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ツタンカーメン発掘記

 この記事で、読むと書いた本。読みました。
思い出の"発掘" 山岸凉子「ツタンカーメン」再読

ツタンカーメン発掘記〈上〉 (ちくま学芸文庫)

ハワード・カーター:著/酒井伝六、熊田亨:訳/筑摩書房



ツタンカーメン発掘記〈下〉 (ちくま学芸文庫)

ハワード・カーター:著/酒井伝六、熊田亨:訳/筑摩書房



 ツタンカーメン王墓の発掘者・ハワード・カーターによる一次記録。学術論文を書く前の下書きとして、一般向けに出版された。元々は全3巻からなり、1巻(発掘後に王墓を調査した考古学者・アーサー・メイスと共著)を発掘の翌年の1923年、2巻を1926年、3巻を王墓の出土品の整理が終わった1932年に出版している。この後で学術報告書を書く予定が、書く前に1939年に亡くなってしまう。学術報告書を完成させる前に亡くなってしまったのは残念ですが、この本を読んで、これだけでも残っていてよかった!と感じました。以前図書館で単行本のほうを読んだ時は難しくて、途中でギブアップしてしまった。でも、今回はすらすらと、魅了されながら読み終えました。以前は何が難しかったんだろう?訳文が新しくなったのかな?(詳細は不明)

 本題に入る前に、もうひとりの発掘者であり、パトロンであるジョージ・ハーバート・カーナヴォン5代伯爵の生涯について、姉のレディ・バークレアによる「故ロード・カーナーヴォンの伝記的な素描」も収録されている。以前は日本語版では割愛されていた部分らしい。カーナーヴォン卿の波乱万丈な、冒険の数々が書かれていてとても面白いです。当時まだそれほど普及していなかった自動車を愛し、愛車でドライブしていたところ事故を起こし、何とか命は取り留める。しかしその事故で健康を害し、特にイギリスの寒い冬は呼吸器系に悪かった。そこで、避寒のために訪れたエジプトで古代遺跡に魅了され、発掘にも携わるようになり、それがカーターと出会い、ツタンカーメン王墓発掘につながったと思うと、人生何があるかわからない、と感じます。ただ、発掘の翌年、1923年4月5日、亡き人になってしまったのは本当に残念です…。

 古代エジプトの歴史、考古学・発掘の歴史の部分も興味深く、それを経て、ツタンカーメン王墓発掘の記録は、読んでいるだけでドキドキする。もう掘りつくしたと大方の考古学者が思っていた王家の谷。本当に掘りつくしたのか?発掘した後の土砂を積んであったところは盲点になっていないか?発掘しつくしたようで、し尽くしていなかった場所を調べ、丹念に掘った結果が出たのが1922年11月4日。そして11月26日。出てきた階段を掘り下げ、王の名が記された封印のある漆喰の壁に穴を開け、中を見たカーター。沈黙するカーターに「何か見えるかね(Can you see anything.)」と尋ねたカーナーヴォン卿に、「はい、素晴らしいものが(Yes.Wonderful Things.日記では「Yes.It is wonderful.」)」としか答えられなかったカーター。先に上述した漫画(山岸凉子「ツタンカーメン」)を読んで絵で観ているのですが、文章だけでもその興奮や、ほぼ未盗掘の、史上初の封印つきの墓と収められている品々の光景は想像できます。この部分は、カーターも興奮気味の文章で書いていて、最初に目にした者にしかわからない興奮なんだろうなと伝わってきます。

 王墓に収められた数々の品々。亡き王のために、あの世でも暮らしに不自由しないようにと収められた品々。そこから読み取れる、古代エジプトの王や人々の生活・暮らし、宗教観、美術観。どんな暮らしをして、どんなことを考え、何を美しいと思って生きていたのか。王はどのような存在だったのか。第3部(3巻)のタイトルが「墓は語る」となっているのですが、まさに墓が物語っている。写真は当時メトロポリタン美術館の写真家だったハリー・バートンによる白黒の画像で、今はカラーの画像があるけれども、当時のことをうかがえる。

 ただ、ツタンカーメンは古代エジプトが揺れ動いた真っ只中に王になり、それに巻き込まれてしまった。先代の王・アメンホテプ4世(イクナートン)が大規模な宗教改革・アマルナ改革を行い、多神教だった古代エジプトを一神教に変え、反感を買うことになった。ツタンカーメンの時代に元の多神教に戻すのだが、そのせいか、後の王名表から抹消されてしまう。また、18歳ごろと若くして亡くなったため、他の王に比べて小さな規模の墓になってしまった。そのため、盗掘(小規模なものはあった)を免れることはできた…皮肉なような、結果的にはよかったような。小規模なツタンカーメン王墓でも大量の品々があったのだから、もし、他の王墓も未盗掘だったなら、どれだけの考古学的遺産…人類の遺産が遺されていただろう…と思ってしまう。

 そのアマルナ改革の結果のひとつが、「アマルナ美術」。まだ勉強不足で詳しくは語れないのだが、それまでの芸術様式とは少し異なる写実的な様式。座っているツタンカーメン王に香油を塗ってあげている王妃・アンケセナーメンの姿が描かれている黄金の玉座がその代表。この玉座の絵はとても好きです。玉座も美しい。あと、アラバスター製の蓮型の祈願杯もお気に入り。それら美術に関する記述もある。カーターは元々画家として、遺跡の壁画や発掘された品々のスケッチをするために調査団の一員としてエジプトにやって来た。その後、古代エジプトに魅せられ、公的な教育は受けなかったものの実地で発掘やエジプト考古学を学んだ。そんな画家として、美術方面から発掘された品々について語っているのが面白い。バートンの写真もありましたが、カーターは緻密なスケッチも残し、現在それらはオックスフォード大学グリフィス研究所に保管されている。壊れやすい花輪や工芸品も、器用に工夫して保存した過程も記されています。美術方面の技術も活かした発掘だったからこそ、古代を語る貴重な品々が今も残っているのだなと思う。

 史上初の封印つきの王墓で、気になるのが王の棺。何重にもなっている厨子と棺を開ける作業の困難さには大変だったのだな…と。そして、意外だったのが、王のミイラが3000年も経ってしまったせいで保存状態が悪くなってしまっていたこと。埋葬の際、香油を大量に注いだため、樹脂となって固まってしまい、棺もミイラも固まってしまっていた。逆に、それまで盗掘され、ミイラだけは発見されたものの方が保存状態がよかった。なんという皮肉。あの有名な黄金のマスクも、ミイラから取り外すのにかなり苦労した。そんな苦労話も発掘者の言葉で読める。

 王墓の発掘には、数多くの考古学者が協力していました。漫画で出てきた考古学者たちが次々と出てきて、愛着があったのもすんなりと読めた理由かもしれない。特に、ヒエログリフの解読に協力したアラン・ガーディナーと、アメリカ人のジェームズ・H・ブレステッド。漫画ではブレステッドは息子のチャールズとともにカーターの親友として描かれていますが、実際はとても偉い考古学者。ブレステッドの著書が何度も引用されているのですが、それも読みたいと思ってしまった。だが、当地の図書館にはない…。大学図書館とかじゃないと無いだろうなぁ…。

 ということで(?)バートンによる写真や、カーターの記録や日記も保管しているグリフィス研究所のサイト。
The Griffith Institute:Tutankhamun
 英語ですが、画像も多いので見ていて飽きません。カーターの日記も、直筆のもののスキャン画像もあります。カーターだけでなく、ガーディナーやカーターをエジプトに連れて行ったパーシー・E・ニューベリー、カーターの恩師であるフリンダース・ピートリー他、エジプトロジストたちによる記録もたくさん。全然飽きません。
 しかも、このグリフィス研究所の公式ツイッターが、カーターの日記botになってますw公式です!w
Twitter:Howard Carter (@discoveringTut)
 その日の日記の内容をツイートしてくれます。もし、当時ツイッターがあって、カーターがツイートしていたらこんな感じなのかな?いや、発掘に専念したいのにメディアや野次馬、観光客の対応に狼狽していたカーターにはそんな余裕なしだな…それ以前に気難しく神経質な性格だったというし…。今だから出来ることですね。

 最近、ツタンカーメンに関してショックなニュースが。
産経ニュース:ポキリ! ツタンカーメン王「黄金マスク」のひげが折れる 修復もずさん エジプト
AFPBBNews:ツタンカーメンのあごひげが外れた!黄金のマスクに接着剤の痕
ロイター:ツタンカーメンの仮面からひげ脱落、博物館の粗悪修復が問題に
 なんてこった!問題は、ひげが取れたことではなく、その後接着剤でいい加減な修復をしてしまったこと。接着剤の痕が外から見てわかる状態であること。ひげの部分は元々取れていました。この「発掘記」にある画像、バートン撮影の写真でも、ひげはとれた状態です。カイロ博物館もとれた状態で展示していたのを、見た目がいいから、とつけた状態で展示をはじめ、今に至るのだそう。
 この接着剤の痕は、直せるようです。よかった…。
 ちょうどこの本を読んでいる時にこのニュースが入ってきて、驚きました。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-29 22:52 | 本・読書

伴奏じゃない、ともに奏でること

 先日、チェロとピアノの小規模なリサイタルに行ってきました。その時思ったことを。

 プログラムはチェロソナタが3作品。「チェロソナタ」というからには、主役はチェロでピアノは伴奏。でも、この時の演奏では、「ピアノは伴奏」なんて言えない、と感じました。ピアノもソロの部分もあり、主張し、チェロを引っ張り、会話し、競い合う。ピアノにも魅せられました。普通、このような演奏会ではピアノのふたは閉じているのですが、ピアノソロのリサイタルと同じようにふたは開いていました。チェロの演奏がピアノに負けていない、とても力強いのにやわらかく、奥深い音色でした。

 特に素晴らしいなと思ったのが、ベートーヴェンのチェロソナタニ長調Op.102-2。協奏、競演、共奏…そんな言葉が浮かびました。3楽章のピアノのメロディーをチェロが追うのが面白い。引き立て合い、競い合っている。ピアニストさんがチェリストさんの動きをよく見ていて、呼吸もぴったり。いい演奏を聴けました。

 ピアノを演奏していた頃は、伴奏もメロディーも全てひとりで演奏していました。楽譜を読み込み、ここがメロディーパートで伴奏も内声と低音に分かれて…。きっとメロディーはこの楽器、伴奏はこの楽器なのかなと想像したり。でも、それを実際にピアノで、ひとりで演奏で表現するのはとても難しいことでした。

 今は声楽で、歌と伴奏ではっきり分かれています。そのピアノ伴奏を、私はどの程度と思ってきただろう?リサイタルの後、レッスンや練習のことを考えました。ただ歌を支えるものとしか思っていなかっただろうか。ピアノ伴奏もひとつのパート。合唱のピアノ伴奏は、歌の声部の他に存在するもうひとつのパートと捉えてきました。声楽、ソロだって同じ。歌だけが主役じゃない。ピアノ伴奏を聴いていて、純粋にいいピアノだなと感じます。この低音があるから歌が引き立つ、歌と競うような魅せ場がある、前奏や間奏はピアノの独壇場。これまで、自分が歌うことで必死でしたが、自分が歌うためにはもっとピアノをよく聴いて、ピアノの楽譜も弾けなくても読むぐらいはして、ピアノと一緒に奏でるように歌いたいと、このリサイタルを聴いて思いました。

 ひとりで演奏していたのではわからないことに出会えました。

・関連過去記事:音楽を共有すること
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by halca-kaukana057 | 2015-01-27 22:10 | 奏でること・うたうこと

ワトソンが許せないこと、守るもの 人形劇「シャーロックホームズ」第15話

 今回は早めに感想を書きたいNHK人形劇「シャーロックホームズ」第15話「青いシロクマの冒険」。原作は「三破風館」(「事件簿」収録)と、「青いガーネット(紅玉)」(「冒険」収録)。

 感想の前に、大事なお知らせです!サウンドトラックCD発売決定です!!待ってました!!

NHK人形劇「シャーロックホームズ」オリジナル・サウンド・トラック

平松加奈(作曲)/ダニエル・ハーディング(指揮)/マーラー・チェンバー・オーケストラ/nano/ IMX


 発売は2月16日。最終回の翌日です。アマゾンで先行予約受付中です。ようやくあの劇判の数々が聴ける…!!更に、ナノさんが歌う主題歌「Scarlet Story」オーケストラバージョンも収録です!マーラー・チェンバー・オケの演奏にも注目して聴いてください!!

 冒頭、ナレーションワトソンのこんな言葉で始まる今回のお話。
シャーロック・ホームズとの冒険はこれまでにもたくさんあったけど、これから述べる事件ほどドラマチックな始まり方をしたものはない

 明らかにワトソンが回想している形だとわかります。人形劇本編は、ノベライズ程ワトソン視点、ワトソンが語り手と感じさせないのですが、今回はワトソンが語り手であることをかなり意識しています。その訳が、最後まで観てわかりました…!

 221Bに飛び込んで来たのは、6話「生真面目な証人の冒険」で出てきたガルシア(髪がオレンジの方)とヘンダーソン(髪が黄緑の方)。入ってくるなり、赤毛のウィルソンはいるか!!と大声で聞く。いないと強く返すワトソン。穴に落ちた2人だねと言うと、ヘンダーソンはお礼を言うが、ガルシアは強い態度のまま。「愉快な四人組」回のショルトー兄弟みたい。参考にウィルソンに何の用だ?と尋ねるホームズ。「袋の中身を返してくれ」と伝えて欲しい、と。袋ってどんな袋…答えられないヘンダーソン、「袋って言えばわかる!」とガルシア。そして出て行く2人。

 出て行った後、ホームズが合図をすると、本棚の立て看板の裏から出てきたジェイベズ・ウィルソン。221Bにいたんです。厄介なものに巻き込まれてしまったウィルソン…。3日前の夜、その袋を拾った。中庭を歩いていたら、上から落ちてきた。中身はぬいぐるみ。青いシロクマのスティーヴ。シロクマなのに青い?ウィルソンは多分シロクマだと思う、と。手にはペンギンがくっついている。…これ、ペンギン?訝しげに見るホームズ。誰かが誤って上の階から落としてしまったはず。どんな袋か知らなかったので、ガルシアたちではない。
 一方のウィルソンはスティーヴ君が気に入った模様。可愛い、離れたくない、抱き心地も最高、と。可愛いところあるなぁ、ウィルソン。ワトソンに「抱いてみる?」と言うが、「結構」ワトソン、興味ないのね。ホームズが抱いてみる…推理開始です。縫い目の粗さから見て手作り。丹念に愛情込めて作られている…女性が作ったものだろう。不器用だが繊細な人物。尻尾だけ別の布で作られている。違う人間の手が入っている。随分とぞんざいな扱いをされたようだ。これらからわかる、ぬいぐるみの持ち主は…全くわからない。ホームズもお手上げです。コケるワトソンとウィルソンwこのぬいぐるみに一体どんな価値が?ホームズ、事件に興味を持ったので依頼を受けることに。落とし主を探すために、掲示板に張り紙を出す。心当たりのある人はベイカー寮221Bまで、と。

 そして張り紙を出してみた。書いたのはワトソン?ワトソンの似顔絵も描いてあります。掲示板の前にはレストレードとダンカン・ロスが。今回は赤毛じゃありません。2人は仲がいいのか?その後ろからやって来た、背の高い人物…。
 掲示板にはピアノの絵の描いた張り紙もありました。トレジャーズ?他の張り紙もじっくり見たいなぁ。文章も読みたい。

 221Bでは、ハドソン夫人が縫い物をしている。作っているのはぬいぐるみ。…フォークに刺さった肉団子…随分とユニークなぬいぐるみだ…。もう一つ、ウサギと言うハドソン夫人だが…宇宙人?あのピーナッツカバのホームズも呆れているレベル。確かにニンジン持ってるwハドソン夫人の美的センスも一体…wさて、これらを何に使うのか…?
 ちなみに、今では一般的な宇宙人のイメージであるこのグレイ型の宇宙人。このタイプが出てきたのはいわゆる1947年「ロズウェル事件」の頃から。ホームズの時代設定は19世紀終盤なので、まだ出てきていません…。この時代の宇宙人・異星人が出てくるSF小説は、H・G・ウェルズ「宇宙戦争」。1898年の作品です。ちなみに、もしこの「宇宙戦争」にホームズが遭遇していたら、というパスティーシュ「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」という作品もあります(まだ読んでいません。正典読破したので、今度はパスティーシュか?)。どちらも舞台は20世紀初頭の設定。やっぱり合わない…w

 221Bにお客さん…メアリー・モースタンの兄、アーサー・モースタンのルームメイトの、インド人留学生アブドラ。袋を落としたのはアブドラだと。袋の中身も青いクマのぬいぐるみと分かっている。ぬいぐるみ…アクメット君を持って屋根の上にいたら2人組のおかしな奴ら…ガルシアとヘンダーソンがやってきて、怖くてアクメット君を放り投げて逃げた、と。アブドラは、毎晩寝る前に屋根の上で月を見ながらヨガをする時、お尻に敷くクッション代わりにアクメット君を使っていた。随分とぞんざいな扱い…というのは、アブドラのせいだったのかー!可愛がっているようだが、尻にしいて…かわいそうなアクメット君…。アクメット君を返してくれ、というアブドラだが、野良犬にかまれてボロボロになってしまった、と返すホームズ。代わりに、ハドソン夫人の作ったぬいぐるみをプレゼントするよ、と。ハドソン夫人のぬいぐるみは青いシロクマの代わりだったんですね。肉団子ぬいぐるみをお尻に敷いてみて…気に入った模様。シュールなシーンです…wちなみに、アクメット君はどこで手に入れたのか…バザーで買った、だそう。アブドラはぬいぐるみにそれほど愛着を持っていなかった。次はぬいぐるみをバザーに出したのが誰かを探そう!
 ひとつ、ここで指摘したい。アブドラは毎晩月を見ながら…と言っているが、月は毎晩見えません。夜に見えるとも限りません。ファンタジーの世界、ということで…?w天文ネタなので、反応せずにはいられませんでした。そういえば、ホームズは天文学の成績は悪い。苦手と言うより、興味が無い。

 やってきたのは学園の情報通・ラングデール・パイクのところ。チャリティーバザーは月に一度開催されている。この青いクマのぬいぐるみは先月出品されたもの。出品したのが誰かと言うと…いつものように交換条件のパイク。今日も2ペンス…ではなく、あの宇宙人…じゃない、ウサギのぬいぐるみ。渡されたパイク「めっちゃかわいいじゃねーか!!」こんなの好きだったのかw出品したのは、美術のノートン先生。ホームズ、一瞬表情が曇ります。
 今回の原作は「三破風館」。本来、ラングデール・パイクが登場する作品です。パイクは社交界のスキャンダル情報を集め、握っている。情報を得るために、ホームズはパイクと会います。この「三破風館」でしか出てこないパイクが人形劇ではこんなに活躍するとは。

 美術室。ノートン先生はぬいぐるみを見覚えがある、クマのテンプルちゃんだ!と。…テンプルちゃん…?テンプルちゃんと話す口調が乙女でしたよノートン先生…wどこで手に入れたのか、生徒から没収した。女子生徒が廊下の隅にうずくまっていたので声をかけたら、布袋を投げつけられた。女子生徒は慌てて逃げて行ってしまった。回想シーンで、顔面に布袋を直撃され、倒れるノートン先生w返そうとしなかったんですか?とのワトソンの問いにも、顔を隠して逃げたということはやましいことがあるだろう、と。理由は他にもあるんじゃないか、とのホームズの指摘に、「さすがだ」と続けるノートン先生。婚約者であるアドラー先生の誕生日で、プレゼントを用意するのを忘れていたからちょうどいいとプレゼントに。でも、気に入らなかったらしく突き返された…。最初はこのぬいぐるみには尻尾が付いていた。もっと長いもの、恐竜みたいで微妙だった。ノートン先生はそれを付け替えてしまった。尻尾に手を加えたのはノートン先生だったのか!では、これをぶつけた生徒に見覚えは?あんな髪型の女子生徒はこの学園に一人しかいない。アーチャー寮4年、イザドラ・クライン。驚くホームズ、信じられなかったと語るノートン先生。イザドラ・クライン…男子生徒を子分のように扱い、まるで女王のような暮らしをしている。ホームズも何度か会ったことがあるが、凄みのある女子生徒。10代にはとても見えない。先生も一目置いている程。そんなイザドラ・クラインとぬいぐるみが結びつかない。そして、そのイザドラがしゃがみ混んでいた場所は…ベイカー寮221Bの前…!イザドラはホームズとワトソンの部屋の前で、ぬいぐるみを持って何をしていたのか…?
 今回のノートン先生は散々ですw

 渡り廊下を歩きながら、ワトソンも一度だけイザドラに会ったことがある…と思い出す。中庭のベンチで本を読んでいたら、男子生徒…ガルシアとヘンダーソン、ドレッバーにスタンガスンも従えて、堂々と歩いてくる女子生徒…イザドラ・クライン。その時、イザドラの帽子が風で飛ばされ、ワトソンの座っていたベンチの上に。帽子を取って、いつもの笑顔でイザドラに返すワトソン。男子生徒たちは脅えている。
 そして、333A…イザドラ・クラインの部屋へ。部屋の前にはヘンダーソンとドレッバーが。部屋に通されるホームズとワトソン。ワトソンの手には青いクマのぬいぐるみ。イザドラ…確かに凄みのある「女番長」です。アーチャー寮なのか。イザドラはガルシアとヘンダーソンを外へ出し、3人で話をすることに。イザドラとホームズは1年ぶり。イザドラの手下たちを先生に引き渡したホームズ。彼らは集団万引きをしていた。万引きは許されない行為(絶対に許されません)。でも一番気に入らないのは自分では手を染めず、裏から指示した人間が何の咎めもないこと…イザドラのこと。強く言うホームズを正義の味方気取り、思い上がりもいいところ、とイザドラも負けてはいない。2人の対決も凄みがあります。
イザドラ:何が正しくて何が間違っているかなんてあなたにわかるの?
ホームズ:わからないさ。僕にわかるのは、どんなものにも裏があるっていうことだけ。

 この会話でしびれました。呆然と見ているワトソン。今日の本題に。ぬいぐるみを返しに来た。ただし、条件がある。怖い目に遭ったウィルソンとアブドラに謝罪して欲しい、と要求するホームズ。しかし、非を認めないイザドラ。イザドラ・クラインに非を認めさせる人間は、このビートン校にはいない。…イザドラ、凄い。ならば、これを読み上げるまでだ、とホームズ、紙を一枚持ち出す。その紙…手紙を見て、ホームズから取り上げようとするイザドラ。このシーンの操演がすごい。迫力あります。これまで、こんな動きの速い迫力あるシーンは無かった。そこへ、ワトソンが割って入る。イザドラの手をつかみ
僕の親友を傷つけることは許さない!

 ワトソンらしい強い言葉です。手紙はぬいぐるみの中に入っていた。長い尻尾があった…これはクマじゃない。カンガルーだ。手に持っているのはペンギンではなく、赤ちゃんカンガルー。お腹には袋があって、そこに手紙が入っていた。手紙は、ラブレター。イザドラ・クラインはぬいぐるみにラブレターを入れてプレゼントしようとした。それは人に知られてはいけない。だから、ノートン先生に見つかった時、顔を隠して逃げた。相手は…ベイカー寮221Bの前に置いた…何故カンガルーのぬいぐるみなのか…カンガルーのいるオーストラリアからの転校生に一目惚れした…ワトソン!!?といつものように推理を早口で述べるホームズ。イザドラ、怒ってホームズにつかみかかるも…肩を落として泣いてしまう。冷酷非情な女番長にもこんな一面があったのか…と語るホームズに、鋭い強い声が。
ホームズ!いい加減にしろ!君は彼女を傷つけたんだ!わからないのか!本気で泣いてるじゃないか!よく見ろ!
 (中略)
 もっと人の気持ちを考えろ、ホームズ!

 ワトソン…!!いつもは寛大で優しいワトソンが怒った。初めてです。しかもホームズに対して。イザドラがホームズから手紙を取り返そうとした時には、イザドラに対して「親友を傷つけることは許さない!」と。親友を守る。しかし、今度はホームズが言葉でイザドラを傷つけた。だから、ワトソンは本気で、真正面から立ち向かって怒った。親友だからこそ。相手が女番長だろうと、怖がらない。偏見も持たない。しかも、自分に好意を抱いている。その気持ちを大切にしようとしている。ワトソンの優しさからの怒り。この怒ったワトソンの声が、本当に鋭く強かった。ワトソンがもし怒ったらどうなるんだろうかと思っていたのですが、本当に怒る時がくるとは。しかも、ホームズに対して。「よく見ろ!」…ホームズに対して、「観察しろ」と言っている、ワトソンが!逆転しています。

 イザドラに、ホームズがやり過ぎたと謝るワトソン。そして、僕には好きな人がいる、と。イザドラは知っていました。メアリー・モースタン。ワトソンに好きな人がいると知っていても、気持ちを伝えようとした。イザドラがワトソンに会った時、恐れも見下しもしなかった、それが嬉しかった、と。手紙を読むワトソン。中身は語られません。気持ちは伝わった、ありがとうと礼を述べるも、ワトソンにはひとつ疑問が。何故、カンガルーを青にしたの?イザドラの答え。
あなたは、自分の瞳の色がどんなに素敵かご存じないの?

 ワトソンの青い瞳…!はい、正直に言います。私も、ワトソンの青い瞳をきれいだとずっと思ってました!ノベライズで、ホームズの外見と比べて、「平凡な栗色の髪と青い眼」と何度か書いていたワトソン。そんなことないよ!ワトソンの青い瞳はとってもきれいだよ!と思っていました。イザドラ…わかっている人がここにいました…!
 ワトソン、カンガルーのぬいぐるみを手にとり、抱き上げ、
これは、世界にただ一つの青いカンガルーだ

人の想いには真摯に応える。大切にする。ワトソンかっこいい!!そんな2人を「バカバカしい…」と言うホームズですが、「うるさい!」「あっち行ってろ、ホームズ!」2人から怒鳴られてしまいました…。ワトソンを横目で見るホームズの眼差し…印象的です。

 221B。またハドソン夫人が縫い物をしている。
ワトソン「君は謎を解く才能はあるのに、どうして女の子の気持ちを理解できないのかなぁ…?」
ホームズ「興味が無いからさ」
ワトソン「君に欠けているのはそこだ」
ホームズ「大きなお世話だ」

 アガサとの仲直りの時は、ホームズも人の心がわかるようになったか、と思ったのですが…。そういえば、あれ以来アガサは出てきていない…助手じゃなかったんですか?ハドソン夫人が作っていたのは、トマトのぬいぐるみ。ウィルソンにプレゼントするために。ウィルソン、抱き心地最高!と満足そう。よかった。カンガルーは返せないからね、ワトソン。笑い合う3人をよそに、不機嫌なホームズ。一方、イザドラは、部屋にひとり。壁には写真が。ワトソンの写真に、ホームズの写真にはバツ印をつけて、ダーツで刺している。…これは…。物憂げな表情。一体、イザドラは何を思っているのだろうか…。気になります。あと3話で再登場するか?

 前半は「青いガーネット」が原作、後半は「三破風館」が原作でした。まさかワトソン回になるとは…。「バスカーヴィル」回後編でも男前なところが出てきましたが、今回もとても男前だった。最高にかっこよかった!
 思えば、ワトソンは随分と強くなりましたね。1話では、すっかり意気消沈、自暴自棄になって、ベッポに罪を被せられてもそれで事が収まるなら…と罪を被ろうとした。それが、ホームズと出会って、ホームズと一緒に学園内で起こる奇妙な事件を追い、”冒険”し、それを壁新聞に書くという新しいやりがいのあることも見つけた。ホームズは親友になり、寛大で優しい性格で友達も増え、好きな人も出来た。誰が相手でも、評判の悪い人だったとしても、自分の意見をはっきりと言うようになった。はっきりと意見は言うけれど、人の気持ちには寄り添う。元ラグビー部員の腕力もいかして、力でホームズをサポートすることもある。ホームズも成長してきましたが、ワトソンも1話を思うと、随分と成長しました。

 一方のホームズ。イザドラと善悪について語るシーンは鋭い迫力ありました。正典でも、グラナダ版でも、イザドラとの対決シーンはしびれます。グラナダ版では、イザドラは、モリアーティやミルヴァートンと並ぶ手ごわい人間…と出てきます。
 ワトソンへのラブレターですっかり忘れてしまうところでしたが、イザドラは万引きを指示した罪は咎められるべき。ホームズのやり方は酷かったが、悪いことは悪い。前回のケンプも、バーニコットは絵は自分が描いたのだと自分が知っているから、と言っていましたが、盗作・パクりは許されない。その前の化石を売ろうと盗んだことも。これらにはマイクロフトも関与している。ドレッバーとスタンガスンは、ホープ君との賭け事、ミルヴァートン先生を襲ったこと。真実が正しいことかどうかはわからないけれど、やってはいけないこと、悪いことはある。それはちゃんと始末して、反省して欲しい…あと3話でどうなるか…。

 次回は、いよいよモリアーティ教頭が動き出します。あと3話だよ…!?

 前回イラストを描かなかったので、今回は多めに描きましたw
 まず、ずっと描きたいと思っていたけど描けなかったノートン先生。ようやく描けました。
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 出来るだけハンサムに描いたつもり…wそのノートン先生が、今回は…
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 テンプルちゃん…。アドラー先生、どう思っているのかな…。ぬいぐるみを見て、これは貰ってはいけないものだと推理したかも。

 次、一度は描いてみたかったラングデール・パイク。
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 好きなキャラクタです。

 今回のトリは勿論、ワトソンでしょう。描かずにはいられなかった。
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 今回はカラーで描きたかった。青い瞳は特に意識しました。カンガルーも尻尾を直しておきました。ハドソン夫人が直してくれた、ということで。ノートン先生…。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-26 21:47 | Eテレ・NHK教育テレビ

続・「ホームズ」踊る人形暗号の謎

 今日は人形劇ではなく、正典(原作)の「シャーロック・ホームズ」に関する話題です。人形劇「シャーロックホームズ」を観て、「踊る人形」の暗号が違う…?という謎を見つけた話の続きです。
・全てはここから始まった:すれ違う想いの着地点+踊る人形暗号の謎 人形劇「シャーロックホームズ」第13話

 上述記事の画像を見ていただきたいのですが、私が読んでいた正典(河出文庫)と、番組で使われていた暗号のBとVが違う。その後、twitter経由で、新潮文庫では番組と同じ暗号が使われていた、との情報を得ました。ということで、新潮文庫の「シャーロック・ホームズの帰還」の「踊る人形」を読んでみた。
確かに、番組と同じ暗号が使われていました。何と!?本屋さんにはちょうど創元推理文庫もあったので、そちらも確かめてみました。番組と同じ。他の出版社・訳は無かったので、今度は図書館へ。
 まだ調べている途中ですが、2種類の暗号があります。
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バージョンA:河出文庫、偕成社、岩崎書店(旧版)

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バージョンB(番組で使われていた方):新潮文庫、創元推理文庫、講談社青い鳥文庫(旧版)

 このように分かれていました。しかし、「ホームズ」の訳は多数存在します(一体いくつあるんだ?)。これはほんの一握りです。「踊る人形」をお持ちでしたら、どちらの暗号か確かめてみてください。
 あと、映像化作品でもどちらが使われているか。グラナダ版ぐらいしか思いつきませんが…。「SHERLOCK」では出てきてない。どちらにしろ難航しそうです。

 では、何故2種類存在するのか。多分、どこかで図柄が変わってしまったと考えられます。Bは本当によく似ています。でも、いつ、どの本で、何故かはわかりませんでした。図書館にある「シャーロック・ホームズ」の研究書を読んでみても、この「踊る人形」暗号の謎について書いている本を見つけられませんでした。世界中にはたくさんのシャーロキアン(ホームジアン)がいらっしゃるのに…。どこかにはあるはず。日本語訳されてない、日本では入手できない本だったりしたら困るなぁ…。

 今後もこの謎については調査し続けます。…これはもしかして、シャーロキアンへの道か?
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by halca-kaukana057 | 2015-01-23 22:02 | 本・読書

明るい宵の明星、雲間の水星、うっすらラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)

 今日は朝は猛吹雪でしたが、夕方になって晴れました。今日こそ行けるか、見えるか、金星と水星。

 日没後の西の空。金星が明るく輝いていました!とても明るい。すぐわかります。しかし、水星はどこだ?スマートフォンの天体観測アプリで位置を確認するも、見当たらない。低空には雲が。あの中か?時々、雲間にちらりと星のような光が。あれかなぁ…?と思いながらカメラを向けました。
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 やっぱりそうでした。ようやく観られた!夕暮れの空もきれいでした。

 金星と言えば、金星探査機「あかつき」。今年12月、金星周回軌道投入再挑戦が決まりました。「あかつき」の再挑戦。今度こそ!うまくいくように。あの金星の画像をがんがん撮影して送ってきて欲しいです。がんばれ。めげるな「あかつき」!

 夜になって、今度はラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)。こちらも天体観測アプリで位置を確認。うーん、あれかなぁ?空を見上げる。わからん。写真判定しないとわからない。スポーツみたいです。
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・大きな画像はこちら::はてなフォトライフ:halca-kaukana:ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)

 やはりうっすらと。でも、エメラルド色はかすかにわかります。昨日の画像と比較してみてね。位置は結構変わっているなぁ。

 満天の星空を、しばし観ていました。凍てつく澄んだ空気に、冬の煌びやかな星々。そこに彗星もあるとは、豪華です。朝はあんなに吹雪いていたのに。寒いけど、楽しい時間です。星空に見惚れていました。

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 今日もオリオン。観られるうちは観ます!冬の晴れ間は貴重です!
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by halca-kaukana057 | 2015-01-20 23:33 | 宇宙・天文

すり替えられない真実 人形劇「シャーロックホームズ」第14話

 もう14話…全18話なので、あと4話のNHK人形劇「シャーロックホームズ」です。第14話「百匹のおたまじゃくしの冒険」。原作は「海軍条約文書事件」(「思い出」収録)。今回は公式さんの発表まで、全く原作が予想出来ませんでした。しかし、「おたまじゃくし」がキーワードでした…原作読み返したらなるほど!と。「ホームズ」の世界、まだまだ広くて深いです。
 ちなみに、私は「海軍条約文書事件」は第18話「本当に困った校長先生の冒険」と予想していました。外れた…。となると、あれかな、これかな…?キリがないので感想へ。

 朝の221B。ワトソンが必死で数学の宿題をやっている。昨日のうちにできなかった、と。結構真面目でしっかりしているワトソンが珍しい。一方のホームズは、悠長にピロピロ笛を吹いている。宿題はやってない。最初からやる気はない。ホームズ曰く、宿題をやる苦痛を10とすると、叱られる苦痛は6、とのこと。…ホームズ君、それを世の中では屁理屈と言うのだよ…wロイロット先生がいたらなんと言うことやら…。そこへドアをノックする人が。ハドソン夫人かと思ったホームズ。朝は忙しいから、と断ろうとしたが、ノックの主は、アイリーン・アドラー先生。ホームズ君に話があるの。アドラー先生の声に、ホームズの態度が一変wワトソンに部屋を片付けろ!と指示。大急ぎで散らかった部屋を片付ける2人。
 ホームズが、自分から部屋を片付ける…だと…!!?いつも散らかしっぱなし、片付けることなど考えたこともないだろうホームズが!!大爆笑しましたwその片付ける動作が、とても滑らかで自然。人形劇?操演?そんなことを思わせない動き。机の上の実験道具を片付けるホームズ。本を立てて並べるワトソン。ハタキをかけ、ソファのクッションも位置を整える。途中はNHKお得意(?)の速回しでしたが(この演出がまた笑いを誘うw)、それでもぎこちなさがない、無駄のない動き。笑いつつも、操演の皆様に拍手喝采でした!

 しかも、アドラー先生が221Bに入ってくると、クールにすましたホームズ。アドラー先生の話とは、クーパー寮のバーニコットが倒れて保健室に運ばれた。目を覚ましたら、「ホームズ君を呼んでくれ」と。お昼休みでもいいから、来てくれないかな?ホームズ、断る訳がありません。

 保健室。ホームズが来てくれたことを喜ぶバーニコット。バーニコットは事件の顛末を語る。昨日の夜、美術筆で絵を描いていた。「おたまじゃくし絵画コンクール」に出品する作品。「おたまじゃくし絵画コンクール」は、毎年、各寮の代表がおたまじゃくしがテーマの絵を描いて競い合うコンクール。ビートン校の創設者・パーシー・フェルプス卿の子どもの頃のあだ名がおたまじゃくしだったことに由来している。バーニコットは今年のコンクールのクーパー寮代表に選ばれ、徹夜で絵を描いていた。「おたまじゃくし百匹」のタイトルで、99匹まで描いたところで休憩。しかし、戻ってきたら絵が無くなっていた!!そこで、扉の閉まる音。誰かが逃げてゆく。バーニコットは必死で追いかけたが、見失い、ショックで気を失ってしまった。絵の締め切りは明日。絵を見つけて欲しいとホームズに懇願するバーニコット。ホームズも依頼を受けることに。
 パーシー・フェルプスが原作では依頼人なのですが、ビートン校の創設者にしちゃいましたか!どの位前の設定にしてあるんだろう?
 バーニコットの描いていた「おたまじゃくし百匹」、凄い絵です。バーニコット、巧いなぁ。未完成、後一歩のところで盗まれるとは…。

 ここで、アドラー先生がバーニコットにお薬を。スプーンで、「あーん」と飲ませる。それをじーっと見ているホームズ…羨ましそうw
 さて、何故絵を盗んだのか。バーニコットに優勝して欲しくない。でも、破いていないから、その絵が必要なのだ、と。破くつもりだったが、よく出来た絵だったので、自分の作品としてコンクールに出すことにしたのでは。盗んだ絵で優勝したってしょうがないじゃないか、とのワトソンの問いに、そう思わない人間もいる、とホームズの答え。各寮の代表を調べてみよう。
 そこに、アドラー先生の言うことを真似て出てきたのは…マイクロフト!バーニコットの隣のベッドで寝ていた!しかも、マイクロフト、シャーロックがアドラー先生に好意を抱いているのを見抜いていた。アドラー先生に、弟が女性に興味を示すなんて珍しいことなのでよろしくお願いします、と。焦るシャーロック。マイクロフトはお腹をこわして保健室に。薬を飲んだら良くなった、と言って行ってしまった。マイクロフトは仮病(生徒会長が仮病っていいのか)。薬もはちみつ。仮病…。引っかかる。
 アドラー先生は、これまで2人が兄弟かもしれないと思っていたが、知らなかった。寮も違うのは何故?とアドラー先生に聞かれても、「その話はやめましょう」さすがのアドラー先生にも話せない程のことなんだな…。

 保健室にまた生徒が。7話「イヌ語通訳」でネアンデルタール人の骨を盗み、シャーマンを誘拐して犬のソフィに奪われた骨を捜していた、あのウィルスン・ケンプ。バーニコットに親しそうに話しかけ、お見舞いのお花を。ホームズを見るなり、態度が変わり、保健室を出て行く。ケンプとはどういう関係?とバーニコットに尋ねると、知り合いじゃない、今初めて話した、会ったことがなかった、と。怪しい!しかし、バーニコット、人がいいなぁ。

 ワトソンメモの、「おたまじゃくし百匹」の再現絵がめちゃくちゃ巧いのですが…ワトソン、美術部に入ったらどうだ?本格的に絵の勉強をしたほうがいいんじゃないのか?

 放課後。再び保健室へ。絵画コンクールの出場者リストを持ってきたラングデール・パイク。でもタダじゃ見せてくれない。ホームズ、ワトソンに指示して、2ペンスを払う。メモには、アーチャー寮:スタンフォード、ベイカー寮:ダンカン・ロス、クーパー寮:バーニコット、ディーラー寮:ウィルスン・ケンプ…!!絵はバーニコットとケンプがまだ提出していない。この3年間、ディーラー寮からは優勝者が出ていないから、ディーラー寮はケンプにかなり期待している、とのこと。いちいち追加料金を払うワトソン…。
 アドラー先生から、バーニコットは保健室の前で倒れていた、と聞いて、バーニコットを起こす「カバ!起きろ、カバ!!」ホームズ、また迷言をwバーニコットには部屋に帰るよう言い、ホームズとワトソンはアドラー先生に許可を貰い一晩保健室に張り込みをすることに。しかも、保健室は随分前に鍵をなくしてしまって夜も開いたまま。ホームズの推理がつながった模様。
 この許可を貰うくだりで、「私、理屈に合わないことって大好き」と笑みを浮かべるアドラー先生…さすがです。

 夜、保健室に潜むホームズとワトソン。待っている間にホームズが推理を話す。ケンプは絵を盗んで、鍵がかかっていない保健室にたまたまたどり着いた。ケンプは保健室に絵を隠して、授業の前に取りに来る予定だったが、バーニコットがいる。ケンプは絵を回収できず、まだ絵の提出も出来ていない。そして足音。ドアが開き、入ってきたのはやぱりケンプ。ベッドの下から絵を取り出し…ここで御用!ワトソンが飛びかかり、ケンプを捕まえる。力で元ラグビー部員のワトソンに敵うはずもない。絵を奪い取ったが、ケンプは逃げてしまった。
 ケンプを捕まえたワトソン。これまで、ノベライズや推理クイズブックでは、ワトソンがラグビーで鍛えた得意の高速タックルについての言及がありました。足は怪我しているけど、近距離からの素早いタックルなら得意。ノベライズ、推理クイズブックともに、これまで成功したことはなかったのですが、ついに人形劇本編で出てきました!しかも成功しました!!とても嬉しい。

 次の日の朝。221Bにはバーニコットも一緒にいる。ハドソン夫人が特製特大オムレツを作ってきてくれた。絵は?まだ食べる気になれない…。とりあえず開けて見て、と言う2人に促されて蓋を開けてみると…絵が!お礼を言うバーニコットだが…「これは僕の絵じゃない」!?「僕はこんに下手じゃない」確かに下手…。まさか、と驚く2人。ここにサインが、とよく見ると、M・H。…マイクロフト・ホームズ!やられた…!!ケンプがディーラー寮代表であることを知っていたマイクロフトは、犯人がケンプであることをすぐに分かった。仮病を使って保健室に忍び込み、バーニコットが寝ている隙に絵をすり替えた。ディーラー寮を優勝させるために。バーニコットはまだ絵を完成させていなかったから、サインはしていない。おそらく、ケンプは最後の一匹を描いて、サインをして、提出するだろう…。なんという無念。
 マイクロフトの絵…本当に下手です。ホームズ兄弟は美術が苦手なのか?ピーナッツカバといい…。

 バーニコットに謝るホームズ。でもバーニコットは絵が無事ならそれでいい、と。ケンプが優勝しても悔しくない。寧ろ嬉しい。あの絵が優勝する。描いたのは僕だと、僕は知っている。それで十分だ、と。ワトソン「見かけよりもずっと立派なカバだね」と冗談を言って、笑い合う3人。
 バーニコット…本当にいい奴だ。絵が盗まれようと、他人名義で出品されようとも、描いたのは自分自身。人が優勝するんじゃない、絵が優勝するのだから。バーニコットはその真実を知っている。真実は自分の中にある。揺らぐことなく。バーニコット、見た目も話す口調もおっとりしているけれども、確固たる信念を持った芸術家だったんだね。本当に凄い子だ。

 コンクールは、バーニコットの絵は優勝せず、ベイカー寮のダンカン・ロスの絵が優勝した。「赤毛」回の絵も素晴らしかったしなぁ。さすがダンカン・ロス。タイトルは、「赤いおたまじゃくし」。ロス、赤毛のかつらもかぶって…それもう必要なかったんじゃないの!?wもう赤毛になる必要ないだろwしかも絵も赤w「赤毛」回以降のロスが何をしていたのか気になります…。

 最後、ナレーションワトソンは「今回のホームズはいいとこ無しだ」と言うが…。ホームズはショックだったのか、仮病なのか、保健室に。寝ているホームズに、アドラー先生は栄養剤とはちみつを飲ませる。「あーん」とスプーンで。照れながらはちみつを口にするホームズ、可愛いw
 いいとこ無し、だったけど、最後には美味しいところがあったね。栄養剤になってるよ、心の。アドラー先生が飲ませてくれたはちみつで、また元気になれるよ。めげるな、ホームズ。今回はホームズを応援したくなる回でした。

 しかし、マイクロフト、またしても…。ケンプも…。マイクロフトはケンプと最初から共謀してたのかも。しかもシャーロックがアドラー先生に好意を抱いていることを知って、それも利用した。ホームズ、やられてしまいました…。バーニコットは立派だけど、やっぱり無念。しかし、ディーラー寮のケンプは絵は実際どうなんだろう。アーチャー寮のスタンフォードは「赤毛」回で美術部員だったから、絵は得意のはず。スタンフォードの絵も観たかった。ケンプは?まさか、それもマイクロフトの仕業だったというのは、深読みのし過ぎだな、多分。もう、マイクロフトは一体何なんだ!しかも、今回もホームズ兄弟の謎は明かされず。これは相当根が深いぞ。

 しかし、モリアーティ教頭が全然出てこない。全ての黒幕がマイクロフトに思えてきた…と、今は思わせているのだよね…?モリアーティ教頭の出番がないなんて…。確かに正典では、「最後の事件」と「恐怖の谷」で少し出てくる程度ですが…。

 今回のシャーロッQ!はハドソン夫人の料理から。怒ったハドソン夫人のイラストが…ハドソン夫人の紹介が酷いw

 さて、明日のBSプレミアム「ザ・プロファイラー」は、「ホームズ」の作者、アーサー・コナン・ドイルですよ。本当にNHKはとことん徹底的に「ホームズ」やってるなぁ!
NHK:ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~

 
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by halca-kaukana057 | 2015-01-20 23:18 | Eテレ・NHK教育テレビ

彗星観測入門中 ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)を観たい!

 久々に星見記事です。今の季節は星見に全く向きません。雪、雪、雪雲。晴れた日もあるのですが、夕方になると曇り始めて、夜になると完全に曇ってしまいます。
 今は夕方、西の空に金星と水星が見ごろです。どちらもまだ観られていません。

 今、もうひとつ注目の天体。ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)。あれ、前にも同じ名前の彗星がありましたね。
若田さんのISSを見よう +2つの彗星はどこだ!?
見えてる?わかる?ここにある? ラブジョイ彗星&アイソン彗星を観たい!第2夜
今度こそラブジョイ彗星を観たい! 第3夜+星空を見渡せば
 一昨年、2013年11月、12月に観測したラヴジョイ彗星(C/2013 R1)。これとは違う彗星です(番号に注意)。名前の通り、ラヴジョイさんが見つけた彗星です。ラヴジョイさん凄い。

アストロアーツ:まだまだ見ごろのラヴジョイ彗星
 現在はおうし座とおひつじ座の間に位置しています。これからどんどん西に動きます。

 今夜、晴れ間が。おうし座あたりも晴れている。よし。双眼鏡とカメラ、いつものコンパクトデジカメを用意。まず肉眼で…よくわからない。目印はプレアデス星団(すばる:M45)。肉眼でもすぐに見つけられない…薄雲がかかってる?これは、以前と同じようにカメラにがんばってもらおう。
 30秒間の撮影です。
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・もっと大きな画像:はてなフォトライフ:halca-kaukana:ぼんやりうっすらラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
↑画面下の「オリジナルサイズを表示」をクリックすると、大きな画像で観られます。

 星図と画像をにらめっこして、ぼんやりしているこの星が怪しい…。twitterで天文クラスタさんに確認していただいたところ、確認できました。ありがとうございます。以前もだったが、今回もぼんやりと、薄っすらとしか撮影できてないなぁ。これは肉眼、双眼鏡で確認するのは難しそう。画像で確認した後、もう一度空を見て確認しようと思ったら、見事に全天曇ってました。つかの間の晴れ間の星見でした。また晴れないかな。もう一度観たいな。

 彗星観測には慣れが必要。一目でわかる大彗星で無い限り、初心者がパッと見て「彗星だ」とわかるものではないのだそう。よほど暗い、澄んだ空でないと難しい。私も画像では確認できるようにはなってきましたが、まだ自分の眼では確認できていない。彗星観測への道は長いです。ああ、百武彗星やヘールボップ彗星みたいな大彗星カモン!一昨年のアイソン彗星も思い出します…。

 南東の空にはオリオン座が堂々と。
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 この雄姿、たまりません。冬の王者です。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-19 22:25 | 宇宙・天文

[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 消えた生徒たち

 人形劇本編の感想に続けて、人形劇ノベライズ3巻の感想を。人形劇「ホームズ」三昧です(正典、他の映像作品も楽しんでますよ。ちなみに後日書きますが、正典全60編読了しました!)

・1巻(1~3話収録)感想:[NHK人形劇小説版]少年シャーロック ホームズ 15歳の名探偵!! +NHK人形劇版
・2巻(4・5話収録)感想:[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎

【3巻収録の人形劇本編感想】
・6話「生真面目な証人の冒険」:ホームズを観察せよ、もしくはホームズ操作術 人形劇「シャーロックホームズ」第6話
・7話「イヌ語通訳の冒険」:論理的事実か幻想か 人形劇「シャーロックホームズ」第7話
・8・9話「愉快な四人組の冒険」
 恋するワトソンは前途多難? 人形劇「シャーロックホームズ」第8話
 事件に流れる不協和音、調和の終止? 人形劇「シャーロックホームズ」第9話

少年シャーロックホームズ 消えた生徒たち
アーサー・コナン・ドイル:原作/三谷幸喜:番組脚本 / 時海結以:著/千葉:絵/集英社・集英社みらい文庫/2015

 表紙はホームズ、ワトソン(ようやくワトソンのカラーイラストが!)、トビィ。可愛い。
 上記の通り、6話「生真面目な証人の冒険」、7話「イヌ語通訳の冒険」、8・9話「愉快な四人組の冒険」を収録しています。「愉快な四人組」は前後編なので入るかな?と思っていたのですが入りました。
 以前も書いた通り、人形劇本編とあらすじは同じです。でも、ノベライズは正典と同じくワトソンが執筆・語り手で完全ワトソン視点。人形劇本編にはない追加シーンや、詳しい描写も加えられています。

 人形劇本編は1話20分(実質それより少ない)。なので、どうしてもカットせざるを得ない描写や台詞、シーンが出てきてしまう。それを補うかのようなノベライズ。しかも、正典(原作)と同じようにワトソンが執筆・語り手の小説・物語であるところがいい。正典「白面の兵士」(「事件簿」収録)で、ワトスン(正典表記はこちらで)の小説的描写が気に食わないと言ったホームズに対して、ワトスンは「だったら自分で書けよ!(意訳)」と怒ってしまった。そこでホームズが自分で書いてみるのだがうまくいかない、やっぱりワトスンでないと…というのがあります(詳しくは正典で)。話はそれましたが、設定が15歳の学園もの、しかも人形劇の「ホームズ」でも、やっぱり執筆・語り手はワトソンだからこそ「ホームズ」なんだな、と感じます。

 6話から9話までは、新たな主要登場人物も登場し、ビートン校をめぐる物語の世界がまた深くなります。
 6話、レストレードとベインズ。思えば、レストレードは1・2話で登場した後、この6話まで登場していなかった。ノベライズ1巻では真面目で成績優秀な生徒が選ばれるという生活委員のレストレードが、ユーモラスな面もあり、数学のテストが5点だった…というのについてもワトソンのフォローが入ります。そしてベインズ。ベインズに対して、ホームズがどんな態度、心境でいたのかワトソン視点で語られます。ホームズの表情、視線、態度をよく観ています。観察することが大事、とホームズは言っている、特にこの3巻の6・7話では強調されることですが、ワトソンはホームズをとてもよく観察している。僅かな眼の動きも見逃していない。ワトソンも観察することを大事にしている、というわけだ。人形劇本編ではコミカルな演出になったベインズの推理劇場も、文章で書かれるとまた違う味わいになる。ラストは本編とは少し変えてあります。追加されたワトソンの想いが、今後を物語っているな、と感じます。
(遠くから観察しているよりも、直接関わるほうが、人間がわかることだって、あると思うな。ホームズは、いろんな感情を、知ったほうがいいのかもしれないよね)
(59ページより)

 しかも、観察することにかけてある。

 7話はマイクロフト。本編でもマイクロフトとシャーロック、ホームズ兄弟の仲、マイクロフトがしたことが強調され、暗い影を落とす回になりましたが、ノベライズではホームズ兄弟の心の溝、確執がより際立って描かれています。マイクロフトに対して、かなりよそよそしかったシャーロック。ここでもワトソンのホームズの僅かな変化もしっかり観察し捉え記録する力が発揮されています。そして、イヌ語を話せる人間など存在しないという事実から、事件をもみ消すマイクロフト。あがなえないシャーロック。事件後、シャーマンの飼育小屋の前でのシャーロックの言葉に本編を観た後で絶句したのですが、同じように絶句したワトソンに対してのシャーロックの反応が…本編以上に辛い。親友のワトソンにもどうにもできないものを、シャーロックは抱えている。だからこそ、その後のシーンは爽快でした。
 7話の本編の感想で、目隠しされて連れ去られても脅えたりか弱く振る舞ったりしないシャーマンを肝が据わっていると書いたのですが、実際のシャーマンは怖かった。怖いけど、強く振る舞っていたのか…。こんな心境が読めるのもノベライズのいいところ。

 8・9話は歌が鍵となる回なので、音楽が流れない本はちょっと不利?いいえ、本だからこそできる表現、そして聴覚からの情報は無くても、想像力でカバーすることだって出来ます。本編は視覚聴覚で、本は文章で、表現できるものがあります。8話のあるシーンが前袖にカラーのイラストがあります。可愛い。
 8・9話は依頼人のメアリーに一目惚れして、かっこよく見せたいけれども空回りしているワトソンを応援したくなりますが、屋根から落ちるシーン(ワトソンだけでなく)やラングデール・パイクから買った塗り薬などの詳しい描写に、本編だけではわからなかったことになるほど!と思いながら読んでいました。アドラー先生再登場のシーンでも、何かをかじっていたのは本編でわかったのですが、はっきりと何かはわからなかった。明記されています。
 自白のシーンでも、ホームズのこの台詞が気になっていたのですが、
「ボクらは敵じゃない。あなたがどんなにくやしい思いをしたか、だいたいわかっているつもりです」
(190ページ)

この「くやしい思い」がどれほどのものか…本だとじっくりと味わえます。そして、「あなたは宝物」の本当の意味、メアリー宛の差出人不明の絵葉書の謎の解決…これは、ワトソンにとってはショックだったんじゃないのか、と思っていたのですが、本編でもワトソンは微笑んでいた。ノベライズでは更に詳しい心境が語られています。ワトソン、本当に君はいい子だ…なんて優しくて素直で寛大なんだ…!
 その後のシーンは…その余韻ぶち壊しの本編では爆笑のシーンでしたが、文章で読んでも酷かったw「もはや、暴力だ!」これを読めて嬉しいですwしかも、ワトソンがこんなところで元ラガーマンスキルを発動していたり、ホームズが本編とはちょっと違う行動をしていたり、今日も平和な?221Bな描写でした。
 あと、ジョニーが見事なテノールの持ち主、と表記されていて、声楽をやっている身としては嬉しい表記でした。

 正典の特徴がもうひとつありました。物語の冒頭では、221Bでのホームズとワトスンの何気ない会話や行動が描かれることが少なくないのですが、人形劇ノベライズでも各物語の冒頭は、221Bの何気ない情景が描かれます。ワトソンは宿題や勉強をしている。一方、ホームズは相変わらず奇妙な実験をしている。化学実験に限らないところが面白い。「愉快な四人組」冒頭の実験は、わかっていても、文章で書かれると余計どんなシーンかは想像するしか無く、怪しい雰囲気で…大丈夫です。児童書ですから、すぐにネタばらしされます。

 ノベライズのお楽しみはイラスト。パペットのキャラデザを周到しつつ、アニメ調で子どもたちや若い子たちにも親しみやすく。レストレード、シャーマン、メアリーのイラストは見たかった。ベインズ、マイクロフト、ショルトー兄弟はどうなるかなと思っていましたが、うまいことアレンジしているなぁ。ロイロット先生も。
 2巻までにはあった巻末の人形劇本編の説明は無くなりました。井上文太さんのスケッチ画も載っていたのですが、3巻からはそれも無くなってしまった。残念です。

 ちなみに、この3巻は発売日は1月5日だったのですが、年末年始の書店の入荷の関係で、12月末に入手することが出来ました。twitter経由で教えていただきました。ありがとうございます。
 4巻は来月、2月5日発売です!

少年シャーロック ホームズ こわい先生たちのヒミツ (集英社みらい文庫)

コナン・ドイル / 集英社


 月一発売ですかwもう表紙も公開されています。メアリーとアガサが可愛い!
10話「失礼な似顔絵」、11話「まだらのひも」、12・13話「バスカーヴィル君と犬」の3話を収録とのこと。おお、4巻も前後編のバスカヴィル回を入れてくれるのか。嬉しいなぁ。ノベライズはおそらく全6巻になりそうです。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-15 22:24 | 本・読書

すれ違う想いの着地点+踊る人形暗号の謎 人形劇「シャーロックホームズ」第13話

 毎週恒例、NHK人形劇「シャーロックホームズ」感想です。第13話「バスカーヴィル君と犬の冒険」(後編)。原作は引き続き「バスカヴィル家の犬」と「踊る人形」(「帰還」収録)
・12話・前編感想:どちらが本当?どちらが嘘?ワトソンの冒険 人形劇「シャーロックホームズ」第12話

 再びヘンリー・バスカーヴィルとメアリー・モースタンの前に現れたモンスタードッグ。張り込みをしていて、ワトソンとシャーマンも見た。しかも、シャーマンのイヌ語が通じない。シャーマンもモンスタードッグの言葉がわからない。

 そんな状況に、ホームズがようやく動き出しました。現場検証をするホームズ。「やっぱり君がいてくれないとだめだ」ワトソン、単独推理はやはり厳しかった。「あんな犬がこの世にいるとは思えない」とのワトソンの意見に、ホームズも「妄想ではない、でもモンスターでもない」。一体何なのか…そこでシャーマンが足跡を発見。動物の足跡だけど、イヌじゃない。ホームズも、後ろ足のほうが深い、下半身に重心がかかっている、と観察し推理。さらに、後ろ足だけで立っている足跡も。膝で立った跡もある。不思議だ。
 足跡を観察するホームズとシャーマンの一方で、ワトソンはバスカーヴィルとメアリーのもとへ。2度目も大の苦手のイヌを前に逃げ出してしまったバスカーヴィル、言い訳をw「いいんですけど、ちょっと残念です」メアリー、ズバリと言いますwそこへ再び、メアリーの幼馴染のジャック・ステイプルトンが。また化石発掘にやってきた模様。戻ってきたホームズに、ステイプルトンを紹介。ステイプルトン、ホームズを見るなり、「いい頭蓋骨をしていますね~特にこの前頭葉が僕好みだ…」とまたしても頭蓋骨マニアっぷりをwさすがのホームズも反応に困ってるw

 ステイプルトンが頭蓋骨マニアというのは、原作「バスカヴィル家の犬」では別の登場人物でのこと。ホームズを見るなり、同じようにマニアックな発言をw人物設定は変わってしまいましたが、原作を読んで、どこか不気味で奇妙だけれどもユーモラスでもあるこの頭蓋骨マニアを面白いなと思っていました。人形劇でも出てきて嬉しいですw

 ステイプルトンに会うなり、バスカーヴィル「君のせいで僕はえらい目に遭った」と。バスカーヴィルがメアリーとここに再び来たのは、メアリーの離れた心を取り戻すにはそれしかない、とステイプルトンに助言されたから。ステイプルトンを責めるバスカーヴィル。その時、何か臭い、とメアリー。何だろう…メアリーのバッグから、バスカーヴィルが探していた靴下が。バスカーヴィル、大ショック「もうだめだああああ~」と行ってしまう…あーあ…。「ひとつの恋が終わったな」ワトソン、その発言はちょっと腹黒さを感じるんですが…wあの心優しい、寛大なワトソンが…w
 そんなワトソンに、ステイプルトンが奇妙な質問を「何か苦手なものがあるの?」と。ワトソン「バナナ」えっ、意外。子どもの頃、バナナの倉庫に閉じ込められたことがあり、3日間バナナだけ食べてしのいでいた。それ以来、トラウマなんだと。バナナ…意外。それを聞いたステイプルトン
「人間って、いろんな問題を抱えて生きてるんだね」

 意味深な言葉です。

 221Bに戻ったホームズ、ワトソン、シャーマン。シャーマンが読んでいるのは、ロイロット先生が置いていった動物図鑑!!勿論、シャーマンはロイロット先生からの贈り物だとは知りません…。
 あれ、そういえばアガサがいない。アガサのことを話すと苛立つホームズ。そのホームズに、モンスタードッグが出る前に、山の向こうに人影を見たことを話すワトソンとシャーマン。そう言えば、ホームズに似てた…それは僕だ。あれ、ホームズは暗号のことでレストレードに会ったのではなかったの?ここで、その時の顛末を話すホームズ。
 暗号を前に、レストレードと話し合うホームズ。そこへ、アガサがハドソン夫人がお茶を淹れてくれたとやって来る。でも、まだ暗号が解けていない。あとちょっとで解けそうなのに…と粘るホームズ。暗号の気になる部分について考えている。しかも、最後の6文字は強い筆跡で書かれている、思い入れが強いもの…人の名前とか。そこへ割り込むアガサ「わかった、わかっちゃった!」そして解読。まさか!と書き込むホームズ…合ってる!何故読めた?と質問するも、じっと眺めていたら急に読めちゃった。前も、何とか博物館の何とかストーンを見ていたら急に読めちゃったことがある。ミルヴァートン先生もびっくりしていた、と。
 …ちょっと待った!!アガサ、天才ですかあなたは!しかも、何とか博物館の何とかストーン…大英博物館のロゼッタストーンですよねそれ!…アガサ、今すぐエジプト考古学、ヒエログリフを勉強しなさい。19世紀末イギリスではヒエログリフの研究も進んでいるから。そしてエジプトに行って遺跡や発掘した王墓のヒエログリフを読んできなさい!!と興奮気味で真剣に思ってしまったエジプト考古学好きがここに一名。…話がずれました。

 解読された暗号。それが、これ。
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 はい、前編の時点で解けましたよ。

 そしてやって来たベインズ。「ようやくたどり着いてくれましたね。私の尊敬するホームズさんなら、きっと解いてくれると思っていました」と。暗号は昔アメリカのシカゴでギャングをやっていた祖父が使っていたものを教えてもらった、と。暗号表をホームズに手渡す。ホームズに解いてほしかったのに、残念だなぁ~とまたネチネチと…。ホームズ、ベインズに2敗目…。惜しかったと言いつつ、笑いながら去ってゆくベインズ。悔しがるホームズ。アガサはマイペースで、解けたのを誉めてと言うが、ホームズの怒り、悔しさを逆撫で。暗号表を破り捨て、「君がいなければ僕にも解けたんだ。もう少しだったんだ。君さえいなければ、お願いだから僕の前から姿を消してくれ!」アガサ、悲しそうに去ってゆく…。
 ホームズが現場近くにいたのは、アガサに辛く当たってしまったから?言葉では名言されていませんが、そういうことなんでしょう。

 この暗号なのですが、疑問が。上の通り、解けたのですが、Vのところに「B?」と書いています。
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 正典「踊る人形」に出てくる文字と異なるんです!なので、最初あれ?と思ったのですが、文脈からBではなくVだとわかり、解けました。でも、まだ謎です。この正典とは違う暗号は一体どこから出てきたの!?
 検索したら、こんなサイトが。
踊る人形一覧表
桃仙堂:【落書】踊る人形の暗号一覧【ホムズ】

 「ホームズ」シリーズは既に著作権が切れているので、ネット上には自分で訳してみたものがたくさんあります。
コンプリート・シャーロック・ホームズ:踊る人形
 この訳でも、正典と同じ「踊る人形」暗号が。上の2つ、そして人形劇本編で使われた別の暗号は、一体どこから出てきたんだ!?検索して調べていますが、さっぱりわかりません。謎は解けてない!!

 話を人形劇本編に戻しまして、アガサのことはあとで何とかする、とホームズ。ホームズ、きつくあたってしまったことを反省している。仲直りしようとしている。…あのホームズが!!
 それよりも、モンスタードッグ。今度の日曜、ワトソンにメアリーをデートに誘え、と。はじめは照れているも、ホームズに言い諭されて、素直にデートに誘う、と決めるワトソン。がんばれ!場所は発掘現場。モンスタードッグではなく、もっと恐ろしいものをおびき出すため…。

 そしてデート当日。また霧が。怖くなんかない、とバスカーヴィルと同じく「森のくまさん」を歌うワトソン。あれ、普通にいい声、いい歌。あの9話「愉快な四人組」後編のラストの、「あなたは宝物」byワトソンバージョンの酷い歌声(ホームズ曰く「もはや暴力だ!!」)とは大違い。実は音痴でも何でもなかった、あの時はただ舞い上がっていただけだから?
 そこへ、「あれを見て!」出てきたのは…バナナ?モンスターバナナ!!?wなんじゃこりゃwww最初は驚き怖がるも、「来るなら来い!!」とメアリーの前に立ち、立ち向かうワトソン。バナナを投げられるも、「バナナ返し!!」と投げ返す。さすがは元ラグビー部員!ワトソンとモンスターバナナの闘いの途中、ホームズがやって来た!「もうその辺にしておけ、バナナ!」この台詞で吹きましたwバナナってwwwしかも正体はばれている、ステイプルトン!正体を暴かれ、逃げるステイプルトン…。

 ここから、ホームズの推理が明かされます。全てはステイプルトンが仕組んだこと。モンスタードッグも、シャーマンのイヌ語が通じなかった、理解できなかった、イヌじゃない。人間だった。足跡も、膝で立つところから人間が変装したものだと推理。バスカーヴィルをここにおびき寄せたのはステイプルトン。ステイプルトンは、メアリーを愛し慕っていたから。メアリーがバスカーヴィルとは付き合っていない、彼氏もいないと嘘をついたのは、そばにステイプルトンがいたから。ステイプルトンはメアリーに他の男を近寄らせたくなくて、バスカーヴィルが苦手な犬に変装、バスカーヴィルはそれを見て逃げ、バスカーヴィルの靴下を盗んでメアリーのバッグに入れておいた。メアリーがバスカーヴィルに幻滅するように。
 あれ、ということは、メアリーはバスカーヴィルに好意を抱いていたの?あら?ホームズ、またしても人の恋心を見抜きました。これで3回目か(ウィンディバンク、スモール、そしてステイプルトン)。
【加筆訂正】:ホームズが人の恋心を見抜いたのは4回目。ウィンディバンク、スモール、ロイロット先生、そしてステイプルトン。ご指摘ありがとうございます。
 
 メアリーは全てを知っていた。昔から、メアリーが男子と話していると、ステイプルトンは邪魔をしてきた。ボーイフレンドが出来れば、必ず横槍を入れる。
 ワトソンがメアリーに好意を抱いていたのも、メアリーもステイプルトンも知っていた。だから、バナナが苦手ということを聞き出し、モンスターバナナになって待ち伏せしていた。でも、ワトソンは逃げなかった。私を守ってくれた、立ち向かっていった。嬉しかった、と。ワトソンは無我夢中でよく覚えていない。とにかく、メアリーに何かあったらまずいから…ワトソン、紳士だよ。立派な勇敢な英国紳士だよ!!
 このメアリーがワトソンについて話すシーンで、9話で出てきたあのシロフォンのやさしい音楽。これはメアリーの恋のテーマなのかな。いい曲です。

 そこへ悲鳴が。ステイプルトンが、あの底なし沼にバナナの皮で滑って落ちてしまった。泥にはまって身動きできない。ホームズが指示して助けようとするも、アドバイスがお互いすれ違い、さらに沼に沈んでしまう。どうする!?ホームズ、論理的に一番いい方法を考える…と考える。そんなステイプルトンに訴えるメアリー。
私を大事に思ってくれる気持ちは嬉しいけど、お願いだからもう付きまとわないで!
私には私の人生があるの。
あなたは子どもの頃から仲良しだった。私にとっては大切な人だけど、恋人じゃない、ボーイフレンドでもない。
だってあなた、全然話を聞いてくれないじゃない!
でも、信じて。あなたは私の一番の友達よ

 このメアリーの切実な訴え…「私には私の人生がある」この言葉が特に印象に残っています。

 まだ助ける方法を思いつかないホームズ。考える考える…それを切り裂くワトソンの叫び声「僕の手につかまって!」近くにあった木をなぎ倒し、足場にして沼のステイプルトンに手を伸ばすワトソン。がんばれ!がんばって!!とステイプルトンに声をかけ励ます。そんなワトソンを「メアリー、この人は君が付き合った中で一番いい人だ」と、評価するステイプルトン。無事引き上げられたステイプルトン。ワトソン、よくやった!!メアリーもワトソンに駆け寄る。さすが元ラガーマン!ワトソンのポジションはフォワードでフッカーと1話でホームズに言われてしまいましたが、ラグビーでフッカー(背番号2)は、スクラムを組む際に一番前に位置する、がっしりとした体形で体力勝負のポジション。11話「まだら」回ではロイロット先生が捻じ曲げた火かき棒を元に戻すだけの力もある。考えるよりも、何とかしなきゃ。とにかく行動あるのみ!のワトソンの勇気ある行動。かっこいいよ、最高にかっこいいよワトソン!人形劇に限らず、正典、他の映像作品でもワトソン(正典はワトスン)好きとして嬉しいですよ!!ワトソン、本当にいい子だ。
 ステイプルトンが引き上げられてから「やはり人を呼ぶのが一番のようだ」とようやく結論を出したホームズ。…遅いよ。ホームズ、自分の世界に入ると周りのことが判らなくなるのは相変わらずです。

 221Bにはワトソンとメアリー。「大人だったらこんな時はワインで乾杯なんだろうけど」メアリー「楽しみは先に取っておきましょ」とミルクで乾杯。おお!!2人、とってもいい雰囲気!!「四つの署名」回「愉快な四人組」では報われなかったワトソンの恋、実ったか!?もう私も嬉しくて、この後牛乳で乾杯しましたw
 その一方で、ホームズが遅い、と。新しい助手を呼びに行った…と。
 ミルヴァートン先生の部屋。アガサはひとり黒いクマのぬいぐるみと一緒(あれ、このぬいぐるみ、いつ221Bから取り戻したんだろう?捜査から帰って来た後のシーンで221Bにあったよ?)。そこへ物音が。またいつものように悪い奴だったらどうしよう…と独り言を言いながら、ドアを開けると、誰もいない。壁にはあの暗号が。
AGATHA BE MY ASSISTANT SH
(アガサ 僕の助手になって SH)

 SH…シャーロック・ホームズ。喜ぶアガサ。それを見て頭をかくホームズ。照れて頭をかくホームズ!?いつもはワトソンがやることなのに!?何とまぁ…!アガサ、笑って嬉しそうにホームズの元へ。よかったね、仲直り、できたね。ホームズらしい仲直り方法です。しかもアガサだから通じる。

 221Bには、破った暗号表を張り合わせたものがありましたね。ホームズの心の成長がここまでくるとは!1話の時点では信じられませんでしたよ。自分から仲直りしようだなんて。ホームズがどんなことをしても、受け止め理解し、またホームズの足りないところを補ってくれる"親友"ワトソンと一緒に行動するようになった結果の変化なのだろうか。人間の心を、ただの心理としてもののように扱うのでは無く、自分の言動で喜んだり傷ついたりする、自分に関係のある友達の心として理解するようになって来た。ホームズがどんどん15歳の少年らしくなってゆく。これは最終回近くなったらどうなるんだろう。しかも、アガサを助手にした。アガサがホームズの推理にどう絡んでくるのかも楽しみです。一方のベインズ。このままネチネチとライバルとして挑戦し続けてくるのか?ホームズはベインズに勝てるのか?

 そういえば、前編で出てきたあの光る剛毛はなんだったのかね?回収してないよ?ノベライズを待ちましょう。多分書かれるはず。

 今回はワトソンメモは無し。シャーロッQ!はあります。今回もまた、どれもありそうな答えの選択肢。ブリキの缶詰が発明されたのは19世紀初頭だったんだ。しかも軍隊で用いられていた…昔からなんですね。それが、ピクニックにも使われるように。ホームズばりに缶詰ピクニック、春になったらやろうかねw

 次回はアドラー先生再登場!バーニコットが被害に。原作が何なのか、さっぱり見当がつきません。何だろう?

 最後に、今回は特にいいエンディングだったので、描かずにはいられなかった。
f0079085_2332111.jpg

 アガサは初描きです。髪型難しいなぁ。あと、アガサはウエストを絞ったキャラデザ。1年生ながら、スタイルいい。メアリーは少し可愛く描けるようになりました。メアリーは皆のアイドルですね。
 221Bにホームズとアガサが戻ってきた後、こんな感じだったのかな。ワトソンとメアリー…このまま両想いになれるかな、なれるよね?アガサは仲直りのちゅーをホームズに求めてそうwあり得るw
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by halca-kaukana057 | 2015-01-13 23:46 | Eテレ・NHK教育テレビ

第1段ロケットを回収せよ 「ファルコン9」ロケットの挑戦

 アメリカの民間宇宙開発企業の中でも際立って躍進し続けているスペースX社。「ファルコン9」ロケットで「ドラゴン」宇宙船を打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を輸送しています。非常に安定した運用を続けています。今は無人機の「ドラゴン」ですが、有人化を進めています。

 その、「ファルコン9」ロケットが「ドラゴン」宇宙船をISSへ向かわせるために昨日打ち上げられたのですが、今回はひとつ、大きな挑戦をすることになりました。

sorae.jp:ファルコン9ロケット、次回の打ち上げで浮桟橋への「着陸」に挑む
2014年10月27日の記事
sorae.jp:スペースX社、ファルコン9に装備されたフィンと、回収用の艀を公開
 2014年11月27日の記事

 ロケット打ち上げ後、第1段を切り離した後、普通はそのまま落下させます。しかし、スペースX社は第1段ロケットを特定の位置に着陸させ、回収して再利用することを計画しています。これまでも、スラスターを使って姿勢制御し、狙った海上の地点に着水させていました。今回は、スラスターに加え、フィンもつけて、より高精度の姿勢制御と減速をして、海上に用意した艀(はしけ/浮桟橋/プラットフォーム)に着陸させます。最初話を聞いた時、まずそんなことを思いつくのがすごい、そんな発想しないよ、と思いました。第1段ロケットがスラスターとフィンで姿勢制御して、減速して降下してくる。どんな光景なんだろう?今回は実験。あくまでメインのミッションは「ファルコン9」で「ドラゴン」宇宙船を打ち上げて、ISSに物資を届けること。でも、気になります。

 さて、どうなったかと言いますと。
ファルコン9ロケット、ドラゴン補給船の打ち上げに成功 回収試験は失敗
 ロケット打ち上げ、第1段ロケットを第2段と切り離し、順調に下降。初めて搭載したフィンも問題なく稼動。しかし、フィンを動かすための作動液を途中で使い切ってしまい、減速しきれずプラットフォームに強く衝突。第1段ロケットは壊れてしまいました。

 失敗ではありますが、凄い、惜しい!着陸させることは出来なかったけど、プラットフォームへピンポイントで降下させることは出来た。初めての挑戦。前代未聞の挑戦で、これは凄いと思います。スペースX社では、今後も実験を続けるそう。第1段ロケットがすっとプラットフォームの上に着陸するのを観られる日が近いことを願っています。
 思えば、「ファルコン」ロケットは、最初は打ち上げ直前でメインエンジンが停止したり、色々ありました。それが今は安定して打ち上げ、新たな挑戦もしている。すさまじい勢いです。
 本来のミッションの「ドラゴン」宇宙船打ち上げは無事成功。順調に飛行を続けています。

 今年は、5月に油井亀美也宇宙飛行士が初フライト、ISSでの長期滞在があります。こちらも楽しみです。アサインが決まって、そういえば今年だったと年明けに気がつきました。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-11 23:05 | 宇宙・天文


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