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大西さんのいるISSを見よう

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の大西卓哉宇宙飛行士。大西さんがお仕事をしているISSが今見ごろです。
JAXA:「きぼう」を見よう
 ISSがいつどの方角に見えるかはここで調べてね。明日29日だと19時半ごろ、日本列島上空を縦断します。

 一昨日と今日、私も観測しました。当地は雲の多いお天気。でも、雲間から明るく見えました。一昨日は雲に隠れたり出てきたり、見えたり見えなくなったり。今日は雲の薄いところをすーっと飛んでいきました。大西さんに手を振りましたよ!

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 今日撮影したISS.上から下に飛んでいっています。が、この通り撮影失敗。見切れました。ISS撮影は久々なので、勘が鈍ってしまった。まだまだ観られるチャンスはあるので、何度でも挑戦します。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-28 22:53 | 宇宙・天文

Proms(プロムス)2016 私選リスト その1[7月]

 夏です。夏と言えば、皆さん色々なものを思い浮かべると思いますが、私はBBC Proms(プロムス).イギリスの世界最大級の音楽祭。7月から9月にわたって2ヶ月間、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールをメイン会場に毎日コンサート。最終夜のラストナイトコンサートのお祭り騒ぎはクセになります。

 今年はついに、これを買ってしまいました。
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 プロムス公式ガイドブック。全公演リストから、特集記事、著名人が語る音楽とプロムス、鑑賞ガイド…などが書かれています。広告も多いですが、結構ずっしり。ボリュームのあるガイドブックです。別にコンサートカレンダーポスターがついてきます。

 ということで、今年は徹底的にプロムスを聴きまくるぞ!私が独断と偏見で(?)選んだ公演リストを覚え書きの意味でも記事にしようと思います。ただ、2ヶ月もある。数も多いので、7月、8月上旬、8月下旬、9月の4回に分けようと思います。後から追記も随時していきます。
 公演が終わると、リンク先で30日間オンデマンドがありますので、夏のお供にどうぞ!各ページをスクロールして、中ほど右側にある「Broadcast of this performance」のBBC Radio3から聴くほうが聴きやすいかもしれません。
日付はグリニッジ標準時です。

【7月】
Prom1(7/15):First Night of the Proms
・チャイコフスキー:幻想序曲 ロミオとジュリエット
・エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
・プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78
ソル・ガベッタ(Vc)、オリガ・ボロディナ(メゾソプラノ)、BBCナショナルウェールズ合唱団、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 /まずはともあれファーストナイト。今年はシェイクスピア没後400年で、イギリスは特に盛り上がっています。幕開けも「ロミオとジュリエット」です。ロマンティックで、でも悲劇。
 エルガーのチェロ協奏曲では、開幕前にこんなプロモーションビデオが。
BBC Proms:Cello
 チェロのソル・ガベッタさんが演奏を始めると、チェロに映像が。チェロをスクリーンにしたプロジェクションマッピング。凄い。最初、これをファーストナイト本番で正式にお披露目なのかと思ったのですが、プロモーションだけでした。本番でも、ガベッタさんの深いチェロの音が心に響く演奏でした。
・メイキング:How 'Cello' was filmed
 プロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」は初めて聴きました。ファーストナイトが合唱が豪華でいいです。
 公演では、フランス・ニースでのテロ事件への追悼に、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が演奏されました。リアルタイムで聴いていたのですが、突然でびっくり、ああ、そういうことか…と感じました。プロムスの2ヶ月間、何事もなく無事に皆が楽しんで終われますように…。
 オラモ&BBC響のコンビは、ラストナイトでも登場します。ファーストナイトとラストナイトがBBC響首席指揮者で一緒というのは、久しぶりな気が。何年ぶりなんだろう?

Prom3(7/17):Mozart, Haydn and Fauré
・モーツァルト:エクスルターテ・ユビラーテ K.165
・ハイドン:ミサ曲第7番 ハ長調 戦時のミサ Hob. XXII-9
・フォーレ:パヴァーヌ
      ラシーヌ賛歌(雅歌)op.11
レクイエム op.48
ルーシー・クロウ(ソプラノ)、ポーラ・ムリヒー(マリヒー)(メゾソプラノ)、ロビン・トリシュラー(テノール)、ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)
ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊、ステファン・クレオベリー:指揮、エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団
 /後半のフォーレの3作品を聴きました。ロデリック・ウィリアムズさんのバリトンが好きです。穏やかな気持ちで合唱、声楽を堪能できるプログラムです。

Proms Chamber Music 1(7/18): Debussy, Dutilleux and Mozart
・ドビュッシー:チェロソナタ
・デュティユー:夜はかくの如し
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K414
ビョルク・ルイス(Vc)、ポール・ルイス(P)、ヴェルターヴォ・カルテット
 /プロムスには室内楽もあります。デュティユーは今年生誕100年。他にも数々の作品が演奏されます。モーツァルトのピアノ協奏曲を、ピアノと弦楽四重奏で演奏するのはユニーク。でも合ってる。協奏曲もモーツァルトならこの規模で、サロンで演奏しているような感覚で聴くのもいいですね。

Prom 7(7/20): Faure, Stravinsky and Poulenc
・フォーレ:シャイロック op.57
・ストラヴィンスキー:プルチネッラ
・プーランク:スターバト・マーテル FP148
ジュリー・フックス(ソプラノ)、ジュリアン・ベーア(テノール)、BBCシンガーズ
マルク・ミンコフスキ:指揮、BBC響
 /フォーレの「シャイロック」、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を下敷きにした劇付随音楽です。シェイクスピア作品、本当に多いです。ガイドでも徹底的に特集しています。フォーレでも知らない作品だったのですが、楽しんで聴きました。

Prom 9(7/22): Le Cercle de l’Harmonie
・モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K543
・メンデルスゾーン:演奏会用アリア「不幸な女よ」op.94
・モーツァルト:「ああ、私は予想していた」とアリア「ああ、私の目の前から消えて」 K272
・メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調「イタリア」op.90
ローザ・フェオーラ(ソプラノ)、ジェレミー・ローレル:指揮、セルクル・ドゥ・ラルモニー
 /指揮者もオケも初めて聴きます。こんな演奏家・オケに出会えるのもプロムスの楽しみ。モーツァルト39番とメンデルスゾーン「イタリア」を聴いたのですが、結構好きな音です。キリッと引きしまってる。ティンパニが固く強い音で印象的です。

Prom 13(7/24): Beethoven – Symphony No. 9
・マグヌス・リンドベルイ(リンドベリ):Two Episodes(世界初演)
・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
ミア・パーソン(ソプラノ)、アンナ・ステファニー(メゾソプラノ)、ジョン・ダザック(テノール)、クリストファー・パーブス(バス)、ロンドン・フィルハーモニック合唱団
ウラディーミル・ユロフスキ:指揮、ロンドン・フィルハーモニック
 /プロムスでは数多くの世界初演、イギリス初演があります。BBCで委託して、プロムスで披露という作品も少なくありません。現代の作曲家にとって、プロムスで初演されるって嬉しいことだろうなぁ。そんな世界初演作品のひとつが1曲目。フィンランドの現代作曲家・マグヌス・リンドベルイの作品。リンドベルイ作品は少しずつ聴いているので、どんな作品か楽しみです。
 メインは第九。第九は日本では年末のイメージがありますが、真夏のロンドンでどう響くのか。

Prom 15(7/26): BBC Symphony Orchestra and Sir Andrew Davis
・チャイコフスキー:テンペスト op.18
・アンソニー・ペイン:Of Land, Sea and Sky(世界初演)
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26
・ヴォーン=ウィリアムズ:未知の世界(Toward the Unknown Region)
レイ・チェン(Vn)、BBCシンフォニーコーラス
アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC響
 /シェイクスピア作品の「テンペスト」、イギリスの作曲家・ペインの世界初演、ブルッフのヴァイオリン協奏曲1番にヴォーン=ウィリアムズ…惹かれるプログラムです。

Prom 16(7/27): Prokofiev – Romeo and Juliet
・デュカス:ラ・ペリ
・マイケル・バークレー:ヴァイオリン協奏曲(世界初演)
・プロコフィエフ:ロメオとジュリエット op.64
ヤク・ファン・ステーン:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 /ファーストナイトでチェイコフスキーの「ロメオとジュリエット」が演奏されましたが、今度はプロコフィエフの。同じロシアの作曲家でも時代も違う。同タイトル作品聴き比べも楽しいです。

Prom 17(7/28): Roger Norrington conducts Berlioz, Beethoven and Brahms
・ベルリオーズ:ベアトリスとベネディクト 序曲
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 op.58
・ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ロバート・レヴィン(P)
ロジャー・ノリントン:指揮、シュトゥッツガルト放送響
 /「ベアトリスとベネディクト」、シェイクスピアの「空騒ぎ」を原作に書かれたオペラから、序曲を。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で4番は特に好きな作品のひとつなので楽しみ。

Prom 18(7/29): Mahler – Symphony No.3
・マーラー:交響曲第3番ニ短調
サラ・コノリー(メゾソプラノ)、ロンドンシンフォニーコーラス(女声合唱)、ティフィン少年合唱団
ベルナルト・ハイティンク:指揮、ロンドン交響楽団
  /大本命の回です。ハイティンク&ロンドン響のマーラー3番。マーラー3番は長いですが、とても好きな交響曲です。


 以上、7月分のプロムス、自選リストでした。書ききれなかった公演も、後で聴いて追記すると思います(あまりにたくさんあって力尽きた)。7月だけでもこんなにたくさん。こんなコンサートが毎日、値段もそんな高くない。アリーナ立ち見なら800円程度で聴ける。ロンドンはいいなぁ。

英国ニュースダイジェスト:プロムス2016 音楽の祭典 BBC Proms 2016
 この記事も参考にどうぞ。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-27 23:24 | 音楽

毎年恒例 ふみの日切手&特印2016

 7月23日は「ふみの日」。文月の23(ふみ)。暑中見舞い、残暑見舞いなど、季節のお便りを出したくなる季節です。その「ふみの日」の記念切手が、今年も出ました。

日本郵便:特殊切手「ふみの日にちなむ郵便切手」の発行

 今年のデザインは文具です。手紙を書く文房具。これまでのふみの日切手は、夏と四季の図案・デザインが多かったのですが、今年は季節にこだわらず、どんな場面でも使えそうなものになっています。やわらかい絵柄が可愛らしい。今年も真ん中から折って手帳や財布、ペンケースなどにに入れられます。

 特印も貰って来ました。
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 えんぴつの図案です。万年筆の切手に押してもらいました。

 さて、暑中見舞い、残暑見舞い、どうしようかな。当地はそれほど暑くない毎日が続いていますが、南の方は毎日猛暑日…どうぞご自愛くださいね。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-22 21:49 | 興味を持ったものいろいろ

おとの教室

 まだ感想を書いてない漫画がありました。久々のクラシック音楽漫画です。しかも、「天にひびき」のやまむらはじめ先生の新作です。


おとの教室
やまむらはじめ/バンブーコミックス MOMOセレクション・竹書房/2016

 武部都は音楽教室のチェロ講師。音大ではない普通大学の学生。生徒は様々な生徒がいる。アニメがきっかけの少年少女。弾きたい曲があるという人。また、同僚の講師たちも個性的。音楽教室の生徒達とのレッスンや発表会、演奏活動で出会う人々との日常の中で、彼女はどう音楽と向き合うか薄々と考えていた…


 やまむら先生、今度はチェロです。そして舞台は音楽教室。東京の大きな音楽教室だと、チェロや様々な楽器・コースがあるんだろうなぁ…こっちでチェロを習える教室なんてあまり見ないなぁ…(地方の小さな教室で声楽を習っている自分の視点)。

 しかも、この漫画は四コマ漫画誌に掲載されたもの。四コマ漫画は無理と普通の形式での連載になりましたが、1回12ページ。短いです。四コマ漫画誌ということで、ギャグ、笑いの要素は強めです。「天にひびき」でもコミカルなシーンは結構ありましたが、またそれとは違う感じ。この短さに収めるのは大変なんだろうなぁ。

 都は普通大学に在籍し、チェロを演奏している。音大・芸大に対してアレルギーを持っている。というのも、都の姉は音大で、優れたヴァイオリニストだった。将来も有望されていたが、卒業後、結婚すると音楽をきっぱりと辞めてしまった。都も元々はヴァイオリンを演奏していたが、姉と比べられるのを避けるためにチェロに変えられた。目標であり、立ちはだかる壁でもあった姉が音楽をやめてしまったことで目標も消えてしまい、これからの道をどうしようか悩む都。
いつまでもお姉さんと自分を比べるんじゃなくて 自分の喜びを自分で発見しなくちゃあ
(39ページ)

 都と姉の話を聞いた同僚・しおりの言葉。姉だけでなく、都が片想いで終わってしまった元同僚でヨーロッパへ留学に行ってしまった日乃原も、そんな存在。また、チェロを習いに来た女の子のきっかけとなった音楽学園アニメでも、学園内での腕前の序列が描かれる。一度意識すると呪縛のように取り付かれてしまう、音楽での「人と比べること」。以前、ピアノを弾いていた時、私も感じていた。また、プロの音楽の世界には根深くあるんだろうな…と思う。でもそれを本人が意識したらキリがない、音楽を見失ってしまうんじゃないかと思う。

 一方で、同僚(先輩?)の依光さんは、音楽教室の仕事の傍ら、同人活動をしている。同人誌の原稿の締め切り前の追い込みのシーンが描かれ、とてもコミカル。…と読んでいたのですが、もしかしたら、姉と比べて自分と音楽を見失いがちになる都とは対照的なのかなと思った。誰と比べるわけでも無く、同人誌で自分の「好き」「楽しい」を貫く。仲間と修羅場に追い込まれるも、活き活きと楽しんでいる。
 また、生徒のひとり、ゆちかちゃんはそんなに上手いわけではないが、レベル高めの選曲をし、ヨレヨレの演奏でも発表会で堂々と演奏している。都も問題は感じているが、その度胸や意識は都や他の生徒にも刺激になる。いい意味で「夢中になり」「自分を貫く」。これが自分と誰かを比較すること無く、成長の鍵になるのかなと思う。

 そして、都はある決意をする。チェロを探していたトリオに参加することに。やはり夢中になり比較せず自分を貫く。コミカルなようで、結構深い漫画だなぁと感じました。短い中に詰めたのは大変だったと思う、本当に。
 音楽教室の講師たちはこんなことを考えているのかとも思いました。発表会のシーンは、わかる、と思いました。

 ちなみに、あとがきに「天にひびき」のキャラクタを登場させたかった…と。それ見たかったです!ひびきや秋央、美月や波多野さんたちがちょこっと登場したりとか…見たかった。この物語はこの1冊で完結です。これはこれでいい終わり方だけど、もう少し読みたいな、せめてあと1巻、と思いました。

天にひびき 1
 ↑全10巻。こちらは音大が舞台。こちらも面白いので興味があれば是非。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-18 22:26 | 本・読書

トリエステの坂道

 積読消化中。久々に須賀敦子さんの本を。


トリエステの坂道
須賀敦子/新潮社・新潮文庫/1995

 イタリアの北東、アドリア海に面した国境の町・トリエステ。著者は詩人・ウンベルト・サバの暮らした街を歩く。中世以来オーストリア領となり、ドイツ語文化圏に属している。が、使われている言語はイタリア語の方言。第一次大戦後、1919年にイタリアの領土になった。ウィーンなどの北の国々と、イタリアと…トリエステの人々は複雑な二重性を持ち、イタリアにありながら異国を生き続けていた。そんな街は、イタリア人の夫・ペッピーノやその兄弟、家族、親戚、ミラノの人々を思い出させた。


 須賀さんが語るイタリアは、私が以前まで抱いていたような、地中海の明るい、陽気な、賑やかな地だけではないことを、著作を読む度に実感する。この「トリエステの坂道」は特にそうだ。

 トリエステは、二重性を持った町。イタリアとスロベニアの国境にあり、かつてはオーストリア領。でも、トリエステの人々はイタリアに属することを望み、言語もトリエステの方言。その後解放運動を経て、イタリアの領土になったが、それまでのオーストリアの文化は街から消えなかった。「一枚岩的な文化」ではない街。それは須賀さんにとってはトリエステだけではなかった。かつて、亡き夫のペッピーノと暮らしたミラノの街もまた、「一枚岩な文化」ではない人々が暮らしていた。ミラノも分かれている街だった。イタリア人ではない人。鉄道員住宅の人々。夫の兄弟や母親、彼らの家族、親戚たち。貧困、病気…様々な生き方の、境遇の人々がいた。

 世の中、世界、世間は「一枚岩な文化」ではない。ひとつの国、ひとつの街・地域でもそうだし、ひとつの家族でもそう感じる。家族でも、生き方が全然異なることがある。ペッピーノの兄弟もそうだった。弟のアルドは、ペッピーノとは違う性格だった。そのひとり息子のカルロも。この「トリエステの坂道」には、アルド一家について書かれているところがいくつかある。アルドの妻シルヴァーナは国境の「山の村」出身。ここにもまた「一枚岩の文化」ではない、二重性がある。アルドがシルヴァーナと結婚し、カルロが生まれ、カルロの成長が語られ…それは一筋縄でうまくいくものではなかった。ある家族におちる陰影。この深い陰影を、須賀さんの冷静かつあたたかな文章で読んでいると、生きるということの深さを思い知る。

 「ふるえる手」では、カラヴァッジョの絵「マッテオの召出し」についても語られる。影で絵を描いたカラヴァッジョ。この「トリエステの坂道」も、影で描かれているように感じる。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-12 22:51 | 本・読書

大西さんのISS長期滞在スタート

 打ち上げの日に書かなかったのは、今回はISSまで2日かけるコースで、ISSに到着してから書こうと思ったからです。

JAXA:国際宇宙ステーション第48/49次長期滞在クルー 大西卓哉宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(47S/MS-01)の打上げについて
 当初は6月中の打ち上げでしたが、新型のソユーズMS宇宙船のチェックのため、7月7日七夕の打ち上げになりました。七夕に宇宙へ向かうなんて、とても素敵です。

マイナビニュース:"連邦のMS"の性能とは? - 大西飛行士が乗る「ソユーズMS」宇宙船のすべて
 その新型ソユーズMSがこれまでのソユーズとどう違うのか、解説があります。

 まず、打ち上げから。7月7日午前10時36分、滞りなく打ち上げられました。
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 リフトオフ!
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 打ち上げ後、機体の状況のCGが打ち上げ中継で流れていました。H2A/H2BやESAのアリアンロケットなどではお馴染みのCGですが、ソユーズでは初めて観ました。ロシアも変わってきています。
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 船内の様子。奥に座っているのが大西さんです。手前に座っているのはソユーズのコマンダー・ロシアのアナトリー・イヴァニシン飛行士。ソユーズといえば恒例の「つっつき棒」も使っていますが、左手にはタッチパネルの液晶端末が。ソユーズ、本当に変わりました。
 ソユーズといえば恒例のものがもうひとつ。無重力になったのを見てわかるぬいぐるみ(重力センサー)。今回は、大西さんのお嬢さん愛用のクマのぬいぐるみが託されたとのこと。しかも、そのクマというのは「リラックマ」という…。リラックマ、ついに宇宙へ行く!?リラックマがふわりと浮く瞬間を観たい!と思ったのですが、画像のどこを探してもぬいぐるみは見当たりません。あれ?どこ?ない?後から聞いた話によると、紐が短くてカメラに写らなかったとのこと。残念。クルーだけのお楽しみということで…。リラックマは大西さんの個室に飾られるそうなので、そのうち何かの機会に写るといいな。

 そして、今日、ソユーズはISSに到着しました。
JAXA:大西卓哉宇宙飛行士の国際宇宙ステーション長期滞在開始について
Expedition 48 49 Crew Welcomed to the Space Station

 ISS入室と、その後の会見の模様です。大西さん、元気そうです。
NHK:大西さん 国際宇宙ステーションに入る
 宇宙食を「機内食」と言っている大西さん。元ANAのパイロットらしい言葉です。

 大西さんのISS滞在は4ヶ月間。これまで、日本人飛行士の長期滞在は半年程度が続いていたので、今回はちょっと短いです。が、ミッションは濃密です。注目ミッションのひとつが、マウスの実験。
三菱電機 from ME:DSPACE 大西宇宙飛行士に続け!40日間宇宙マウスの旅
 マウスの実験は、スペースシャトル時代からありましたが、生きて帰すのがとても難しい実験でした。今回は、マウスに優しく快適で、観察のしやすい機器を開発。通常の0Gと人工重力で1Gにした6匹ずつで飼育実験し、比べる。実験は将来的に、0Gだと急速に老化する遺伝子を突き止めるものへ。今回は機器がうまく動き、マウスも生きて帰ってこられるか。マウスたちはドラゴン補給船で7月18日打ち上げ予定。マウスにもエールを。

 この他にも、たんぱく質の結晶化実験など、様々な実験があります。大西さんのISSでの日々は、訓練中から更新されてきたGoogle+で発信されます。アカウントなしでも読めるので是非。
Google+:大西卓哉(JAXA宇宙飛行士)

 では、無事のミッションの完遂をお祈り申し上げます!ISSも沢山見たいな。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-09 22:30 | 宇宙・天文

Im ~イム~ 4

 溜まってる漫画の感想です…。

Im ~イム~ 4
森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガン・コミックス/2016

 ラトの提案で、イムと晴吾をマガイ退治のコンビとして組ませることになった。が、やはりケンカばかり。そんな中、アメン神官団の神官が次々と失踪する事件が起きていた。家族をマガイに殺され、晴吾を引き取ったアメン神官団・日本支部長・八咫黒烏(やた・くろう)まで失踪してしまう。側近の話によると、女が同胞とともに支部長を連れ去った、と。また、鳥取砂丘の港に不審な大型船が停泊しているとの情報もあり、ラトを班長にイム、晴吾、晴吾と同じように孤児になり支部長に引き取られた稲羽、姫子が砂丘側から捜索にあたることになった。班の中はずっと険悪なムードだった…。

 4巻は神官団の内部、そして晴吾の過去が語られます。神官団がどのようにマガイを退治し、どのような組織になっているのか。そのメンバーや、どうやって神官団に入ったのかも明らかになります。

 晴吾はマガイに家族を殺され、神官団に入った晴吾。同じようにマガイによって孤児になり、支部長に引き取られて育てられた子どもたちがいた。稲羽や姫子たち。しかし、その中で晴吾は浮いていた。マガイを祀っていた御空神社は、彼らからマガイ教と呼ばれていた。そんな晴吾をかばい、謝罪するイム。何だかんだ言っても、イムは自分の罪を潔く認め、謝罪し、仲間と信じるものを守ろうとする。そして強い。口調が偉そう(元々神官)で、態度も偉そうなところが相手を怒らせてしまうことがあるが、イムのいざという時に素直な姿勢は、晴吾のこの4巻での成長に影響を与えていたと思います。

 この4巻、もうひとり鍵になるのがラトさん。コンスの護衛の上位神官。とても可愛くて強い。ラトたちが砂丘で出会ったのは…その「女」。3巻の最後で出てきた新キャラ・クレオパトラです!以前も話したとおり、古代エジプトは時代がとても広い。ジェゼルとイムホテプが出てきたのは古王国時代。クレオパトラが出てくるのは古代エジプトも末期、プトレマイオス朝。古代ローマが進出してきた時代で、美術も古王国~新王国時代のものとは違いがあります。古代ローマ文化の影響を大きく受けています。…という薀蓄はここまで。クレオパトラも名前と大まかな人物像だけ借りています。どんどんフィクションでやってくれたほうが気持ちいい。
 ラトさんに話を戻して、砂丘で出会ったはクレオパトラと、同じくコンスの護衛のセド。セドにピンチが。そんなセドを守ろうと、信頼して戦うラトさんがとてもカッコイイです。しかも、コンス、ラト、セドにはある秘密がありました。コンスも何やら不思議な動きを。この3人、一体何者なんだろう…。

 晴吾は、神官団のメンバーたちと、真正面から向き合い始めました。勿論、それまでは大変だったのですが…。晴吾を見ていたメンバーたちの、本当の気持ち。晴吾が孤立した理由。思いのすれ違い。かなしい、さみしい、仲間になりたいけれど、どう人に伝えていいかわからない。この気持ちは、私もわかります。そんな晴吾に正面からぶつかってくる、素直になれと言い続けるイム。イムは偉い神官なだけではないのだな。人間としてもできている。やり方はまずい時もあるけれど、本当に憎めません。

 3巻でジェゼルが、今回クレオパトラが使っていた術の謎も気になります。一体、マガイは誰が仕組んだものなのか。ジェゼルとイムが元凶ではないのかもしれない…仕組まれたというだけで。

 5巻ではいよいよ仲間と本丸に乗り込みます。
 しかし、陽乃芽ちゃんの出番がないですね…名前の由来は、以前1巻感想で書いた通りでした。

・3巻感想:Im ~イム~ 3

・1巻:Im ~イム~ 1
・2巻:Im ~イム~ 2
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by halca-kaukana057 | 2016-07-08 22:02 | 本・読書

大人になるっておもしろい?

 図書館の本棚を何気なく見ていると、時々ふと気になる本に出会います。この本は以前感想を読んで、それが頭の片隅にあった本。気になったので読んでみました。


大人になるっておもしろい?
清水真砂子/岩波ジュニア新書・岩波書店/2015

 10代の若い人たちに向けた「どう生きるか」を問う本です。でも、大人が読んでも面白い。寧ろ、大人が読むと忘れていたことや、かつて思ったことがあったけど心の奥底に押し込めていたことを思い出して、ドキリとするところが少なからずあると思いました。10代に限らない、10代特有のものでもないと思います。

 「「かわいい」を疑ってみない?」、「怒れ!怒れ!怒れ!」、「ひとりでいるっていけないこと?」など、10代でぶつかるであろう様々な心の動きを、時には挑発的にぶった切るように、時には古今東西の児童文学や様々なジャンルの本からヒントを引用してわかりやすく語ったり、意外な問題提起をしてみたり…読んでいて飽きません。著者の清水さんは「ゲド戦記」シリーズ他、児童文学を中心に翻訳をされてきた方。また、短大・大学で教鞭もとってらっしゃいます。20代の大学生との授業でのやり取りや、学生達とのふとした会話も取り上げているので、大人が読んでも面白いものになっているのだと思います。

 私は10代、20代のはじめの頃は、そんなに社会や大人に疑問を抱いたり、反抗したりすることはありませんでした。大人の社会に接する機会がほとんど無かったためだと思います。寧ろ、同年代や先輩・後輩と自分自身を比べて、自分の弱さ、不器用さ、頭の悪さ、リーダーシップや行動力のなさなどに落ち込むことが多かった。大学を卒業し社会人となり、この本で語られるような大人や社会に対する疑問や反論が出てきた。今も、あらゆる場面で、自分自身はどう生きるのか、この社会でどう生きるのか…疑問ややるせなさ、憤りを抱き、それらのやり場がなく心の中に溜め込んで苦しんでいることがよくあります。

 そんな私が苦しんでいたことに、この本がそっと、時にはガツンと答えてくれました。時には、反論したくなる箇所もあります。それも若者の新しい文化なんだ、など。「生意気」に。それも、この本に対してだったらいいのかな、と思います。この本はそんな感情を許してくれる気がします。

 どの章も印象深くて、書こうと思うと全部書くことになってしまうのでやめておきます。特に、「怒れ!怒れ!怒れ!」、「明るすぎる渋谷の街で考えたこと」、「心の明け渡しをしていませんか?」、「世界は広く、そして人はなんてゆたかなのだろう」、「動かないでいるって、そんなにダメなこと?」の章は心に強く残りました。「心の明け渡しをしていませんか?」では、何でも話さなくてもいいんだ、と安心しました。最近悩んでいたことにつながりました。「世界は広く~」で、何もかも嫌になり「どうせ」と思った時どうするかの答えはガン!ときました。私ならふて寝してしまうのですが、清水さんの考え方とエネルギーには感服しました。私の考え方・行動のパターンから、真似するのはちょっと難しいかもしれませんが、頭の中に入れておいて思い出すことはしたいです。自分の弱さや傲慢さを自覚するために。

 取り上げた本や映画のまとめもあって、読んでみたい、観てみたい作品も増えました。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-03 23:06 | 本・読書


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

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