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怪獣に込めた芸術 「成田亨 美術/特撮/怪獣」展に行ってきた

 もう常連の青森県立美術館。今年度の展示を見てきました。現在、開催されている特別展は「成田亨 美術/特撮/怪獣」展。青森にゆかりがあり、「ウルトラマン」シリーズの怪獣などのデザインを手がけた成田亨(なりた・とおる)。青森市内には、青森県立美術館への案内看板にウルトラマンシリーズのウルトラマンや怪獣が描かれています(開館の際、著作権の関係で色々あって、少しの間ビニルシートを被せられ公開されなかったことがありました…)。常設展でも、成田亨の怪獣スケッチの展示があり、常設展を観る度に目にしてきました。
 とは言え、私はウルトラマンシリーズはほとんど観たことがない。リアルタイム世代でもない、いわゆる「懐かしのテレビ番組特集」みたいなものでウルトラマンが怪獣と戦うシーンぐらいしか観たことがない。怪獣はバルタン星人やカネゴンぐらいは知っている…。あと、常設展で観てきたスケッチ程度。その程度ですが、この「成田亨」展の青森県美さんの宣伝がかなり力が入っていて、よくわからないけど面白そうだな、と思い前売りを買っていたのでした…。

青森県立美術館:成田亨 美術/特撮/怪獣

 普通、チラシ(フライヤー)は1種類、あっても2種類程度ぐらいだと思うのですが、
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 6種類も出している。ここがまず普通じゃない。さらに、
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 前売りで買うとシークレットフライヤーとステッカーがもらえる。さらに、会場内限定のフライヤーもある。前8種。尋常じゃない。ちなみに、ミュージアムショップにはこのフライヤーのデザインのポスターも売ってました。力の入れようがこのフライヤーを見てもわかります。

 ということで、行ってきました。
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 いつものこの白い建物。桜は満開を過ぎ散っていたのですが、新緑が爽やかな青森の春です。
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 エントランスのこの曲線もやっぱりいいなぁ…おや、何かある。
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 「ウルトラセブン」に出てくるポインター。かっこいい!

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 写真撮影可能なエントランス部分。青森県美のオリジナルフォントが、近未来的な雰囲気に合ってます。

 展示を観て…まずそのスケールと展示の多さに圧倒されました。スケッチや絵画が多く、どれも濃い。最初の展示室は成田亨初期の作品。彫刻「八咫」とそのスケッチの力強さ、勢いのある線にまず惹かれました。その次に、「ウルトラ」シリーズや特撮の仕事をしながら進めていた「モンスター大図鑑」「ナリタ・モンストロ・ヒストリカ」。古今東西の神話や伝承に出てくる神・化け物・妖怪・妖精…モンスターを描き、雑誌に掲載されたもの。成田亨自身のコメントも付いていて、絵にも、コメントもじっくり観ていました。「モンストロ・ヒストリカ」には、メソポタミア文明の神々や、古代エジプトの神々(ホルス神、アヌビス神、バステト神ほか)も。古代エジプトの絵は他の絵よりもじっくり魅入ってしまっていました。古代エジプト好きです。成田亨がホルス神を描くとこうなる、コメントからこんなことも考えていたのか…と。そして、それ以上に惹かれたのが、様々な鬼の絵や彫刻。日本のモンスターということで鬼の作品も数多く描き、彫刻にしていた。その鬼の描写が、やはり力強く、躍動感があり、肉体は美しくたくましい。でも、かなしさやさみしさ、暗さや強さで隠した弱さも感じられる。人間が持つ暗の部分が鬼に投影されていたと思うのですが、成田作品から、うめき声のような、心の叫びのようなものが感じられました。もしかしたら、これが怪獣へと繋がっていくのかな、と。怪獣もただ地球を襲いに来た悪役ではないから…。

 展示の途中のところどころに、著書やインタビューからの成田亨の言葉も掲げられていたのですが、それを読むと、仕事としてデザインしつつも、芸術とは何かと追究しようとしていたこと、様々な想いも込められていることが感じられました。

 それらを経て、「ウルトラ」シリーズや他のヒーローシリーズのデザイン画の展示へ。未発表の怪獣のスケッチ、企画案だけで終わってしまったもの、視聴率が振るわず録画も存在しない(家庭用録画機も無い時代だったが…テレビ局に何故残ってない!?)作品も。でも、有名な「ウルトラ」シリーズであろうと、そのような企画案だけで終わったもの・視聴率が振るわなかったものだろうと、成田亨の怪獣やヒーロー、メカニックの造形・デザインは「芸術」なのだなと感じました。ウルトラマンのカラータイマーには否定的だったこと、テレビ番組のためだけど商業だけを考えているわけではなかったこと…。「ウルトラ」シリーズの展示室の外に、ウルトラマンの墓と「鎮魂歌」があり、それを読んで葛藤しながらの制作だったのかな、と考えてしまいました。

 最後の展示室。90年代以降、晩年の作品です。画家になりたいと美術を志し、後に彫刻の方向へ。それが特撮美術の仕事に結びつき、数多くの怪獣やヒーローを生み出してきた。が、それらの仕事から解放され、彫刻とは何か、芸術・美術とは何か、と葛藤し始める。芸術はただの自己満足なのか。デザイナーと芸術家は違う。でも、テレビ番組のためのデザインの仕事もしてきた。そんな中、成田亨は町ですれ違った子どもが「ウルトラ」シリーズの怪獣の人形を大事そうに持っているのを見て、グッと来たのだそう。それから、それまで生み出してきた怪獣やヒーローたち、メカニックを題材にした油彩や彫刻を制作し始める。ヒーローと怪獣は、テレビ番組のように戦うことはない。ただ、そのヒーローや怪獣、メカニックそのものを描きたいように、表現したいように表現している。それらの作品を観て、葛藤はしていただろうけれども、成田亨にとって怪獣やヒーローたちは、成田亨の芸術だったのだなと感じました。精巧なメカニック。想像力の賜物である怪獣の造形、個性。ヒーローたちの肉体美、たくましさ、強さ、躍動感。それらの作品を観ていて、絵が描きたくて仕方なかった。私の描く絵はしょぼいですが…。身体の各部分の骨格や筋肉のつき方、動き。メカニックや細々した建物・風景を描くのは苦手だが、こんな風に精巧に描けたらな、と。凄い作品に圧倒され、いつしか憧れていました。

 ただかっこいいだけでも、怖いだけでもない。上述の通り、「ウルトラ」シリーズも、その他の作品もほとんど知らなかった私が、展示を観終わった時にはすっかり魅了されていました。気がついたら、ミュージアムショップで、怪獣やヒーローのポストカードを買いこんでいました…。

 開館時間直後に入ったのですが、特別展を観終わったのは2時間半ぐらい後。その後、常設展へ。常設展でも、成田亨関連の展示や、青森県美らしい個性的な芸術家達の作品を取り上げていました。絵本「11ぴきのねこ」シリーズで知られる馬場のぼるの展示も。青森出身です。以前、馬場のぼる特別展もあり、行きました(感想記事書いてなかった)。「11ぴきのねこ」シリーズは、以前読み聞かせをしていた頃、お世話になりました。大好きな絵本です。今回は展示は少なかったですが、絵本原画とその物語、漫画が展示されていました。展示を観ながら、物語を心の中で読み聞かせしていました。漫画はねことその飼い主の奥さんの四コマ漫画なのですが、馬場のぼるらしいユーモアたっぷりで、ねこが可愛い漫画。展示室に私一人でよかった。きっとニヤニヤしながら観ていたと思いますw棟方志功は鷹の絵。成田亨とタイプは違うけれども、躍動感あふれる力強い線に共通するようなものを感じました。

 この常設展を観終わって、トータル3時間半。もうお昼でした。これから行く方は、時間に十分余裕を持ってお出かけください。

 青森県美の展示は、作品との距離が近い。成田亨作品の息遣いが感じられる距離で、じっくりと観ることができて本当に楽しかった。完全に魅了されました。本当に凄い展覧会。青森県美のスタッフの方々に猛烈にお礼が言いたいです。本当にありがとうございます。凄いものを観られました。あの躍動感が、眼に、心に焼き付いています。

 最後に、ミュージアムショップには缶バッヂガシャポンもあります。オリジナルグッズもたくさんです。
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 ヒューマン1号・2号が出ました。
 あと、成田亨のサインは「Tohl NARITA」の表記なんですね。絵のサインを観て、いちいちカッコイイサインだー!と思っていました。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-28 23:09 | 興味を持ったものいろいろ

【予告】今年もやります!NHKFM「今日は一日"家族三世代NHKキッズソング"三昧」

 NHKFMラジオの話題ですが、内容としてはEテレ・NHK教育なので、このカテゴリで書きます。

 昨年こどもの日に放送された「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧」。今年も放送が決定しました!
・昨年の記事:皆でたのしむ「キッズソング」 NHKFM「今日は一日NHKキッズソング三昧」

NHK:NHKFM:今日は一日○○三昧(ざんまい)
「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧」 リクエスト&メッセージ
 ↑リクエストとメッセージも募集開始しています。

 今年も坂田おさむお兄さん、神埼ゆう子お姉さんの出演が決定。ゲストは中西圭三さんが今のところ決定しているようです。中西圭三さんと言えば、あの歌とかあの歌とか…生歌期待したいです!

 昨年は初めての放送とあり、NHKキッズソングとは異なる曲がゲストの関係で流れたり(しかもかなりの時間…)、それぞれ「みんなのうた三昧」「アニソン三昧」のある「みんなのうた」Eテレ・教育テレビアニメとの線引きが難しいなと感じたり…今年は改善されると思います。そして、更にパワーアップしてくれると思います。
 ※番組サイトには「リクエストは、NHKのキッズソングであれば、何でもOK!」とありますね。線引きしない模様?

 懐かしいNHK教育の番組から、最近のEテレの番組まで、キッズソング…こども向け番組で流れた歌をまたたっぷりと楽しめるのが楽しみです。少し前、昔の歌をどんどん聴きたいです。

 「クインテット」ロスの皆さん…「クインテット」ソングをリクエストして流せるチャンスですよ…!思いの丈をメッセージに込めて、リクエストして、流しましょう!昨年は「鉄道唱歌 山手線」「ニドネノサンバ」の2曲のみ…。今年は曲数を増やしたいところ。基本CDに入っている歌が流れやすいと思いますが、NHKの完璧な(多分)アーカイヴでCD・DVD化されてない歌も流れたらいいなぁ。リクエストしたいです。ソング…歌なので、基本歌、コンサート曲は難しいかもしれません。ダメ元でリクエストもあり?かな?

 5月5日の放送中でもリクエスト・メッセージは受け付けているのですが、聴きたい歌、思い入れのある歌を今のうちから選んでおきたいと思います。

 以上、お知らせでした。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-26 20:43 | Eテレ・NHK教育テレビ

二都物語

 NHK人形劇「シャーロックホームズ」第4話「消えたボーイフレンドの冒険」で、ワトソンが読んでいた小説がこの「二都物語」(A Tale of Two Cities)。この小説が、人形劇本編の物語に関係がある…というので読んだ。ディケンズを読むのは「クリスマス・キャロル」以来2作目です。
クリスマス・キャロル(原作&NHKFM・青春アドベンチャー)


二都物語
チャールズ・ディケンズ:著/加賀山卓朗:訳/新潮社・新潮文庫/(加賀山訳は新訳版、2014)

 1775年、イギリス。ドーヴァーに向かっていた郵便馬車に乗っていたテルソン銀行の銀行員・ジャーヴィス・ローリーはある手紙を受け取る。「ドーヴァーにて令嬢を待て」。ローリーは「人生に甦った」という返事を出す。そしてドーヴァーに到着すると、銀行から手紙を貰いロンドンからやって来た若い女性・ルーシー・マネットと会う。幼い頃死んだとされていた父で医師のアレクサンドル・マネットがバスティーユ牢獄から解放されたというのだ。18年間の投獄生活で記憶も曖昧、パリで酒場を営むドファルジュ夫妻に保護されていたマネット医師だが、娘と再会し共にロンドンに向かい、一緒に住み始める。
 5年後、マネット医師はすっかり回復し、ロンドンで暮らしていた。ローリーとマネット父娘がイギリスに向かう船に一緒に乗っていたフランス人・チャールズ・ダーネイがスパイ容疑で裁判にかけられていた。ローリーとルーシーは証人として出廷し、無実を証言していた。その法廷には、チャールズの弁護士・ストライヴァーと、ストライヴァーの同僚の弁護士のシドニー・カートンもいた。チャールズとシドニーはとてもよく似ていた。無実で釈放されたチャールズ、そしてシドニーはルーシーに恋をする。シドニーは弁護士ではあるが、普段は酒びたりの生活を送っていた。また、チャールズにはある隠された過去があった…

 読んでいて、舞台を観ているような気持ちになっていました。主要人物のルーシー、マネット医師、チャールズ、シドニー、ローリー、ドファルジュ夫妻だけでなく、ちょい役の登場人物たちも実に活き活きとしていて、物語に彩りを添えている。「クリスマス・キャロル」も庶民を描いた人間味溢れる作品だったが、「二都物語」も極平凡な庶民の生活の中にあるルーシーたちの運命が、イギリスらしい皮肉や庶民の目線から描かれている。読んでいて、それぞれの登場人物の言動が個性豊かで、面白かった。

 「人生に甦る」という不思議な言葉で始まる物語。「人生に甦る」のは牢獄生活から解放されたマネット医師のことでもあるし、過去にある秘密を抱えたチャールズのことでもある。また、弁護士なのに酒びたりの生活を送っていて、自分でもどうしようもないと思っているシドニーのことでもある。彼らの「人生に甦る」鍵になるのがルーシー。理想的なヒロインである。そのヒロインに恋するチャールズとシドニー。2人が顔がよく似ているというのがまた鍵になる。様々な鍵、パズルのピースが散りばめられていて、後からそれが伏線だったとわかる。最後の怒涛の伏線回収が凄い。

 堕落した人生を送っているシドニー。ルーシーのことは愛しているけれども、この自分は変えられそうにない…と嘆くシーンが何とも言えない。そんなシドニーに希望ある未来を願うルーシー…それなのに…。シドニーの境遇が辛いが、一方のチャールズも辛い立場にある。そして、それが明るみになる…フランス革命が、彼らを運命の渦に巻き込んでゆく。

 2回読み返しましたが、どの登場人物からも目が離せない。最後のまさかの展開に、人間という生き物の不思議さを覚えます。最初に書きましたが、小説、文章だけ(挿絵はあります)なのに、舞台を観ているみたいです。

 訳は、現在入手しやすいのがこの新潮文庫の新訳版のみ。宝塚歌劇団や、他にも舞台化、映画化された作品なのに、訳がこれしかないというのは残念。他の出版社からも出て、他の訳でも読んでみたい。あと、他のディケンズ作品も。長編がほとんどですが…。


 ちなみに、冒頭で人形劇「ホームズ」がきっかけで読んだ…と書きましたが、ノベライズ版ではこの「二都物語」のあらすじが物語の鍵になっている。2人の男が1人の女を愛する物語。しかし、共通点、鍵はそれだけではなかったことが読んでわかりました。脚本の三谷幸喜さんはそれをわかってワトソンが「二都物語」を読んでいる、というのを入れたのだろうか…。
 あと、最初手にした時は結構ボリュームがある本を、15歳のワトソンが愛読しているとは…と思いましたが、読んでみてわかる気がしました。
・詳しくは:[NHK人形劇ノベライズ]少年シャーロックホームズ 赤毛クラブの謎
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by halca-kaukana057 | 2015-04-23 23:12 | 本・読書

三日月、金星、ISS

 昨日は雨、今日も朝から雨、曇り。気分もどんよりしがちでしたが、夕方から晴れてきました。そして夕方の西の空には三日月と金星が。暮れゆく空に細い月とひときわ明るい星ひとつ。目を惹く光景でした。

 そして、これにISS・国際宇宙ステーションも付きました。
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 ISSを撮影するためにはシャッターを数十秒間開けっ放しにする必要があるので、月は明るくぼんやりとなってしまいました。いい3ショットです。このあと、ISSは木星の近くを通っていきました。
 雨で空が澄んでいるので、星がきれいに見えました。今日は星見日和です。

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 金星と三日月を。三日月は地球照もきれいです。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-21 22:08 | 宇宙・天文

2夜連続・春の夜空とISS

 今、日没後の空にISS・国際宇宙ステーションが見えています。2日連続で観ました。

 まず昨日。西の空から昇ってきたISS.
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 ひときわ明るい星は金星。ISSが向かう先にある明るい星は、ぎょしゃ座のカペラ。そしてISSは更に明るくなりながら空の高いところへ。
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 見づらい画像ですが…。画像中央あたり、シュッと短く線を引いたようなのがISSの軌跡。ちょうど見えなくなるところを捉えました。が、わかりにくいですね…。もっと前にシャッター押せばよかった。

 次、今日。北西の空から昇ってきたISS.
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 窓から見るISS。この時、あのISSの窓からも誰か地球を見ていただろうか。
 いつも窓から見て、窓の部分はトリミングしてしまうのですが、今日はあえて窓を残しました。ISSは窓からも見える、身近な存在なんですよ。

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 北斗七星の下方を通過。いい絵です。

 まだISSを日没後に見られる時期が続きますので、お天気と仰角がよければ見てみてくださいね~
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by halca-kaukana057 | 2015-04-19 23:07 | 宇宙・天文

まだ続く・「ホームズ」踊る人形暗号の謎:グラナダ版はどっちだ?

 「シャーロック・ホームズ」シリーズで以前気付き、疑問に思っていた「踊る人形」(「帰還」収録)の暗号が2種類ある、という話。以前の記事でひとまずの謎は解けたのですが、まだ続きがありました。「ホームズ」ある限り、まだ続いています。

【これまでのまとめ】
・事の発端::すれ違う想いの着地点+踊る人形暗号の謎 人形劇「シャーロックホームズ」第13話
 NHK人形劇「シャーロックホームズ」で踊る人形暗号が出てきた時、私が読んだ正典(河出文庫)と暗号の一部が違うことに気付く。
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 「B」と「V」が違う。人形劇で使われた暗号は、他にも新潮文庫や創元推理文庫、講談社青い鳥文庫で使われていた。どうやら2種類の踊る人形暗号があるらしい。…何故?いつどこで変わったの?どっちが先?謎は深まるばかり。
・手当たり次第様々な出版社・訳の正典を調べてみた:続・「ホームズ」踊る人形暗号の謎
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 この2種類が存在するのです…。

・更に調べる。そして…:続々・「ホームズ」踊る人形暗号の謎 訳者が同じでも?そして解決?
 
『バスカーヴィル君と犬の冒険』でベインズが使用した「踊る人形」の暗号表は、英国で1924年に出版されたJohn Murray版の単行本に基づいています。ストランド誌初出時に指摘された暗号表の矛盾に修正が施された版として知られています。 #パペットホームズ
・Twitter:シャーロック学園 (@sherlockgakuen):2015.2.5 20:05

 人形劇「ホームズ」公式アカウントさんのこのツイートで、修正されたのがバージョンBだと判明。そして、2種類存在するのだと。

 ここまでがこれまでの経過。

 さて、動画配信サイト「GYAO!」で、この番組の無料配信がスタートしました!
無料動画 GYAO!:ドラマ:シャーロック・ホームズの冒険
 グラナダ・テレビ版、ジェレミー・ブレット演じるホームズのグラナダ版です!昨年度までNHKBSプレミアムで放送していましたが、新年度になり、終わってしまいました…。毎週楽しみに観ていました。新年度になり放送がなくなって寂しい…と思っていたらGYAOで配信。なんと!ただ、このGYAOで配信されているものは日本語字幕版。吹き替え版ではありません。露口茂さんのジェレミー・ホームズの声が印象的だったので、最初観た時は「あれ?」と思ってしまいました。聴きやすい英語なので、実際の俳優さんの声で楽しむのもいいものです(ただし、現在不調に付き、全部観られていません…)。

 ちなみに、GYAOは3月までアニメ「名探偵ホームズ」も配信していました。GYAOさん、もしかして、わかってる…!!?
・参考:その時の記事:メカ満載アクション満載ホームズ アニメ「名探偵ホームズ」
 10話「ドーバー海峡の大空中戦」ハドソンさんに惚れましたw空飛ぶ勇敢な女性…さすが宮崎駿さん(この回はコンテ・演出担当)。そして、この配信中にモリアーティ教授役の大塚周夫さんが亡くなられました。リアルタイムではなかったけれど、このタイミングで「名探偵ホームズ」に出会えて本当によかったです。


 話が大いにずれました。戻します。
 このグラナダ版では「踊る人形」は2話。グラナダ版ではどちらを使っているのか。確かめました。
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 「B」と「V」の暗号が出てくるシーン。ネタバレになるので、どれとは言いません。上述したバージョンだと、バージョンA、つまり最初にストランド誌に掲載されたバージョンのものを使っています。ただ、「V」が微妙に違う。腕がついてます。…これは…?まだ違うバージョンがあるということなのか…?
 2種類の暗号が合って、一つは修正されたもの、と知らないままだったら、これを観てさらに混乱したと思いますw
 最後に一言…暗号のポーズをするジェレミー・ホームズに吹きましたwお茶目w
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by halca-kaukana057 | 2015-04-17 22:01 | 本・読書

夜と霧 (新訳)

 一昨年ぐらいからずっと読んできた本です。何度も何度も読んでいました。きっかけはNHK・Eテレ「100分de名著」で取り上げられたことでした。

NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

諸富 祥彦 / NHK出版


 テキストに加筆修正、新たなコラムも付け加えた書籍版も出ています。私は読んでいませんが…テキストは読みました。「夜と霧」以外のフランクルの著書や、フランクルの思想に影響を与えたものなどの解説もあるので、先に本を読んでから、テキストは参考に…という形で読むほうが入りやすいかなと思いました。

夜と霧 [新版]
ヴィクトール・E・フランクル:著/池田香代子:訳/みすず書房/2002
(日本語版旧版:霜山徳爾訳/みすず書房/1985)

 十何年も前、読もうと思って図書館で借りたのだが、描かれている収容所での悲惨な光景に耐えられず、その時は途中でギブアップしてしまった。今回は本を買って、ゆっくりと読んだ。最初に読んだ時の悲痛さはやはり読んでいてつらいが、それ以上にフランクルがそんな過酷な状況でも自分や収容所の人々を客観的に観て、日々の出来事や心の中で起こっていることを冷静に記録していることに驚いた。そして、収容所ほどの酷い状況ではないけれども、私の日常でも同じようなことを思ったことがあり、特殊なものではないのかもしれないと思った。

 例えば、収容所に送られ、過酷な生活を強いられているうちに、正常な感情の動きがなくなってしまっていたこと。最初のうちは同じ被収容者が殴られたりしているのを見るのがつらい、耐えないと感じている。しかし、しばらく経つと目をそらすこともなく、何も感じない。嫌悪も恐怖も同情も憤りも何も感じなくなってしまったという。
 私も覚えがある。仕事で猛烈に忙しくとにかく仕事をこなすのが精一杯の時、ボロ雑巾のように疲れきってしまった時、さらに疲れが度を越してしまった時、喜怒哀楽を感じられなくなってしまっていた。「~するしかない」、他のことが考えられない。無味乾燥な感情…今思うと恐ろしい。

 また、隣で眠っていた仲間が夢の中でうなされていた時。フランクルは彼を起こそうとしたが、やめた。
その時思い知ったのだ、どんな夢も、悪夢の夢さえ、すんでのところで仲間の目を覚まして引きもどそうとした、収容所でわたしたちを取り巻いているこの現実に較べたらまだましだ、と……。
(47ページ)

 つらい日が続いていて、寝る時、「明日が来なければいいのに」と思うことがある。翌朝目が覚めて「朝になってしまった。また一日が始まるのか」と絶望的な気持ちになる。その気持ちに似ているだろうか。どんなに恐ろしい夢でも、「夢」。それ以上に恐ろしく苦痛な現実。「現実」は消すことが出来ない。空腹や痛み、寒さ、病気…ありとあらゆる苦痛が、心身を本当に襲ってくる。それに比べたら悪夢はまだまし…。いたたまれない気持ちになった箇所だ。

 そんな厳しい収容所生活でも、フランクルは人間の精神・内面は自由だと語る。収容所の中でも、その人がどんな人間であろうとするかは強制できない、と。フランクルは、書きかけの論文のことや、別の収容所に入れられた妻のことを思い、希望を持っていた。また、精神科医として被収容者や、元は同じ被収容者だったのに監督する立場になった「カポー」の一部の相談にものった。正常な感情の働きがなくなってしまったと思っていても、ふとした空や森の風景に心を動かされることもあった。気心が知れた仲間に、笑い話を作ろうと提案し、ちょっとしたユーモアで数分だけでも気持ちを軽くしようとした。このユーモアの話は、一歩間違うと死の危険が迫る、宇宙飛行士のミッションにも当てはまる。収容所と宇宙ステーション…全く異なる世界だが、苛酷な環境で死と隣り合わせという点は似ている。これも驚いた点だ。

 そして、フランクルが辿り着いた問いと答え…生きる意味とは何か。過酷な収容所の生活が、いつまで続くかわからない。自殺しようと思えば、鉄条網に走れば感電して遂げられる。収容所には自殺しようとしている人を助けてはならないというルールもあった。こんな状況で生きる意味などあるのか。努力も無駄だ…。そう絶望して、自殺や免疫力ががた落ちして病に倒れてしまった人々を見て、フランクルはこう答えを出す。
わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。
(129ページ)

 苦しみと向き合い、引き受け、とことん苦しむことも、何かを成し遂げるための可能性、とも述べている。フランクルは、書きかけの論文を書き上げること、フランクルに「生きていることにもうなんにも期待が持てない」と相談してきた仲間たちは、深く愛している子どもに会うことや、研究中でその本を完成させることを挙げた。
 「生きることは彼らからなにかを期待している」「生きていれば未来に彼らを待っているなにかがある」私は今、この問いに答えを出すことが出来るような、出来ないような…曖昧な答えはある。フランクルや上述した仲間のようにはっきりとした、毅然とした意思によるものではない…ほんの些細な、取るに足らないものだからだ。それでも、それが今の私の今の「人生が期待していること」「待っているなにか」なのかもしれない。苦しみ尽くして出た今の答えなら…。

 今年は戦後70年。アウシュビッツをはじめ、収容所の記録としてもこの本の存在は大きいと思う。だが、そんな厳しい時代と社会、環境を心理学の方向から見る、その中でどう生きるかという意味でも、読み継がれる本だと思う。

【参考リンク】
NHK:100分de名著:フランクル「夜と霧」
 ↑「100分de名著」番組サイト
朝日新聞:生きる意味に気づく 心療内科医・永田勝太郎さん
「あなたが人生に絶望しても、人生はあなたへの期待を捨てない。どんな人にも、固有の生きる意味がある」
「人間は誰しも心のなかにアウシュビッツを持っている。でもあなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望しない」

 この記事で取り上げられた心療内科医・永田勝太郎氏に、フランクルが手紙であてた言葉。「心の中のアウシュビッツ」とは生死を分かつような苦悩のこと。アウシュビッツをはじめとする強制収容所はなくなったが、同じような苦悩は存在し続けているのだな、と…。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-16 20:48 | 本・読書

「星はすばる・ゆふふづ」の星空

 清少納言の「枕草子」と言えば、この一節が真っ先に出てきます。
星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。

 「すばる(M45・プレアデス星団)。彦星(わし座アルタイル)。宵の明星(金星)。流れ星も少し趣がある。」現代語訳するとこうなります。この中の、すばるとゆふふづ・宵の明星が今、一緒に観られます。

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 これは一昨日9日に撮影したもの。ひときわ明るい星が金星。その右上にごちゃっと小さな星が集まっているのがすばる。画像左の明るい星は、おうし座のアルデバランです。

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 これが今日撮影したもの。金星のそばにすばるがあるのがわかります。双眼鏡で見ると、視野いっぱいの星。アルデバランの周りにもV字型に星が並んでいます。ヒヤデス星団です。

 清少納言も、宵の明星とすばるの共演を見たのかなぁ…?当時は光害も無く、月が無ければ暗い星空一面にたくさんの星が見えたのだろうなぁ。この共演は位置は毎日少しずつ変わりますが、4月中は観られます。肉眼でも見えます。明るい金星が目印です。

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 南の空高くにも明るい星。木星です。このそばにはM44・プレセペ星団が位置しています。プレセペ星団は暗めなので、双眼鏡・望遠鏡でどうぞ。こちらも視野いっぱいに星が広がりますよ。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-11 22:09 | 宇宙・天文

梅は咲いた、桜はまだか

 外歩きの途中、公園でひと休み。今日はまだ春秋もののコートを着ていましたが、外にいても寒くない気温。目の覚めるちょうどいい冷たさでした。

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 梅が咲いていました。まだつぼみも多かったので咲き始めです。
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 こちらは紅梅。高いところにしか花が無く、撮影するのが難しかった。

 梅は咲いた、桜は…
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 まだつぼみ。でも、ピンク色の花が見えています。もう少し。

 梅を眺めながらベンチでひと休みしていたのですが…30分以上は無理でした。やっぱりまだ寒いですw
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by halca-kaukana057 | 2015-04-10 22:10 | 日常/考えたこと

日本からの桜、アメリカからのハナミズキ

 今日の特印。
日本郵便:特殊切手「米国からのハナミズキ寄贈100周年」の発行

 1912年に日本から、アメリカへ桜が寄贈され、ワシントンD.C.に植えられました。そのお礼に、アメリカから1915年、ハナミズキが贈られました。それから100年。その記念の切手です。
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 シートの左側部分はアメリカと共通のデザイン。アメリカでも発行されます。今回の切手は、このシートのイラスト・デザインがとても気に入っています。美しい。もう1シート欲しくなります…。

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 桜とハナミズキ両方に特印を。今回の特印は16日木曜日までやってます(手押し印のみ)。桜の季節なので、季節のお便りにぴったりの切手でもあります。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-10 21:43 | 興味を持ったものいろいろ


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