クインテット的音楽論

 今日のクインテットは新作だったからうれしかったです。シャープ君のタップダンス、なかなかのものでした。

 
私の好きな言葉に「No Music,No Life」というのがある。「音楽無くして人生なし」。素敵な言葉だと思っている。そんな状況が実はクインテットにもある。CD「You gotta quintet songs」にも収められている「クラリネット壊しちゃった+フラットさんのマンボ」のお話です。

 クラリネット吹き・フラットさんのクラリネットが壊れてしまい、演奏してもいい音が出ません。トランペットのシャープ君が励ましますが、フラットさんは落ち込んだまま。そんなフラットさんにチェリストのスコアさんがこう言います。
「なに、音楽があればすぐに元気になるさ」
「壊れててもいい、演奏しなさい」
演奏したくないといっていたフラットさんですが、「フラットさんのマンボ」が始まると演奏せずにはいられず、クラリネットを吹き始めます。すると、壊れていたはずのクラリネットからいい音が出るではありませんか。演奏が終わるころにはフラットさんも元気になり、クラリネットも直っていました。

 大事なのは音楽が好きという心。音楽が好きだから、音楽に触れると元気になったり慰められたりすると思う。私のへたくそな演奏でも、好きならそれでいいんです。(もちろん上手いに越したことはないけど)マイペースだけど、これからも音楽といっしょにいようと思う。

 そしてこんな哲学を、子ども番組のくせしてやってくれるクインテットも大好きだ。
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# by halca-kaukana057 | 2005-03-21 19:02 | Eテレ・NHK教育テレビ

青べか物語

 山本周五郎の現代小説です。小説というよりは民俗誌といったほうがいいかもしれません。でも、小説の分類なのですが。

 根戸川の下流にあるうらぶれた漁師町、浦粕を訪れた作家志望の「私」は、ボロ船「青べか」を買わされてしまう。それでも、景色が気に入り住み着き、やがて「私」は「蒸気河岸の先生」と呼ばれるようになる。その「私」の目を通して、漁師町の日常を描いたのがこの作品。

 独特の言い回しがあって読みづらいところはありました。一番気に入ったのが「芦の中の一夜」の章。船長の昔話が切なかったです。漁師たち街人が生き生きしていて、読んでいると元気をもらえそうな感じがしました。意外なラストも面白いです。
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# by halca-kaukana057 | 2005-03-12 19:41 | 本・読書

翼のある言葉


「翼のある言葉」(紀田順一郎・新潮新書)

 この本はいわば名言集です。著者が読書の途中で見つけた名言をノートに書き写し、それが本になりました。名言だけでなく、その背景や言った人の経歴も詳しく記されていて、思わず「へぇー」と言ってしまいました。

 心に残る言葉がいくつもあったのですが、その中から少し紹介したいと思います。
まず、アウシュビッツに送られた精神医学者、V・E・フランクルの『夜と霧 新版』より

 
気持ちが萎え、時に涙することもあった。だが、涙を恥じることはない。この涙は苦しむ勇気をもっていることの証だからだ。


 この言葉を読んだとき、まさに今の私自身だと思いました。

 もうひとつ、中国の小説家魯迅の『故郷』より、

 
思うに、希望とはもともとあるものだともいえぬし、ないものだともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には、道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。


 私がこの言葉に出会ったのは、中学生のころ教科書で『故郷』をやったときでした。今読み返してみて、もともとないものだから、もってなくてもいいじゃないか。希望は人が作っているものだから、いつか作れるだろうと思いました。

 悩んだとき、またこの本を手にしたいです
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# by halca-kaukana057 | 2005-03-08 21:10 | 本・読書

春の数えかた

「春の数えかた」(日高敏隆、新潮文庫)

 動物行動学者の筆者が、さまざまな昆虫や鳥をテーマにしたエッセイ集。どれも興味深く、面白かった。動物のことだけでなく、気象やスリッパの話題まであり、筆者の思考の豊かさを感じることができた。しかも、文章がとてもわかりやすいんです。私は文系人間ですが、理科や数学にも興味がある。でも、わけのわからない数式や法則を出されると「文系ですから」と逃げてしまう奴。この本は難しいことは抜きに、自然の成り立ちや謎を紐解いてくれる。「自然」を「知る」ことがとても楽しくなってしまう本でした。

 
 その中でも、屋久島の話には驚きました。私は屋久島に一度でいいから行ってみたいと思っている。その屋久島は、手付かずの自然というイメージが強いけれども、それは昔から手厚く保護されてきたからだ。今、屋久島は観光地となり、それに伴って環境も荒れ始めている。私が求めている自然とは何だろうと、この本を読んで考えました。自然保護についても触れているエッセイが多いので、自然について考えることもできます。
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# by halca-kaukana057 | 2005-02-16 20:12 | 本・読書

自閉症だった私へⅢ

「自閉症だったわたしへⅢ」 (ドナ・ウィリアムズ、河野万里子訳、新潮文庫)

 高機能自閉症である著者の手記第3弾。この本を読んでいると、著者の生きようとする強さに心を打たれる。第3弾では、同じく自閉症のパートナー・イアンとの生活を通して、「わたしの世界」から「世の中」、そして「わたしたち」の世界へと生活の幅が広がっていく。自分の意志とは関係なく行動してしまうことを「防衛心」と呼び、それから解放されるためにイアンと編み出した方法や、イアンとの結婚、そして関係を絶っていた著者の家族のことなど、著者の生きる様は本当に過酷だ。「わたしらしく」生きることがどんなに大切か、強く伝わってくる。

 自閉症を抱えながらも、他者と生きることを求めつづけるドナとイアンを、言葉では表せないほどすごいと思った。難しいけれども、読み応えのある本でした。
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# by halca-kaukana057 | 2005-01-23 20:49 | 本・読書

天国の本屋 うつしいろのゆめ


松久淳+田中渉「天国の本屋 うつしいろのゆめ」


 「天国の本屋」シリーズ第2弾となる作品です。”三流”結婚詐欺師・イズミはフィアンセとの旅行へ行く直前にアロハシャツの変な男・ヤマキに正体をバラされ、さらにハイジャック犯につかまり…。しかし、気が付いたらヤマキにある仕事を頼まれることになった。立ち退きを求められている家主・長一郎の家でヘルパーとして働き、立ち退き許可証にサインさせてほしいという仕事だった。頑固で偏屈な長一郎の態度にイライラしつつも、イズミは大切な記憶を思い出し始める。

 前作に引き続き、ヤマキの本屋が行っている朗読が面白い。今回はそれほど多くは出てきませんが。長一郎とイズミの関係に、しんみりしてしまいました。
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# by halca-kaukana057 | 2005-01-05 21:46 | 本・読書

赤ひげ診療譚

「赤ひげ診療譚」(山本周五郎、新潮文庫)

 山本周五郎の作品を読むのはこれで2回目。「さぶ」もよかったけど、「赤ひげ診療譚」もいい。

 長崎へ遊学していた医生・保本登は小石川診療所で見習い医として働くことに。診療所の「赤ひげ」と呼ばれる医師・新出去定にはじめは反発していたものの、去定の人間性や診療先の人々に感銘を受け、登は成長していく。

 登の成長を読み取ることもできるし、医療のあり方を問う作品でもあると思う。作者が大事にしていたという弱者へのまなざしを、しっかりと、一方で暖かく感じることができました。読んだ後で心がすーっとする作品です。

 今後も山本周五郎は読んでいこう。時代小説に苦手意識をもっていたのに、すんなり読める。
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# by halca-kaukana057 | 2005-01-04 20:18 | 本・読書


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