが理由です。あと、書く時間が無かった、書く心の余裕が無かったのも。これから少しずつ書いていきます。

 少し前、南大西洋の海底に、沈んだ幻の大陸”アトランティス大陸”の跡かもしれないものが発見された、というニュースがありました。そのニュースで紹介されるのは、ジュール・ヴェルヌ「海底二万里」。そしてNHKでは、この「海底二万里」を原案としたアニメ「ふしぎの海のナディア」も。そういえば、子どもの頃リアルタイムで「ナディア」を観ていた時、毎回のオープニングの最初に出てくる「海底二万マイル」(アニメではこちらの表記)がどんな作品なのか、ずっと気になっていました。しかし、読まぬまま時は過ぎ…。
 昨年新潮文庫で新訳が出たので、これは読まねばと買い、ニュースを見て読み始めました(その間積読…)

海底二万里(上)

ジュール・ヴェルヌ/訳:村松潔/新潮社・新潮文庫/2012


海底二万里(下)

ジュール・ヴェルヌ/訳:村松潔/新潮社・新潮文庫/2012



 時は1866年。大西洋を航海していた船が、謎の巨大な何かに遭遇、目撃していた。パリ自然史博物館教授であるピエール・アロナクスも、その謎の巨大な何かが生き物なのか何なのか、考えていた。イッカクか?アロナクス教授は使用人のコンセイユとともに、高速フリゲート艦エイブラハム・リンカーン号に乗りこむ。そして、ついにフリゲート艦はその巨大な何かと遭遇。しかし、それと衝突し、アロナクス教授とコンセイユ、そしてクジラの銛撃ちの名手であるカナダ人・ネッド・ランドは海に放り出されてしまう。死に物狂いで何かにしがみついた3人は、それが例の巨大生物であることに気づく。しかし、それは生き物ではなく、鋼鉄で出来た潜水艇だった。その潜水艇・ノーチラス号の中に入れられ、アロナクス教授はその船長・ネモと出会う…。


 これが100年以上も前に書かれた作品とは…!ジュール・ヴェルヌのSFにもっと早く出会っておくべきだった…と感じました。その後、アロナクス教授たちはノーチラス号で海底の旅へ。世界のあちらこちらでの海の、生物たちの描写が詳しく、面白い。時には潜水服を着て、海底散歩へ。博物学にやけに詳しいコンセイユの反応が楽しい。コンセイユが本当にいい使用人で、コンセイユの出番を待ち遠しく思ってしまうw

 その一方で、ネモ船長はアロナクス教授たち3人を”捕虜”とした。ノーチラス号の中は自由に歩けるが、もう二度と地上には返さない、と。憤慨するのはネッド。海洋探検が楽しいアロナクス教授も、ネモ船長とノーチラス号の別の面を垣間見て、思い悩む。ノーチラス号の乗組員たちは聞いたこともない言語で会話し、衣食住の全てを海の恵みで成り立たせている。3人が一度島に上陸し、食べ物を探し、狩りをした以外は、魚介類ばかり食べている。そして、海は興味深い生物や地形だけを見せてくれるわけではない。難破船の残骸、ノーチラス号でも通過するのに危険な地帯、そしてネモ船長とノーチラス号の目的。謎めいたネモ船長の内面・過去・やろうとしていることと、未知の海の鮮やかな姿の対比が、ネモ船長のかなしさや暗さを際立たせる。

 SFとして、科学・技術ものとして読むのも、海洋探検ものとして読むのも、アロナクス教授たちとネモ船長の対比の物語として読むのも、どう読んでも面白い。

 この新訳は、完訳であることも勿論ですが、刊行された当時のエデュアール・リユーの扉絵、アルフォンス・ド・ヌーヴィルの挿絵も全て収めています。福音館もこの挿絵を収録しています。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-20 23:04 | 本・読書

初夏のばら

f0079085_22261694.jpg

 雨上がり、ばらの花に雨粒が。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-19 22:27 | 日常/考えたこと

何が「痛い」のか・作り手と受け手のすれ違い 最近思ったこといろいろ

 最近思ったことをとりとめもなく。

・他者の意見にすぐ動揺して、自分の意見や思いが揺らいでしまう。
 こんなことが多くて、ため息をつきたくなります。


・誰かの話に共感したり、「それが私の言いたかったことだ!」と思った時、すぐにそのことを伝えられるようになりたいなと思います。


・以前書いた記事:「痛い」と表現すること
 これの続き、今思うこと。

 何が自分にとって「痛い」のか、地雷なのか、その時になってみないとわからないことが多い。その時グサリと痛むものもあるし、後からズキズキ痛むこともある。その時「痛い」と言えないことのほうが多いと思う。過去記事で書いたことは、未だに出来ていない。
 でも、言えなくても、「これが自分は痛いと感じるんだ」と自覚する。これがまず大事なのではないかと思う。以前の記事でも、「別に踏まれても痛くなんかない。傷ついていない。このくらい、我慢する。気にしない。」と書いた。無理をして我慢する…その時は我慢できても、後からズキズキと痛み、後悔するだろう。だから、言えなくても、「今、自分は痛みを感じているんだ。今自分は辛いんだ」と思う。そこからでもいいと思う。
 この記事で紹介した、梨木香歩「僕は、そして僕たちはどう生きるか」、もう一度読み返したいです。


・本でも音楽でもアニメなどでも、作り手が「いまいちだ」「出来に満足できていない」「失敗作だ」と思ったものでも、受け手は「面白い」「好きだ」と思う。よくあります。この作り手と受け手の想いのすれ違い…複雑だなと思います。
 後で、作り手のその思いを知って、落ち込むけれども、やっぱり好きな気持ちは変わらない。
 どうしたらいいのだろうな、と思います。

・最近、音楽を聴いていると疲れます。聴いてても、5分ぐらいで止めてしまいます。
 クラシック音楽でも、シベリウス7番交響曲など、聴き慣れた静かなものぐらいしか聴けません。
 なので、波の音や、森の中の小川のせせらぎの音、小鳥のさえずり、雨の音などの自然音を聴くことが多いです。ニコニコの自然音タグが便利です。

 要するに、疲れてるみたいです…。早く寝ろ。
 
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-14 23:24 | 日常/考えたこと

「はやぶさ2」に襷をつなげ 「はやぶさ」帰還3周年&「はやぶさ2」メッセージキャンペーン募集中のお知らせ

 6月13日です。この日は忘れることの出来ない日です。小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)が、7年の旅路を終え、小惑星イトカワの微粒子を収めたカプセルを投下、地球に帰還した日。3年も経ちました。でも、あの日のことははっきりと覚えています。
 朝、「本当に今日帰ってくるんだよね…?」と半分信じられない気持ちでいたこと。夜になり、運用の状況が次々と送られてくる間の緊張感。そして22:51、帰還。生中継のまばゆい光に、本当に帰ってきたことを喜んだこと。ビーコンの音、すぐにカプセルが見つかった…またしても次々と入ってくる情報に歓喜。そして、地球のラストショットに涙が…。

【3年前・帰還当日の記事】
[6.13はやぶさ帰還]おかえりまで、あと少し
[6.13はやぶさ帰還]カプセル分離、成功! そして帰途へ…
[6.13はやぶさ帰還]おかえりなさい、はやぶさ!
[6.13はやぶさ帰還]カプセル無事回収!

・帰還1周年:ゴールから、新しいスタートからの1年間 探査機「はやぶさ」地球帰還1周年

・帰還2周年(の1週間後。正確には): 更に先の「水平線」へ向かって 「はやぶさ2」他探査機に思うこと


 読み返して、「はやぶさ」が成し遂げたこと、「はやぶさ」が見せてくれた未知の宇宙に、今も胸が高鳴ります。今も、持ち帰ったサンプルは解析中で、後々研究結果が発表され、太陽系誕生のおぼろげな姿がはっきりと見えてくるかと思います。

 一方で、「はやぶさ」は過去のもの。次の「はやぶさ2」が動き出している。打ち上げはいよいよ来年です。
 でも、「はやぶさ」があるから、「はやぶさ2」も、今も金星への旅を続けている金星探査機「あかつき」(PLANET-C)やソーラーセイル実証機「イカロス」たちもある。「はやぶさ」から繋げてゆくものが沢山ある。繋げてゆくもの…世界初も、よかったことも、トラブルも、「こんなこともあろうかと」な緊急対処も全て。私は、宇宙開発・宇宙科学は駅伝みたいなものだと以前から思っています。繋げてゆくことが大事なんだ、と。

 ということで、「はやぶさ2」です。
NHKニュース:「はやぶさ2」の開発 順調に進む
 以前、JAXAへの寄附で「はやぶさ2」あての分で、サンプラーホーンの動きを確認するカメラをつけることになった、との報せがありました。
JAXA: 寄附金:募集特定寄附金使用実績の公表について
 そのカメラが完成したそうです。このカメラで、サンプラーホーンの動きを確認して、タッチダウン、サンプル回収の助けになればと思います。

 さて、何度もお知らせしていますが、「はやぶさ2」に名前・メッセージ・寄せ書き・イラストを載せるキャンペーンはまだまだ募集中です!
JAXA:月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC):星の王子さまに会いにいきませんか ミリオンキャンペーン2



【募集内容・応募方法】
・小惑星に投下するターゲットマーカー(タッチダウンする時の目印)
  :名前を載せることが出来ます。一度に5人まで一緒に応募できるので、家族や恋人、友達の名前も一緒に送れます。(これから生まれる、故人でも可能です)
   学校や職場など、5人以上の場合は、ダウンロードしたリストフォーマットに記入して、郵送します。

・小惑星のサンプルを入れて地球に帰還するカプセル
名前とメッセージを載せることができます。名前のみでも可能です。メッセージは、日本語なら30字以内。
 :5人以上の場合は、ターゲットマーカーと同じく。
 :寄せ書きやイラストも募集しています。所定の用紙をダウンロードして、記入、郵送します。

*応募した後に表示される「登録ID番号」は、大切に保管しておいてください。

 締め切りは7月16日。名前だけなら、今すぐリンク先で登録できます。家族や友人、大切な人を誘って、皆で一緒に「はやぶさ2」と宇宙の旅をしながら応援しましょう!登録したら、他の人にも教えてね。
 寄せ書きなら家族や仲間と一緒に載せられます。イラストも大募集。絵心がない…大丈夫です。「はやぶさ2」を応援する気持ちがあれば大丈夫。家族で一緒に描くのも楽しいかと思います。


 ということで、「はやぶさ」の残してくれたものを守りつつ、「はやぶさ2」を応援しましょう!もっと広い、もっと先の宇宙を見に行こう。

 「はやぶさ2」公式twitterアカウントも始動しました!
Twitter:小惑星探査機「はやぶさ2」 ( @haya2_jaxa )
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-13 22:51 | 宇宙・天文

東方最大離角の水星と宵の明星

 先日の記事で書いた、今日は水星が太陽から最も離れる=観測しやすい「東方最大離角」の日。
暮れゆく空の天体たち

 日没の時間、オレンジから青へと変わる西の空を見ます。
f0079085_22323286.jpg

 屋根の上、右下の明るい星が金星。その左上の少し明るい星が水星です。水星が見えるあたりに、雲が次々と流れてきて、見るのが大変でした。何故この高さにピンポイントで…w
 画像はありませんが、月も一緒に見えました。きれいな、賑やかな夕空です。

 これから、金星と水星はどんどん近づいていきます。20日には最も近づきます。ただ、高度は低くなるので観測しづらくなります。

 ちなみに、画像上に明るい星が2つ。ふたご座のカストルとポルックスです。右がカストル、左がポルックス。
[PR]
by halca-kaukana057 | 2013-06-13 22:36 | 宇宙・天文


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

プロフィールを見る

お知らせ・別サイト

管理人HN:(はるか)
 熱しやすく冷めにくい、何が好きになるかわからない好奇心のかたまり。このブログでは好きなものを、好き放題に語ってます。

プロフィール
*2014.9.5:更新
はてなプロフィール:遼(halca-kaukana)



web拍手を送る






日々のログ:今、ここ、想うこと
または:Twilog

はてなブックマーク
Mielenkiintoinen!

気になること、関心のある記事や参考にしたサイトなどのブックマーク集。コメント多め。

◆ピアノ録音置きブログ:Satellite HALCA

☆「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ目指して順調に飛行中!☆
管理人・遼も小惑星探査機「はやぶさ2」を応援しています。



あかつき特設サイト
JAXA:金星探査機「あかつき」特設サイト

☆祝!「あかつき」は金星の衛星になりました☆
金星軌道上で観測準備中!

最新の記事

「しきさい」(GCOM-C)..
at 2017-09-30 23:07
超巨大ブラックホールに迫る ..
at 2017-09-18 23:48
西洋文化に触れた驚き 「遥か..
at 2017-09-03 23:01
BBC Proms(プロムス..
at 2017-09-02 17:07
土星堪能星見 + 今日は伝統..
at 2017-08-28 21:58
BBC Proms(プロムス..
at 2017-08-18 23:48
惨敗。 ペルセウス座流星群2..
at 2017-08-14 21:43
BBC Proms(プロムス..
at 2017-07-31 22:32
BBC Proms(プロムス..
at 2017-07-14 23:08
青い海の宇宙港 春夏篇 秋冬篇
at 2017-07-10 22:58

カテゴリ

はじめにお読みください
プロフィール
本・読書
宇宙・天文
音楽
奏でること・うたうこと
Eテレ・NHK教育テレビ
フィンランド・Suomi/北欧
イラスト・落描き
日常/考えたこと
興味を持ったものいろいろ
旅・お出かけ
information

タグ

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
more...

検索